片見里なまぐさグッジョブ

著者 :
  • 幻冬舎
3.46
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本棚登録 : 142
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344026360

作品紹介・あらすじ

優しくてきれいなかつての同級生・美和は自ら命を断った。「結果オーライ」彼女の死に、そんな言葉を使った男がいる-。おれは、なまぐさとはいえ坊主だ。殺生なしで、仕返ししてやる!父の急逝で若くして善徳寺の住職となった、合コン好きの徳弥。善徳寺に預けた父の遺骨を引き取りにきた、フリーターの一時。慣れない復讐に乗り出した、不器用で心優しき凸凹コンビの前途は多難で…。

感想・レビュー・書評

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  • 父の跡を継ぎ若き住職となった徳弥、母親の都合で8回も転校を繰り返していた一時。
    昔の憧れの女子が、自分の手で命を絶ったその事実をしり、2人はある復讐計画を立てる。

    軽いノリの話のようでいて、著者の作品にありがちな親子とは、というテーマもしっかりあり、読み応えありました。
    正義感溢れる徳弥がとても魅力的。
    一時は、ゆるい感じがいつもの著者の主人公らしいなと思いました。

    丈章がとにかく嫌な奴。
    もっとこてんぱんに、と思いましたが、今後も同じ街で暮らしていくわけだし、難しいのかな。

    徳弥はハッピーエンドでしたが、一時も幸せになって欲しいなと願います。

  • 骨壺を受け取りに来ただけのはずが。
    何事もなく直ぐに受け渡しが終わっていたら、物語は始まることなく終章だっただろうな。
    陰でコソコソと企らむのが癖になっているのであれば、もし当選していても何かしら問題を起こしていたかもしれないな。

  • お寺の住職で合コン好きの徳弥。小学校六年生の時、4ヵ月だけ同級生だった一時(いちとき)が父の遺骨を引き取りにお寺にやってきた。優しかった同級生の美和の自死の真相を知り、復讐に乗り出す二人。美和の妹の力も借りて、素人が出来る精一杯の復讐に向かっていく。個人的にはもっと強い復讐を!!と思わないでもなかったけれど(苦笑)じんわりと友情や親の愛など温かい気持ちになれる。第2弾も出ているので早速読む!楽しみ。

  • 小野寺さんには珍しく、悪い奴が出て来た。お天道様は見ているぞ。という感じ。

    自死に追い込まれた女の子のエピソード、どっかで触れた事がある。片見里荒川コネクション?本筋とは関係ない所で語られていたエピソードだった気がするけど、こんな所で伏線回収されるとは。

  • 20230719

  • 小野寺さんの読み物にしては、やや物足りなさを感じます。

  • 「片見里」2冊目。こっちの方が先なんだろうなぁ。
    とにかく丈章がいけ好かないヤツ。と思ってたら、父親までいけ好かなかった。
    そんな丈章が同級生の美和の自殺にかかわっている事を知り、お坊さんの徳弥と転校を繰り返し片見里には4カ月しかいなかった一時が仕返しする。

  • 片見里町の若くしてお寺の僧侶の徳弥と、
    お寺に父のお骨を取りに来た小学校の元転校生だった一時。

    徳弥の誘いで同窓会に参加することになった一時は、
    選挙に出馬予定の丈章が自殺した美和に関わっているような発言を耳にする。

    たった4ヶ月しかいなかった片見里の土地で
    かつて泥棒扱いされた自分を信じてくれた美和を思い
    徳弥と一緒に復讐すること企てる。

    親が警察署長という権力を使い
    敵にも味方すらにも強気でずる賢い丈章が
    自分の手は汚すことなく
    美和を傷つけ死に追いやった事実。

    徳弥はなまぐさ坊主だけど殺生は見逃せない。
    1箇所にとどまることなく何にも執着を見せない一時が見せた行動力。

    設定は面白いけど。

  • 2022.3.5-497

  • https://blog.goo.ne.jp/mkdiechi/e/a788166e42886fc30427b1e5a8d4a0f2
    「読んだ、読んでいる、読む本」で触れています。

  •  内気な草食系男子の成長と自立をテーマにした作品を得意とする作者の40代半ばの作品。

     珍しくライトミステリー風。本屋大賞候補になる最近の作品と比べるとやや安易な展開ながら小野寺作品ならではの安心感があり、楽しく読めた。

  • <稚>
    小野寺史宣かなり初期の作品。まだ文節が句読点で極端に短くは区切られてはいない頃。なので最近の作品から小野寺史宣の読み始めた僕には少し違和感がある。今の方がいいかな。昔より今が良いってのは建設的で良いことだ!
    語り手が場面毎にT君からI君へと頻繁に入れ替わっている。ちょっと斬新かなと思ったけれど語り手が入れ替わるところで章が変わるという明確な区切りなどは無くかえって分かりづらい事態になっている。以後の小野寺史宣作品にこのパターンはもう無いだろうと思った。
    この本は決して厚くは無いれど改行が極端に少なくて1ページの文字量が多い。なので思ったより読み終わるまでに時間を要した。いや別に長く掛かったってかまわないのだけれど。

  • 予想外に面白かった

  • 5月-7。3.0点。
    田舎町の住職。父の急死により20代で寺を継ぐ。
    一方、数ヶ月同級生だったフリーターが寺を訪れる。

    読みやすい。あっさりしているがラストは良かった。

  • 親の都合で何度も転校を繰り返した一時は、小6のときに4ヶ月だけいた田舎町、片見里へやってきた。そこにある寺に父親の遺骨を17年間も預けてあったのだ。その寺の息子で4ヶ月だけクラスメイトだった徳弥は3日後に開かれる同窓会に参加しろと言い出す。嫌々ながら参加した同窓会で一時は次の市議選に立候補する堀川がクラスでも美人だった美和の死を「結果オーライ」と言っているのを聞いてしまい…


    堀川はマジで嫌なやつだった。田舎町の有力者の息子。父親は警察署長で県庁に勤めていたけど市議選のために退職。使えるものはトコトン使ってやる。その価値がなくなったらサヨウナラ。だから堀川を敵とするやつもいる。表立って言わないだけで。


    だけど、イチとトクの復讐がなんとなーく生温くない?と思ってしまった。もっとスカッとするような、堀川の今までの行いが暴露されるぐらいの復讐はほしかったなぁ。だけど、それだと傷ついた人たちさらに傷つくことになってしまうのか…


    だけど!だけど、やっぱり少し生温いよ!現実にはこんなもんなのかもしれないけど、せめて小説の中ではスカッとさせてほしかった。


    2020.2.2 読了


  • 男の友情物語

    小さい頃から転校を繰り返してきた谷田一時が、急逝した父の遺骨を預けている同級生で住職の村岡徳弥を十数年ぶりに訪ねる。

    小学6年生の時に4か月しか過ごさなかった片見里の町で、一時は同級生だった女の子の自殺に隠された真実の端緒に触れてしまう。

    その黒幕で市議選に出ようとしている堀川丈章に、一時と徳弥が復習を企てる。


    ドロドロでもなく、爽やかすぎもせず。

    続きが読みたい感じ。

  • 小野寺史宜 著「片見里なまぐさグッジョブ」、2014.9発行です。そこそこ面白いのですが、テーマが分散しがちで、最後もややまとまりを欠いた感じがしました。

  • 生臭坊主が出てくるわけですが主人公はこっちなのかというとこっちでないような気もするけれど、ダブル主人公というやつか。
    中途半端な田舎町の元一学年だけのとても狭いわりには大事になった話。
    嫌な人が出てきます。っていうか、あんだけ人に嫌われる人気者とかいう愉快な言霊。

    1人のつながりからツルツルと縁が繋がって、気付いたら結構な人数に。
    かたやあちらは裸の王様。
    まあ、そんな話です。

  • とある一地方都市片見里で住職を勤める徳弥と、かつて短期間だけ同級生であった一時が名士の息子丈章に復讐を試みる。

    さらっと読める一冊です。まあ序盤から丈章=悪という図式が実にわかりやすくでてきて、自殺してしまった美和に対する、なんというかリベンジポルノ的なものもほのめかされて・・・・なにかしらの真相めいたものがあるのかと思ったら最後までそのまんまでした。どんでん返しとかそういうのはなく、普通に終わってしまった印象。読んでる最中はそれなりに楽しめましたが、終わってみるとあまり心に残らなかったような。
    タイトルにあるように「なまぐさ」坊主として徳弥がやたら連呼されてますが、くだけた話し方ではあるもののなかなかに立派なこといってるようにも思うんですけどね。

  • 急死した父の後を継いで住職となった徳弥のもとに、小学校6年の時、4ヶ月だけクラスメイトとなった一時が訪ねてくるところから始まる。当時のクラスメイトが自殺したことへの復讐を、市議選に立候補しようとしている、これまたクラスメイトへ計画するストーリー。30歳間近の徳弥が住職らしくなく、おもしろいキャラクターでした。ラストの復讐の結果は、こんなんで良かったの?と少しモヤッとしたものが残るものの、全体としては楽しく読めました。

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著者プロフィール

一九六八年千葉県生まれ。二〇〇八年『ROCKER』で第三回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞し同作で単行本デビュー。著書に「みつばの郵便屋さん」シリーズ、『ひと』『ミニシアターの六人』『レジデンス』『タクジョ!』『銀座に住むのはまだ早い』『君に光射す』などがある。

「2023年 『片見里荒川コネクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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