キャロリング

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著者 : 有川浩
  • 幻冬舎 (2014年10月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344026599

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キャロリングの感想・レビュー・書評

  • クリスマスを前に、何処かあきらめ顔の人々。その中にどうにかなるかも!と少年がひとり行動をおこします。
    彼の行動が周りの大人たちの心を少しずつ動かし…
    さて、クリスマスにはどんな奇跡がおきるのでしょうか?

    自分の境遇を恨んだり、他人の幸せを妬んだり、そんな暇があったら、少しでも顔を上げて前を向かないと、小さな幸せ見過ごしちゃいますよ。

  • 大号泣。読んでる端から泣き続けて読み終わったかんじ。
    大和はいいひとにめぐりあった。航平もいいひとにめぐりあった。みんな恩返ししてた。
    その輪に加われないひともいた。来た道を戻って遠く世界の果てに。
    思いやることは知ったかぶることでなくて、察することで、でも後ろにいるからね、って伝えることなのかなあ。
    かわいそう、を利用するのは卑怯者のすることなんだ
    でもかわいそうを使わないと生きていけない人はどうしたらよかったの?
    愛していると伝えて、愛していると言ってもらえたならよかった
    誰かのせいにしても楽にならないんだ、自分がよどんでいくだけなんだ
    わたしから始まることなんだ
    変わることがあって、取り返しのつかないこともたくさんあって、でも踏み出せるなにかがあるから、きっと、どこにも希望があるんだろう

  • 好きな物語だった。

    有川浩さん初期の自衛隊三部作に感じた、鋭利な心と純粋な心が交じり合った物語だった。

    人を傷つけるってなんて簡単なんだろう。
    人を、自分を許すってなんて難しいのだろう。

    素敵な大人がいないと難しい。
    現実もそう。

    とてもステキな物語でした。

  • クリスマスにもたらされるささやかな奇跡の連鎖―。有川浩が贈るハートフル・クリスマス。
    「BOOKデータベース」より

    ドラマ化もされているようだが、こちらは見てない.
    のっけから、何!?と思う不穏な状況描写から始まる.家庭内暴力、離婚、倒産、、心に傷を負いながらも周囲に支えられて立ちあがれる者、そうでなかった者、両方が出てくるが、一連の事件で誰も死なないところや、最後は「情」によって解決されるところが有川さんの小説のよいところだなぁと思う.
    悪いことをする人も、パンドラの箱のように底には希望のかけらが残っていてほしいと思っているのだが、まさしくそんな感じかな.

  • 大和っていい奴。引っ張っていってくれる感じで惹かれるな~
    航平君、まだ子供なのにしっかりしてる。
    お話しまで書けちゃうし、ちゃんと人に伝えるという事ができるなんて偉い。
    急にゆる~い流れが誘拐事件勃発でビックリ。
    倒産とか離婚とか誘拐とか、いっぺんにいろんな事が起こった冬の出来事。

  • クリスマスにまつわる物語。もっとファンタジーチックな物を想像していたらいい意味で違っていた。
    有川作品にはいつも、自分の琴線に触れる言葉がある。
    「それでも自分の胸には自分の不幸が一番痛い。だから比べたって仕方ないのだ、他人にも自分にも。」
    「子供はいつだってまともに受け取るんです。親に与えられたものは何でも。」
    前の作品を読んでても思ったけど、有川さんは人の心にとても敏感で、子どもの頃からいっぱい言葉で傷ついてきたことがあるのかもしれない。そしてそれをストレートに表現できる人。だから私はいつも有川作品に心をえぐられるのかもしれない。
    航平の家族は元には戻れなかったけど、前には進めた。
    大和も柊子も、赤木も手下もみんな。
    現実はこんなにうまくいかないし、こんな出来た人たちばかりじゃないけど、そこは物語なので。
    希望があって良かったと素直に思いました。
    私にとっては有川作品の中でも上位に入る、お勧めの小説です。

  • 冒頭───
     こちらを向いた銃口にはまるで現実感がなかった。
     自分の人生に銃を向けられるようなことが発生するわけがない、これまで積み重ねてきた彼の常識がその状況を夢の中の景色のように補整した。
     思わず手を動かして向けられた銃を脇へ押しのけようとしたのは、あまりにも非常識な状況をとっさに飲み込むことができなかったのかもしれない。よせよと悪い冗談でもたしなめるように、手は無造作に、無意識に動こうとした。
    銃口と一緒にこちらを睨む荒んだ目が針のように細くなった。
    言葉はなかった。
    ───

    大和俊介、三十二才男性。叔母の営む子供服メーカーの営業社員。
    折原トーコはメーカーのデザイナーだ。
    二人は依然付き合っていたが、大和の生い立ちを理由に分かれることになる。
    会社は業績が悪く、クリスマスの日に廃業することを決定する。
    会社の事務所内で行っている学童保育で預かっている小学六年生の航平は、頼りない父親としっかりし過ぎている母親の離婚問題で頭を悩ませている。
    整骨院の女性院長が好きで取り合いをする老人と航平の父親は、院長の借金取り立てに現れるチンピラの前でいいところを見せようとするが───。
    チンピラと関わり合ったことで、が持ち上がる。
    倒産後、実家の新潟へ帰ることを決意していたトーコを守ろうと、大和は助けに向かうが───。

    芝居の脚本として書かれたためか、重厚感に欠け、テレビドラマのような薄い内容(実際にNHKでドラマ化され、放映されているが)だが、最後は登場人物全員の未来に幸あれと願いたくなるような物語だった。
    読み終えた時、どこからか、クリスマスキャロルの音色が聞こえた。

  • レビュー見ると、物足りなかったという人が多いようだけど、有川さんの作品への期待が大きすぎるのかな?
    私は初有川作品だったので純粋に面白かったと思いました!!
    これで物足りないというなら、他の作品がすごい楽しみです!
    最初、緊迫した場面から始まって後からそれまでの経緯が語られる。その経緯を知ってからは最初の場面が全く違った状況に見えた。それぞれの人にそれぞれの物語があるのだと感じた。

    「不幸の比べっこなんかしても意味ない」

    本当にいい言葉。。。
    大和の両親は最低だと思ったけど、それでも人を助けられる人になったのは素晴らしい。
    クリスマスのとうことのシーンは暖かくて感動。
    幸せになってほしいです!!

  • 最近の有川さん作品の中では一番楽しめた。
    先に後半のスリリング場面を持ってこられたときは「おぉっ?血生臭い展開か!?」と身構えたものの、そこは有川さんらしくお子さんでも楽しめる内容になっていた。

    登場人物の性格や、会話のやりとりは有川さんらしいテンポ感。
    恋愛もほんのり効かせ、「めでたしめでたし」が似合う終わり方。

    ところどころに、「空飛ぶ広報室」のような「植物図鑑」のような・・・他の作品でもあった雰囲気がちらついて、有川さんらしい雰囲気がファンには嬉しい要素かも。

    よかったのは、家族が出した結論。
    童話にならずにすんでよかったな。

  • いつも手の届かないどこかがムズムズする、大好きな有川浩さんの本。
    それを我慢する覚悟で(笑)読み始めましたが…。

    仲の悪い両親の間で育つ子供がどれだけその幼い心を痛めるか…。
    その痛みを知っている大和に救われる航平くん。
    「大和」「呼び捨てするな」
    お約束の会話に、ふふっ。

    「持っている辞書が違う」たしかに…。
    持たなくてすむ辞書ならそれが一番いい。

    でも幼い子供はそれを選べない。
    航平くんの「わたるの物語」がせつない。

  • クリスマスの日に事業をたたむことになった子供服の会社で働く大和は、両親の愛を受けずに育った。その会社が開いているキッズルームに出入りする少年・航平の両親は、離婚危機に瀕している。なんとかそれを食い止めたいと願う少年は、大和や、その同僚でかつて彼の恋人だった柊子らと、別居する父親の職場に通うようになる。そして、そこで思わぬ事件に巻き込まれていく……。
    大和と航平、そしてもう1人の「不幸な生い立ちの少年」。繰り返し登場する「他人と不幸の比べっこしても仕方ない」という言葉が深く心に刻まれる。最後のクリスマスの夜、すべてが終わったあとに大和がようやく辿り着いた結論と行動に、拍手。

    いつもの有川テイストに若干の激しさを加え、甘ったるいだけでなくピリッと引き締まったストーリーになっている。さまざまな感情が味わえる一冊!

  • 前半はもうひとつ引き込まれなかったんだけど、後半はさすがに有川さんでした。12月に読んだらもっと雰囲気あったかな? (^_^)
    テレビ(BS)でドラマも始まったが、小説同様に大和が危ない場面から始まっていて、思わずにやっとしてしまいました。ドラマも楽しみ ^_^

  • 不幸の比べ合いが意味が無い、何回も出てくる言葉。
    価値観、立場、起こってしまって仕方がないこと、色々事情はあるけど、皆が真正面から向き合って行く話。

    なかなかこうはうまくいかないよね、と思いつつも小説の中ぐらいはハッピーエンドでも良いですね。

  • 登場人物それぞれが、少しずつ方向性は違うが皆優しい。
    ガラの悪さも背景が語られることで情が湧いてきて、どこか微笑ましい。
    ホッと一息つける物語が堪能できた。

  • 自分を表現するのが下手な人っているよなぁ。
    でも、それを他人が察するというは無理よ。
    やはり、言葉にして表現しないと考えていることなんてわかりっこない。
    嬉しいこと、悲しいこと、嫌なことなんでも言葉にしないと伝えたことにはならないと思う。
    特に、感謝とか嬉しいなど喜びに直結することは相手にとってもいいことなのだから、積極的に伝えられるようになりたいな。

  • 子供服を手がける小さな会社「エンジェルメーカー」が、経営不振によりクリスマスに閉業することに。主人公の大和俊介と、元彼女の柊子が、会社の副業として始めた学童保育の生徒・航平と出会うことで、様々な事件に巻き込まれていく。大きくくくれば家族がテーマかな。
    俊介は両親と反りが合わず、心に闇を抱えていたり、航平の父親の職場で出会うヤミ金連中たちとの闘争に巻き込まれていったり、…と重苦しい背景もあるのだが、 魅力的なキャラクターたちと、軽妙な会話劇にホッとする。
    有川先生にしては、ベタ甘・胸キュンなシーンが少なかったかな。これ続編も是非描いて欲しいな。俊介の今後の仕事ぶりや、柊子との関係も気になるところ。

  • クリスマスの直前に図書館から届いたクリスマスの本。
    いつ予約したのかも覚えていないのに、
    ちゃんとこの時期に届くなんて
    本の神様からのプレゼントか?!
    ・・・そんな経緯で読み始めたこのお話、期待を裏切りませんでしたよ。
    聖夜には、こんなお話みたいな小さな奇跡があっていい。
    主人公たちが胸に秘めている傷も、
    伝えられない切ない気持も
    全部全部ひっくるめて
    どうか幸せになりますようにと願いたくなる一冊でした♪

  • 久々に読んだ有川さん。出だしの、先にクライマックスを見せちゃう手法よく使うなぁとまず感じ。

    子供の切ない気持ちがよく書けているなぁと思いつつも、いろいろなところに設定の無理を若干感じた。
    途中から誘拐の話になり「お?」と思ったけれど悪役側の悪役感のリアリティが薄い感じがしました。
    後から知りましたが、もともとは舞台用に作られたお話だったのですね。舞台で見ると違うのかな。

    個人的にですが今までの作品に比べたらあまり話しにのめりこめなかった。

  • クリスマスで廃業することにした会社の社員と利用者の少年と母親と父親が絡んだラブコメディーのような仕立て。

    主人公はこの会社に勤める大和。そして、元彼女の柊子。
    この二人が付き合い結婚寸前まで行ったが、大和の不幸な過去によって心の中でおたがいの行き違いから別れて、そしてあと数日で会社は解散して別れ別れになると言う状況で、この会社のサイドビジネスの子どもの預かりにやって来ていた心を開かない小学生の航平が繰り広げるお話し。

    表現として、小学生の航平の発言や考え方の描写が大人すぎて少し違和感を感じるが、これをドラマにしたらおもしろいかもと思ってこの本の情報を見てみると、舞台劇用に書かれたものらしい。

    ドラマであればこの違和感も薄れるだろうという感触が、ドラマ用だったんだと言うことで何となく納得。

    ラストシーンはクリスマスの夜。
    この、キャロリングという題名がクリスマスに結ばれる二人のリングと言うことだったのかな?と自分なりに納得した一冊(^^)

  • キャラメルボックスでの舞台化を前提として、筆者が役者全員と面談をして“宛て書き”した物語の小説版。
    舞台では大嶽はいなかったけど、なんでだっけな。

    さすが、宛て書きだけあって、脳内イメージはキャラメルの役者さん……と言いたいところだけど、NHKでやったドラマ版もとても良くて、両方のキャストがごっちゃになって脳内再生。
    大和は三浦さん。阿部丈二はむしろ赤木さん。
    けど、社長は絶対みっこさんだったなー。

    ところどころで涙腺が決壊して大変なことに……。
    外で読むのはお薦めできない。

    あと筆者は、「別れる男に、花の名を一つ教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。」という川端康成の言葉がよほど好きなんだなーと思った。
    本書ではこの言葉そのものは出てこないけど、ハルジオンとヒメジョオンの見分け方のエピソードなんてまさにそれ。

  • 最初に舞台で、その後ドラマでも見ていたので内容知ってのだが。小説も読みやすくさくさくと。取り立て側がちょっと踏み込み足りなかったかなー。家族と、恋愛と。努力しないと奇跡もそうそう起こらない。

  • クリスマス倒産前の子供服メーカーが舞台の家族や人を想う気持ちが描かれた本。感情のまま放った人を傷つける言葉は跳ね返って本人が凹んでしまったり、家族を理由に甘えてるとうまくいかない。

  • 久しぶりに有川さんの作品が読みたくて手にしてみた作品

    お互いがお互いを思いやっているのに、それが上手く伝わらないもどかしさが上手く描かれているし
    やっぱり有川さんの作品は個々に憎めない愛嬌があると言うか
    嫌な印象を受ける登場人物がいなくて楽しく読めます

    航平の小説とか、俊介と柊子の距離感とか思わずウルッとしてしまって好きなんだけど
    途中ちょっと展開が回りくどいな…と思ったのと
    暴力的なシーンが急に現実味が無くなって、いるのかな?と思ってしまったので
    ★はほぼ4寄りの3で

  • クリスマス、ハートフルという言葉にベッタベタなお話を期待していたのだけど、出鼻を挫かれる始まり。優しい愛で締まるけれど、物足りなさが残る読後となってしまった。
    ドラマや舞台といった可視化には合っているお話だと思う。区切り区切りにすると次は?となる展開なのは間違いない。

    でも、私が有川作品に求めているのはベタベタとワクワクとニヤニヤなのです!キャロリング、そこからは外れる。

  • とても良かった!
    今のところ、有川浩さんの本の中で、この本がマイベストかな。

    場面の語り人が、大和、柊子、航平の3人で、何気に切り替わり、話の展開と共にそれぞれの心情の変化を深く読み掴めた。

    ザックリあらすじ:
    大和の過去の出来事による心の傷が、元恋人の柊子に誤解を与えてしまい終わっていた恋だった。そして二人が勤める会社が倒産になり同僚としての繋がりもなくなる状況。そんな中、学童保育で預かってる航平との関わりで、ある事件が勃発する・・。

    サラッと感想:
    大和の過去の出来事による傷があるからこその優しさや強さや弱さが、一旦誤解というプロセスを踏みながらも、柊子に時間をかけながら受け入れられていく。そして同時に、大和も隠していた心の傷を自身でも受け入れ柊子に話そうと思えるようになっていく。
    お互いに壁を乗り越えた素敵なラブストーリーだと思う。
    そして、そんな大和の男気から航平が学び、父母の離婚を受け入れ成長していく過程も良かった。

    登場人物は、皆いろんな過去を持っているが、選択のできない環境により堅気になれなかった人がいても、根っからの悪人がいないのが有川浩さんの物語の素敵なところ。

    人の今までの生い立ちを含めて「察する」優しさ・・・ということを深く考えた一冊

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キャロリングの作品紹介

倒産が決まった会社で働く、元恋人たち。両親が離婚しそうな小学生男子。心優しい、チンピラたち。クリスマスにもたらされる、ささやかな奇跡の連鎖。NHK BSプレミアム連続ドラマの原作。『別册文藝春秋』掲載を書籍化。

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