近所の犬

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  • 幻冬舎 (2014年9月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344026315

近所の犬の感想・レビュー・書評

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  • 昭和の犬が面白かったから、出てすぐ読んでみた。

    はじめに、でわかったのは、昭和の犬の主人公が姫野さんご自身を軸にして書いた自伝的小説ということ。
    そして、この近所の犬は姫野さんの私小説。より事実要素が多い、のだそうです。

    まず、そのことに驚いたわたしです。あの気を使う幼少期、変わったお父さんとお母さん、、、

    踏まえての犬見(姫野さんの造語・飼える環境にない為近所の犬を愛でる)の10章です。表現が大好き。面白くて面白くて。なのに、唐突に涙ぐんでしまう。そして泣き笑い。
    ラニとロボの人懐こさも良かったですが、シャア、グレースとミー、の章は特に好きです。幼少期の刻まれた記憶はいつまでも濃く蘇る。読み返し
    温かな気持ちにずーっと浸っていました。

    オール讀物、2014年3月臨時増刊号をなんとかしつた見たいです!

  • 我が家では犬を飼っているので、私自身犬は嫌いではないけれど、うちの子以外の犬は、実は苦手。
    姫野カオルコさんは、ホントに犬がすきなのですね。
    著者のフィルターを通して見る犬達はみんなとても可愛く、今回も、犬への愛情をひしひしと感じる本となっていました。

    要所に記される昭和的な表現や物を、検索しながら懐かしみながら読みました。
    著者の目の付け所が秀逸。
    楽しい読書でした。

  • 犬好きの、全てを代弁してくれる一冊である。

    大都市で犬猫を飼うための条件を自身で掲げ、
    その条件を満たさない作者は、「借景」ならぬ「借飼」に情熱を燃やす。
    「借飼」。つまり、ご近所のワンコを撫でさせてもらうのである。

    あ、可愛い、撫でたいと思った時に、声を掛けるべきタイミング。
    想定される、飼い主の反応。
    考えられる、犬の反応。
    なるほど!確かにわかる!
    「訴えかけるような瞳に弱い。」
    わかります!

    最近のことしか語られないが、作者の「借飼」歴は、かなり長いのでは。
    その証拠?は、時には妄想も辞さない作者が、
    その経験から考え出した、犬と戯れる際の勝負服である。
    ここまでくると、参りました、である。

    思わず、道行く犬と飼い主さんに声を掛けたくなる。
    「かわいいですね。何て言う名前ですか?」

    図書館スタッフ(学園前):れお

  • かつて飼っていたハスキー犬は、誇り高い犬だった。
    片目が黒く、片目が青。
    ぬいぐるみのように、ムックムクの足。
    ぴんと立った耳に、凛々しい眼差し。

    家族が大好きで、旅行から帰って来たら踊るように喜んだ。
    泣いている時には、そっと寄り添ってくれた。
    我慢強さは類を見ず、出産を静かに成し終えたと感動も冷めないのに、ガリガリになりながら、子ども達にエサを与える姿は神々しかった。

    病気になり、立てないくらい弱っているのに、決して家の中を汚さず、
    用を足すのは、必ず家の外だった。
    いよいよご飯を食べなくなった時、この子はもう受け入れているんだなと思った。
    その命が尽きる直前まで、もう立てないはずなのに、
    スッと凛々しく、力強く立ち、窓から外を見ていた姿が忘れられない。

  • 私も犬を飼っています。世界一かわいい犬だと思っています。テレビやネットで有名な犬にも決して劣っていません。
    若いときはかなり元気すぎたのと、毛の生え変わりがあまりに激しいので、ブルブルしたたけで周りが毛だらけになるというはた迷惑な性質なので、あまり日がな撫でまわすなどは敬遠しています。
    もう11さいなので、若いときほどやんちゃもしなくよく寝ています。
    うちの犬は本当にかわいいので、よく家の前を通る人が見つけるとよく立ち止まって覗いています。知り合いなら名前を呼んだり、気づいてもらえるまで声にならない声をかけているようです。
    そんなのに遭遇するとかわいいでしょ!と自慢に思うより、箱入り娘のごとき悪い虫がきたかと思います。
    うちは犬を飼うのに必要な条件を全て満たしているので、犬も幸せだろうと奢っていたかもしれません。
    姫野カオルコさん。あなたに近い人、少なくないのでしょうね。
    これからはあまり気味悪がらずに幸せを分けてあげようかなと思います。

  • 犬や猫を見る姫野さんの目線がいいな。
    鳴き声クオン、を久遠、と表現するなんて。
    『シャア』の子供の時間はとても長く子供の愛はとても脆い…深いです。
    干草のベッドで戯れる17歳のジャン=ロボに会いたいです。

  • 直木賞作「昭和の犬」とリンクした私小説。著者がいかに犬好きかが伝わってくるお話に癒されます。そして「ひと呼んでミツコ」や「ツ・イ・ラ・ク」の著者がこんな内容の私小説を描かれるとは何か感慨深い気持ちになったり。個人的には「リアル・シンデレラ」で直木賞を取って欲しかった。

  • 好きだなぁ、これ。

    シャアの話が切なくて、それ以前とガラリと印象が変わる。
    大人になってはじめて、失ってはいけないものだったとわかる、子どもの愛の脆さが胸に痛い。

    「身の丈なりの暮らしにもかなしみの降るとき、道歩けば彼らは必ず贈ってくれる。笑う力を。」

    寂しいような、でも幸せなような、主人公の日常が、とても美しい。

  • 昭和の犬を読んでいてよかった 犬が好きなら気持ちが良くわかる本

  • 犬を飼えない著者が、近所の犬たちとの交流を綴る。たまに猫も。

    わかる。
    近所の動物に片思いする気持ちが私にもよくわかる。
    激しくうなずいたり、膝をたたいたりしながら読んだ。

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姫野カオルコの作品

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近所の犬の作品紹介

直木賞受賞第一作! 『昭和の犬』の次は、『近所の犬』。

相鉄線沿線のおんぼろアパートでもっさり暮らしている「私」は、
近所の犬を見るのをたのしみにしている。
お金持ちのプライド犬モコ、姉のように優しかったシャア、昭和じゃないスピッツ拓郎、男好きのグレース、聡明で情緒豊かなラニ、とんま顔でたらし犬のロボ……

近所の犬にとって「私」は、飼い主でも家族でもない。ただの通りすがり。
ただの近所の人間だ。
それでも、それなのに、胸に去来するものは……?

ユウモラスな筆致を、軽やかにたのしんで読める一冊。
傑作書き下ろし犬ウォッチング小説。

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