- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344025981
作品紹介・あらすじ
死を目前にした人にかつて食べた最上の味を完璧に再現する"最期の料理請負人"が挑む、極上のミステリー。「満漢全席」に拮抗する「大日本帝国食菜全席」とは一体何なのか!?70年の時を超えた感動のラストを食べ尽くした瞬間、謎に包まれた幻のレシピが甦る。世界を魅了したTV番組「料理の鉄人」伝説のディレクターが料理と料理人への愛情で描き切った驚嘆のデビュー作!
感想・レビュー・書評
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主人公の佐々木は、死が迫っている人が最後に食べたい思い出の味を完璧に再現する「最期の料理請負人」。それは彼の“絶対味覚”ゆえに成り立つ仕事であり、中国ではそれを持つ人を「麒麟の舌を持つ」と呼ぶ。
ある日、佐々木は中国人から依頼を受ける。第二次大戦中に満州で日本人が作り上げた、満漢全席をしのぐと名高い「大日本帝国食菜全席」を再現するというものだった。その200を越えるレシピは今、どこにあるかもわからない。レシピを探すうちに彼が出会う、依頼人や当時の日本軍、そして佐々木自身に関わる大きな秘密とは……?
文章全体を通して、もう少し表現に重厚感があるとさらに深みが増したように思う。が、特に後半、様々な謎や不審点のパズルが一気に組み合わさっていく様は実に爽快だった。ちなみに作者はあのTV番組『料理の鉄人』のディレクターで、料理やレシピへのこだわりが非常によく伝わってきた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
テンポよく進み、ダレることなく進むストーリー展開。予想できたようで予想できなかった結末。小説としてとても面白かった。そして料理への深い愛情を感じ、感動がじわりと広がる。料理は面倒だし苦手であまりしないけど、そんなわたしが無性に料理をしようと思わされた一冊。
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面白かった。
現代と戦時の満州が交互に語られていく。レシピの行方や過去に一体何があったのか、気になることだらけで、ぐいぐい引き込まれた。
出来過ぎ感はあるものの、最後の方いい意味で裏切られ、読み終えて温かい気持ちでいっぱい。
巻末にレシピ名が書かれている。それぞれどんな味なのか、興味津々。 -
本屋大賞とりそう。
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できすぎ感は否めないが、なかなか興味深い話。満州の時代と、現代の行き来。現代も日本だけでなく中国まで飛び回り壮大なレシピをさがしまわる。
こんな人を祖父に持って素敵な舌を武器にして、今度の新しいお店では、人をうまく使いながら、レシピをつくりだしていけるといいね。 -
テレビ、あまりにもテレビ的
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死ぬ前にもう一度食べたい料理を提供する「最期の料理人」が中国の食の重鎮から「かつて存在した満漢全席を越える日本料理」の再現を依頼され、その謎を解明していく話。
「キッチンコロシアム」の作者だったので、「コース料理の食をテーマにしたエンタメ小説かな?」と思って読み始めてみると、意外な骨太の映画のような料理小説でびっくり。ちょっと違うけど、なかにし礼の「赤い月」がなんども思い浮かぶ。
最後の春夏秋冬全てのレシピの目録が興味深い、食べてみたいなぁ。 -
数年前に書店で見かけてからずっと気になっていた本。最近ご縁があって読むことになりました。
料理に対する熱意に惚れ惚れしながら読んでいました。人生をかけて……という熱量がいいですねぇ -
★★★☆☆