幻年時代

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著者 : 坂口恭平
  • 幻冬舎 (2013年7月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344024304

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幻年時代の感想・レビュー・書評

  • 小さい頃のことを思い出した。

  • 坂口恭平の、幼いころの思い出を描いた話。
    よくこれだけ様々な瞬間を記憶の中に残せていたな、と思います。
    自分が幼いころに感じ、しかし言語化できなかったその感情が、この本の中には言語として存在していると感じました。

    死ぬときは走馬灯が見えるといいますけど、自分が4歳くらいの頃の景色も見えるのかな。著者同様に、不思議な本です。

  • なんかよくわからん作品。

  • 自分の幼い頃、過ごした場所での暮らしを思い出すような話。頭の奥深くにあった、遠い昔の記憶をくすぐられるような。

  • 独立国家のつくりかたとはまた違う作風。坂口恭平の幼少時代のお話。ノスタルジック。

  • BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー“今週の新刊”で登場。
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/highlight/01.html

    サブカルの聖地・下北沢の書店B&Bの店員木村綾子さんが紹介したのは坂口恭平さんの「幻年時代」。

    「彼の原点を知ることが出来る一冊。
    坂口恭平さんが4歳の春に巨大団地をはじめて出たところから開かれていく世界。
    半ば自伝でもあり、素晴らしい小説になっている。」
    (B&B木村綾子)

    原宿ブックカフェ公式サイト
    http://www.bsfuji.tv/hjbookcafe/index.html
    http://nestle.jp/entertain/bookcafe/teaser.php

  • 以前TVで石田衣良さんと対談していた。
    あの石田衣良さんが、ちょっと厳しい現実を彼に伝えていたのをとてもよく覚えている。

    理想にはるかに近づこうとする姿は素晴らしい。
    ただ、時代に合わない。それだけな気がする。
    いつか彼の行動がしっかりと実を結んでくれたらなぁ、なんて思った。

    文章自体は少々苦手なところもあるかと思いきや、とてもすーっとしみこんでくるような表現や考えもあり、なんだかんだ言って全体的にバランスはとれた。読んでいて。

  • 回りくどい言葉の積み重ねだな、と、絡まるような例えだな、と思いながら読み進めて、ふと戻ってくるゾッとする感覚があった。わたしにもある。わたしも知っている、幸せなふりをした家族の裏側を疑っては、逃げられない不安と悲しみに怯えていたこと。あ、あの例えは、幼い経験を積み重ねた言葉たちだったのか。坂口家と異なっているのは、食卓の団欒の姿。わたしが何より恐れていたのは、必ず全員が揃ってから、という規則の元始まる食事の時間だった。会話から弾き出された父の姿を盗み見ていたのはいつからだろう。可哀想だと感じてしまったことへの恐怖。何故か今でも鮮明に思い出せる、団地の駐車道路の坂の黒さ。匂い。壁の落書き、畑から飛び降りた時の足裏の痺れや、そこにいることに突然嫌悪感を覚えたときの石ころの様子。保育所の窓際にある本棚。その上に座ったときの部屋はとても薄暗い。この感じ。共有していない体験から、記憶を呼び起こす言葉。好きだとは言い切れないのに、何故か惹かれて仕方がない坂口恭平という人。この本は、なんだろう?とても大切な、というものではなくて、軽く手放してしまえそうなのだ。わたしの中に、もうすでに入り込んでいるから。

  • 著者が4歳の頃の記憶に潜る小説。
    読んでいたら、自分の4歳位の記憶も蘇ってくる。家の前の道路のアスファルトに猫の足跡がついていた事、茶の間のカーテンの黄色い模様、お風呂の滑り止めに描かれた変なキャラクター…。
    当時言葉を持ってなかったから表現出来なかった世界は、もちろん親が撮った写真などに記録されているわけでもなく、記憶にしかないのだけれど、一つ思い出したらどんどん立体的に頭の中にみえてくる。
    多分家族も覚えていない、誰とも共有出来ない、当時のワタシの視点からしか見えない世界。
    特に思い出す必要もないけど、つい思い出してしまう、本というより、記憶の再生装置みたいな、読後感でした。

    長女が今ちょうどその位の歳。
    親の知らない視点で世界を見始めているんだろう。

    かつての幼いワタシが住んでた世界に、娘を放牧して追いかけるフリをして、当時の視点を少しでも見てみたい。

    帰省楽しみが増えた。

  • 幼年時代の記憶を辿りつつ、家族、とりわけ父親という存在に焦点が当てられているように感じた。この本の中では語られていないが、著者の中で自ら語り描かれる父親という存在に父親となった著者自身を投射しているようにも感じた。著者と同世代、そして同世代の子ども持つ親として、我が子へのまなざしと肌と肌が触れ合う感覚を、よりきめ細かなものにしてくれた。

  • ボブ・ディランがかつて「30歳以上の大人は信じるな」と言ったが、恭平さんは幼い頃の感受性を見事に引き摺ってんだな、と。だからこの人の感性を信じていいんだ、と思えた。

  • どう理解していいか、とらえればいいのか、位置付けていいのか、さっぱりわからなかった。
    文字をただ追っていった。
    自分に何も起きてこなかった。少し残念。

  • 「幻年時代」は誰でも書けるような、書けないようなそんな文章だと思う。誰にでも幼少期の思い出を抱えていて、そこには自分の頭が論理的な思考をする前の本能というか、素の状態の思考や行動があったはずだ。
    それをこの本では今にフラッシュバックさせその記憶の中を再び冒険するような、そんな文章だ。物語ではなく、文章なのだと思う。だから物語を期待すると入り込めない、生きた記憶の中にダイブする感覚で読まないといけない。
    正直、坂口恭平という希有な男の記憶であるから、読み進められるのかもしれない。つまらない人間の記憶など誰も興味はないから。
    でも、この文章は確実に自分の記憶の中の輝きに反応させてくれる。破天荒に生きる男の記憶だからこそ、読者自身の荒々しく初々しい記憶を甦らせてくれるのだと思う。

  • 坂口さんの幼少期の体験や出来事が描かれているのに読んでいると読み手である僕の幼少期の忘れていた記憶がふわりと立上がってくる。永久凍土のマンモスのように取り出せなかった記憶がふわりと現在の自分に追体験のように浮かんでくる。不思議な小説だ、とても。

    『グーニーズ』や『ぼくたちの七日間戦争』に胸を躍らせていた幼少期に小学生の頃の秘密基地や山への冒険などの記憶やあの頃の両親や家族の風景が浮かび上がってくる。極めて坂口さんの私的な小説であるのに読み手の僕の私的な体験がオーバーラップする。

    長編でもないし読み辛くもないのに読むのに時間がかかったのは私的な想い出が浮かぶのとどこか幻想的な世界へ招待されているように僕は睡魔に誘われた。
    時折、幻視者的な視線で書かれた小説を読むと僕はどんなに読み進めようとしても眠りに堕ちてしまう。今作もそうだった。

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幻年時代の作品紹介

4歳の春。電電公社の巨大団地を出て初めて幼稚園に向かった。なんの変哲もないこの400mの道行きは、自由を獲得するための冒険の始まりだった。団地以外の生活があること、家族の幸福だけがすべてではないこと、現実は無数の世界のうちの一つでしかないことを母親に手を引かれながら知る。そのことが0円で生きることにこだわり、自分一人で国家をつくるという行動、つまり、僕の現実を生き抜くための方法へと繋がったのだ。誰もが感じる幼少期の戸惑いと違和感。忘れていた自分の中に生きる力は眠っている!幼き記憶に潜れ-。キミの強さ、輝き、自由はすでにそこにある!破天荒にして奔放、狂おしいほどに繊細。路上生活者に教えを乞い、ひとりで国家をつくった男の原点とは-。

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