日輪の賦

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著者 : 澤田瞳子
  • 幻冬舎 (2013年3月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344023543

日輪の賦の感想・レビュー・書評

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  • 初・澤田瞳子さんです。

    題材は面白いのですが。。。
    飛鳥時代末期、持統天皇(讚良:ささら)による大宝律令制定を舞台に描かれた歴所小説です。歴史小説の中でもこの時代の作品は少ないですし、律令制定という題材も面白い。
    しかし、どうも説明的すぎる文体が私に合わないのか、特に前半は遅々として進まず。せっかく地方から登ってきた青年(廣手:ひろて)を主人公にして、脇に男装の麗人(忍裳:おしも)を配し、その他にも結構魅力的な人物が配置されているのに。それが十分に生かしきれて無い様に思えます。何か人物たちの反応が予定調和的と言うか、浅く感じます。
    苦言めいたことばかり書きましたが、力のある作家さんだと思います。評価は他の作品も読んでからにしましょう。

  • 律令国家の確立を巡る歴史小説。「持統」の号の意味するところが掴めるような気がする、「日本」と「天皇」の始まりの物語。

    お話としてはいまひとつ。まず語り口に引っかかった。古代日本を生きる登場人物達があまりにも現代的な言葉で話すものだから、素直に楽しみづらい。地の文は解説込みだから当然としても、台詞はもう少しそれらしく仕立ててほしかった。口調ではなくもっと単純な語彙の問題。
    その他、暗示的な情景描写がしばしば入るわりにどれも似たり寄ったりなのと、女性としての讃良王の苦しみに忍裳という女性のそれを重ねて描くくどさ、過去の歴史を現在から見た時の予定調和を思わせる各登場人物の物わかりの良さがどうも臭い。作品の主題、人物の台詞と併せて、重さと軽さがちぐはぐなようで少し残念。
    ただ核となる「日本」の誕生、これについてはとても熱いものを感じられて楽しかった。自分達自身を指す言葉を自分達自身が決めること、その誇り。新たな体制で始まったこの国を寿ぐ、それ自体がこの上ない美称のような国号だと、当時も思われていたらいいなあ。

  • ◆きっかけ
    中国ドラマ武媚娘传奇の解説(http://drx.seesaa.net/s/article/440309937.html)を見ていたら本書のことが出てきて気になって 2017/1/22

  • 2016.02.兄の八束が京で亡くなった後,廣手が京に仕えることとなった.京では大海人の没後,大王の讃良は何とか律令制を整えようとしていた.廣手は兄の恋人だった忍裳と律令編纂している博徳の手伝いをする.兄の敵である丹比嶋と阿倍御主人が弓削王子を担いで無謀を起こそうするも失敗に終わり,そこへ藤原不比等が台頭してくる.そして,律令が完成し大王から天皇に,国名も倭から日本へと移り変わった.そして,廣手は律令制を説きに各地へと奔走する.日本誕生の歴史が分かった!

  • 澤田瞳子にややはまり.
    「倭国ではなく日本と言え」の一言で大正解だ.

  • 大宝律令を制定し、日本という国号や天皇という地位を定かにした、持統天皇末期の時代。
    上京したまま不審な事故死を遂げた兄の足跡を追って、都煮上がった青年官吏。金工職人を救ったところから、きな臭い政争に巻き込まれていく。

    持統と聞くと、数々の小説からどうしても鬼女っぽさを思い浮かべるが、女性らしいねちっこさがない。法を制定して国外の圧力に負けぬ国づくりのために、敵味方に分かれていた者が志ひとつになり、やがて不穏分子が一掃されるラストは痛快。

    歴史小説であるが、当時の世相や政治などについて詳しく資料にあたったことが伺える。男装の麗人の存在のみがただファンタジーっぽくて軽く感じるが、主題は官吏の卵たちの活躍である。

    天皇機関説を下敷きにしたと思われる法解釈、相続に関する引用、ただの歴史ドラマだけに終わっていない。そして日本が原始国家から法治国家へと脱皮する、その基点を告げるシーンとして、主人公の敵討ちをあのような結論でまとめた手法には感服する。

    国難多きこの時代に、国をよくするために我々にできることはなにか、そんな問いかけをもった良作。タイトルが大仰すぎると思ったが、名前負けしてはいない。

  • 国づくりの小説が面白くて、幕末から一気にさかのぼってみた。壬申の乱から、讚良大王(後の持統天皇)が大宝律令を制定するまでの物語。もちろんほぼフィクションだが、新羅や唐などの脅威と、古くからの豪族による、時には皇太子の暗殺まで行われる激しい抵抗にあいながらも、法治国家を目指した女帝と今でいう官僚たちの戦いが非常に面白い。いつの世もこういう志を持った人間が大切なことを成し遂げるのだと思う。

  • 2014.06.17

    倭国から日本へ、大王から天皇へ。
    百済や高麗などの隣国が滅びる中、生き残りをかけて律令による中央集権国家を目指す。

    わずかな領地を巡って争っていた戦国大名たちよりも、飛鳥時代の人の方がはるかに国際感覚が豊かで、海外からの危機意識が高かったことに驚いた。

  • 2014.4.15
    最初、読みにくかったがさいご、どんどん盛り上がり、面白かった。この時代の作品はロマンを感じる。

  • 持統天皇・上皇が大宝律令を定めた時代を舞台にした歴史小説です。日本史の授業で藤原京、飛鳥浄御原令、大宝律令という用語や年号は覚えたことがありましたが、その時代背景や主要プレーヤー達がどういう人たちであったのかといったこは、これまで全く知りませんでした。
    読んでみると想像を遙かに超えてドラマチックで、どこまで作者のフィクションなんだろうと思い、Wikipediaで「持統天皇」を調べてみると、骨格部分はかなり史実に忠実であることがわかり、さらにびっくりしました。
    日本の歴史小説の舞台と言えば、源平、戦国、幕末がほとんどで、あとはせいぜい南北朝といったところですが、この本のような、それ以外の時代でもドラマチックでおもしろいエピソードがまだまだあるのではないかという期待を抱かせてくれる本でした。
    おすすめです。

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日輪の賦の作品紹介

ときは7世紀終わり-古よりの蔑称「倭」の名に甘んじる小国は、海を挟み強大化する唐と新羅の脅威にさらされている。国家存亡の危機を前に、改革を急ぐ女王・讃良(さらら・持統天皇)と、それに反発する豪族たちの対立は激化していた。讃良により国の仕組みを根本から変える律令の編纂が密かに命じられる裏で、ある恐ろしい謀略が動き始める-。書き下ろし。「日本」誕生の壮大な歴史エンターテインメント。

日輪の賦のKindle版

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