リターン

著者 :
  • 幻冬舎
3.18
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本棚登録 : 577
感想 : 94
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344024106

作品紹介・あらすじ

高尾で発見された手足と顔がない死体、それは、10年前ストーカー・リカに拉致された本間だった。警察官を殺し、雲隠れしていたリカを追い続けてきたコールドケース捜査班の尚美は、同僚の孝子と共に捜査に加わる。捜査が難航する中、孝子と結婚の約束をした恋人・捜査一課の奥山から連絡が途絶えた。彼の自宅に向かった二人が発見したのは…。

感想・レビュー・書評

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  •  あのリカが十年の沈黙を経て復活した。という触れ込みだ。

     前作「リカ」の作品に登場した菅原刑事は、見てはいけないものを見て発狂し心が壊れた。
     今は、恍惚の人となり治る見込みのない入院生活を送っている。そこにある女性刑事が以前菅原刑事に、入庁してから一年余り世話になった関係で、毎月一回の見舞いはもう十年になる。
     梅本尚美は、警視庁捜査一課コールドケース捜査班に所属している。過去の未解決事件を調べ直す部署が新設され、同期の青木孝子と共に異動し勤務している。
     尚美は、直接かかわっていないが「リカ事件」については、警視庁捜査一課では誰よりも知っている。過去十年の見舞いを続けているのは、事件のことを忘れないためでもある―。

     ある日、山歩きを愛する男性が、敬馬山の中腹で道路下三メートルのところで白いスーツケースを見つけ、道路に引っ張り上げた。男性は不法投棄と思い一応中身を確認したところ、死体が入っていた。驚いて警察に通報したところから物語が始まる。
     警察の調べによると、かねてから捜査していた被害者の遺体であることが判明したのだ。色めき立ったのは捜査一課の連中だ。早速捜査本部を立ち上げ、捜査が始まったが思うように進展しない。

     尚美の二年先輩刑事奥山が、四日前から行方不明で、心配になった青木刑事は尚美を連れて奥山の自宅マンションに行った(奥山と青木は婚約している)そこで彼の死体を見つけたのだ。しかも身体が解体されている。首は切断され眼は刳り抜かれ鼻耳は削がれていた。手口から、リカの仕業だと判明し復讐を誓う。青木は尚美に『これはあたしの事件よ』『必ず仇を取ってやる』と息巻いた。

     著者は、眼への執着が窺われるように思った。だから見えない相手が怖いと感じるのだろう。二人の女刑事の奮闘ぶりが面白い、相手は人間じゃない、怪物だ!と言いながら、揺動作戦にでる。女の執念の闘いだ!

     リカの本質は、飽くなき女性の欲求を満たすこと。

     狂人だが怪物ではないと思う。

     尚美自身も、知らないうちにリカの魂が乗り移った様に感じる作品だった。
     読書は楽しい。

  • 前作「リカ」を読んでTVドラマも始まったので読まずにはおれないだろう。ただ初期設定でリカを眉目秀麗にしていないので残念ながらグロだけの展開になってしまいエロがないのが残念だ。高岡早紀レベルにしておけばエロ展開も可能だったのにおしい。しかしここで死んでしまっては続編は作れないだろう、次は「リバース」ってことらしいがは遡ってリカの生い立ちでも書く気かな、それとも尚美にバトンチェンジ?ホラーサスペンスといっても超越した展開が多く「貞子」に近い感じがする。

  • リカシリーズ第2弾。前作で本間隆雄の壮絶な姿を見て発狂した菅原刑事。そして、10年後隆雄の遺体が発見される。奥山刑事もリカを誘いだし接触しようとするが殺害され、コールドケース捜査班で奥山の恋人の青木孝子刑事と同期の梅本尚美刑事が隆雄に成りすましメールを送りリカと接触を計るが、尚美がリカに拉致される。リカは危険なまでも頭の良い犯罪者であり常識は通用しない異常者。孝子と尚美の独断での行動が納得がいかないのと最後は前作同様銃弾を受けたリカだが、この復活は現実性に欠けるのではないか?人間ではない、化け物なのか?

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    高尾で発見された手足と顔がない死体、それは、10年前ストーカー・リカに拉致された本間だった。警察官を殺し、雲隠れしていたリカを追い続けてきたコールドケース捜査班の尚美は、同僚の孝子と共に捜査に加わる。捜査が難航する中、孝子と結婚の約束をした恋人・捜査一課の奥山から連絡が途絶えた。彼の自宅に向かった二人が発見したのは…。


    『リカ』の10年後の続編...
    前作ほどの衝撃はないものの 手足と顔のパーツの無い本間と10年も一緒に暮らしていたことに驚きました。
    リカの詳しい生い立ちなどわからないまま リカは本当に死んだのでしょうか?
    尚美はミイラ取りがミイラになっちゃうのでしょうか?
    またまた、続編が気になります。

  • リカリターン。本間の遺体が山から見つかった。死因は喉に食事を詰まらせて死んだのだから、あれから10年ほどリカと共に暮らしていたと思うと、本間を助けられなかった菅原は心を壊してしまったので、死体が見つかった事を知らない事は彼にとっては良かったかもしれない。しかし、リカは出会い系サイトで知り合った男性を殺害した。それは孝子の恋人で捜査一課の奥山だった。孝子と尚美は本間になりすましてメールを送りリカと会う事に。あんなに捜査員がいたにも関わらず尚美を拉致した。孝子によってリカは本当に死んだのか未だ信じられない。

  • 高尾で発見された手足がない死体、それは、10年前に狂気のストーカー・リカに拉致された本間だった。
    10年間リカを追い続けたコールドケース捜査班の尚美は、同僚の孝子と共に捜査に加わる。
    姿を現さないリカに手をこまねいていると、孝子が恋人である捜査一課の刑事・奥山と連絡がとれないという。
    彼の自宅で二人が見たものは――。
    復讐に燃える孝子に手を貸すことを決めた尚美は、メールでリカをおびきよせることにするが、それは、新たな惨劇の幕開けなのか!?
    (アマゾンより引用)

    いや、怖いのよ
    リカの生命力が。
    孝子さんはカッコいいなぁ…

  • 気のせいだと思いますが、読んでる間中、目が痛くなりました・・・

  • 「リカ」続編。前作は確実に読んでおいた方がよいです。できれば文庫版。
    恐るべき所業を成し遂げて、姿を消したリカ。その十年後に起きたさらに恐るべき事態。まさかあの人があのままだったなんて……恐ろしいにもほどがあります。リカの執着には戦慄するほかなく。
    そんなリカに立ち向かうのは、大切な人を奪われて復讐に燃える二人の女刑事。ただ、リカを見つけて対決するまでの過程が案外とあっさり。前作に比べると全体的なボリュームもちょっと物足りないなあ、と思ってしまったのですが。
    ……なんじゃこのラストは! とんでもなく邪悪なことをやってくれますねえ。たしかに衝撃でした。愛って恐ろしい!

  • もうなんというか、鳥肌と吐き気と闘いながら読み終えた。
    読んでる途中も、読み終わった今も、胃の中がどんよりと重苦しくて。久しぶりに癖になるイヤーな作品。
    リカ、怖すぎます。同じ人間だとは、同じオンナだとは、思えない。
    思えないし、絶対に会いたくもないけれど「リカ」という圧倒的な存在にはものすごく惹かれてしまう。
    「愛」の究極的な形は一方通行の感情であり、猟奇の極限には「愛」があるのだ、と思えてくる。
    「リターン」…そう、戻ってくるのだ。こうやって第2のリカの「愛情」がまた始まる

  • リカシリーズ第2弾。警察の捜査が主軸となって展開していくのだけれど、捜査が少し杜撰に感じる。相変わらずゾッとする結末。終わらせ方が秀逸で気になる。気になる。孝子の最後の12発に漢を見た。

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著者プロフィール

1961年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。『リカ』で第2回ホラーサスペンス大賞を受賞し、翌02年デビュー。以来、警察小説・青春小説・サスペンス・時代小説等、ジャンルにとらわれずに活躍中。

「2023年 『交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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