ナオミとカナコ

著者 :
  • 幻冬舎
3.99
  • (320)
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  • (6)
本棚登録 : 2672
感想 : 463
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  • Amazon.co.jp ・本 (438ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344026728

作品紹介・あらすじ

ナオミとカナコは奥田英朗さんが2014年に発売した小説です。望まない職場で憂鬱な日々を過ごしているOLの直美。夫の暴力に耐えている専業主婦の加奈子。受け入れがたい現実に追い詰められた二人が下した究極の決断は、加奈子の夫を殺すことだった。二人の女性が泥沼の日常から抜け出す、長編犯罪サスペンス小説です。

感想・レビュー・書評

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  • レビューを拝見して、読みたくなった本です。ありがとうございます。

    435ページ一気読みでした。
    服部加奈子の夫のDVは酷く、それに気づいた親友の同級生、小田直美は「復縁を迫った夫が、元妻の実家に押しかけて親兄弟を皆殺しにして自分も自殺、そういう人間が世の中にはいるの」「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」
    と持ち掛けます。
    二人は共謀して夫の達郎を殺し、富士の樹海に捨て、夫そっくりの中国人男性を見つけて夫のパスポートで中国に帰るように指示します。
    このまま二人で逃げ切る話だとばかり思っていたら、そうは問屋が卸さない。
    加奈子は夫の職場から出社していないという連絡を受け捜索願をだします。

    それで終わりかと思ったら、まだ後半が半分ある。
    二人のたてた計画は用意周到と思っていたら、かなり杜撰で所々からほころびが見えてきます。
    そして、夫の実家の妹の陽子が現れて加奈子に疑惑の目を向けます。
    「加奈子さんは何か隠しているでしょう」
    陽子の追求の目は厳しいもので、興信所をやとわれ追い回されます。
    ナオミとカナコの味方はナオミの元顧客の中国人女性、李朱美のみ。

    夫のDVがあまりに酷いものだったので、この物語はナオミとカナコを応援せずにはいられません。
    二人は逃げ切ることができるのか…。
    それとも捕まってしまうのか…。
    大変、心臓に悪い、ハラハラ、ドキドキする話でした。

    中国人女性の朱美に感化されて中国人のようにだんだん強くたくましくなっていくナオミとカナコの成長ぶりが読んでいて痛快でした。

    • アールグレイさん
      こんにちは!
      この本、面白そうですね。読みたくなり、レビューは途中までしか読んでいません。本当に読もうかな?
      こんにちは!
      この本、面白そうですね。読みたくなり、レビューは途中までしか読んでいません。本当に読もうかな?
      2021/05/11
    • まことさん
      ゆうママさん。こんにちは!
      もし、この本を読まれるのでしたら、レビューは、途中までにされておいてよかったですね。
      私もブク友さんが、星5をつ...
      ゆうママさん。こんにちは!
      もし、この本を読まれるのでしたら、レビューは、途中までにされておいてよかったですね。
      私もブク友さんが、星5をつけてらしたので、読みましたが、ハラハラして、心臓ドキドキでした。
      2021/05/11
  • ハラハラドキドキでした( ̄▽ ̄)
    あーだこーだと立てた殺人計画。
    なんせ素人?2人なんで読んでるこちらは
    いやいやそんな簡単にはいかんやろ?と笑
    だけどなんだかだんだん応援したくなる…
    旦那殺すのに…応援って

    旦那さんの描写の匙加減が上手いからかな?
    正当防衛とかのがいいんじゃない?
    なんて意見したくなったり笑

    当然あれこれ計画が綻びますよ。
    もう後半は行き当たりばったりです!

    あら?ここで終わるの?となるラストですが
    読んでるわたしも一緒に逃げてるんで、息が切れました( ̄▽ ̄;)

    面白かったな…

  • DVを受けていたカナコが親友のナオミと共謀し、夫を殺害。
    ありえない設定にもかかわらず、計画を実行して以降のハラハラドキドキは、最後まで止むことはなかった。
    けっこうなボリュームにもかかわらず、ほぼ一気読みのおもしろさだった。
    執拗に二人に迫り来る夫の妹も良かったし、
    なんと言っても中国人の女社長が最高。
    最初はちょっと関わるだけの端役かと思っていたら、
    その比重はどんどん増し、最後は彼女たち二人を支える保護者のように。

    女社長の他にも何人かの中国人が登場し、
    そのえげつなさとコミュニティの深さに驚く。
    彼らを見る視点が、この作品を読むと、これまでとはちょっと変わるかも。
    自分にはとうてい太刀打ちは出来ないけれど。

    • あゆみりんさん
      ちぃさん、こんにちは。
      ありえない設定だけど、面白いですよね。
      ドラマも観たのですが、中国人女社長は高畑淳子さんでした、めっちゃハマり役でし...
      ちぃさん、こんにちは。
      ありえない設定だけど、面白いですよね。
      ドラマも観たのですが、中国人女社長は高畑淳子さんでした、めっちゃハマり役でした。
      中国人てすごいなぁ〜、私もやる時はやる女になるぞって思いました。
      2023/06/09
    • ちぃさん
      こんにちは。
      ドラマ化されてたんですね。高畑淳子さん、ぴったりですね!ナオミとカナコのキャストは、わたしは逆のイメージ。。見たら印象が変わる...
      こんにちは。
      ドラマ化されてたんですね。高畑淳子さん、ぴったりですね!ナオミとカナコのキャストは、わたしは逆のイメージ。。見たら印象が変わるかな?見てみたいです。
      2023/06/09
  • 面白いことは面白いんだけど、思ったほどでもなく。
    夫からDVを受けている妻とその友人が協力して夫を殺害・・・。
    うーん、ちょっと考えられないなぁ。
    正当防衛ならいざしらず、計画殺人となるとどうなんだろう。
    直美も加奈子も賢そうな女性だし、本来だったらもっと別の手段を考えるんじゃないかな。
    そんな思いが読んでいる間中渦巻いていて今一歩物語に入りこめなかったのが正直なところ。

    ところが読了後に奥田さんのインタビューを読んでびっくり。
    実際に友人と共謀して夫を殺害した女性がいたんですね。
    その陰にはDV被害があったみたいで。
    うーむ、事実は小説より奇なりか。

    最後の展開はスリリングで手にページをめくる手が止まらなかったけれど、何か物足らず。
    期待しすぎたのかもしれません。

  • 小田直美 28歳
    美術展の仕事をしたいと思い選んだ就職先が老舗百貨店
    しかし、希望は叶えらる事無く、外商部…憂鬱な日々を送る。
    大学時代からの親友、服部加奈子
    専業主婦で夫の達郎は31歳の銀行員
    加奈子は命の心配をしなければならない程危険なDVに耐えていた。

    三十歳を目前にして、受け入れがたい現実に追い詰められた
    二人が下した究極の選択…。
    『いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那』


    ナオミの父は母に暴力を振るっていた。そんな父も母も家庭も嫌だった事もあり
    カナコのDVを知った時、カナコを見捨てたら一生自責の念に囚われるという
    狂おしい程の焦燥感が込みあげてくるのを、抑えられない…。

    ある大きな偶然によりナオミの頭の中には達郎を排除する事
    クリアランス・ブランしか受け付けなくなっていく。
    いかにして消えてもらうかという空想に支配された。
    2人は完璧なプランが完成したと実行に移す。

    完璧な様に見える2人の計画ですが、読み手としては
    いくつもの駄目だよそれはって思う事があるし、
    穴にも気付きます。
    甘過ぎるよ杜撰過ぎるよその計画も二人のとった行動の数々も…。
    途中まで、どうして読み手にすぐに気付かれる
    こんなに、迂闊で甘い計画・行動をとらせるんだろうって思ってた。
    でも、読み進むにつれこれは奥田さんの作戦だったんだと感じた。

    大きな偶然や甘過ぎる計画や迂闊過ぎる行動の数々のせいで
    やはりナオミとカナコは、どんどん追い詰められて行きます。
    やっぱりねー。あーあそこも、ここも思った通りだよ。
    どうして、気付かなかったの…って二人に心の中で何度も責めてた。
    それなのに、二人には何としても切り抜けて欲しい!逃げ切って欲しい!
    自分も二人と一緒に、追い詰められているような
    逃げているような気持ちになってた。
    二人の共犯者になってた…。
    これが、奥田さんの作戦に嵌っちゃってたんですね~。

    最後の一行まで、息苦しい程のスリルでした。
    面白かった~。

  • お、面白かった……!まず第一に、奥田英朗さんは初読でしたが文章がかなり読みやすい!長時間読んでても目が滑ることなく、ページ数えぐい割にはどんどん読めちゃいました。
    女の友情って脆いというイメージあるけど、このふたりの友情は強固。でもいやこれは共依存?連帯感かな?でもこんなふうにお互いを思い合える存在がいることが純粋に羨ましいとも思った!
    ナオミの章では「これもしかしたら上手くいくんじゃないの?」というドキドキ感、カナコの章ではじわりじわりとボロが出てくるハラハラ感で全編楽しめた!奥田英朗さん作品、他にも読んでみたいなと思いました。

  • 待ち望んだ長編、めちゃくちゃ面白かった!
    完全犯罪を目論んだつもりが、徐々にほころびが見え始め、
    義妹にじわりじわりと追いつめられるところでは、
    もう音が聞こえるくらい心臓がドキドキ。
    読みながら「あかん、そんなん危ないって!」と心で叫ぶ私は
    さながら3人目の共犯者。

    この話のキーを握るのは、李社長と替え玉の林、二人の中国人だ。
    平気で嘘をつき証拠が無ければシラをきり通し、
    でもいったん家族(仲間)と認めると厚情で裏切らない彼ら。
    日本人には思いもよらない行動をとる彼らに振り回される直美と加奈子。
    中国と日本の国民性の違いを上手く利用し、組み立てられたプロットはお見事。
    中国人の逞しさを見習い、どんどん強くなっていく二人の肝の据わり具合がいい。

    ラストの空港までの逃走劇は、最後の1行を読み終えるまで緊張の糸が緩まず、
    ドキドキを静めるため深呼吸などしながら読み終えたのでした。
    まさに極上のエンタメ小説。やっぱり奥田作品にハズレなしっ!!

  • ナオミ、28歳、老舗デパートの外商担当。カナコ、28歳、銀行員の夫との結婚を機に大手家電メーカーをやめ専業主婦に。新潟と石川の出身で大学時代の同級生。カナコを訪ねると顔が腫れ・・ 夫はDVだった。それにつれナオミ自身の父の母への暴力も思い出され、夫殺害を共謀決意。桐野夏生の「OUT」に少し似ているかなと思ったが、テイストは違う。「OUT]はどこまでも深く沈む主婦の怨念に取り囲まれるが、こちらは、こうなったらいいね、をどんどん突き進む感じ。読みながらうまく逃げてくれと願っている。

    デパートの外商の顧客、こういうお金持ちがいるのか。

    ドラマ向きかなと思ったら2016年にフジで連続ドラマ化(10回)。広末涼子(ナオミ)、内田有紀(カナコ)。


    「ポンツーン」(幻冬舎の月刊PR小説誌)平成26年11月号~平成26年7月号連載

    2014.11.10第1刷 図書館

    幻冬舎書評
    https://www.gentosha.jp/article/7822/

  • ブクログでの評価が高く、気になっていた本。
    フォローしているお友達のレビューでますます気になっていたら、TVドラマ化。
    私はドラマを見ていないのですが、友人が「ドラマがかなり面白い!」というので、これは読まなきゃ~!と思っていたところ、日本人会図書館で借りることができました!!

    「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」

    仕事にやりがいを見いだせないナオミ。
    DV夫にがんじがらめにされているカナコ。
    二人は親友から共犯者への道へ踏み出す…

    カナコの夫を”排除”しようと企てるナオミとカナコ。
    自分たちの計画の完璧さに酔いしつつ、進んでいくのだが…

    ”DV夫を殺害”
    桐野夏生さんの「OUT」をちょっと思い出したり…

    面白くて一気読みでした!

    • けいたんさん
      こんにちは(^-^)/

      「ナオミとカナコ」読み終わったのですね〜♪
      ドラマ面白いですよ(⁎˃ᴗ˂⁎) 私はドラマの方が好きかも。
      ...
      こんにちは(^-^)/

      「ナオミとカナコ」読み終わったのですね〜♪
      ドラマ面白いですよ(⁎˃ᴗ˂⁎) 私はドラマの方が好きかも。

      特に林さんがいいです。
      原作では林さんがあまり描かれていなくてよくわからなかったけど、ドラマではちょっと切なくて…
      カナコと寂しいもの同士何か感じあってる気がします。(林さんなぜか独身設定)

      いつかazu-azumyさんもドラマが見られますように。難しいかなぁ…

      ドラマは今日、いよいよ排除の日です。
      ドキドキ。
      2016/02/11
    • azu-azumyさん
      けいたんさん、こんにちは~♪

      けいたんさんのレビューで益々よみたくなった本でした。
      期待通り、面白かったです!!

      やっぱりド...
      けいたんさん、こんにちは~♪

      けいたんさんのレビューで益々よみたくなった本でした。
      期待通り、面白かったです!!

      やっぱりドラマも面白いのですね~
      見てみよう!

      実は、こちらでもインターネットテレビなるものがあって日本のテレビがオンタイムで見ることができるのですよ~
      5年ぐらい前からかな…
      おかげで読書の時間が減ってます~(^-^;
      2016/02/13
  • 二人は決して許されない殺人を犯したのだけれど二人を許している自分がいて、最後出国手続きをクリアした時にはやったーと達成感がありました。
    李社長の人物像がリアルで興味深かった。

  • ナオミとカナコ。
    作品の中では直美と加奈子。
    テルマ&ルイーズを意識したらしい。1991年の有名なアメリカ映画で、オスカー ゴールデングローブともに脚本賞を受賞している。
    大評判だったあの映画、女性の感想は「かっこいい」「自立してる」が占めていた、と思う。
    そこが全然わからなかった。
    セクシーで華やかで鼻っ柱は強いが、情動的で支離滅裂・先を想像する力がこれっぽっちもない、いきあたりばったりで享楽的。
    理性ではなく力が支配する社会の“裏面”そのものだと思った。

    で、直美と加奈子。
    彼女達、ちゃんとしてるんですよね。ふたりともそれなりに社会に適合しているし、感情制御もしっかりできる。理性的。学習能力も高い。
    このキャラで、この展開はどぉしてもしっくりこなくて...
    とくに直美ですね。加奈子はまぁわからないでもないかな。。
    ノイローゼになりそうなほど仕事がうまくいってないとか、友達作れないとか、ショッパホリックとか、もそっと破綻してるところがないと、取り憑かれないだろう.....
    つまりテルマ&ルイーズの暴力性は無いんですよね....ああそうだ、あっち脚本はカーリ・クーリさん、女性だわ。
    なるほど、うん、桐野夏生のアレの方がリアルだわ。

    もちろん、奥田さんですから、文章はテンポよく、登場人物も魅力的。
    池袋の中華街には興味を引かれます。
    追いかけっこのところはドタバタものとして楽しめました。

  • 読了直後でまだ心臓のドキドキが止まらない。
    ラスト一行でほっとしたけれど、すぱっと駆け抜けた感じなので余韻が消えていかないのだ。

    ついこの間「紙の月」という映画をみたばかりで、またしても「逃げ切る!」というタイプのお話。
    なぜか映画にも本作にも、非難めいた気持ちは持たなかった。むしろ共犯者となり、「逃げろ!早く!」と居ても立っても居られない気持ちでページをめくった。指が震えた。

    最初はナオミのほうから話が始まる。物語の始まりなので、若干気が重かった。つらく憂鬱な現実がこれでもかと描き出される。朱美社長とのトラブルもまたうんざりした気持ちになるものだった。

    ところが、朱美社長とのやりとり、特にナオミが彼女に親近感を抱き始めるところから、小説の雰囲気が変わり始めた。読んでいる私も、あきれつつも朱美社長に好感を持ち始めた。突き抜けたら案外好きになれるものかもしれない。
    「腹をくくる」ということの清々しさということを考えた。うじうじ、後ろ向きに、被害者的に物事を考えていたら悪いほうにしか進まない。済んだことは割り切って、これからどうするかを考える。この途方もない前向きさとエネルギーが、物語に明るい光を投げかける。
    カナコの章になると、風雲急を告げる展開になる。
    クリアランス・プランのずさんさが次々にあぶりだされるのだが、このあたりのほころび方がなんともリアル。
    読者として読めば「どうしてそんなことに気づかないのか」とか「「なぜそこで高を括るのだ」とじりじりしてしまうが、もし実際に自分がその立場だったら、きっとこんなふうになってしまうんじゃないかと思わせるから。
    暴力夫から逃れることについて、他人は簡単に「逃げればいい」とか「離婚すればいい」というけれども、自尊心が根幹から破壊された人間には、そういう選択肢はあり得ないのだ。殺されてしまってから初めて同情するのが傍観者。「殺されていい人間などいなのだ」というなら、DVで殺されてしまう人の立場はどうなるんだ。

    序盤であっさり殺されてしまうカナコの夫。彼の母親や妹の造形を見ると、ああ、こういうタイプの家系なのかと納得できるように描かれている。
    「母の愛」を絶賛する人は、カナコの夫の母親の姿が理想なのかな。まさにあれは「母の愛」だと思うが。
    女の強さの、いろんなパターンが描かれていて、非常に興味深かった。

  • うーーー、なんてこった、、、
    夜中にふと目が覚めて読み出してしまったら止められなくなった、、、もう朝だ、、、今日が日曜日でよかった。

    直美と加奈子が考えた『完全犯罪』。そんなうまく行くわけ無いし、あちこち計画が甘いと思えたよ。

    こうしてみると、殺人自体はそれほど難しくないのかな、それを誤魔化したり隠したりすることの方が難しいんだろうな、なんて思った。こわいこわい。


    DVから逃れる制度が、きちんとあればいい。

  • 面白かった~!
    ヒヤヒヤしながらも一気読みです。

    始まりは老舗デパートの外商で働く直美のお話。
    もうね、これだけでも十分面白いです。
    そして、エリート銀行マンの夫と幸福な生活を送っているかに見えた加奈子。
    二人のお仕事と友情小説かと思いきや、まさかのDV夫の”排除”計画。

    ミステリーや警察小説をある程度読んでいると、
    二人の計画と行動の細部が気になって仕方がなくて…。
    「えっ、ほんとに殺しちゃうの?」
    「それ、まずいよ!だめだってば~~」
    とほぼ共犯者の気分でしたね。

    犯罪なんかとは縁のない普通の人生を送ってきた直美と加奈子。
    そんな二人がいとも簡単に殺人に手を染めて、どんどん落ちていく姿は、
    まるでジェットコースターに乗っているかのようでした。
    最後は李社長が一番まともな人間に思えてきたりして…。

    いつもなら、これはちょっと~とかあれこれ考えちゃうんですが、
    (加奈子の赤ちゃんの事とかね…)
    でも、まあいいかって思えるくらい面白かったです。

    • けいたんさん
      こんにちは(^-^)/

      ナオミとカナコ、読み終わったよ〜♪
      言われた通りサクサク読めたよ。

      私もあれこれ考えてもやもやしたり...
      こんにちは(^-^)/

      ナオミとカナコ、読み終わったよ〜♪
      言われた通りサクサク読めたよ。

      私もあれこれ考えてもやもやしたりイライラしたり(私も赤ちゃんはちょっと…)。
      でも最後はやっぱり、『逃げて〜』と思ってしまうよね(笑)

      天海さんのドラマ、私もナオミとカナコだって嬉しかった。
      そして、杜のうさこさんが私を思い出してくれた事を知ってもっと嬉しくなったよ(⁎˃ᴗ˂⁎)
      あのドラマ色んな本が出てきて面白かった。
      最後はちょっと…う〜んだったけど(笑)

      体調の方はどうかな?
      寒くなってきたから気をつけてね。
      2015/12/13
  • ☆☆☆☆☆ 5つ!

    これは、もう何があってもこういう読書コミュの下手な感想文などで物語の結末をバラしては行けない本だろうなぁ、と思った。そのくらい面白いです。

    書かれているのは「人の気持ち」もうただそれだけ。
    人の気持ちの変化を実にわかりやすく書いてある。

    なので読みやすくて、物語の中にすっと入っていける。
    人の気持ちをとても素直に、妙なひねりなど無くスッと書くということは、なんだかフツーのことの様な気もするけど、小説作品を書く上ではとっても大切な事だとあらためて思った。

    『小説はわかりやすくなければ面白く無い!」 by りょうけん。 あ、すまぬ。

    で、今回こそは内容には一切触れない。
    、まあえて書くと二人の女性の苦しくも愛らしいラブストーリーです(^_^;)・・・うそ!

  • 今年もたくさん面白い本を読んで来たけど、これも、ホントにたまらん一冊でした。
    まぁ、奥田さんの小説だから、面白くない訳がないわな、と割と軽く思いながら読み始めたんだけど、すみませんすみません、アタクシなめてました、奥田さん面白すぎ!
    タイトルやジャケットからして女の友情と裏切り、みたいな感じを思い浮かべるけれど、これがいい感じの裏切りの始まりで。
    物語が走り始めたら読むほうも立ち止まることはできない。先へ先へと息を切らして必死で付いて行く。
    読みながら、真っ当な人間なら同情を持つことはあっても絶対に責めたくなりはしない「被害者」の家族にさえまったくの共感できない私って…と自分の正義を疑ってしまったり。
    そして、この華僑たちの図太さとたくましさにも呆れつつ救われたり。
    ドキドキしながら、胃をきゅんきゅんと縮めながら、共犯として走り続けた読後の疲労感。はぁ、気持ちよかった。

  • スピード感が心地よい。大きな仕掛けも伏線も、ましてや正義も無いが何故か清々しい。嫁さんは大事にするに越したこたぁないやな。

  • ハラハラドキドキのストーリーに大満足!
    久しぶりに凄いミステリーに出会った感じ!
    DVに苦しむカナコと友人のナオミの替え玉殺人計画!
    最後の1行まで目が離せないスリリングさ!
    お薦めの1冊でした!

  • 初めて読む作家さんでした。今まで知らずに損したという感想です。
    百貨店の外商部に希望せず勤務する直美と銀行員の夫のDVに耐える加奈子。この二人がひょんなことから犯罪に手を染め、だんだんと追い詰められていく。犯罪を犯す前のドキドキと犯罪を犯した後のドキドキの2種類のサスペンスが味わえます。
    ページをめくるのがもどかしいほど、読んでいるこちらもハラハラ、ドキドキしてしまいます。
    登場人物のつながりの設定も、無理をせず、自然な感じで色々な人が二人に関わります。
    物語の骨子はよくあるパターンでしょうが、それを飾る文章力はすばらしいです。
    他の作品も読みたくなりました。

  • 分厚いが一気読み。
    現実では許されないことなのだろうけど、ナオミとカナコを思い切り応援してしまった。単純に面白かった!

  • 大手百貨店の外商部で働く直美は大学時代からの親友加奈子が夫から暴力を受けている事を知る。
    腫れ上がった顔、夫のDVから逃れられない加奈子を救うため、二人で加奈子の夫を排除する事を決める。
    夫とそっくりな中国人を発見し、少し認知症気味の裕福な未亡人と出会ったことから一気に計画は動き出す。
    用意周到、万全に思えた犯罪も、夫の妹の執念深い追求により徐々に綻びが見えてくる。
    理由が理由だけに二人の逃走を応援しながら読んだ。
    映画、ドラマにするとかなり面白い作品なのではないか。

  • 百貨店の外商部に勤めるナオミが、夫のDVに苦しむカナコを救うために、二人で夫を殺害する。
    最後はどうなるのかが気になって、彼女たちを応援しながら先へ先へと一気に読んだけれど…。あまりにも安易な行動にはびっくり。特に、マンションや銀行の防犯カメラを意識していなかったというのは、衝動的な殺人ならともかく、綿密な計画を立てて予行演習までしたにしては、ずいぶんお粗末なのでは。
    こういう設定であるなら、徹底的に闇を描いてさらにパワフルな桐野夏生のほうが一枚上かな。

  • ナオミの章
    親友の加奈子が、夫からDvを受けていることを知り
    憤った直美が加奈子と共謀して夫を殺害するまで。

    カナコの章
    完全犯罪のつもりが、綻びが出始め
    夫の同僚や義妹・陽子に執拗に追い詰められ、逃亡するまで。

    久々にページをめくる手が止まらなかった。
    最後の1ページまでハラハラ・ドキドキした。

  • 「ページをめくる手が止まらない」感覚を味わうのは、実に久しぶりだった。しかもその手が、ページを追うごとにどんどん冷たくなっていく。この感覚は初めてだった。

    直美と加奈子は大学の同級生で、今もたまに連絡を取り合う仲。ある時、加奈子が夫のDVに身も心も傷ついていることを直美は知る。一向に止まないDVを見かねた直美は、ついに加奈子に夫殺しを持ちかける。
    偶然知り合った、夫にそっくりな中国人を買収。彼を中国に脱出させる=夫の失踪に見せかけるという計画は細部も含めて完璧なように思えた。しかし、そこはしょせんド素人2人の犯罪。殺害後、さまざまな綻びが生じてきてしまう。執拗に兄の死の真相を追求する義妹をかわし、2人はともに生きようと誓った未来に踏み出すことができるのか……?
    計画を話し合う段階から、もう自分がそれに加わっているような感覚。綻びが現れるたびに自分もドキリとするし、ラストの逃亡劇では息苦しさまで覚えてしまっていた。

    後半150ページを一気に駆け抜け、最後の1行を読み終えた瞬間、思わずソファにぐったりと身を沈めてしまった。文句のつけようのない大傑作!

  •  厚さと重そうな内容に後回しにしていたのだが、奥田英朗さんの新刊はとても面白かった。後半はコミカルですらあった。と言っては、必死の直美と加奈子に悪いか。

     百貨店の外商部に勤務する直美は、学生時代からの友人の加奈子が、夫からの酷いDVに悩まされているのを知る。警察への通報を勧めるが、夫を恐れて首を縦に振らない。しかし、このままではいずれ殺される。かくなる上は…。

     物語は単純明快。2人でDV夫の殺害を決意する。もちろん、捕まる気はない。失踪を装い、知らぬ存ぜぬを貫く。短絡的といえば短絡的だが、様々な要因が成功を確信させ、背中を押した。大丈夫、計画に穴はないはず。ところが…。

     友人とはいえ、直美がどうしてそこまでするのかと思わなくもないが、ある人物との出会いが大きいだろう。仕事上のトラブルで、最初は嫌々相対していた。気がつけば、生き馬の目を抜く世界で生きてきた者の心意気に、すっかり心酔していた。

     そして、何より計画の鍵となるのは…。この偶然がなければ、こんな計画を思いつかなかっただろう。殺害そのものは簡単だ。本番はこれから。警察が失踪人捜索に熱心でないのは計算済み。夫の勤務先や親族を、どうやり過ごすか。

     いくらDV夫とはいえ、母からすればかわいい息子である。はいそうですかと納得するわけがない。対照的に、さっさと収束させたい勤務先。しかしここにも、彼の身を案じ、簡単に引き下がらない人物がいた。2人は徐々に、甘さを思い知らされる。

     確実に包囲網が狭まり、2人が追い込まれていく描写に、読むペースがどんどん上がる。ああ、こんなに楽しいなら、早く読むべきだった。完全犯罪の前提が崩れると、2人は丸裸も同然。現代社会の監視の目から逃れるのは、容易ではない。

     冷静に考えれば、最初から穴だらけの計画だったわけである。いよいよ万事休すという局面で、むしろ加奈子の方が肝が据わり、主導した直美の方が弱気なのは興味深い。最後のページまで執念と執念がぶつかり合う展開は、いっそ清々しい。

  • 読みながらドキドキしました。直美と加奈子は普通なら犯罪者なのに、どうしても彼女たちに感情移入してしまい、最後までドキドキしながら読みました。
    ただ、ナオミの章とカナコの章とで別れていますが、物語は一人称で進んでるわけでもないので、あまりその役割は果たしていなかったかと。
    ですが、その点をふまえても、★5つの小説でした!

  • DV夫は許せないけど、この展開は……。
    逃げる道を選ぶな。自分がどうにかしなければと思い出すとこの結末に至ってしまうもの。
    朱美さんの図々しさが欲しい。

  • 最終行読み終えて、キャー!って声にでちゃった。
    あぶなっかしい2人に、途中イライラしてしまったけれど、そういう風にできていたんだ!やられた!(嬉)
    完璧な犯罪じゃない、犯罪のあとの魂のありようがテーマ、爽快。

  • 2016年 フジテレビでドラマ化。ドラマもとても面白かった。そして原作も同じように面白い。

    世の中には殺さなければならない相手がいるということ、そして親友が親身になって共犯になってくれたこと、その2つのことが、まっとうに生きてきた二人の女性たちを犯罪者へと大きく変えていく。

    女の友情なんて成り立たない‥昔からそう言われてきた。でも直美と加奈子は違う。まるで侍の世界のように相手を信じ、裏切らない。

    二人がやったことは決して許されないことなのに、警察が迫ってくると「逃げて!」と祈らずにはないいられなかった。

    登場人物の中で朱美社長という中国人がいる。影の主役といえる。ドラマでも原作でも彼女の言葉と人柄が強く印象に残っている。

    『日本人は言いたいことを我慢する 。それはとても良くないのことです。 中国では黙っていたら、やられる側のままです 。どうして日本の女の人はそんなにおとなしいのことですか?〜中略〜そんな男に生きている価値はない。殺されても文句は言えません』

    『(中国ではやられたらやり返す)自分でできなければ親兄弟が代わりに仕返しします。当たり前のことです。こういう時に助けなくてどうして家族ですか。 家族がいなければ近くの友達が助けます』

    この言葉が親友の直美の背中を押したのだろう。強くならなければやられたままだ。直美と加奈子が犯した罪。それはほとんどが 情状酌量の余地があるものだ。自首すれば刑は軽くなる。

    緊迫感のあるスリリングな展開の中で結末を迎える。結末をどう捉えるか 読み手に委ねられる。

  • ドキドキハラハラがすごかった…
    サクサク読めたけれど、ちょっと長かったかなぁ…

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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