- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344026018
作品紹介・あらすじ
私の選択は、間違っていたのですか。真面目に、正直に、懸命に生きてきたのに…。誰にも言えない苦い思いを抱いて、女たちは、一歩一歩、頂きを目指す。新しい景色が、小さな答えをくれる。感動の連作長篇。
感想・レビュー・書評
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じわじわ面白くなってくる。
類稀なる運動嫌いの私ですら山に登りたいと本気で思えてくる本。自分の0.5〜ひと回り上のお姉さんの話だから、自分はその頃どんな悩みを持ってるのかな〜って考えたりした。何かを決断したいときにまた読み直したい。友達の家にあって何気なく借りた本だからこんなにお気に入りの一冊になると思ってなかった(*☻-☻*)嬉しい詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2回読んだ本。なぜ2回読んだのかというと、自分自身登山をするからこそ登場人物の心情とか景色とかが懐かしくもあり、自分の過去の引き出しを開けるきっかけになったから。読んでいるとどんどんと本の世界から自分の思い出を巡っている。そんなこんなでそっちに気を取られてしまい、本の内容が入ってこなかったからだ。笑
2回目は「よし!集中するぞっ!!!」と意気込んで読み始め、青春時代へとタイムスリップしようとする自分を抑えに抑えて読み進めた。所々また過去に戻っていた自分。ちゃんとしっかり読めたかなーと思いながら、同時に湊かなえさんって本当に人の感情を描くのが上手いなぁーと気が付いた。
それくらいそこに描かれていた人たちがリアルすぎたのだ。だからこそ自分が本の内容を追体験してるように思えたし、遡るスイッチになったのだろう。
さあ次はどんな山に登ろうか。そこではどんなことを思うのだろうか。とても楽しみだ。 -
著者の「告白」が読みやすく好印象だったので、他の作品も是非読んでみたいと思っていたところ、登山が趣味なこともありこの本をとってみた。
ほんのりと繋がる7つの連作短編集。
7人それぞれ日常で抱える悩みや葛藤を回想するシーンを、登山での出来事と織り交ぜながら話が展開される。なのでガッツリな登山モノではないかもしれないが、著者ならではの色々な人間模様が描かれていて、これはこれで楽しめた。各回にて7人それぞれが葛藤を乗り越え、吹っ切れたように新しいステップに進んでいく心境が清々しかった。
それにしても、槍ヶ岳で出会うおばさんはなかなかの曲者だったな…。この回の主人公はよく耐えた!自分がもし相手をしていたら…と考えたら溜息が何度も出た。
また著者の作品に挑戦しよう、今度はどっぷりとイヤミス感を味わえる作品を読みたいな、と思った。 -
山を登りながら自分と向き合う。
いい趣味だな。 -
登山というより女子のしがらみの方が印象に強かった。でも、登山によっていままで見えていなかったものが見えたり、一歩前に進めたりがあって楽しく読むことはできたかな。
登山に興味のない方の方がすんなり楽しめるかも。 -
週末登山が趣味なので山岳小説を読みたくて、探して読んで読了。もっと山登りの描写や、登頂時の感動があればなぁ。どちらかというと山登りをする登場人物の心境にスポットライトがあてられていて、山登りを通して起こる、気持ちの変化が丁寧に描かれている。景色や小さな自然の発見より、高山植物がちらちら出てくる小説でした。大きな感動も少なめで、低山登山のような味わい。
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日常にそれぞれちょっとした悩みや生きづらさを感じている女性たちの連作短編集。山登りを通じて自分自身を見つめなおしたり振り返ったり。どの作品も前向きな人生を示唆していて良かった。登場する女性たちの人生が山を通して交差していく。面白かったです。
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私も数年前から登山を始めた。
…と言っても近場の低山がほとんどだけれど。
なぜ山に登るの?
この本に登場する山女(山ガールではない)たちは、色々な悩みを抱えながらの登山だ。
「山に登る」
一足、一足頂上に向かう。と同時に自分とゆっくり向き合う時間でもある。
彼女たちが目指すのは「日本百名山」の中の山たち。
いつかは登ってみたいと思いつつ読む。
登山をする人はもちろん、しない人も、読んで気持ちの良い一冊だ。 -
雄大な山に癒やされる人々