山女日記

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著者 : 湊かなえ
  • 幻冬舎 (2014年7月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344026018

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山女日記の感想・レビュー・書評

  • 今を強かに生きる女達の
    悲喜こもごもがパンパンに詰まったリュックを背負わされ、
    さぁ、
    山の頂まで登るよ!
    息切らして
    汗だくで、足が棒になるまで苦しんで
    てっぺんまで行くよ。
    どんな事も
    (見下ろせば小さな事なんだ。)と自覚する為に
    さぁ、行くんだよ。

    わかっちゃいるが
    肩に食い込むリュックは重い。
    しかも、上り坂を歩き続けるという負担は相当なもの。
    そうやって
    苦しんで
    息切らして
    辿りついたゴールに何がある?
    頑張った<甲斐>は本当にあるの?

    途中、やばいくらいに
    大泣きした。

    何でだろ?

    多分、私が根性なしだからだな。(笑


    彼女達が見た、山頂からの景観は素晴しかった。
    でも、
    人生観は変わらない。
    絶対に変わらない、と思った。

    それより、
    担いできた<荷物>が、
    少なくとも<お荷物>ではなかった、と言う事に気付く事が出来て、晴れ晴れとした気持ちになれた。

  • 湊かなえさんのホワイトの方(笑)
    妙高山、火打山、槍ヶ岳、利尻山、白馬岳、金時山、トンガリロ、七つの山が織りなす物語。
    登山を絡めた人間模様を、関わりある人達で描く清涼剤的短編集。タイトルからも察するように女性達が軸の山登りなのですが、胸中に秘めたそれぞれの疑問や不安を抱えてるものが他の人と関わりながら頂上にたどり着く頃にはちよっとだけ靄が晴れ、方向性が見えてきたり肯定的に捉えられるようになるというのは、やはり大いなる山の神様の魅力も加担されているからなのでしょう。それぞれ面白かったですが、中でも「火打山」の章から目的地は過去の中にあったと気づくお話が感慨深かったです。

    このお話の女性達のように
    頂上の標柱に駆け寄りポーズを決める、遥か見渡す山々に向い大声で叫んできたくなる(笑)ずっと重いと思っていた荷物は案外、軽いかもしれない。山に置いてくるものは何だろう…山がくれるものは何だろう…
    そんな想像を楽しみながら心地よく読み終えた一冊に。わたしは山ガールではないんですけどね(笑)これを読んだら、自分の身を普段とは違った高さに置きたくなりました。見えないものがきっと見渡せそうな気がして。

  • 冒頭───
    午後11時、新宿駅バスターミナルに集合。ここから夜行バスで長野駅に向かう。10分前に到着した。まだ誰も来ていない。いつものことだ。
    数メートル先にいるおばさんたちのグループは四、五人集まっていて、切符やアルミホイルに包んだおにぎりらしきものを配り合っている。チェックのシャツに裾をしぼった八分丈パンツ、という姿。足元には、脇にストックを差し込んだ25リットルから30リットルサイズのリュックを置いている。
    あの人たちも山に向かうのだろう。「山ガール」とは言えそうにないけれど。しかし、さ来月には30歳になるわたしも、他人のことを言えた立場ではない。おばさんたちは全員お揃いの藍染のスカーフを巻いている。けっこうかわいい。
    気持ちはガールなのかもしれない。(妙高山)

    空に向かい歩いてきたはずなのに、星空は地上にいる時よりも、高く遠いところにある。それでも、星の数は地上で見るよりはるかに多い。(火打山)

    “イヤミスの女王”湊かなえは、あまり後味の良くない女性のどろどろした物語しか書かないのかと思っていたが、どうやらそうではないらしい。
    こんな素敵で爽やかな山女小説も書けるのだ。

    日本国内六つ、海外一つの山に登る女性たちを描いた七つの連作短編集。
    全く独立しているわけではなく、細かいところでリンクしあっており、それを最終章の“トンガリロ”では、見事にまとめあげている。
    全体の構成も素晴らしいのだが、登場人物たちが、山に登ったことで日常のしがらみから解放されるせいか、思いのたけを毒舌的に発散する言葉の表現が新鮮で楽しくて笑える。

    ───例えば
    トリカブトに猛毒があることなんて教えなければよかった。不倫相手の奥さんがもし殺されでもしたら、私も協力者になってしまう。(妙高山)

    バリバリと仕事をこなすキャリアウーマンとでも思われていたのだろうか。仕事は忙しいが、老人ホームの事務員にキャリアウーマンという言葉は似あわない。そもそも、こんな言葉はとっくに死語と化しているはずだ。では、今は何と呼ばれているのだろう。大人女子? これでは仕事をしている人としていない人の区別がつかない。(火打山)

    「私、小学校の時のあだ名が金太郎のキンちゃんだって話したことあったっけ」(中略)
     母親の手先がなまじ器用だったため、私の散髪は幼い頃から母がやっていた。しかし所詮は素人芸。バリエーションは縦横まっすぐに切りそろえたおかっぱだけ。小学一年の段階で、(中略)子どもがそんな髪型をしていたら、悪意もなにも関係なく、周りは金太郎を思い浮かべるだろう。
     おまけに、町内会主催の「ちびっこわんぱく相撲」に優勝賞品のゲーム機欲しさに参加して、低学年の部で三年生の男子を倒して優勝したのだから、その名は不動のものとなった。(金時山)
     等々、もう爆笑である。
    読みながら、これまで気付かなかった湊かなえのユーモアセンスに感心したと同時に、表現が綿矢りさに似ていると感じた。

    山に登るということは、何かを発見することでもあり、何かを捨てることでもある。
    新しい自分になって旅立つために、或いは過去の自分に別れを告げるために。
    山に登り、新たな人たちと出会うことや山の頂きへ到達することで、それまで知らなかった自分を見出すのだ。

    この七つのエピソードはどれもが起承転結のよく練られた素晴らしい物語だと思う。
    それぞれの“山ガール”たちの心情も読者に深く沁みわたってくる。
    そして、先に挙げた随所に散りばめられたユーモア表現。
    最初から最後までとても面白く、読み終わるのが惜しいとまで思った。
    ここ何か月か読んだ本の中で最も私を楽しませてくれた一冊だ。
    湊かなえの新しい一面を発見した作品。

    第152回直木賞候補作に推... 続きを読む

  • 山登りしないからな~でも面白かった。
    登山って人生と一緒のような気がする。
    共感し合えるのも大事だよね。

  • 湊かなえさんデビューを果たせてうれしいです。切れ味シャープなのに、示唆に富んでいて、暖かい。
    それぞれの山に登る主人公たちは、悩みながらも精いっぱい生きていて、山をおりて戻ってゆく日常で、彼らは少しずつすれ違ったり、表と裏だったり、重なりあっていて、そのニアミスがとてもステキ。これから結婚したり、年を重ねてゆく若い女性に読んでほしいなぁとも思いました。どう歩くか、どんなふうに歩いてゆきたいのかを、できるだけふもとから準備できれば後悔も少ないかも、と老婆心。

  • 湊かなえさん私は大好きなんですが、あまり多くの人に評価されてないのかな〜と感じます。レビューを読んでも苦手な人が多いみたいだし。
    その理由は、女性の腹黒さだったり、毒々しさだったり、冷たさだったり、なんだか胸くそ悪い!…とかこういった部分でしょうか。でも私はこういう所が好きなんですけどね(笑)

    だけどこの作品ではそういったトゲトゲしさがいい具合に削られてるというか、丸くなってるというか、こんな作品も書けるのか〜と驚きでした。
    ぜひぜひ湊かなえさんが苦手な人にも読んでもらいたいです。

    人は皆、多かれ少なかれ悩みを抱えていますが、モヤモヤした気持ちが吹き飛んてしまう位の爽やかな風が心の中を通り抜けていく様な感覚になりました。そして何故か泣きたくもなりました。

    山に興味を持った事は無かったけど、これを読むと無性に山に登りたくなります。山に登って人生が変わるとまでは思わないけど、私も何かを感じたいな〜。

    今まで読んだ湊作品の中で、間違いなくこれがベストになりました。オススメです。

  • 「誰かと共有したい」この素晴らしい景色を。この感動を。辛い登りの後にやってくる達成感を。

    自分という人間を他人に分かってほしいという承認欲求と紙一重のような気がする。自分が素晴らしいと思った物、感動した体験を誰かに伝えたい、理解してほしい、あわよくば一緒に体感したい。そんな人間の共有欲求を、山というファクターを通して語られる連作小説。

    団体行動が苦手で単独行する人も、元々誰かと一緒に体験したくて行動する人も、誰もが受け止めてもらえる懐の深さが山にはある。だからこそ魅かれる人も多いのかもしれない。

    山と女。
    それだけでなにやら物語が生まれてくるのだ。

  • それぞれのレビューに共通するのは、湊かなえさんらしくない作品!
    確かに、爽やかな読後感は、”らしく”ない(笑)
    それもこれも、舞台が山だからか。
    山登りの、実体験がないと書けそうもない描写もあり、
    30年来登っていないが、久しぶりに山に行ってみたくなった。

  • 湊かなえさんの作品の中では、読後感がすっきりと爽やかな印象が残る連作短編集。
    いろいろな山に登りながら、女性たちが自分の人生のこと、将来のこと、恋愛のことなどをじっくり考えていく。そして見失っていた自分を取り戻す。

    山に登るということは、ふだんの生活におけるざらざらした余分なものをそぎ落として、素のままの自分として自然、あるいはもっと大きなものと対峙するということなのかもしれない。

  • 妙高山、火打山……と7つの山を舞台に話しが進む。
    山の魅力も伝えつつ訪れている人たちの関係が語られていく。それぞれの話しが微妙にリンクしているところも魅力。
    山は不思議な場所。
    人と一緒に登っていたとしても頼れるのは自分の足だけ。
    あーつらい、苦しいと思っても一歩ずつ踏み出せば時間がかかれど着実に頂上に到達する。
    やってやれないことはないと思う一瞬。
    以前は、誘われて登山することがあったけど、もう体力的にキツイやね〜。
    日頃から歩いていれば、何歳になっても楽しめるんだろうけど。
    物語中に出てくる食べ物にいちいち反応してしまった(笑)。
    山で食べたハチミツをたっぷり塗ったパンと朝食に食べたインスタントラーメンがなぜか妙に美味しいことを思い出してしまったよ。
    インスタントラーメンの美味しさを再現したくて、自宅で朝から同じように作ってみても、自宅ではちっとも同じ味に感じられないのが不思議。
    山の魔法か?

  • 山登りをしたことはないけど、読んでいると自分も山登りをしているように楽しかった!今まで読んだことのある湊かなえさんの本のイメージとは全然違いますが、凄く面白く、短編が繋がっているので読みやすいです。
    白馬岳での「不思議の国のアリス」のお茶会が素敵すぎてうっとり。山の上で温かいコーヒーを飲みながら、フランスパンに色々なものを挟んで食べるシーンは眼に浮かぶよう。何種類ものパテが小瓶に入れられ、アイスの木のサジがそれぞれに添えられて、フランスパンにはスライド状に切れ目が入れられて。こんなに素敵なおもてなし、私も受けたいなぁ。

  • ミステリーじゃない湊かなえ。
    山女の私にはドストライクな本だった。
    湊かなえ、こんなストーリーも書くのかぁ〜(^^)。
    行ったことある山、いつも持っていく持ち物、前から欲しい靴、やってみたくなる料理…こんなに詰まってたら面白くないわけがない♪
    それぞれの思惑を抱えた女性たち。
    この歳になると、それぞれの悩みがよく分かる。
    山友達にプレゼントしたくなった本。

  • いい意味で湊かなえさんらしくない、爽やかな短編集。タイトルの山女日記というサイトと、散りばめられた事柄でうっすらと繋がっている物語はいろんな縁をも思わせる。過去と今、思い通りの人生などないのだけれど、ベストはなんだろうかと模索するのに、山登り絶好のロケーションなのかもしれません。過去の悔いも受け止め、希望をそれぞれに見いだすストーリーは読後感もとてもよいです。山登りしたくなりますね。

  • ん?湊かなえさんの本だったよなぁ…
    今まで私が読んだ湊さんの本とは違う~
    でも、こんな感じ、好きです!

    「そこに山があるから」、正確には「そこにエベレストがあるから」はイギリスの登山家ジョージ・マロリーの言葉。
    私にはまったく理解できないのだけれど…
    学生時代、ワンダーフォーゲル部に所属していた友人から、登山中の1週間、お風呂に入らなかったと聞いて、そんなにまでしてどうして登るの?と聞いてしまった。
    友人曰く「登った人にしかわからない」
    それ以後も私の生活の中に「登山」は全く入ってこなかった。
    でも、最近、「山ガール」なる言葉が流行り、中高年の登山も盛んになってくると、なぜだかちょっと興味が湧いてきたりしていた。
    そんな時にこの本を手にしたのだが…

    7編の短編集。
    妙高山、火打山、槍ヶ岳、利尻山、白馬岳、金時山、トンガリロ山。
    それぞれの山に登る山女たちは、山に登ることでそれぞれが抱える問題から、一歩踏み出していく。
    私自身、一緒に山に登っているような気になってきた。山にはそれだけの魅力があるのだろうな…
    あらためてそんな気持ちにさせられる一冊でした。

  • 7つの山を舞台に、人生の岐路にたった女性が、山歩きをしながら自分の進むべき道を見つけていく、連作短編集。
    最後の一編で、それまでに登場した人たちのその後の姿も描かれていて、ひと安心。作者には珍しくどろどろも少なく、前向きな気持ちになれる。

    レベルは違うけれど、奇しくもこれを読んでいる最中に高尾山に紅葉狩りに行き、気のおけない仲間と汗をかきながら自然の中を歩く気持ちのよさを味わったばかり。もっともこの登場人物たちとは違い、真面目に人生について考える訳でもなく、目当ての半分は他愛もないおしゃべりと麓で飲むビールというい、ゆるい大人の遠足ではあったのだけれど…。

    と余談はさておき、本格的な登山経験のない私でも、読んでいるうちに山の空気を一緒に味わっているような気分にもなり、山歩きをしてみたいなと思わせてくれる一冊だった。

  • ミステリではない作品で、読むまで戸惑いましたが、読み始めると、すごく引き込まれ、良かったです。連作短編集でもあるのですが、展開が上手いなと思いました。
    今、自分が抱えている問題や、まさに今、山に登ろうとしている人との気まずさなど様々なことを巻き込みながら、人は山に登り、自分なりの糸口を見つけていく。そして、最後の1章では、過去と現在を見つめる女性が、今まで登場してきた、糸口を見つけた人たちと一緒に登山する展開は、上手いなあと思いました。
    登山小説も多いですが、この作品が一番好きです。

  • 山女日記という山ガール向けのサイトに集う妙齢の
    女性たちのオムニバス。

    妙高山
    不倫中のデパートの同僚由美と山登りをする
    結婚と同居に戸惑う律子

    火打山
    婚活で出会った神崎さんという男性と山登りをする
    贅沢に慣れた高慢な女に見られがちな美津子

    槍ヶ岳
    妙高山で登山した女性たちと同じデパートに勤める
    団体行動が苦手で一人登山を愛するしのぶ
    毎回登頂直前に不慮の理由により登頂完了しなかった
    槍ヶ岳を今回こそは制覇しようと登山する。

    利尻山
    医者と結婚した姉に誘われ登山することになった
    微々たる翻訳収入と親の年金で暮らす
    独身30代後半の妹希美

    白馬山
    白馬山に三人で登ることになった
    医者と結婚して順風満帆だったけれど、
    離婚を切り出されている利尻山登山に登場した姉と
    その子供、頼りない妹希美

    金時山
    売れない劇団員と付き合い、ひょんなことからその彼と
    二人で箱根の山に登ることになった
    妙高山に登場した律子や由美と同期で仲が良い舞

    トンガリロ
    ニュージーランドのトンガリロへ二度目の登山をする
    山女日記で人気のある帽子を作っているユヅキ
    利尻山の希美とは親友

    それぞれ心に迷いや葛藤をもちつつ山を登った
    彼女たちは頂上で結論を見出したり
    自分と見つめあったりして、登頂前とは
    違った気持ちでその後の生活を始める。
    それぞれの話に少しずつそれ以前の話の登場人物が
    絡んできて、読んでいてその絡みを見つけるのも
    とても面白い。
    トンガリロ登山ツアーでは他の山に出てきた
    女性たちも登場して、それぞれの話の後日談も
    その際にわかったりして後味もとても良い。

    山ガールという言葉はそればかり独り歩きして
    あまり好きではないけれど、こうして自然と
    向き合って自分を見つけ出す女性たちの話は
    颯爽としていてとても良かった。また読み返したい。

  • 登山にはまったく興味の私が、この作品を読み始めて最後まで読了できた理由は、私と同世代の女性たちの心情を作者の視点からではあるが、素直に率直な感じで描かれていたからであると、読了した後しみじみと感じているところである。

    そんな中で印象に残ったフレーズを…

    「女なのだから当然、結婚して、夫に尽くし、子どもを産まなければならない。
    世の中が姉のような人ばかりなら、国の経済はもう少し潤っているかもしれないし、晩婚化、少子化といった問題など、起こりもしないのかもしれない。逆に、姉のような古臭い考え方を持ち続けている女が常に一定数いるから、結婚しない女が肩身の狭い思いをさせられる社会がいつまでも続くのだ。
    自分がそうありたいのなら、意志を全うすればいい。輝いているわたしが素敵、などと自己陶酔しながら、そんな特集ばかり組んでちゃらちゃらした女性誌でも読んでいればいい。わたしに強要しないでほしい」(p127-p128)

    「だいたいね、お姉ちゃんも、お義兄さんも、おかしいんだよ。自分で自分でって何でも一人でやろうとするくせに、人からは頼られたいって思ってるんだから。そのうえ、ちょっとでも自分が頼らなきゃいけない状況になったらもう、ダメ人間になってしまったように思い込んじゃって。立派な人っていうのはね、自分がダメなときには、お願いします、ってちゃんと頭を下げられる人のことなんじゃないの?ダメ人間って思われたくないからって、自分から離れていこうとするなんて、間違ってる」(p195)

  • 心にわだかまりを抱えた人たちが、苦しい山道を延々と歩きながら、
    もやもやを吹き飛ばしクリアな自分を取り戻す、山が舞台の短編連作。

    何かを決断するための、あるいは何かを徹底的に考え抜くための登山。
    あぁ、そういう登り方もあるんだ。
    確かに考え事をするときは、一人で部屋に籠るより、
    青空の下で体を動かしながらの方が、絶対前向きな答えに辿り着くだろう。
    頂上から見る果てしない大空に、心が晴れ渡っていくのが分かる。

    湊さんの作品は、登場人物の腹黒さやエキセントリックさに辟易し、
    「境遇」以来長くご無沙汰していた。
    山好きなので今回久しぶりに読んでみたら、
    山から下りてきたような爽やかな読後感で、これまでの印象ががらりと変わった。
    私はこっちの路線がいいな。

  • 山に登るそれぞれの人生が少しずつつながっていて、山登りの楽しさも伝わってきた。

  • 湊かなえ氏はもういいや と思っていたが、山関連なので読んでみた。

    しかし妙高•火打に素人さんが2人で小屋泊まりで行くか?
    ましてや槍•白馬•利尻なんかに初心者がぶっつけ本番で行けるか??
    さらに、通りすがりの人に槍ヶ岳山荘まで一緒に連れてって と頼まれたからって連れてくか???
    背負ってもいないザックをネットで買ったり、試着もしてない靴をプレゼントしたり、有り得ないっしょー
    アラサー女達の色んな悩みを書き表す為に、山をダシに使われてる気がする。

    と怒りはありますが、最後のトンガリロの読後感は良いです。

  • 今まで読んだ彼女の作風とはちょっと違うけど、
    短編が少しづつ繋がり、登場人物が違う角度から肉付けされていく。
    山登りしながら、自分や周りの人の事を考える主人公たち。
    自分の見た素晴らしい世界を、知り合いに共有してもらいたいという思い。
    著者の山登りへの想いが、気持ち良く語られる秀作です。

  • 山に登りたくなる。山に登って自己開示をしたくなる。しかし登りきることができずに疲労困憊で帰ってくることが関の山なので、読むだけにしておく。

  • 山を登る女性達のお話。
    山なんか登る人の気が知れないと思っていたが、少し気持ちがわからなくもないなと思った。
    疲れて大変な思いをして見る頂上の景色は素晴らしいだろうな。それはきっと人生も同じかしら。

  • いつもと違って読後感は爽やか。登山なんてまったく興味ないけど、登山したあとの達成感とかそこから眺める景色の素晴らしさとか、そんなものが容易に想像できるし、抱えているもやもやをリセットするにはいいのかもしれない。山での『不思議の国のアリス』のお茶会はやってみたい!

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山女日記の作品紹介

私の選択は、間違っていたのですか。真面目に、正直に、懸命に生きてきたのに…。誰にも言えない苦い思いを抱いて、女たちは、一歩一歩、頂きを目指す。新しい景色が、小さな答えをくれる。感動の連作長篇。

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