持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 91
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344027688

感想・レビュー・書評

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  • 好きな仕事ではないし、結婚する予定もない。趣味はゲームくらいだったが最近やめた。
    余り有意義な人生ではないが、この本を読んで救われたというか、気が楽になった。
    私もphaさんの生き方をしてみたいけど、そこまで仕事は苦でないのと、やめた後の生きる術がないので、とりあえず、本を読んで知識を蓄えようと思う。

    丁度、作中で本の紹介もしてくれてたので、その中から何冊か読もう思います。

  • 最近では稲垣えみ子の『寂しい生活』に並ぶ
    名著だと思う。
    バイブルになるんじゃないだろうか。
    禅的な発想が好き
    -------------------
    P10
    働くことはまあ大事なことでは
    あるけれど、人が生きるにおいて
    絶対的に必要なわけではない。
    というか、あまり働かずに済むなら
    働かないほうがいいくらいなものだ。
    ちょっと日本人は
    滅私奉公のしすぎ、というか
    仕事に自分の時間やエネルギーを
    捧げることを美化しすぎるきらいが
    あると思う

    P18
    本を読むことで
    僕は生きるのが楽になった

    P25
    朝起きたときには
    全く予定がなくて
    あくびをしながら
    「今日は何をしようか…」
    というような生活がいい

    P32
    人間が人生で成し遂げられることなんて
    頑張っても頑張らなくても
    あまり大差ない

    P32
    何もしたくないときは
    ひたすら何もしないのがいい

    P32
    大抵の悩みごとは
    休息を十分に取れば
    半分くらい解決する

    P35
    大きな成果を残し続ける人というのは
    自分が達成したものに
    執着しない人が多い。
    成し遂げる過程
    (=自分の好きな作業)
    に没頭しているだけだ

    P37
    何か物を持つということは
    その管理コストを
    抱えるということでもある

    P38
    知識や経験が増えるほど
    何かをやったときの
    新鮮味は薄れてしまう

    P39
    何かを得ては壊す、
    得ては捨てる、という
    リセットをこまめに繰り返すのが
    一番充実感が得られる
    やり方だと思う
    ----------------
    phaの距離感は
    いまの時代完璧なんじゃないだろうか

  • 東京で暮らしながらも、定職に就かず日々をマイペースに過ごしている著者のライフスタイル論。

    望んでいた暮らしが叶わずニートに甘んじているわけではなく、自らの強い意思で能動的な選択をした結果、現在の生活がしっくりきているという言葉に説得力を感じさせる文章であった。
    そのため、開き直っている感情論のような印象は全くなく、どんな価値観、人生があってもよいということがある意味論理的に語られていた。

    読んでいて、肩肘張らなくてもいいんだなという感情が湧いてくる感じがしてとても心地よい著書であった。

  • 思ったより知性に溢れてた、考えさせられる。
    こじれてるようでいて彼の生き方はとても素直。
    学生時代学んだことが活かされてるというところ、自分で納得してるならよいじゃない!と。

  • 「普通とされる生き方・価値観に固執して苦しむ必要はない」というメッセージ。筆者のニート的な生き方と紹介される書物が、「ゆるくてシームレス」な選択肢を示している。 生きるために大事なことは、「一人で孤立せずに社会や人とのつながりを持ち続けること」と、「自分が何を好きか、何をしているときに一番充実や幸せを感じられるかをちゃんと把握すること」だ。それらの価値基準を持つことで、自分なりの多様な生き方・価値観を見出すことができる。 私は「自分の居場所やつながりを作り出す力が弱いな」と思った。テコ入れしたい。

  • 会社組織や家族という庇護システムが崩壊し、だからといって国家が代替的な施策でフォローをしてくれるわけでもなく、相変わらず世間の目は旧世代的に固定されている。プレッシャーだけが強くてセイフティーネットが弱い社会。「個」がむき出しとなった時、現代人はどの様に生きていけばよいのか、というテーマはもはや目新しくない。

    本書の著者は30代半ばの独身。ニートで年収100万円前後。副題にあるように、働かず、家族を作らず、お金に縛られない生き方を実践している。シェアハウスや自給自足、物々交換などでそれなりのQOLが保てることを証明している。

    仕事・家族・金。
    人生を有効に進めていく上で大切なものだが、そんな「普通」は誰の手にも当たり前に在るものではなくなった。そんな中でも、「一人で孤立せずに社会や他人とゆるやかに繋がりを持ち続けること」と「自分が何を好きか、何をしているときに一番充実や幸せを感じられるかをちゃんと把握すること」が重要だと説く。

    逆説的だが「仕事・家族・金」を持っていたとしても、自分の人生の優先事項が分からず精神的に孤立している人間にとっては、異常に生きにくい社会が既に到来しているということだ。ざまあみろ、としか言いようがない。

    しかし、仕事・家族・金もなく、孤立していて自分の大切なものがわからない人々がどのような行動を起こすかと想定すると、暗澹とした気分になる。

  • 生きるのがつらい人は現代の日本社会を取り巻く「普通の価値観」を疑おうという筆者の主張は一理ある。日本人は滅私奉公し過ぎ。生きるにおいて大事なことは、「一人で孤立せず社会や他人との繋がりを持ち続けること」と「自分が何を好きか、何をしている時に一番充実や幸せを感じられるかをちゃんと把握すること」の二つ。仕事をするために人生があるのではなくて、より良く生きるための手段の一つとして仕事というものがあるに過ぎない。働きすぎで病んだり死んだりするのは勿体無い。それより時々旅をして日常をリセットしよう。

  • 印象的な部分(抜粋)
    ・生きるにおいて本当に大事なことは何かというと。「1人で孤立せずに社会や他人との繋がりを持ち続けること」と「自分が何を好きか、何をしているときに一番充実や幸せを感じられるかをちゃんと把握すること」の二つだと僕は思う。
    ・仕事をするのも大事なことだけど、仕事をするために人生があるのではなくて、より良く生きるための手段の一つとして仕事というものがあるにすぎない。
    ・人間は自分が自分の判断で自由に操作できる小さな世界を必要としているし、その中で自分で考えて何か変化を作っていくことに楽しさを感じる。結局人間のやっていることなんてそれだけのことだ。社会に出て一生懸命働くのも、庭で植木をいじるのも、ゲームの中で主人公のレベルを上げるのも、ゴミ屋敷にゴミを溜め込むのも、本質的には変わらない。
    ・お金をたくさん持つというのも豊かさの一つだけど、自分の中にいろんなものの見方を身に付けるということも豊かさだと思う。〜料理、草木を育てる、散歩など〜
    ・お金をかけずに生活を楽しむコツというのは一度身に付ければ一生残る資産だ。年をとってからとかお金がギリギリになってから新しいことを身に付けるのは結構しんどいし、人生のうちで早めに身に付けておくことを全ての人に勧めたい。〜読書、料理など〜自炊のできない人が貧乏になると毎日カップラーメンばかり食べる生活になってしまったりする。本当はうまく自炊すればインスタントラーメンより自炊の方が安くていいものを食べられるんだけど、効率的に自炊ができるようになるにはある程度の時間とお金と試行錯誤が必要だ。余裕のない状況で新しいスキルを身に付けるのは難しいから、できるだけ余裕のあるうちに身に付けておくのがいいと思う。
    ・複雑で忙しい時代だからこそ、お金や時間に振り回されないためには自分なりの価値基準を見失わずに持ち続けることが大切だ。そのためには「感覚や感情を大切にする」というのが有効だと僕は思う。「ごはんが美味しい」とか「散歩が楽しい」とか「夕焼けが美しい」とか、そうした生活の中にある些細な楽しみが人生の充実感の基礎を作っている。
    ・人間が人生の中でやることって結局、七割くらいは「居場所を作るため」の行動じゃないかと思う。
    ・一つのコミュニティだけに人間関係を頼りすぎているとだんだん閉塞感が出てくるので、顔を出せる場所を複数確保しておくと良いと思う。

  • 今までよりも気楽に生きたいと感じました。

  • 世間一般の価値観、それに基づいた高い理想を無理に実現しようとするあまり、自分の首を絞めることになり苦しんでいる人が増えている。画一化された理想を全員が求める必要はない。

    そんな理想は捨てて、各人がそれぞれに合った生き方をしたほうが、もっと幸せな人生を送れるのではないか。一般的な理想を追うのが向く人もいれば、そうでない人もいる。自分のやりたいことを追い求めたい人間だ、僕は。

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著者プロフィール

一九七八年大阪府生まれ。作家。著書として『どこでもいいからどこかへ行きたい』『しないことリスト』『夜のこと』『人生の土台となる読書』など多数。大学生のときに京大短歌会に少しだけ参加。第5回笹井宏之賞では最終選考に残る。文学系ロックバンド、エリーツの一員としても活動。東京・高円寺の書店、蟹ブックスでスタッフとして勤務している。

「2023年 『おやすみ短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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