ナオミとカナコ

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著者 : 奥田英朗
  • 幻冬舎 (2014年11月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344026728

ナオミとカナコの感想・レビュー・書評

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  • 面白いことは面白いんだけど、思ったほどでもなく。
    夫からDVを受けている妻とその友人が協力して夫を殺害・・・。
    うーん、ちょっと考えられないなぁ。
    正当防衛ならいざしらず、計画殺人となるとどうなんだろう。
    直美も加奈子も賢そうな女性だし、本来だったらもっと別の手段を考えるんじゃないかな。
    そんな思いが読んでいる間中渦巻いていて今一歩物語に入りこめなかったのが正直なところ。

    ところが読了後に奥田さんのインタビューを読んでびっくり。
    実際に友人と共謀して夫を殺害した女性がいたんですね。
    その陰にはDV被害があったみたいで。
    うーむ、事実は小説より奇なりか。

    最後の展開はスリリングで手にページをめくる手が止まらなかったけれど、何か物足らず。
    期待しすぎたのかもしれません。

  • 望まない職場で憂鬱な日々を送るOLの直美。夫の酷い暴力に耐える専業主婦の加奈子。二人は運命を共にし、男を一人殺すことにした。「わたしたちは親友で、共犯者」

    初の奥田作品は、一気に読ませる犯罪サスペンス。
    『それが友情です。ちがいますか』友情とは何かを考えさせられた。

    旦那さんを一緒に殺すことが本当に友情になるのか…。
    達郎は殺されても仕方ない男だけど実際殺すとなると違う気がして、もやもやした気持ちで読んでいった。達郎はどうでもいいけど、殺した二人の心に後悔と悲しみと罪が残るのではないだろうか。
    だけど、加奈子がどんどん強くなって、安らぎを感じているのをみると、これでよかったのかな、これは排除、私もそう思う事にした。しかし、二人のクリアランス・プランはあまりにも雑で時間が経つにつれいくつもの綻びが出てくる。
    達郎の妹陽子の執拗な攻撃が二人をどんどん追い詰めていく。陽子にだけは捕まって欲しくない。「ひゃー逃げて、逃げて」。
    ラストは…。このあと二人の運命はどうなるのだろう、どうなるのがいいのだろう。

  • ブクログでの評価が高く、気になっていた本。
    フォローしているお友達のレビューでますます気になっていたら、TVドラマ化。
    私はドラマを見ていないのですが、友人が「ドラマがかなり面白い!」というので、これは読まなきゃ~!と思っていたところ、日本人会図書館で借りることができました!!

    「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」

    仕事にやりがいを見いだせないナオミ。
    DV夫にがんじがらめにされているカナコ。
    二人は親友から共犯者への道へ踏み出す…

    カナコの夫を”排除”しようと企てるナオミとカナコ。
    自分たちの計画の完璧さに酔いしつつ、進んでいくのだが…

    ”DV夫を殺害”
    桐野夏生さんの「OUT」をちょっと思い出したり…

    面白くて一気読みでした!

  • 待ち望んだ長編、めちゃくちゃ面白かった!
    完全犯罪を目論んだつもりが、徐々にほころびが見え始め、
    義妹にじわりじわりと追いつめられるところでは、
    もう音が聞こえるくらい心臓がドキドキ。
    読みながら「あかん、そんなん危ないって!」と心で叫ぶ私は
    さながら3人目の共犯者。

    この話のキーを握るのは、李社長と替え玉の林、二人の中国人だ。
    平気で嘘をつき証拠が無ければシラをきり通し、
    でもいったん家族(仲間)と認めると厚情で裏切らない彼ら。
    日本人には思いもよらない行動をとる彼らに振り回される直美と加奈子。
    中国と日本の国民性の違いを上手く利用し、組み立てられたプロットはお見事。
    中国人の逞しさを見習い、どんどん強くなっていく二人の肝の据わり具合がいい。

    ラストの空港までの逃走劇は、最後の1行を読み終えるまで緊張の糸が緩まず、
    ドキドキを静めるため深呼吸などしながら読み終えたのでした。
    まさに極上のエンタメ小説。やっぱり奥田作品にハズレなしっ!!

  • 面白かった~!
    ヒヤヒヤしながらも一気読みです。

    始まりは老舗デパートの外商で働く直美のお話。
    もうね、これだけでも十分面白いです。
    そして、エリート銀行マンの夫と幸福な生活を送っているかに見えた加奈子。
    二人のお仕事と友情小説かと思いきや、まさかのDV夫の”排除”計画。

    ミステリーや警察小説をある程度読んでいると、
    二人の計画と行動の細部が気になって仕方がなくて…。
    「えっ、ほんとに殺しちゃうの?」
    「それ、まずいよ!だめだってば~~」
    とほぼ共犯者の気分でしたね。

    犯罪なんかとは縁のない普通の人生を送ってきた直美と加奈子。
    そんな二人がいとも簡単に殺人に手を染めて、どんどん落ちていく姿は、
    まるでジェットコースターに乗っているかのようでした。
    最後は李社長が一番まともな人間に思えてきたりして…。

    いつもなら、これはちょっと~とかあれこれ考えちゃうんですが、
    (加奈子の赤ちゃんの事とかね…)
    でも、まあいいかって思えるくらい面白かったです。

  • ナオミとカナコ。
    作品の中では直美と加奈子。
    テルマ&ルイーズを意識したらしい。1991年の有名なアメリカ映画で、オスカー ゴールデングローブともに脚本賞を受賞している。
    大評判だったあの映画、女性の感想は「かっこいい」「自立してる」が占めていた、と思う。
    そこが全然わからなかった。
    セクシーで華やかで鼻っ柱は強いが、情動的で支離滅裂・先を想像する力がこれっぽっちもない、いきあたりばったりで享楽的。
    理性ではなく力が支配する社会の“裏面”そのものだと思った。

    で、直美と加奈子。
    彼女達、ちゃんとしてるんですよね。ふたりともそれなりに社会に適合しているし、感情制御もしっかりできる。理性的。学習能力も高い。
    このキャラで、この展開はどぉしてもしっくりこなくて...
    とくに直美ですね。加奈子はまぁわからないでもないかな。。
    ノイローゼになりそうなほど仕事がうまくいってないとか、友達作れないとか、ショッパホリックとか、もそっと破綻してるところがないと、取り憑かれないだろう.....
    つまりテルマ&ルイーズの暴力性は無いんですよね....ああそうだ、あっち脚本はカーリ・クーリさん、女性だわ。
    なるほど、うん、桐野夏生のアレの方がリアルだわ。

    もちろん、奥田さんですから、文章はテンポよく、登場人物も魅力的。
    池袋の中華街には興味を引かれます。
    追いかけっこのところはドタバタものとして楽しめました。

  • ☆☆☆☆☆ 5つ!

    これは、もう何があってもこういう読書コミュの下手な感想文などで物語の結末をバラしては行けない本だろうなぁ、と思った。そのくらい面白いです。

    書かれているのは「人の気持ち」もうただそれだけ。
    人の気持ちの変化を実にわかりやすく書いてある。

    なので読みやすくて、物語の中にすっと入っていける。
    人の気持ちをとても素直に、妙なひねりなど無くスッと書くということは、なんだかフツーのことの様な気もするけど、小説作品を書く上ではとっても大切な事だとあらためて思った。

    『小説はわかりやすくなければ面白く無い!」 by りょうけん。 あ、すまぬ。

    で、今回こそは内容には一切触れない。
    、まあえて書くと二人の女性の苦しくも愛らしいラブストーリーです(^_^;)・・・うそ!

  • 読了直後でまだ心臓のドキドキが止まらない。
    ラスト一行でほっとしたけれど、すぱっと駆け抜けた感じなので余韻が消えていかないのだ。

    ついこの間「紙の月」という映画をみたばかりで、またしても「逃げ切る!」というタイプのお話。
    なぜか映画にも本作にも、非難めいた気持ちは持たなかった。むしろ共犯者となり、「逃げろ!早く!」と居ても立っても居られない気持ちでページをめくった。指が震えた。

    最初はナオミのほうから話が始まる。物語の始まりなので、若干気が重かった。つらく憂鬱な現実がこれでもかと描き出される。朱美社長とのトラブルもまたうんざりした気持ちになるものだった。

    ところが、朱美社長とのやりとり、特にナオミが彼女に親近感を抱き始めるところから、小説の雰囲気が変わり始めた。読んでいる私も、あきれつつも朱美社長に好感を持ち始めた。突き抜けたら案外好きになれるものかもしれない。
    「腹をくくる」ということの清々しさということを考えた。うじうじ、後ろ向きに、被害者的に物事を考えていたら悪いほうにしか進まない。済んだことは割り切って、これからどうするかを考える。この途方もない前向きさとエネルギーが、物語に明るい光を投げかける。
    カナコの章になると、風雲急を告げる展開になる。
    クリアランス・プランのずさんさが次々にあぶりだされるのだが、このあたりのほころび方がなんともリアル。
    読者として読めば「どうしてそんなことに気づかないのか」とか「「なぜそこで高を括るのだ」とじりじりしてしまうが、もし実際に自分がその立場だったら、きっとこんなふうになってしまうんじゃないかと思わせるから。
    暴力夫から逃れることについて、他人は簡単に「逃げればいい」とか「離婚すればいい」というけれども、自尊心が根幹から破壊された人間には、そういう選択肢はあり得ないのだ。殺されてしまってから初めて同情するのが傍観者。「殺されていい人間などいなのだ」というなら、DVで殺されてしまう人の立場はどうなるんだ。

    序盤であっさり殺されてしまうカナコの夫。彼の母親や妹の造形を見ると、ああ、こういうタイプの家系なのかと納得できるように描かれている。
    「母の愛」を絶賛する人は、カナコの夫の母親の姿が理想なのかな。まさにあれは「母の愛」だと思うが。
    女の強さの、いろんなパターンが描かれていて、非常に興味深かった。

  • 今年もたくさん面白い本を読んで来たけど、これも、ホントにたまらん一冊でした。
    まぁ、奥田さんの小説だから、面白くない訳がないわな、と割と軽く思いながら読み始めたんだけど、すみませんすみません、アタクシなめてました、奥田さん面白すぎ!
    タイトルやジャケットからして女の友情と裏切り、みたいな感じを思い浮かべるけれど、これがいい感じの裏切りの始まりで。
    物語が走り始めたら読むほうも立ち止まることはできない。先へ先へと息を切らして必死で付いて行く。
    読みながら、真っ当な人間なら同情を持つことはあっても絶対に責めたくなりはしない「被害者」の家族にさえまったくの共感できない私って…と自分の正義を疑ってしまったり。
    そして、この華僑たちの図太さとたくましさにも呆れつつ救われたり。
    ドキドキしながら、胃をきゅんきゅんと縮めながら、共犯として走り続けた読後の疲労感。はぁ、気持ちよかった。

  • 分厚いが一気読み。
    現実では許されないことなのだろうけど、ナオミとカナコを思い切り応援してしまった。単純に面白かった!

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ナオミとカナコの作品紹介

ナオミとカナコは奥田英朗さんが2014年に発売した小説です。望まない職場で憂鬱な日々を過ごしているOLの直美。夫の暴力に耐えている専業主婦の加奈子。受け入れがたい現実に追い詰められた二人が下した究極の決断は、加奈子の夫を殺すことだった。二人の女性が泥沼の日常から抜け出す、長編犯罪サスペンス小説です。

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