森は知っている

著者 :
  • 幻冬舎
3.60
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本棚登録 : 978
感想 : 169
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344027541

感想・レビュー・書評

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  • これも面白かったよ。

  • 逃げることのできない過酷な過去を抱えて産業スパイとして教育されてる高校生を描く。
    聡明だけど荒削りで子供ぽい一面も持つ主人公が魅力的。
    一分一秒の判断で命の行方が知れない臨場感にドキドキ…。
    もしも生きていられたら…の1ミリほどの希望しかない淡い恋にも切なくなる。
    ちなみに主人公の過去はリアルに起きた事件を彷彿とさせる。

  • 鷹野はなぜどのようにしてAN通信のスパイとなったか。ノンストップで読ませる見事なサスペンス。これがあの「横道世之介」を書いた作者と同じであることが信じがたい。

  • 正式にAN通信の一員になる直前の鷹野、高校三年生。離島で生活しながら、同い年の柳と共に諜報能力を鍛える日々。
    企業からデータを盗み出す任務が始まり、鷹野と柳はもう島には戻れない。

    ---------------------------------------

    鷹野さんシリーズの二作目。

    AN通信は、虐待されたり悲惨な目に遭っていた子どもを保護(違法)して、18歳までに諜報活動のイロハを教え込み、最終的にスパイになるかどうかは本人の判断に任せる組織。そして、スパイになると手術で胸に爆弾を入れさせて35歳の引退まで毎日安否確認をさせる。安否確認に応えられなければ、爆発。
    鷹野さんの生い立ちと一緒にAN通信のこともわかったが、かなり邪悪な組織だなという印象。スパイになるかを本人に選ばせているようで、それまでに洗脳教育をしているわけだし、これは悪だな……と感じた。
    デイビッド・キムが属している組織はもっと待遇がいいのかな。なんか陽気だし。

    徳永は柳と鷹野を利用し、AN通信から奪った情報を企業に流して大金を得ようとしていた。もし計画がすべてうまくいってどこかの国に逃げられたとしても、いつか暗殺されるような気がするし、もう少し別の方法もあったんじゃないですか徳永さん、と思わずにはいられなかった。
    AN通信だって諜報員たちに毎日の点呼させて、遠隔操作で爆死させることもできるくらいの厳しい管理体制をとっているんだから、諜報員たちの胸に盗聴器も一緒に埋め込んでおけばいいじゃないか、と思ったが、それはそれでとんでもない人権侵害だな。
    まあ、徳永は35歳以上で爆弾を外されているし、柳と鷹野は爆弾取り付け前ということで、盗聴器だってつけられなかったとは思うけど。

    なんだかんだ言っても、危機一髪の場面ではドキドキさせてもらっているし、組織の核心に迫る場面ではワクワクさせてもらった。
    うだうだと文句をつけるのもわるくないが、エンターテインメントとして割り切って読んだほうが楽しい。三作目も読む。

  • 鷹野シリーズ二作目。三作目を先に読んじゃってるので
    ○と○○の行く末わかっちゃってるのが悔しいです。鷹野がこの仕事始める前の若造感や、何と言っても風間さんまでが青いところがかんじられるのがビギニングのいいところですね。軽くって1日で読めました。太陽、森、水ときて、次は空気?早くも四作目を期待しちゃいます。映画になると、当然鷹野の幼少期も映るんだろうな。つらいな。

  • えっ?これ吉田修一?
    と思っちゃうくらい、この作品はテイストが違う。
    産業スパイ、ハードボイルド、
    全然吉田修一っぽくない。

    でも面白かった。
    久しぶりに一日で一気読みした。
    そして読み終わってからシリーズものの二作目だと知るという。笑
    でも後悔はしてない。
    時系列ではこの『森は知っている』が最初だからね。

    めちゃめちゃフィクションなこの作品の肝である「水道民営化」が、日本でさらっと現実になってしまったなぁ。。と、少しばかり?危機感をもちました。

  • 産業スパイ組織AN通信、鷹野くんのシリーズ第2弾。
    今回は鷹野くん高校生の頃のお話。
    どのようにして、諜報員達は育てられ訓練されてきたのか?
    という部分。
    以外に早い段階での過去話だったな、という印象。
    もっと引っ張るのかと思ってた。
    幼馴染の柳くんも登場。
    風間さんの車いすの謎もここに。
    「守る」ってすごい言葉だな、と。
    鷹野がなぜAN通信にいるのかも、納得。

  • 凄く面白かった。次が楽しみ!自分しか信じられないけど、そんな環境の中でも信じられる人はいる。もっと早く読めばよかった!

  • 面白かった。徹底的にバカバカしいのが
    面白さの素かと。

  • 直木賞を採ったパークライフのイメージからは完全に離れてしまった感じの吉田修一。
    もちろん、これはこれで好き。相変わらずのえっ?という展開が続く。今回は本当に最後の最後で!?あっという間に読み終わった。もう少し余韻に浸りたかったなぁ。(笑)

著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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