- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344022324
感想・レビュー・書評
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リアル〜!
面白かった。
地元の同級生が今どうしてるか、って話を聞かされてるような読後感。 -
2017.06.23 読了。
図書館にて。 -
地方出身で東京に出た私は身に染みる。
学生の頃エースだった男の子(椎名くん)、会うとドキドキするけどあの頃みたいなヒーロー感はなくなってる。
何にもなかった田舎の街。
それが嫌で東京に出た感じ。 -
JK。友だちと笑う。頭の中はピンク。この時間が普通すぎて、期間限定なんて気付かなかった。
大人になってしまったいま、時折 思い出す。「私もあの子も、いつのまにか歳をとった」と 。 -
何年か前に話題になった小説連作集。「郊外文学」なる言葉があるのかどうかは知らないけれど、もしそうしたものがあるなら間違いなく代表的な作品として語られるだろう。
僕がこの本を読もうと思ったのは、つい最近Moe and ghosts(というヒップホップユニット)と空間現代(というバンド)がコラボして作った音源の中で、この小説の文章の一部が引用され、朗読されていたからである。
具体的には、一つ目の「私たちがすごかった栄光の話」の冒頭の一文。「ファスト風土化」する郊外のロードサイドの店舗の名前を淡々と列挙する、あの文章。
この小説の中の各作品では、地方都市から都会(東京)に出たものの、結局出戻りして、さしたる刺激もない地方都市で暮らす人々が、主な登場人物。
僕自身は東京に近い都会の出身であり、そこからわざわざ東京を回避して地方都市(政令指定都市)に来た身なので、彼らの悩みは分かるようで分からないとも言えるが、「都会からの出戻り」というのは、単に「都会で生きていくことに疲れた」とかいうだけではなく、「年齢が増すのに伴って夢を見続けるのが難しくなった」という話でもある。だから、その意味で出身や生きている場所やがどうということに関わらず、ある種の普遍性がある。
この本では、どのような文化を楽しめるかということと、地方都市での生きやすさがリンクしている部分が一つにある。つまり、マニアックな音楽を聞くような層にとって、EXILEみたいなものが大手を振って消費される地方のマイルドヤンキー社会は生きづらい(その意味で、Moe and ghosts × 空間現代がこの曲を引用しているのは象徴的だ。ノイズミュージックを聞く人間が、田舎にどれだけいるというのか)。
ちなみに、これは政治的なものについて認識もこれとリンクするところがあるのではないかとも思った。リベラルな価値観は、やはり都市と相性が良い。農協と商工会議所がしれっと幅を利かせ、クソの役にも立たない助成金がドバドバ投入されるだけの地方で、空気のように存在する地主と自民党議員。政治ではないものの顔をして、政治が地面を覆っている。
なんだろうか。社会の底は抜けているはずなのだが、刺すような痛みというよりは気だるさが延々と続くような代わり映えしない日常がある気もする。状況は全然違うはずなのに「終わりなき日常を生きろ」(宮台真司)という言葉が脳裏で反射して消えた。「サイタマノラッパー」をまた観たくなった。 -
突然読みたくなる。自分を見失った時の前後不覚な時、いつの間にか。
ファスト風土化した地方都市で暮らす女の子たちの8つの物語。
本作を読むと、上京した時の自分、今の生活の自分、そしていずれは帰郷している自分という、過去、現在、未来が頭の中に浮かび、それは、将来の不安でもあり、過去への後ろめたさでもあり、今の自分に対する苛立ちでもある。「ここは退屈迎えに来て」というタイトルを見ると、上京する前の大学にも進学せずバイトをし、時間つぶしの為にブラブラと歩いていた日々を思い出した。ただ、実家が嫌だから東京に行きたいという憧れ。ここではない、何処かにという空想の日々。
でも、結局は「私たちがすごかった栄光の話」のように、近づいてくる東京生活10年という節目の現実に、上京当時の憧れとか意気が薄まっては実家に戻っている。それが手に取るように浮かんでは、モヤモヤしてしまうのだ。そして、いつの間にか慣れちゃって実家の店の手伝いをする日々…。嫌だ。だからと言って「東京の生活に残りたいほど楽しんでいるか?」と問いかけられたら、「別に」と曖昧に答えてしまうのも、現状。本書は、「では、もし彼女たちが大都市に住んでいたら退屈ではないのか?」と言うわけでもないのだ。
そんな自分が、退屈な毎日から抜け出すには、やっぱり恋人が欲しい。もしくは、バイト生活の毎日ではなく今やっている映画が好きで始まった映像編集で稼げれるようになること、か。出来れば両方とも欲しいけど、はっきりと手にしない限り「ここは退屈迎えに来て」とため息を漏らすのだろう。
そうそう、映画のタイトルやミュージシャンの名前がちょいちょい出てくるんですよ。ちょっとサブカル臭がしたのですが、著者の山内マリコさんは十代の頃に外国映画をレンタルする日々を送っていたからのようで、その部分が個人的に好感触です。んで、この本ジョージ・A・ロメロの「ゾンビ」っぽいのも感じる。ショッピングモールって、言わばファスト風土の象徴だから。退屈な日々をただ生きるだけの、ゾンビみたいな生活。抜け出したい。 -
85ページで挫折。
かなりリアルで面白いけど、なんとなく分かってたことだけどやはり個人的に小説は合わないらしい。それならエッセイでいいじゃん、てなる。
→とか言いつつ、結局全部読んでしまった。短編集だから、読みやすかったんだよね。つい読まされてしまった。くそ。 -
友達からあらすじを聞いて戦々恐々としながら読んだけど、とりあえず死ななかった。
前半が特に心削られる。
どこにもいけない、なににもなれない、ゆるゆると終わっていく閉塞感。
絶望というほどドラマティックじゃないのがまたつらい。
これ、章の順番が逆だったら読み終わったあと間違いなく倒れてた。若さって偉大だ。 -
私にとって、新聞の書評欄に載っていた本で「当たり!」だったことがあまり無いような気がする。
これもそう。
面白くなかった。
ブクログで自分と似た嗜好の方が面白いと評している本の方が、全く知らなかった作家さんの本でも「読んで良かった!」と思うことが多い。
ありがとう、ブクログ!
もう新聞書評欄は当てにしない。