- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344025233
作品紹介・あらすじ
一歩ひくこと、なにもない静けさ、相手を思うこころ。七百年、親から子へと伝えられてきた日本人の美しい生き方。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
これは、一体、どういう意図で書かれた本なのでしょうか?読んでいる間中、何度も混乱しました。
タイトルは伯爵家の〜とありますが、爵位や華族の話はそこまで出ず、ほとんどは室町時代から始まる武家のしきたりの話です。だったら、伯爵は関係なかったのでは?現代に通じる武家のしきたり、とかにした方が、内容がよほど分かりやすかったのではないかと思います。
礼法をお伝えする、とあったのですが、礼法をただ伝えるだけでは意味がないのではないでしょうか…と何度も感じました。たしかに、昔の礼法には逐一意味があって、それらを理解したり学んだりすることは大事です。ただ、現代社会は、というよりもすべての社会に通じることですが、時間の変化によって礼法や文化や常識も変化することが自然な流れだと思います。その中で、どれを残すか、どうやって残すか、という取捨選択のために頭を使うことの方が今は大事なのではないのでしょうか。
結婚は、たしかに武家社会の中では家と家を結びつけるものだったのでしょう。でも、今の社会の中では家の定義や一族の定義などは、昔と比べて違った意味合いを持っていきます。それを由々しきことだと断定してしまうのは、あまりに浅慮のように感じました。家と家、つまりグループで寄り添わなければ生き抜くことができなかった社会から、個人を尊重しても生きていける、ある意味において平和な社会になった現代では、そういった武家社会の礼法をそのまま使用しては綻びが出るのが当然なのかと。アップデートをすることが大事なのに、と思ったのですが、残念ながら、そういったことについては殆ど触れられていませんでした。
なんとなくですが、著者の小笠原さんが書かれたいと思っていらっしゃったことと、出版社が書いて欲しいと求めていたことに差があるように感じました。結果、どっちつかずの本に出来上がってしまって、大変残念です。 -
室町時代から脈々と受け継がれてきた小笠原の礼法。清和源氏に始まる伯爵家のしきたりである。しきたりに縛られる必要はないが、しきたりを学ぶことは、私たちの暮らしがより豊かにしてくれる。自然の恵みに感謝し、周囲の人に対する尊敬や感謝の念を忘れないことを、しきたりは教えてくれる。相手を察し自分を慎む。引く美学。ハレとヒケの意識。お箸は先3センチ。相手に合わせるのが本来のマナー。選ぶ言葉に心の豊かさが表れる。実は「ざぁます」は吉原で使われていた遊里語。決して上品な言葉遣いではない。一つの事柄に様々な言い方がある。礼法において最も肝要なのは、「相手を大切に思うこころ」。一つひとつ吟味して使っていきたい。
-
内容はごく当たり前のこと(行動はできていないけど・・・)。
「伯爵家」という冠があるので、すごい内容かと期待したけど、内容は普通のマナーブックと同じような感じでした。
ただ、伯爵家の生活ぶりが少しわかるところがおもしろかった。