啼かない鳥は空に溺れる

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著者 : 唯川恵
  • 幻冬舎 (2015年8月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344027954

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啼かない鳥は空に溺れるの感想・レビュー・書評

  • 正しいのは、母だろうか、娘だろうか。
    間違っているのは、娘だろうか、母だろうか。
    答えはきっと、母と娘の数だけある。

    母と娘の“呪縛”と“依存”をサスペンスフルに描く、
    唯川恵氏、待望の長篇小説。

    母に疎まれ、母に怯えてきた32歳の千遥は、愛人の援助でセレブ気取りで暮らしている。年下のフリーター・功太郎から熱心に迫られ、なんとなく関係してしまうが、もちろんそんな男を結婚相手として母に紹介できるはずがない。けれど、功太郎が公認会計士の試験に合格し、千遥の気が変わる。この相手なら、母を満足させられるのではないか、と。
    母に愛され、母が大好きな27歳の亜沙子は、ずっと母と二人暮らし。母との週末ランチが習慣だ。ある日のランチに母は田畑というおとなしい男を招く。男として魅力があるわけではないが、母がいいという相手だし、とくに嫌なところもないし、と亜沙子は結婚を決める
    。結婚を機に、二組の「母娘」が向き合うとき、そこに生まれるのは、謀反か和解か――。
    思いがけないラストまで一気読み必至の長篇小説。

  • 決して他人事とは思えず、読み進めるのがとても辛かった。
    「これだけあなたのことを思っているのに、どうして分かってくれないの」という愛情は、子にとっては親のエゴでしか無いわけで。
    親の気持ち子知らず、とは言ったものだけれど
    子の気持ち親知らずだと実によく思う。

    これで和解できたかメデタシメデタシ…とはいかないのが唯川流だなと、
    ラストはゾッとして後味が悪かったです。(そこが良いんですが)

  • 少なからずこういう母娘関係は存在する。
    それの両極端なパターンです。
    どちらも母の呪縛から逃れられた、と思ったら
    そうはいかないって終わり方でした。
    あの場面の「泣いて済むと思うな」は恐怖だろなー。

  • 母と娘の関係がテーマ。
    母に疎まれ母に怯えてきた32歳の千遥、母に愛され母と二人暮らしの27歳の亜沙子。
    結婚を機に二組の「母娘」が向き合うとき・・・。
    結婚話はかつての唯川さんのOLもののようで、テンポもいいので陰湿な感じはないが、気持ちのいい話ではなかった。
    なぜ、自立できないのか、母を拒むことができないのか、母娘は根が深い。
    (図書館)

  • 母と娘。
    またこのテーマを手に取ってしまった

  • 母娘関係の難しさを書いた本。

    主人公は2人。
    母親から精神的な虐待を受けた傷が忘れられず、今でも酷い物言いをする母親にいちいち傷つき、そんな自分にも傷ついて屈折してしまった千遥。

    母子家庭に育ち、何よりも母を優先してきたものの、母の愛を重く感じるようになり悩む亜沙子。

    両方とも結婚を意識する相手が出来て婚約し、母親との関係も良好になったかと思ったら、障害が出来て別れてしまう。

    読んでいて、私もいつか動けなくなった母親の耳元でそっと昔言われた暴言を囁くようになるのかと思うと暗澹たる思いになった。

  • 読むのがしんどかった。わたしは出来るだけこんな思いをして欲しくない。

  • 心無い言葉で、娘の心をズタズタに傷つける母がいる。
    一方で愛情という名の鎖でがんじがらめにしてしまう母もいる。
    母と娘というのはどうしてこんなにも不自由な関係になってしまうのか。
    娘は母の所有物でも自己実現の道具でもない、ひとりの人間なのに。
    どんなにひどい親でも、親だというだけで子どもは親を切り捨てられなかったりするのだろう。
    でもね、娘が母の期待やましてや人生を背負う必要など微塵もないのだよ。
    娘を持ってる私がいうのだから間違いない!(笑)
    重過ぎたのなら、切り捨ててしまっていいんだよ。

  • 安定の唯川恵先生作品。
    図書館で借りました。

    2人の母娘のstory。
    決して交わらないけど、薄ーく、緩やか〜に実は交わっている2人。

    私も勿論母親がいるので、すんごく共感シーンが多かったです。
    そしてそんな私は、男の子3人の母親。
    正直、女の子は育ててみたいけど本音は怖い。
    その理由がまさにこのstoryの兆候。
    私の結婚が決まった時と被るシーンがあり、あの時母親の言う通りにしていたら、この3人の息子たちを産むことは無かったと思います。

    異性から愛されるのと、同性から愛されるのとは似ているようでまるで違う。
    母親とは色々あるけど、結婚は特に表立って見えていない事がじわりと出てきてしまう、解りやすい出来事なのかもしれません。
    娘だった子供が同じ、嫁と言う立場になる。
    そこに今までの親子関係が化学反応してしまう。
    答えは本書にある通り、親子の数だけ存在する。

    ただひとつ、最後はもうちょい書いて欲しかったような…このままでいいような…て、事で☆4個です。

  • 読み終えた後も時々思い出してしまいました。私自身、母であり娘であり、千遥と亜沙子それぞれの母娘の行動に思い当たることがあったからだと思います。母と娘の問題に焦点を当てた作品は今までもたくさん読んできましたが、答えの出ない永遠のテーマのように感じていました。本書でも、娘たちは自分自身の人生を取り戻そうともがきながら、母親の言動に翻弄されてしまいます。ラストは、肌寒くなるような恐ろしさを覚えました。

  • 二組の「母と娘」のお話。両方とも、母が怖すぎる…。その辺のホラー映画よりホラーっぽいと感じてしまった。

  • 幼少期より母に冷たく育てられ、実家を疎ましく感じる千遥、父親の死により母子二人で生活し、母親の愛情を一心に受ける亜沙子。相反する女性が結婚へ向かって歩を進めていくが、二人とも無意識のうちに母親の感情を重視してしまい身動きできなくなってしまう。形態は異なるが親に対していい子でいようとする刷り込みが自らの選択肢を狭めてしまうのだと思う。結末に千遥が母親に告げられた一言は、痛烈で人間はどこまでも独りであると感じさせた。

  • 愛人の援助を受けセレブ気取りで暮らす32歳の千遥は、幼い頃から母の精神的虐待に痛めつけられてきた。
    一方、中学生のとき父を亡くした27歳の亜沙子は、母と二人助け合って暮らしてきた。

    千遥は公認会計士の試験に受かった年下の恋人と、亜沙子は母の薦めるおとなしい男と、結婚を決める。
    けれどその結婚が、それぞれの“歪んだ”母娘関係を、さらに暴走させていく。

    お名前はよくお見かけしますが、初めて読む作家さんでした。
    母と娘の関係性に焦点を描いたこの作品、ものすごく、おもしろかったです。

    そもそも、母と娘の関係って、ちょっと特殊ですよね。
    母は娘を同一視しやすく、一方でライバル視しやすい。
    そして娘にとっても母は幼少の頃から一番近く、承認を得たいと思う相手なのかもしれません。
    互いに自立していたらこんな軋轢も生じないのかもしれないけど、良くも悪くも母親は無視できない存在だったり、距離の取り方が難しい。

    特に毒親というわけでもなければ、過保護すぎるというわけでもない、普通の母親に育てられたと思っていましたが、読みながら思わず親との関係性を省みることになりました。
    結婚とか、介護とか、親子の関係性が変わるきっかけってきっとあるんだろうし、当たり前かもしれないけど、いつまでも同じじゃないんだなぁと噛み締めながら読みました。

    きっと子どもへの愛情を一瞬でも持ったことのない母親なんていないと信じたいけど、それでもすれ違いが生じるのは、どちらかに、あるいは互いに相手への甘えがあるからなんじゃないか、なんて風に思いながら本書を読み終えました。

  • 母親の呪縛から抜け出せない2人の女性。
    あー、読んでいて息苦しかった。なのに続きが気になって一気読み。
    千遥の肩の力が抜けた様子にホッとしたのも束の間…亜沙子の母親も分かってくれたと思ったのも束の間…ラストはゾッとした。

  • 2組の親娘の話。どちらの親娘とも最悪。でもきっとどこの親娘も文章にしてしまえばこんなもんじゃないかな。ブログで少し見栄をはるのも理解できる。ただし、娘に対してはやりすぎ。一方で娘を疎ましく思う母親。親娘でも相性があるから合わないととことん合わない。だけどこっちもやりすぎ。巡り巡って改善されるのかと思えばラストでも結局同じ。何やっても変わらないのは長すぎた時間のせいなのかな。

  • 共に母親に人生を狂わされる娘の話。
    母娘、家族でも近すぎたり遠すぎたり距離感が難しい。
    やりすぎ感のところもあったがシーンによっては少なからず共感できるところもあって。
    ラストは娘は変わっても母は変わらないのか、つら。

  • 母からの賞賛を追い求める千遥と真綿で絞められる様な母との関係にもがく亜沙子。足元に暗く静かに絡み付いていくような展開がじわじわ怖い。しかし二人が出した結論に何処か納得してしまう自分が嫌だー。母娘との業に比べれば某男性の問題は小物に見える(笑)いや世間的には大事なんだけどさ。

  • 母親から愛されたいと願う娘と、離れないでと願う母。
    どちらも、病的。
    どうやったら毒親にならないようにできるのだろう。
    子どもは自分の支配下にある者ではなく、一人の人間として尊重していくことが大切なんだと私は思う。
    子どもは、自分の満たされない気持ちを満たしたり、自分の願いを代わりにかなえてくれる道具ではない。
    人の親として、あらためてそのことを肝に銘じたい。

  • 母と娘の関係って結構難しい。私も娘だから、なんか共感出来る部分がある。離れてるぐらいが丁度良い。

  • 2016.3.25

    母と娘の呪縛は永遠に続く…怖っ

    自分もそうなるんだろうか…

  • 私にも娘がいるので、母の気持ちも娘の気持ちもわかり、登場人物4人側に立て、のめり込めて面白く読めた。
    母親には幾つになっても認められたいし、娘には自慢の娘であって欲しいと思う。
    結局はどちらの立場でも、自己満足を求めてしまうのかも!

  • 母娘の関係性をテーマにした物語です。

    核家族が大多数になった現代、更に最近は晩婚化、っていうか婚姻率自体が下がったことで注目されやすいテーマなんですかね?
    村山由佳の放蕩記や林真理子のマイストーリーなんかと似てるなーと思いながら読みました。

    ラストに衝撃を与えたくてああいう風にしたのだと思うけど、なんだか安っぽく感じてしまって、私てきにはイマイチでした。
    が、他の方のレビューを読むと、そこが著者らしくていい!ということらしいです。人それぞれですねえ。。

    まあとにかく、こういうテーマを他人事として読める境遇にいる私は、母に感謝です。。

  • 母親に心を壊される女性二人の物語。
    二人の共通点は母親に全く違う形で支配されているということと結婚を控えている若い女性であるということ。
    主人公の一人は母親に子供の頃から虐待され、今も罵倒され認められず苦しんでいる。
    もう一人の女性は息苦しいほどの母親の愛情に戸惑い苦しんでいる。
    最初は全く別々の二人のストーリーが話が進む内に一人の男性を通してつながる。

    相変わらずの読みやすい文章で興味深いテーマなのですぐに読めてしまいました。
    もし、自分がこの主人公の女性の一人のような経験がなかったら評価はもっと高かったと思います。
    ただの物語として読むことができたから。
    でも、同じような経験があるだけにどうしても「ここはこうじゃない」とか、そんな単純じゃない、とか、リアルじゃない部分、頭の中で書いてるというのが見えてしまいました。
    ちゃんと勉強して描いてるというのは伝わりますが、どうしても型どおり、表面だけを描いてると感じられました。

    ただ、一人の男性を通して展開が二転、三転する様はリアルで良かった。
    実際、人の心ってあやふやで流れやすいものだからその時の状況次第で事が変っていくというのはあるよな~と思いました。

  • 娘のいるお母さんにぜひ読んでほしい本(* 'ω')ノ

  • 先が早く読みたくて、あっという間に読み終えました。

    母と娘っていろんな形があるけれど、120%で
    オールOKなことなんてないんだ、自分も含めて
    実感させられます。

    ハッピーエンド?と思いきや、そうくるか!
    といった大どんでん返しもあり...
    (ハッピーエンドであってほしかった)

    世界にぐっと引き込まれます。お時間ある時にぜひ☆

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