アイネクライネナハトムジーク

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著者 : 伊坂幸太郎
  • 幻冬舎 (2014年9月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344026292

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アイネクライネナハトムジークの感想・レビュー・書評

  • つい最近、斉藤さんとのコラボについて知ったばかりで、読みたい~!と思っていたので単行本化はとても嬉しかったです!
    伊坂さんの恋愛の話はどこかかわいらしくてくすぐったいですね。

    「アイネクライネ」
    「ライトヘビー」
    「ドクメンタ」
    「ルックスライク」
    「メイクアップ」
    「ナハトムジーク」

    どれもおもしろかったし、あるボクサーの試合を軸に、時系列をずらしながら、少しずつ繋っていく感じ、とてもよかったです。
    ウインストン小野の試合、ラウンドボーイの行動に胸が熱くなりました。
    そして最後の司会者がまさかの…!

    「アイネクライネ」を読んで、斉藤さんは本当に素敵な人だと思いました。しっかり作品を読まれてあの曲を作られたんだなぁとわかる言葉選びでした…!

    織田の「自分が好きになったのが、この女の子で良かった」のくだり、けっこういいこと言ってるよなぁと思います(笑)

    「ライトヘビー」「ドクメンタ」が特に好きです

    やさしいキャラクターが多くて安心して読めました。
    人と人との繋がりに、日常の小さなサプライズに、人生何が転機になるかわからないというおかしみに、読後は心があたたかくなりました。
    なんだかちょっとした勇気をもらえた気分です。

    斉藤さん一回100円やってほしいなぁ。

  • 伊坂さんらしい軽妙さが光る連作短編集。
    伊坂さんのもう一つの特徴である犯罪などのダークなものはほとんど登場しない~安全な?作品です。

    「アイネクライネ」
    データがふっとんだミスの後始末に、罰ゲームのような街頭アンケートをする青年。
    仕事を探している女性に出会い、何気ない会話が生まれる。
    日常的なシーンの親しみやすさ、大体はぱっとしなくて情けないけど、ちょっとだけ一生懸命な部分もあったり。

    「ライトヘビー」
    美容師の美奈子は客といつしか友達になり、弟と付き合うよう薦められる。電話で喋るようになったが‥?
    ボクシングの試合を見ていると‥
    大人のおとぎ話のような楽しさ。

    「ドクメンタ」
    妻に出て行かれた藤間。
    自動車運転免許の更新のために出かけた場所で、ふと話した相手。
    通帳の記帳でしか繋がっていない元妻に思いを伝える方法とは。
    5年後にもまた会うことになるか‥?

    「ルックスライク」
    学校の先生・深堀朱美。
    生徒の一人は、織田一真の娘の美緒。
    登場人物がちょっとこんがらかってきますが~え、これって‥という驚きが面白いところ。

    「メイクアップ」
    昔いじめられた相手と職場で再会した女子。
    相手は覚えているのか、性格は変わったのか? 復讐する機会はあるのか‥さて?

    「ナハトムジーク」
    ちょっとした不思議な縁が繋がっていきます。
    日常に起きてもおかしくないような小さな奇跡。

    100円でそのときに一番合うフレーズを流してくれる斎藤さんという人物が所々に出てきます。
    斉藤和義に作詞を頼まれ、小説なら書けると書いたのが始まりだったそう。
    曲を聴きながら読むとまたいいのかな。

    絡まれたときに「この方が誰の娘か知っているんですか?」と言ってはったりをかます織田一真のやり方が受け継がれていったり。
    どうということのない男なのに美人と結婚した幸運な男・織田は、口が達者で、時にはそれなりの存在価値を発揮する。このゆるさがいかにも、ですね~。

    笑える日常のささやかな出来事の奥底には、ごく普通のまともさが流れている気がします。
    余裕のある洒脱な雰囲気がよかったです☆

  • 結局、3回読んでしまった~!
    まず、1回目。
    登場人物のリンクと時系列が、頭の中で整理できなくて、混乱。
    相関図と年表をせっせと書きながら2回目。(この作業が意外に楽しかった)
    3回目で、やっと大満足。
    伊坂さんの、誰も死なない物語。存分に楽しませてもらいました♪
    実は、この直前に伊坂さんの本で、途中で断念してしまったものがあって…。
    だから、よけいに嬉しいです。

    登場人物が、皆どこかとぼけていて楽しい。
    特に課長がいい味です。
    「藤間、離婚したのか。どうやって」(笑)
    夫婦の関係を”外交”とか、ミッキーのお手ふりの教訓とか~

    あと印象的なセリフがいっぱい!
    「こちらの方が、どなたの娘さんかご存知で?」
    「斎藤さん一回百円」
    「あの変な旦那も、今となっては、スイカにつける塩みたいに思えるようになったよ」
    ラウンドボーイの「大丈夫」も良かったし、書きだしたらキリがないです。

    人生ほんとに、どこでどう転がるかわからない。
    一人一人は気づかなくても、どこかで繋がっていて、
    きっと誰かの力になっている。

    ただね、ひとつだけ気になることがあります。
    いじめっ子の女子の恋とプレゼンの結果。
    ご想像におまかせします。ってとこでしょうか。

  • さわやかに、楽しめました。
    まだまだ伊坂ファンと公言するには、
    読んだ作品が少なすぎるのですが…。

    私の読んだ今までの作品は、さらりと書かれているのに、
    背景がかなり重たいものが多く、
    少し笑っても、救われない気持ちもありフクザツだなぁって
    感じがしていたんです。

    こんなにさわやかに楽しめる作品もあるんですね。

    サプライズ職人の伊坂さん。
    この物語も楽しませてもらいましたが、
    私がもっと好きなのは、伊坂作品でちょいちょい出てくる
    気の利いたユーモアたっぷりの会話。

    こんな返しが出来るようになりたいんですよね~私も。
    変な人に絡まれている時に、このアイデア。もう最高です。

    そして、『斉藤さん 1回百円』。
    見つけたら2週間連続で通ってみたいと思う一冊です。

    これって、音楽ではなく、本でもいいですよね。
    『幸太郎さん 1回百円』
    その人の今の心境に合うフレーズを
    選んで朗読してもらう。

    伊坂さんって、心に残るフレーズ多いんですよね。
    きっと行列できる人気ぶりと思うんですけど。

    あ、これも法律に触れるのか…。

    なんだかいい気分で、鼻歌が出てくるような本でした。
    読後のプチハッピー、このまま続くといいなぁ。

  • 個人的に連作短編集が大好きでよく読むのだけれど、本作は連作の面白さが存分に表現された、読み応えのある一冊でした。細かいところまで伏線が張り巡らされていて、頭の整理がこまめに必要ですが(笑)小さな奇跡の積み重ねが、人との「出会い」の大切さを輝かせてくれる。恋愛にまつわる話が多いので、スケールの大きい作品が多い伊坂氏の著作にしては地味かもしれないけど、これは褒め言葉です!微妙な心の動きを丁寧に掬い取って、ユーモアを交えながら物語を紡いでいく。話がうまくいき過ぎじゃないか?と思うところもあるのだが、そんな展開が陳腐に感じないほどの緻密な構成。さすがです。どの短編も好きだけど、一番印象に残ったのは「メイクアップ」。憚っちゃう憎まれっ子の描写がうますぎる!女性のめんどくささをよく理解してるなと唸りました。
    この本を語る上で欠かせないのが、神出鬼没の「斉藤さん」。一回百円で、そのときの心情に合わせた斉藤和義の曲の一部を流してくれるという、占い師チックな謎の男性の登場が毎度効果的で、無性に斉藤和義が聴きたくなります。実際に、路上で会ってみたいわ!
    そして、仙台在住の人間としては、表紙イラストにもニンマリでした。仙台駅前をシュールに描いたこの装丁、大好きです!

  • 目次を見ただけで、おお♪伊坂幸太郎ぽい、って感じがしました。
    場所や時間が行ったり来たりしながらも、少しずつオーバーラップしている人間関係が浮かび上がってくる短編集です。
    テーマはずばり「出会い」。

    言われてみれば、殺人も強盗もないけど、こんなラブ&ピースな感じ、すごくいい。
    「どなたの娘さんかご存じで?」というのは、一見使えそうで、絶対無理だからってところがすごくいい。

    とりあえず、通帳の記帳はまめにしよう。

  • 時空を超え、あらゆるところで繋がりすれ違っていく人生の面白さと不思議な興を感じさせられた。モーツァルトの小夜曲のような軽快さをもってテンポよく物語は展開していく。交差し重なり合う人間関係が少しずる明らかになり、新たな発見がまた別の発見の伏線となっている。小さなおかしみと大きな驚きが思いもかけないところに埋め込まれており絶妙なアクセントとなっている。宝探しのような興奮を楽しんだ。

  • 私もサプライズが嫌いだ。
    「も」と書いたのは、「ルックスライク」で織田美緒や笹塚朱美がそう言ってるから。
    たまたま昨夜見たテレビでも、「サプライズっていうのは実は自己満足的な行動なのである」と言っていて、我が意を得たりと思ったところである。
    現実の生活の中でのサプライズは嫌いだが、小説のサプライズは大好き。
    伊坂さんの作品にはいつもサプライズがある。
    「あ、これがそうだったのか」とか「あ、この人があれだったのか」という驚きがたくさん隠されているから。
    巧妙に名前が伏せてあって、最初は何気なく読んでいくんだけど、途中で「あれ、これってもしかしてあのときの?」と思い当たった時の嬉しさ。ニヤニヤ笑いが止まらなくなる。
    伊坂さんが「恋愛モノは苦手」というのは、おそらくドロドロとした温度と湿度の高い描写が苦手だからなんじゃないかと思う。でもそんな描写がなくても、ちゃんと人の思いや関係性はきちんと現れてて、私はむしろそういうほうが好ましい。
    今回は犯罪方面に突出して異形な人が出てこなかったので、安心して楽しめた。でも織田一真は伊坂的にぶっ飛んでる。
    ラストの「ナハトムジーク」で、ラウンドボーイが取った行動で思わず涙ぐんでしまった。こんな感動は珍しい。そして最後の数行。まさかあの司会者がね、とこれまた心が温かくなった。ちゃんとつながってる。
    ハードな作品もいいんだけど、こういう、ささやかな人生を描いた作品がすごく好き。
    「斉藤さん」の存在は、斉藤和義さんへの愛を感じたなあ。

  • 6話からなる短編集。
    各話の登場人物が年を超えて、繋がってくる話の展開が面白い、
    1人のライトヘビー級日本チャンピオンを通して繋がる世界とボクシングの描写には飲み込まれるものがあった。

    Amazonより引用
    ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、他力本願で恋をしようとする青年、元いじめっこへの復讐を企てるOL…。情けないけど、愛おしい。そんな登場人物たちが作り出す、数々のサプライズ

  • 伊坂さんの作品らしくていい、繋がりというか連作っぽく見えるし登場人物とか時間とかを越えて生きているんだなって思えるから『チルドレン』『フィッシュストーリー』『死神の精度』『終末のフール』辺りが好きな人にはオススメ。
    人生にはユーモアとほんの少しの勇気が必要だ。

  • 人物が相関し合う短編集。伊坂さんには珍しく、犯罪者もいない暴力もない、泥棒も(ほとんど)いない、ちょっとこそばゆい「出会い」を主題にした作品。

    時も出来事もシャッフルさせていて読み進めないと全体が見えないのがもどかしいけれど、繋がったときの「ニヤリ」感はやはり伊坂作品というべき痛快さ。

    最後の小さなオチも大したキーではないのだけれど、あれがなくちゃ締まらない。読後感も爽やかで気分よく読める一冊。

  • いつもの伊坂作品とは設定がちょっと違って、恋愛を核に、日常生活の中の出来事を描いている。その分身近で、肩の力が抜けている感じが読みやすかった。
    読後、知らず知らずのうち笑みが浮かび、「こんなこともあるかもしれないから、生きてるって面白いんだよね。」と思える前向きな小説だった。

    登場人物や起こる出来事がみな、どこかでつながっているのは、伊坂作品ではお馴染みのパターン。「あれが、こうなって、こっちはそうなっていたのか」と、最後には、全部パズルが解けたような爽快感がある。これがあるから伊坂さんは止められない。
    斉藤和義さんとのコラボ企画のようだが、彼の音楽をあまり知らなくても、十分楽しめた。

  • 久しぶりの伊坂さんの作品。
    テーマは「出会い」なのかな?本の帯にあるとおり、ごく普通の人たちが巻き起こす、小さな奇跡の物語、

    六編からなる短編集だが、様々な人物が登場し、時間軸も現在から過去、過去から現在へ・・・。
    登場人物たちが、それぞれの短編で繋がりをもっているため、頭の中で人物相関図を描いて読みすすめた。
    このあたりの人物配置、というか終章での伏線?のまとめ方は、伊坂さんの得意とするところなんだろうなぁ。スマートにまとめられていて、読み終わったあとも気分がホンワカしてる。

    奥さんに逃げられたサラリーマン、ボクシングの元ヘビー級チャンピオン、化粧品会社のOLなどなど、どの人物も魅力的だ。特にお気に入りになったのが、織田一真。
    いいなぁ、こういう男になりたいなぁ、
    って切実に思ったな。なれないけど(笑)
    伊坂さんの作品は、どれも会話がお洒落なんだけど、特に織田の発言は、お洒落&風刺が効いてて、ニヤリとさせられるものが多かった。

    「いいか、後になって、『あの時、あそこにいたのが彼女で本当に良かった』って幸運に感謝できるようなのが、一番幸せなんだよ」

    あ~、自分もこんなセリフ、言ってみたい!

    超能力も殺し屋も出てこない、ごく普通の人たちが織り成す伊坂ワールド。満足しました!

    ☆4個

    「BOOK」データベース~

    ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、他力本願で恋をしようとする青年、元いじめっこへの復讐を企てるOL…。情けないけど、愛おしい。そんな登場人物たちが作り出す、数々のサプライズ。

    ズシン!と来るようなサプライズは無いけど、心地よい小さなサプライズ・・・気持ちよく読了しました!

  • 伊坂さんの本を読むと、元気がでるなあ。なんてことない日常なのに、エネルギーが詰まっている。なんとかまだ、生きていこうかなって思えるような。織田夫妻が素敵だった。適当な旦那さんが良いキャラクターで。あと、仲裁の技(作戦?)がいろんな人に受け継がれていて微笑ましかった。

  • 伊坂節満載の、伊坂幸太郎流恋愛小説短編集だ。
    この人独特の世界観、やっぱり楽しいなぁ。
    「出会いってなんだ」というグサリとくるような一家言から、斉藤和義の歌詞が効果的に使われる一篇まで、なんかいい。
    もちろん単純な恋愛小説ではなくてこの著者らしく、「あ、ここでこの人が関係してくるのか!」と相関図を思わず書き出したくなるようなサプライズもあるのが面白い。
    情熱的とか官能的な恋愛とは対極にある、穏やかに惹かれあって、でもいつの間にかそれがかけがえのないものだと気づくような恋、いいな。

  • いつかどこかで接点のあった人々の、それぞれ独立しているような、微妙に関わり合っているような人生の一コマを切り出した短編集。
    ある短編の登場人物が、その前の短編に出てきた人物とどんな関係があるのかが最後の最後になるまで上手に隠されていて、それが明らかになった時には思わず「うわあー!」と声を上げてしまった。巧いなあと思う。アオリに『エンターテインメント小説』と書かれていたがまさにその通り。大いに楽しませていただきました。

  • 多くの人が一度は見たり、聞いたり、経験したりしたこと。それはまさにモーツァルトの「小夜曲」と同じで、なんとなく、いつのまにか知っている、存在していた、存在しているもの。
    人との繋がりやそれに伴う影響があるのは当たり前なのに、小説という形になるとより心に響く。
    文字に起こすとちょっと恥ずかしくなるような詩も歌にのせれば人の心を大きく揺さぶるように、この本も紙の上で文字が踊りだし、登場人物たちが鮮やかに動き出し、僕の想像力をかきたて、心を動かす。

    自分にはそんなつもりもなく、力もないと思っていても誰かを励ましているかもしれないし、傷つけているかもしれない。筆者はこの本でそれに善悪をつけているわけではないが、弱者に側に立って書き連ねる。時間が立ってみないとわからないことが多い中で、何がきっかけで変わるかわからないし、変わることができるんだということを教えてくれる。

    それぞれ違う話の登場人物たちが繋がっていく様は、もちろん面白いのだけれど、それはこの本の魅力のほんの一部に過ぎず、本当の面白さは、やっぱり人の心を動かすストーリーなのだと思う。この本が、また誰かを勇気づけることになれば良いのにな、と素直に思う。
    超能力は出てこないけれども「砂漠」に似ているような良作。音楽も小説もも人を突き動かす力という意味では超能力だと思う。

  • 6話からなる短編集。と思いきや、登場人物達が絶妙に絡み合っていた。時系列も前後するので、おやこんなところにあの人がと気付く瞬間が楽しい。最近そういう構成を多く見かける気がするけど、自分が好きなだけかもしれない。
    著者あとがきにもあるように、伊坂さんにしては珍しく泥棒や強盗、殺し屋や超能力、奇抜な設定が出て来ない作品で、最後のナハトムジークで綺麗にまとまり心がほっこりした。本屋大賞にノミネートされているそうで期待している。斉藤さんは斉藤和義じゃないの?なんて言っていたら冗談ではなくてビックリ。

  • 伊坂さんには珍しく普通の人達が主人公。
    登場人物が共通でもバラバラの短編達が最後の話で気持ち良く一つにつながっていく。
    アイネクライネナハトムジーク(=小夜曲)の名前通り、多くの話の結末が夜だったり、アイネクライネが斉藤和義さんの曲のために書かれたことからか「斉藤さん」が出てきたり、と小ネタも面白い。
    登場人物の関係性と時間軸を整理しながら再読したい。

  • 1つの小さな出来事が別の何かを引き起こし、それがまた……という風に、短編集でありながらそれぞれの登場人物がどこかでかすかにつながっている。
    会話や伏線の張り方は実に伊坂幸太郎らしいけれど、自ら「あまり書かない」という恋愛要素もふんだんに織り込まれているだけあって、実に穏やかな終わり方。いつものハラハラ感とはまた違う面白さで、一気に読めてしまった。あらためて、何を書かせてもうまい人だ。
    このプロジェクトそのものが斉藤和義とのコラボから始まったお話ということで、登場する歌詞の曲を全部聴いてみたくなったなあ。

  • ひとつの物語の様な6つの短編。
    あれ、なんか伊坂幸太郎っぽくない、と感じたのもそのはず、斉藤和義さんから恋愛テーマのアルバムのために書いて欲しいと頼まれた1編が発端とか。めずらしく恋愛。
    相談者の未来を暗示するような曲を即座に見つけて流す占い師(?)「斉藤さん」も登場する(笑)

    ボクシングのヘビー級世界チャンピオンとなる学くんに、「どうせ親がいなかったから乱暴なんだ、じゃなくて、行儀良くて、常識があって、でも強い、というのが恰好いいじゃない」と力説してきたお姉さん、好きだなぁ。

    いつもほどはちゃめちゃな展開はないけれど、登場人物はそれぞれ面白みがあり魅力的で、やっぱり読みながら顔が笑ってしまって恥ずかしかった。
    19年の時を行ったり来たり、様々に繋がりがあるストーリー仕立てになっていて、あ~面白かった!ほっこりした~!

  • 個人的に「待望」だった伊坂幸太郎の新作。
    これまで伊坂幸太郎が発表した作品に関しては、ほぼ全てを読破して
    きた。長編・短編はもちろんのこと、エッセイや企画モノ、アンソロ
    ジー収録作品などを含めた全てなのだが、その中でどうしても入手で
    きない作品があった。この連作短編集に収録されている
    「アイネクライネ」と「ライトヘビー」。
    斉藤和義のシングル、『君は僕の何を好きになったんだろう』の初回
    特典で、もの凄いプレミアが付いていたため手出し不可だったモノ。
    これが読める、というだけで胸がときめいた。ゆえに、評価のハードル
    は高くならざるを得ず(^^;)。
    大したことなかったらどうしようかと思っていたのだけど・・・。

    かなりな傑作だと思います、掛け値無しに。
    伊坂作品としては珍しく出会いや恋愛の絡む短編集なのだけど、
    伊坂節とも言われるキラキラした文章がそこらじゅうでアバンギャルド
    に飛び跳ねている感。お得意の章間リンクも相変わらず絶妙で、短編集
    ではなくてちょっとした長編を読んでいるかのような満足感。完全脱帽
    の上に最敬礼したくなるほど。

    登場してくるアイテムも僕好みのモノばかり。
    終章のナハトムジークが、まさかアレのことだとは、夢にも思わなかった。

    これまでの伊坂作品でいちばん好きだったのは「終末のフール」だった
    けど、この「アイネクライネナハトムジーク」も、いきなりかなり上位
    に来た!

    普通の伊坂作品とは若干毛色が違うため、フリークは戸惑うかも。
    しかし、伊坂幸太郎の世界に慣れていない初心者の方、ぜひ読んで欲しい。
    読了で必ず幸せな気分になれるので!

  • ベリーベリーストロングな話。

    こっちが先にあっての斉藤和義なんですね。
    そこからの他の話がまた愉快でした。

    今回は何年ぶりかの単行本購入。
    伊坂さんはもちろん大好きだし 斉藤和義も好きだけど
    ジャケ買いというか トモさんのイラストのため。
    トモさんの絵が全国の書店で平積みにされてると思うと感動だ。

  • ※泥棒も強盗もギャングも殺し屋も死神も出てきません。

    「普通の人々」が起こす、日常という名の奇跡の日々。

    特殊な設定は何もなくても、伊坂幸太郎らしい、繋がりを持った連作短編集でした。

    「ライトヘビー」が本当に思いがけず恋愛要素多めでニヤニヤドンドンしてしまった。可愛い!他力本願、自力本願な恋可愛い!

    行間にある「♪」をいちいち「るん」と読んでしまって勝手に楽しい気分になるアイネクライネナハトムジーク。

    わたしも斉藤さんに遭遇したい。

  • 面白いのだけれど読後感がスッキリじゃなかったりして作品によって好きだったり苦手だったりする伊坂さん、人から「これはスッキリおもしろかったよ」と言われて図書室から借りてきました。長編かと思ったら短編連作で、全作品が緩やかに繋がっている伊坂さんならではの重なり具合で、とても楽しく読了。面白かったです。欲を言うなら、代理店のあの彼女がどうなったかというのがもっと詳しく知りたかったけどそれは野暮というものなのかも。伊坂さんの作品では『チルドレン』と、本作が好きです。

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ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。
奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、
他力本願で恋をしようとする青年、
元いじめっこへの復讐を企てるOL……。
情けないけど、愛おしい。
そんな登場人物たちが紡ぎ出す、数々のサプライズ! !
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