- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344022324
感想・レビュー・書評
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2012/08
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映画化しようと思ったけど?能年玲奈ちゃんが出演を断ったとかなんとかのゴシップ記事を読んで、どれどれ…と手に取る。
短編なんだけど、全編に『椎名』という男が出てくる。年代は違うけど同一人物。この男、勉強もスポーツもそこそこ出来て不良じゃないけど不良の子達とも仲がいい、女の子にモテそうなタイプ。ああーそういう子っていたなぁーって昔すぎる昔を思い出しながら読んだ。
性描写があるから嫌なのかしらー? -
地方出身の女の子が主人公で、一話ずつ過去に遡る形の連作短編集。
毎回出てくる"椎名くん"との距離感、関わり方がその女の子の学生時代の立ち位置などを分かりやすく示しているようだった。また、女の子の心情がとてもリアルで、痛々しかったり馬鹿馬鹿しかったりするのだけど、どれも全くもって他人事ではないのが切ない。私自身は今「東京、二十歳。」の朝子ちゃんと同じくらいの場所にいるけれど、この先地元に帰ることがあるのか。絶対に帰らない、と息巻いているうちは、私はまだまだ若くて青いのかもしれない。 -
私も地方都市で高校を卒業して、東京の私大で学生時代をすごし、地元に戻って就職したので、わかるなぁ〜と懐かしく思いながら読了。
今、自分の子どもたちが高校生になって、田舎を出て行こうとしているので、何年たってもこういう思いは変わらないのかなぁとも思う。 -
地方都市に暮らす20代女子の連作物語。
どの作品にも椎名という昔みんなからもてはやされた男子が登場します。
ここは退屈なのか、心がありもしない素晴らしいものを追い求めているのか...
登場人物のグダグタ感というか、ダメダメ感がひしひしと伝わってきます。
こんな人たちにはならない...と思いながら読むのが良いのかな。当人にはわからないだろうな。でも渦中の人にこそ、外から見るとこう見えるよと伝えたい。 -
ある田舎町に住む若者たちの連作短編。
すべての章に椎名一樹という男性が出てきます。
椎名はかっこよくてスポーツ万能で
クラスでは目立つ存在。
高校時代から大人になるまで
語り手と椎名との関係はそれぞれ違います。
田舎の鬱屈した感じや都会への憧れ。
いったん東京へ出たものの戻ってきた人。
ここではないどこかへ行きたいという願望。
みんな抱えているものは
違うんだけど、最後はなんかスッキリする。
そしてそのスッキリに少なからず椎名が関わっている感じでした。
椎名は高校時代こそ、キラキラしていたけど
サッカー選手になることはできずに
なんだか田舎のヤンキー崩れのあんちゃんみたいになってしまい、かっこよさは失われている。
それでも、その椎名の影響力はあって。
なんだか皮肉だなーと感じた。 -
地方都市に育った少女の行く場所の無い混沌とした思いを、彼女らの日常生活での会話を通じて作者はさらっと描き出しているなかなかの小説『ここは退屈迎えに来て』を読了。日本は確かに東京、大阪、京都で出来ている訳ではないし、七大都市が代表しているわけでもない。名も無い都市に育っている(僕もそうだったが)、少年少女加えて育ったオトナ達の都会ではない場所でいろいろな思いでもって暮らす様子を描いた小説がもっとあってもいいかも。都市に住む人たちだけが日本に暮らす人たちではないのだから。文学賞の対象になる作品はなぜだか都会を舞台にした作品が主だからね。購買層が都会にいるのだろうが、もう少し考えてほしいなあ。
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初めて読んだ人。よかった。
どういうのがいいのって、人の言葉を借りるなら、寝てる間におもちゃの兵隊さんが出てくるとかいうのにわくわくしたりしないから。同じものを見てる人が、自分と同じ感想を持つのか、それとも違う風景に見えるのかにどきどきわくわくするのですから。
そういう意味でとてもわくわくしておもしろかったです。東京、二十歳。いちばん好き。 -
面白かったけど、印象に残っていないな。
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初読み作家さん。面白かった‼︎
地方都市に生まれた女の子たちの短編集。
東京に出た子が地元に戻って、地元の男の子と旧交を温めたり恋愛する話は、あきらめが混じって好きではなく、また、元同級生とか、幼なじみとか、男の子が絡む話自体が好きではないことを認識した。それでもどの話も面白かった。
特に次の3つがお気に入り。
「地方都市のタラ・リビンスキー」
フィギュアスケーターに憧れ、自分を直視できない子の話。意外な結末、あっさり騙された。
「やがて悲しき女の子」
ティーン雑誌の専属モデルとして売れっ子になるものの、雑誌を卒業するとともにただの人になり、地方に戻ってくる子の話。それなりに幸せな人生を歩んでいるところが良かった。
「東京、二十歳」
一人暮らしに憧れ東京の大学に進学する子の話。狭いながらも自分の城を持ち、人の多さに疲れながらも、田舎に帰らないと頑張る様子が好き。
(図書館)