わりなき恋

  • 344人登録
  • 2.76評価
    • (5)
    • (20)
    • (52)
    • (29)
    • (15)
  • 57レビュー
著者 : 岸惠子
  • 幻冬舎 (2013年3月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344023611

わりなき恋の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 私なんて全くのヒヨッコだぜ、っていうくらいずっと大人の「理なき」恋を描く。
    一時期あちらこちらで評判だったので読んでみた。

    どうも文章があっちに行ったりこっちに行ったりで読み難い。想像なのか現実なのか過去なのか現在なのか。混乱。
    九鬼は早々に「もうじき還暦です」と年齢を明かすけれど、笙子はいつまでも「母」の思い出に浸っていたり、年齢がよめない。
    のに、いきなり「70歳になったのよ!」と、え?ここでいう?っていうシーンで明かされて、彼もビックリかもしれないけど、私もビックリだった。

    年齢が出てきたことで、登場人物の脳内演出がますます困難!
    マックの原田社長とか原丈人さんとか?(たんに私がファンなだけだけど、モデルの方がイメージにあわなくて)いや、でも不倫ですよ。
    また役所公司?
    エロシブいオジサマ俳優、昔はもっといたよね。
    笙子はもっと難しい。さゆりや富士純子じゃ大人しいし、加賀まりこ?桃井かおりでは若すぎる?
    とにかく悶々としながら読み進める。
    これはハイソな世界でないと成り立たない感じ。
    仕事の隣席のおじさまも60歳ですが、年上と恋するようには思えない。いろいろ恋多きオッサンのようですが。(独身です)
    これは日本人で考えないほうがしっくりくるのかも。
    「年とった一人の女を、女として描く映画なんて、今の日本には生む文化的土壌がないのよ。」という笙子の友人女優の台詞があったけど、そういうこと。
    日本では70歳はおばあさんであることしか許されないのかもしれない。

    歳を重ねると経済的余裕、場数を踏んだ余裕はあるけれど、プライドや矜恃もガッチリと存在してる。
    自分の立場も「壊す」わけにはいかないものもハッキリしている。
    そんな中での「恋」。
    「愛」ではなく「恋」。
    二人の教養の深さが羨ましい。
    短歌、詩、絵画、映画が彼や彼女の心情を代弁するシーンも多い。
    仕事に打ち込んで来た彼が仕事以外に居場所を見つけ出したとき、二人の関係にも変化が。
    読み終わって、人はいつまでも何かに挑戦できるのだなと強く感じた。笙子の仕事への情熱は最後まで衰えないし。
    ウチの70代はすぐに「80で死ぬからもういいわ」って言うけれど、この気持ちの差はどこからくるんだろう。

    エピローグが意味深でジンワリとさびしくなった。

  • 母の本棚から拝借。

    話題になっていましたねー。
    70歳からの恋。
    いやらしい意味ではなくアダルトな内容でした。

    これから高齢者もどんどん増えていくし、この年齢から始まる恋も珍しくなくなるのかも。

    ただ、内容がセレブリティで若干置いてきぼりにされた感はありました。

  • 高齢者の恋・愛・性

    「私は岸恵子をエエカッコしいと思っていたが、ここまで己をさらけ出す小説がかけるとは!」みたいな幻灯舎社長見城徹氏のキャッチコピーにまんまとひっかかって買ってしまった。最後まで退屈せずに読めたので最低限の水準は越えている恋愛小説ではあるが、単行本で買うことはなかった。ブックオフで105円になるまで待つべきだった。

    お話は、若いときに夫を亡くした自由で孤独な69歳の国際的女性ドキュメンタリー作家と分刻みで世界を駆け回り妻や子供たちの世界に交われない58歳の大企業エリート幹部が出会ってから6年間の恋と性と愛の物語。たぶん、この本は岸恵子さんの実人生とかなり重なっていると思う。

    上質な恋愛(性愛)小説には読んでいてときめいてドキドキしたり、ジーンとしびれたりするが、この本は読んでいてそういうものがほとんど感じられない。

    なぜそうなのか?
    主人公二人の年齢が高齢だからか?
    主人公二人の世界がセレブすぎて庶民からかけ離れているからなのか?
    著者の作家としての力量不足なのか?
    それとも、読んでいる私が高齢(65歳)だからなのか?
    そのいずれかであり、すべてであるかもしれない。

    まあ、お金と時間が無駄になったとは思わない(そういう本もあるが)が、五つ星が満点でかろうじて合格★三つである。ブクログの私の評価で星四つ以上は自分の本棚に永久保存、私の超おススメ。星三つは合格点だが私の本棚に残す本と本棚に残さずブックオフへ売る本に分かれる。「わりなき恋」は★三つでも単行本でスペースを取るしブックオフ行きと思ったが、最後の別れのシーンに少しジーンときたのでとりあえず本棚に。

    少し厳しいレビューになりましたが、岸恵子さん、貴女は数多い私の好きな女性の一人です。少し前にTVで拝見しましたが、八十路を越えられてもなお美しく、知的で、お転婆な貴女は日本の宝です。

    蛇足
    恋とは自分の意志とは関係なく落ちるもの。恋ははしかのようにかかるもの。年老いても恋に落ちることがあるが、性欲の強い若いときの方が恋に落ちやすい。性欲と恋は分ちがたく混同しやすい。

    性(欲)は食欲と同じ。「食べる!」「食べたい!」「美味しそう!という言葉を性的な意味で使っても何の違和感も無い。理屈でなく善も悪もない本能。性欲も食欲も心(意欲)と体の部分がある。食欲は、年を取ると胃や歯など体の能力が落ちるに比例して食べる心(意欲)もすくなくなるが、性欲は年老いて体の能力が落ちても心(意欲)の部分が若いときとほとんど変わらないところが違う。年取ってそれは煩わしくもあるが、それが無かったら生きている楽しみが半分以上無くなるだろう。

    愛とは何だろう?やっぱり、これがいちばん難しい。
    誰にとっても、人生の最終課題。
    まず、自分に執着しないこと?
    他者へのやさしさ、思いやり、想像力?
    言葉にすれば、そんなことだろうか?

  • 久々に読んでいるのが苦痛だった。
    次に控えている本を横目で見ながら、もうすぐアンタにたどり着くから待っててね、と奮い立たして読み終えた。

    大人の恋愛は大いに「アリ」だと思っている。
    それが、70オンナと年下男の話、となれば、期待して読み始めたわけだ。
    幻冬舎のどぎつい広告に惑わされて、ね。

    そしたら、コレだ。
    なんだ、コレ。

    小説としてもテイをなしてない。
    上っ面だけの散文集みたい。

    70オンナのゴージャスなありえない生活ぶりも、そりゃあ、本の中でいえば、アリ、だろう。
    恋愛だって当然。
    震災の下りも、筆者はたぶん、現地に行ったんだろう。
    でも、中途半端。
    ここの中では恋愛話の彩りにしかなってない。
     

    さ、次を読もうっと。

  • 小説でも私事報告書でもないヌエのような得体のしれない迷文章

    才色兼備の俳優でありエッセイストでもある著者が70歳を超えて年下の男性と大恋愛をして、その顛末を小説に書いたというふれこみの広告にだまされたふりをして早速読んでみましたが、まあこれはなんと申しましょうかあ、半分は小説で半分は驚きのプライバシイ、しかしてその実態は小説でも私事報告書でもないというヌエのような得体のしれない迷文章が出来あがってしまいやしたあ。

    小説の中での主人公と私との区別がずぶずぶだし、ヒロインが恋に落ちた相手の男性の小説世界での存在感が最後まで不明確で、いったい彼のどこにどんな魅力があるのか恋に理なき私にはさっぱり分かりませんでした。

    しかしこういう小説を書けば世間の話題にはなるでしょう。有名無名の若いタレントや芸能人が毎日のようにくっついたり離れたりしていますが、それはそれが彼らの商売であり営業政策だからやっているだけのことで、少し知恵のある映画俳優、まして多少まともな物書きなら、色恋沙汰は世間に隠れて楽しむのが筋ってえもんでしょう。

    まして“老いらくの恋”ってえもんは多少はこっぱずかしいことでもあるからして、普通は黙って墓場の中までお持ち帰りになって、「おほほ、もう老い先短い人生なにもないかと思っていたら、思いもかけずにこんな素敵な人に巡り合えてよかったわね」なぞと思い出し笑いしながら成仏するてえのが世間の常識、女の嗜みとでもいうべきもんではないかと超保守派のわたくしなんぞはかたくなに愚考するわけなんでありやすが、どこでどうとち狂ったのかこの岸さん、顰蹙は買ってでもゼニにしたい?という料簡の編集者の口車に乗せられて、一流作家になったつもりでこんな本を書いちまった。やれやれ。

    蛇足ながらこの題名は清少納言の祖父の清原深養父という歌人が詠んだ「心をぞわりなきものとおもひぬる 見るものから恋しかるべき」からとられたようで、こういうのはサスガ岸さん!と思わされたりもするのでした。

  • 歳は十分すぎる国際的に活躍する女と初老のトップビジネスマンの恋。社会的活動(仕事を持っている)は年齢を超える。二人の差異は過ごした時間の歴史だけ。男女の年齢差を感じさせない現役の恋愛。別れは年齢が理由ではない。岸惠子さんのパワフルさがじかに感じられる。加齢による性的な違和感が巷では話題だけれど、そんなことは、男女の恋愛において本質的な問題ではないんだよ。文章は説明的だし、冗長だけれど通俗小説ではなく、自伝的小説です。

  • 出会った当時このままでは二人とも焼き焦げてしまうのではないかというくらい情熱的に恋をしていた。ただ彼には家族があり、時の経過とともに少しずつそれが垣間見えてきて苦しむ主人公。また、今までに見たことのなかった彼の一面に触れた時の彼女の驚き。恋もその他の人間関係も突き詰めていったとき、疲れのようなものを感じるのかもしれない。彼は孫に触れたときその喜びを隠すことなく彼女に話し始めた。彼女は嫉妬より彼の幸せそうな姿を見て、互いに愛していたけれど、彼を家族のもとに返す決心をし、彼が飛行機に乗るとき別れの手紙を手渡す。愛していながら相手を思いやり分かれていく二人が素敵だと思った。苦しんだとしても何もない人生より良いのかもしれない。私もいくつになってもこんな恋のできる人でありたいと思った。

  • 【世界中をデートする高齢者のおとぎ話】
    かなり読み進めるまで、笙子が70才だなんて分かり難い文章だったので、びっくり。
    全体的に笙子は江國香織に出てくる、外国人ライクなおばさまって感じの性格。海外を自由に行き来する才能に溢れた生活には憧れるけど、やはり九鬼含めて、なかなか有り得ない人物像で、
    その忙しい二人が不倫するってのも、リアリティに欠けまくると思う。

    そもそも九鬼は本当にむかつく!
    会社関係者に笙子を同席させたり、いきなり北海道旅行したり、軽井沢の本妻用の別荘を見に行く旅行をしたり、無神経すぎる。
    時々笙子が「このひとは私を壊していく」と逡巡するシーンがあるが、ほんとに見方によれば、ホラーだと思うわ

    あと、笙子がドキュメンタリー製作者であるから、仕方ないが、少々世界中を旅しすぎる。その箇所箇所でのトリビアやエピソードが多すぎて、散漫になっているあ

  • 人生について…
    「人間はみんな道を外したり、立ち止まって考え込んだりしながらいきてゆのよ」
    「私はしあわせを壊すために存在していません。私はしあわせを作るために生きています」
    「人生なんて、忘れていたさまざまな思い出のかけらが繋がってできているものなのよ」

    愛について…
    「私たちの愛は時を経て静かにかたちを変え、もっと安らかなものになったのかも知れないし、鮮度を薄めて引き潮のように浜辺から遠ざかりつつあるのかも知れない」
    「愛なのか、愛着なのか、執念なのか、惰性なのか。彼を肌の一部のようにも感じるけれど、私が彼のどのあたりにいるのか分からない」

  • 歳いって、そんなに好き勝手なことしたらアカンやろう!って感じですが、まぁちょっとはうらやましくもあります!

全57件中 1 - 10件を表示

岸惠子の作品

わりなき恋を本棚に「読みたい」で登録しているひと

わりなき恋を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

わりなき恋を本棚に「積読」で登録しているひと

わりなき恋の作品紹介

孤独と自由を謳歌する、国際的なドキュメンタリー作家・伊奈笙子、69歳。秒刻みのスケジュールに追われる、大企業のトップマネジメント・九鬼兼太、58歳。激動する世界情勢と日本経済、混沌とするメディア界の最前線に身を置く二人が、偶然、隣り合わせたパリ行きのファーストクラスで、ふと交わした『プラハの春』の思い出話…。それがすべての始まりだった。容赦なく過ぎゆく時に抗う最後の恋。愛着、束縛、執念…男女間のあらゆる感情を呑み込みながら謳い上げる人生賛歌。

わりなき恋のKindle版

わりなき恋の文庫

ツイートする