天帝のやどりなれ華館

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 152
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (487ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344023567

作品紹介・あらすじ

別名『氷の聖女』。子爵令嬢にして英国公爵令嬢・修野まり。頭脳明晰だが、感情面に難あり。『冷血柏木』柏木照穂。気の強さは天下無双。無類の文学狂い美少女・峰葉実香。降りかかる厄災と大人たちの思惑、はりめぐらされた罠に、3人が立ち向かう!脱出不能の華館に蔓延する致死ウイルス。しのびよる殺人鬼に刻々と近づくタイムリミット-絶対絶命の状況に、3人の高校生が挑む。

感想・レビュー・書評

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  • 2022/06/28 読了。

    図書館から。

    まほろが出てこない―ので、だいぶ読みやすいのでは。
    ルビや遊びの部分が少ないし。

  • 天帝シリーズ。6作目。
    今度はエボラウィルス。東京駅にある老舗国産ホテル。そこに止まった柏木、まり、実花。吐血下血する宿泊者。飛沫はもちろん空気感染するエボラ。これ、コロナ前に書かれたもの。隔離される(というか閉じ込められる)宿泊者たち。まりは、朝から出かけてたため、閉じ込められず。
    エボラに侵され死ぬ運命なのになぜか銃殺される3人。で推理大会。自分の人生を奪われた影武者ww
    題材がショッキングね。結局由香里なんだがw
    で、語り手が柏木だから、例のルビだの言い回しがなく、まぁ読みやすいかも。あれはあれでいいけどw

  • 再読。天帝シリーズ。作品内の時系列としては「果実」の次となる。今作の語り部はいつもの古野まほろではなく修野まり、柏木照穂、峰葉実香のそれぞれの視点で進行していく。本作はパニック小説とサバイバル小説の両面を兼ねているがそれにミステリも備えているという充実ぶり。状況説明や場面描写などが多くミステリとして多少弱い面はあるが、それでもこの奇矯な状況での犯人当てには素直に感嘆した。別作品の「群衆リドル」との繋がりや、あの「虚無への供物」を連想させるような言葉などもありミステリファンならば思わずニヤリとしてしまうかもしれない。

  • 天帝のやどりなれ華館

    181222読了
    今年110冊目今月6冊目。

    #読了
    #古野まほろ
    #天帝のやどりなれ華館

    純度から言えばミステリではないのかもしれない、批判もある。でもね面白きゃいいんだと思う。
    衒学趣味は控えめだが、却ってリーダビリティを高めていて、一気読み。

    柏木照穂、スペック上もまほろを食ってるんじゃないか。

    このシリーズたまらない。

  •  東京駅ステーションホテルのスイートフロアで、エボラ出血熱が発生! というトンデモな事態のお話なんだけど、シリーズで一番読みやすかった。
     何故なら! まほちゃんが語り手ではないからだ!!wwww

  • 古野まほろ天帝シリーズ最新刊にして番外編。
    1.5巻という位置づけなのですが、語り手がまほろではないため随分と新鮮な印象で読むことができました。
    柏木のキャラクターって確かに冷血とか言われてたけど、事件の経過の中での捜査などここまで徹底しているとは思わなかったので、その辺は意外でした。それにしても。

    柏木は親友を思った。ここにはいない親友のことを。もし此処に奴がいたのなら、絶対にこう言うだろう。ねえ柏木、すごいよ、明治のひとって僕等とは違うんだねえ、頑張って頑張って背伸びして——見てよこの赤煉瓦、こんなに湿度と温度を感じる煉瓦、僕見たことない。柏木綺麗だよ、触ってみようよ、本当に美しい——。

    ってこれ完全に出来上がってますやん!相当に恋愛のフィルターかかってるでしょ!!

    はふう。もとい。

    今回は今最もホットな話題(なはずなのですがもう旬は過ぎてますね、本当に時勢の移り変わりははやいです)のエボラ出血熱に取り憑かれた東京駅ホテルを舞台にしているのですが(これも最近ホットな話題でしたね)、続巻があるので主人公たちが生き残るのは分かっているはずなのに、はらはらドキドキしっぱなしでした。
    ここ最近の天帝シリーズの傾向として、舞台がどんどん混沌としてきているように感じているのですが(鳳翔なぞ3000人殺しだぞ)、この話では余りに舞台が過激すぎて逆転現象が起き、肝心の推理(殺人事件)の部分が印象が薄くなってしまいました。密室とか、分かりやすい謎もなかったし、推理合戦も弱めだったので。

    さてこれでずっと溜め込んでいた天帝シリーズを遂に読み切ってしまった訳ですが(今年あたり新刊出ないかなあ。短篇集出るっぽいことをtwitterで書いてたんだけど辞めちゃったからなあ)、文庫(新訳)版に、流れていこうかなと思っています。

  • 図書館にて借りる。これから東京駅使う時に思いだしそう。

  • 天帝シリーズだけど、ちょっと番外編という感もあるかな? あ、一作目と二作目の間の物語なのですね。
    バイオテロの発生により、封鎖されたホテル。その中で起こる殺人事件。感染の恐怖と殺人者の恐怖と、しかもタイムリミットが来れば軍によって抹殺されてしまうという、そりゃもう救いようのないスリリングすぎる状況。それなのに冗長な語りを繰り広げるのねやっぱりこの人たちは(笑)。
    この状況で殺人を犯すことの動機等についてはきっちり本格。でもこのいろんな手がかりはちょっと難しかったかな。○○の違いについては全く分からなかった……。

  • 新種のエボラウイルスが蔓延するクローズド・サークル内における連続殺人。シチュエーションの異様さに対して、推理パートは堅実そのもの。謎解き部分にもっと、ウイルステロの最中だからこそのアクロバティックな発想や動機を組み込めていれば、よりレベルの高いミステリに仕上がったと思います。とはいえ、アウトブレイク系のパニック・サスペンスとしては充分以上に面白い。「天帝」シリーズの番外編にして『群衆リドル』の元凶であり、『セーラー服と黙示録』や『復活』ネタを回収しつつ、「探偵小説」シリーズがなぜコモの独壇場だったのかという裏話も明かされる、“まほろワールド”史上最も重要な位置付けにある一作です。

  • 古野まほろ最高。

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著者プロフィール

東京大学卒。リヨン第三大学法学部第三段階専攻修士課程修了。元警察官僚。2007年『天帝のはしたなき果実』でデビュー。以後続く「天帝シリーズ」は、高校生、大学生を中心に熱狂的なファンを獲得。他著作に『絶海ジェイル』『背徳のぐるりよざ』『その孤島の名は、虚』など。

「2022年 『老警』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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