- Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344025639
作品紹介・あらすじ
東南アジア最大のタックスヘイヴン、シンガポールのスイス系プライベートバンクから1000億円が消えた。日本人ファンドマネージャーは転落死、バンカーは失踪!マネーロンダリング、ODAマネー、原発輸出計画、北朝鮮の核開発、仕手株集団、暗躍する政治家とヤクザ…。名門銀行が絶対に知られてはならない秘密とは?そして、すべてを操る男は誰だ?
感想・レビュー・書評
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今話題のパナマ文書にまつわる「タックスヘイブン」の内容理解のための解説本にと、図書館で借りたが、実際は小説であった。しかし、サスペンスあふれる内容で、久しぶりに楽しんで読むことができた。物語の舞台の一つとなっているシンガポールの町並みや歴史についても、著者は理解が深いようで、一度旅してみたくなったおまけがついた。
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間違いなく今年ナンバー1の橘玲、待望の金融クライム小説第3弾!
長年海外投資で培った知識が表も裏もあますとこなく散りばめられている。
2014年で1番新鮮な金融スキームはきっと1年くらいは使えてしまうのでは?
九州、韓国、東京、シンガポールと目まぐるしく舞台が変わっても全てが線で繋がる展開に目が離せない。 -
これは、☆3.5ぐらいが気持ちとしては丁度いいかな。 最近読んだ小説の中では新しい類いのものだったからかろうじて4にした感じ。
はじめ、まじめなタックスヘイブンに関する著者かと思って選んだところ、小説だった訳だが(笑)。
ハードボイルドで、それなりに面白いんだけど、ちょっと全体的にネガティブ空気のまま終わってしまったのと、超複雑なことのように描かれたものの、実はさほど物事複雑でもなかったのでは?!という気もしてなんかよく分からずだった。
とりあえず、租税逃れはいろんなところで横行してるんだなぁ、と、しみじみ思ったという点では、小説と知る前の好奇心もそこそこ達成~。 -
最後に急ブレーキがかかったように諸々が解決していくところが物語的に惜しく感じたが、最後の最後のオチにまた捻りがあり、どういう感情を抱けばいいのか複雑な思いに取り憑かれた。
金融知識を中心にしたサスペンス・ミステリー要素の濃いエンターテイメント小説
前作『マネーロンダリング』が最高傑作過ぎて、比べてしまうと劣るかもしれないが、読むと頭が良くなった気がする感覚と、底辺まで落ち込みたい堕落願望を刺激する良作。 -
★手堅く面白い★壱岐の場面から始まるのが素晴らしい。ハードボイルドな主人公と内気な翻訳家、そしてヒロインという3人の同級生のキャラがはっきりしている。さらに東京とシンガポール、政治家と北朝鮮と外資金融、という舞台装置がきちんとしているのが読ませる仕組みなのだろう。
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【 #タックスへイヴン 読了】
主人公は探偵ではないものの、いわゆるハードボイルド小説。
簡潔に言えば、かなり面白かった!!
ただ、マネーロンダリングや租税回避が物語の軸なので用語がわかりにくいし、
登場人物が多いので、
ちょっと何がなんだかわからなくなる。
(まぁ、読むのに時間を掛け過ぎたのが一番の原因かも知れないけど。)
そんなわけで、この小説は一気読みをオススメします。
用語や登場人物はややこしいですが、
物語自体はとてもシンプルでストレート、スピーディーに進むので一気に読むととても面白いと思います!!
またいつか、再読したい作品ですね♪ -
都合よく組み立てた感もあるけど濃密で楽しめた。いろいろ複雑で読むのには少し時間がかかりました。
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4.0 2015年の読了一冊め。グローバルな舞台での金融サスペンス。めっちゃ面白かった。
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悪徳政治家の錬金術について記載あり、大手建設会社の役員と手を組んで「公共事業」の口利きで裏金をつくる。公共事業の予算が減ると今度は「戦後賠償、経済援助」の名目でその多額の予算から裏金を捻出する。これも下火になると「ODAマネー」予算は紐つきで大手の建設会社が仕事を受注し、口利きをした政治家にはキックバックされる仕組みになっているんだとか(P294参照)
まったくあほらしい、政治に金がかかるのがいけないってことは誰にで理解はできるが、政治家の利権に群がる人心を無くすことが出来なければ、どんな制約をつくっても悪を断ち切ることはできない。わかっちゃいるが止められないってこと -
海外投資を推奨する著者による、推理小説で始まり、卓越した交渉能力と金融知識を持ったニヒルなダークヒーローであるが、実は幼馴染想いの主人公が活躍するハードボイルド小説。
随所に国際金融・外交の裏側を解説しつつ、誰が犯人なんだ?とドキドキさせられる。
外資系金融、ファンドマネージャー、脱税対策、国際捜査、心理戦、成金の思考回路、シンガポールの何れかの単語にピンと来た興味がある人には、読んで損はない。久々にあっという間に読めた。残りの2作品も買おう。
やっぱり、現在において知識人であり読書家の佐藤優の勧める作品は、ハズレがないなと思う。 -
橘氏の本は好きだが、小説を読むのは初めてだったな。著者得意の金融関係の話をベースにハードボイルド風サスペンス。
脱税元銀行屋今脱税幇助屋の主人公が知人の夫の死をきっかけに、金の行方を追う話。描写も情緒的だし、内容も面白く、脱税の話なんかも私には関係ないが、こんな風になっているかな感で知的好奇心は楽しい。 -
知人の勧めにて読了。マネーロンダリングに比べ、金融だけではない世の中の見えづらい部分を物語調で教えてくれる良本でした☻
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一度大金を手にした者は金と地位に縛られ、マネーゲームを演じ続けなければならない。『マネーロンダリング』同様、金融と裏社会絡みの経済小説だが、ミリテリー性が上手く組み込まれていて一気に読める。今作は国家権力にウェイトが置かれている点と主人公のハードボイルド度が軒並みアップいる点が印象的。
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シンガポールが舞台のマネーロンダリングミステリー。ビンタン島も出てきて私には懐かしい。
税金のこともいろいろ書かれていて興味深い本でした。 -
金融ハードボイルドサスペンスといった感じ。ミステリ要素がしっかりあって読みやすく、映像化が似合いそうな作品。私には参考にならない目から鱗な薀蓄も満載。後半から加速度的にスラスラ読めました。主人公がキザかっこよすぎる。
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誰が何をしたのかというのは分かるんだけど、その真の狙いや誰からの依頼ってのがいまいちはっきりしないままだった。
それと、何十億、何百億というお金をくすねたり、ゆすったり、賠償したりするシーンがあるけど、もちろんそれにはそのための材料があるんだけどそれだけの額が動くほどのこと?という感じであまりピンと来ていなかった。 -
シンガポール、タイ、日本を舞台にした経済サスペンスです。
金融についての知識を得られて、もちろん小説としてもハラハラドキドキして楽しめます。もちろんお金はとても大切ですが、一歩間違えるととっても危ないことになってしまいます。こんな危ないことはフィクションの世界だけにしたいものです。 -
「法律家のチェックを受けないどのような書類にもサインできません。」
租税を回避しているものたちが巻き込まれる話。この本を読んで、プライベートバンカーになりたいと思った。 -
一気に読んでしまった。やっぱり橘玲さん良いね。
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橘玲の書き下ろし小説である。筆者の得意とする国際マネーを取り扱ったサスペンスもので、おもに日本とシンガポールを舞台に金融ゴロ、政治、恋愛、殺人、などを絡めたものである。
プライベートバンキングや脱税など筆者ならではのマネーシーンは多いが、本書はむしろその他のサスペンス的な要素の方に力を入れているようで、特徴が薄れている感もある。
ストーリー展開は早く飽きさせないので、一気に読んでしまった。でも、マネー以外のシーンは橘玲でなくても書けるので、マネーに特化した小説のほうが差別化が図れていいと思う。この筆者にしか書けない本を読みたいのだ。 -
まるで現実社会で起きた事件のような金融サスペンス。こうした色々なスキームを活用した小説は橘玲さんしか書けないかと思料。
外資系銀行、スイスのプライベートバンクを経て、フリーのプライベートバンカーになった主人公が、同級生の夫のファンドマネージャーの転落死から、国家、ヤクザ、金融機関等関連へ波及していきます。一見タイトル固い内容と思いきや、読みやすい内容です。
「マネーロンダリング」同様、物語の会話等ででてくる税制、金融の知識と、それを活用した様々なスキームに関しては、感心するばかりです。
「マネーロンダリング」は香港の魅力的な場所なども詳細に描写しておりましたが、今回の舞台、あんまりシンガポール魅力を訴求されていなかったかと。
「永遠の旅行者」の脇役がまた登場し、なんだか少し懐かしく、嬉しくもありました。 -
税金を巡って抜け道が沢山あるんだなぁと
国がしっかり使ってくれれば脱税も減るのにね
無駄なことばかりしてるから皆払いたくなくなる
彼の復讐がどうなったのかは気になるところです -
シンガポールを舞台としたマネーロンダリングのミステリー。登場人物の実像が見えにくい描写が多く誰が誰かわかりづらい部分もあったが、楽しめた
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シンガポール、バンコクの雰囲気とか街並みを知っていると、より楽しめる小説。
私たち、のほほんと生きてるけど、裏社会ではこんなことが起きてるんだろうか。。。 -
マネーロンダリング、永遠の旅行者と読んで、主人公(古波蔵想定)が同じ人物に見える。3人とも世捨て人風で、クール。次は、三枚目の主人公とかないかな。
その意味ではマネーロンダリングが一番最初で面白かった。あえて違うテーマをこの本の中に探せば、高校時代の友情かな?
住んでいたシンガポールが海外側の主な舞台で、色々場所が分かっているのでその点は面白かった。 -
脱税するほどお金がない人でも楽しめる経済小説。外資系銀行の実情が分かりやすくて良かった。外から見るほどはキラキラしてないもんなんだ。それにしてもヒロインの女の人、人に頼るのも実力だと思うけど、それにしたってもうちょっと自分でどないかせぇよ。
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橘玲作品初読み。
池井戸潤氏みたいにもっと金融よりのストーリーかと思いきや、ミステリーと言ったほうがぴったりくる。
多分「現実は小説より奇なり」なんだろうな。。。
節税対策真似したくても節税するためのお金ないから気楽に読めました(笑) -
橘さんの小説はこれで3冊目だけど、読んでる途中はリズムが良くてどんどん進んでいけるんだけど、後に残るものがないですね。
いろいろな情報が入っていて、それなりに為になっているとは思うんだけど。
プロットが先にしっかり構成されすぎているからか、主人公が完璧すぎて現実感がないからか、登場人物の誰が裏切っても予定調和な感じがしてしまいます。
まぁ面白いことは面白いんだけど。 -
この作家さんの「永遠の旅行者」が好きだったので、期待して読みました。
金融社会を舞台にしていて、おもしろかったのですが…少々ドロドロしすぎで、それが現実に近いのかもしれませんが個人的にんーって感じです。
登場人物に共感できる人がいなかったのも原因かも。