プラージュ

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著者 : 誉田哲也
  • 幻冬舎 (2015年9月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344028241

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プラージュの感想・レビュー・書評

  • 前科を持ってしまった人たちが、肩を寄せあって生きている。ずっと住んでいるわけではなく、いつかは旅立ちまた新たな人が訪れる。
    前科者に対する世間の冷たさは、東野圭吾さんの手紙などでも感じられるが、この本は一人ひとりの必死さが胸に迫ってきた。
    誉田さんのこういう作品、とても好きです。

  • 初めての作家さん。
    過去に様々なことがあるにせよ、人間模様がメインでこんなにドキドキハラハラする話は久しぶり。
    これがこうだったから、あれ?この人は…あの人か!と何度も会う前後して読みました。
    予想できてしまった部分もあったけれど、裏切りもあって、おもしろかったです。
    伸介さんをもう少し大事にして!と思ったのは私だけ⁉

  • Aは誰か予想がついたけど犯人が彼だったとは・・!
    ちょっと唐突な印象もある。
    読み進める中で前科があると聞いたあと
    人の印象は変わるか、美羽の貴生への問いかけを
    実地でされてる気分になった。当然変わった。
    先入観によるマイナス補正は大きいと思う。

  •  一度の覚せい剤で職を失い、そして火事によって住む場所も失った吉村貴生は、保護司のツテでシェアハウス「Plage」に流れ着いた。壁もなく、カーテンで仕切られた空間に住んでいる他の住人達にも、どうやらそれぞれに事情があるらしい。

     シェアハウスの住人達、そしてそこにある事件で無罪となった人物を追ってプラージュに潜入している人物の目線が交差しながら物語は進む。片方は苗字だけ、片方は名前だけで表記されているので、どれとどれが同一人物なのかは最後の方までわからなくなっている。こういう仕掛けでミステリ色強めなのかと思いきや、意外にもそれより人情というか、シェアハウスでの人のつながりが多く描かれていて、最後はみんなで住人の1人を助けに行く展開に。まぁこういうのもいいけど、ちょっと期待していたのとは違っていたかなぁ。

  • とてもよかった。「ある記者」がカギだね。

    前に読んだ「真綿荘の住人達」と似ている感じがして、ちょっとごっちゃになったんだけど、こちらのほうがよかったかな。

  • 源ちゃんが主演でドラマ化されるという作品なので読んでみたらすごく面白かった。
    こういう語り部が変わっていくスタイルの作品が特に好きみたい。
    一人称だけで進んでいくよりも登場人物がより深く理解できる気がする。
    加害者側からの視点で描かれる作品だけど、嫌な気持ちがしないのが面白かった。

  • 星野源と石田ゆり子さんがドラマをするというので手に取ったけど、シェアハウスの住人が痛みや消せない過去を抱えながら地に足つけて生きる様が清々しかった。やはり美味しい食べ物と心地よい住処があれば人は真っ直ぐ生きていける。意外なラストだけど爽やかな小説でした。

  • 物語に溶け込んでゆく・・・・
    溶け込むというより強引に引きずり込まれてゆく・・・

    ふいにひらりと、一つ向こうの出入り口でカーテンが揺れた。
    そこから出てきたのは、まず、ノースリーブの肩だった。
    細く白い腕。続いて大きくウェーブした栗色の長い髪。その長い髪でも隠し果せないほど、大きく背中の開いたワンピース。
    出たところで、軽やかにターンすると生地の薄い祖でが浮き上がり、肩から下のシルエットが向こうの窓から射し込む明かりに透けて映った。

    「あら・・・新入りさん」

    さらりと乾いた高い声だった。そのまま風に運ばれるように、素足の彼女がワルツのステップで近づいてくる。せまい廊下を進んできた彼女は貴生の肩に軽く触れ、耳元に口を寄せてきた。
    貴生は固まってしまった。挨拶も会釈程度のお辞儀すらもできなかった。

    吐息は甘く、バラのように香る。

  • 3.0 罪を犯した人の再生を描いた話し。誉田哲也らしくなく、どこか爽やかさすら感じられます。だから低評価なんだけど。

  • 先日本屋で見かけて、誉田哲也作品を星野源が演じるのか.…と気にはなったけど文庫になるの待とうかなと買わなかった。やっぱり気になって今日購入。
    誉田哲也特有の血生臭さ全然ないじゃん!と思ったら後半に来た。
    これは映像化されたら、すごくいいと感じた。
    前科のある人を受け入れるシェアハウス。
    互いの詮索をしたりはしない程よい距離感。
    住人ひとりひとりの過去や現在が少しずつわかって、最後は少し泣けた。

  • 何かしらの過去を持つ人たちを受け入れてくれるシェアハウス、plage。

    一度罪を犯した人は、罪を償ってもなお、人生をやり直してはいけないのか?
    考えさせられた。

  • あらすじ
    たった一回の薬物使用で逮捕された貴生。紹介された住まいはドアのないアパートだった。そこには、同じように前科などの過去を持つ人たちが集まっていた。一方、フリーの記者は、殺人事件で無罪になった男がこのアパートに住んでいることを知り、潜入取材をしようとする…。

    さくさく読める。前科とか暗い過去がある登場人物ばかりだけど、わりとライトに書かれていて、それよりも適度な距離をとりつつ助けあったり、協力しあったりの様子が読んでて楽だった。

  • 文章の記述は決して上手ではないが、なぜだか泣きそうになりました。不器用な人間たちの物語。正解不正解でなく、自分であることを諦めて、開き直って生きる話。

  • 住民全員が前科者であるシェアハウスを舞台に、住民の様々な過去が掘り起こされること、ある事件に関する話。罪を犯し、周りの好奇に晒され、世間は広いようで狭いものであり、社会復帰の阻害になり、代償の大きさ、どうすれば社会復帰できるのか、社会復帰のために法の面、福祉の面などでどうすれば良いのか、償いとは何かを物語っている。同様に、人はちょっとしたことがきっかけで犯罪者となりゆるのも感じさせる。最後に、シェアハウスを立ち上げるきっかけとなったエピソードと人助けの思い、住民も社会復帰でき、明るい方へ向かうのが良い。

  •  同じ作家なのに、ある時は、放り出したくなるようなエロ・グロ・バイオレンスの後味まで嫌な作品を書くかと思えば、天使のような物語をを紡ぎ出すこともある。不思議だが本当だ。この誉田哲也が実にそういう風な作家だ。

     ここのところ『ケモノの城』を筆頭に、血と汚物に塗れたかのような小説で世間を圧倒しようとしていたこの作家に少し辟易気味だったのだが、そもそもこの作家が持っている語り部的才能を、優しさや愛や人生の哀感といった、言わば万人が期待するような方向に駆使し、仕上げた久々の作品に出くわしてほっとした。

     もちろん刑事小説などでも気持ちが悪くなるほどの暴力シーンを沢山描く作家なのだが、一方で青春ロックバンド小説『疾風ガール』『レイジ』や体育会系青春女子小説『武士道シックスティーン』などの明るいウエットな分野でもけっこうな腕を見せてくれる。かと思えばデビュー当時はホラーや幻想小説なども書いている。

     いわばジャンル万能な作家なのである。それらをあまり分けずに統合してはどうなのかなと思うときがたまにあるのだが、この作品『プラージュ』がどうやらその方向としてうまく行っているのではないかなと少し感心したり、すっきりしたりした、というのが正直なところである。

     姫川玲子やジウのシリーズばかりを求める激辛系の読者にとっては、このほろ苦くもきっぱりスイーツ系の作品のにおいが鼻につくかもしれないが、実はぼくは誉田哲也の魅力はこういうふんわりとやわらかい触感と血と暴力の無慈悲な世界とが交錯する双方の鏡面的世界構築にこそ存在するのではないかと常々思っているのだ。

     その意味では本書はミステリとしていくつかの事件を読み解き進めることもできるし、弱く脆い人々の人生の光と影を通して人間の成長劇をしっかりと味わうこともできるいい具合のエンターテインメントなのではないかと少し嬉しい作品でもあるのだ。

     キャラクターに個性があり、それら出会いにより大小のドラマが組み合わされる展開で、どの人間をとってもスケールはともあれ劇的要素に満ちている。つまらない人生などひとつもない。そういう書き切った感のある作品として作者としてもひと際嬉しい作品なのではないだろうか。

     こういう作品で読者層を厚めにすることで誉田ワールドはさらに広がってゆくものになってゆく気がするのだが。もうケモノの城はごめんだ。ただでさえこんな時代。救いのない世界はこりごりなのである。

  • 相変わらずサクサク読めました。

    登場人物が多くて、この人だれだっけな?と思う事たびたびでしたが、章が細かく分かれているので目次見て戻って確認しやすかったです。

    前科のある人とのかかわり方・・・考えさせられました。

  • いわゆる多視点で章ごとに、語り手が変わる手法で書かれている。一冊を通しで読む分には、問題ないが、連載物だったから、毎月、読むのは辛いんじゃないだろうか。
    そもそも、僕は連載小説は読まない。新聞小説も、月刊誌の小説も、だ。短編の一話読み切りなら読むけど、連載小説はほとんど読まない。
    さて、この作品。誉田哲也氏は構成が抜群に上手いので、多視点で、なおかつ、時間を前後させて、書いていても、飽きずに読ませるのは流石。途中で、どうでもいい登場人物の名前に、白石、橋本ナナ、桜井というのが出てきて、乃木坂ファンとしてはニンヤリさせられた。
    潜入した記者は誰かな、という推理もしつつ、物語を後半まで読み進めて、これは星3つくらいかな、と思いきや、ラスト50ページで一気に持っていかれる。というわけで、星5つに近い星4つとさせていただきました。

  • ■ 16102.
    <読破期間>
    2016/12/11~2016/12/22

  • 罪を償って刑期を終えればすべてが赦されるとは思わない。だが、その後誰にも受け入れてもらえず、否定され続けると…。伸介は両腕を切断しろと言う。そうすれば死刑相当の犯罪はもう犯せないと。身体的なハンディを背負って生きている人は普通にいる。両腕がなければ生きていかれないという擁護は成立しないと。罰は受け、再犯率も低いとなれば社会は受け入れなければならない。結局は犯罪と社会、刑罰や死刑存廃というのは我々全員の問題だと。一理あると納得してしまった。私は答えを持たないが、色々と考えさせられる作品だった。

  • 2016/12/18 良かった。
    最初に記者の章のみ読んでから全体を読んだ。
    良心。。。ってなんだろう?結構深かった、テレビドラマ化しそう

  • 最初はなんか変な話だなと思って読んでたけど後半でそれぞれの過去が語られ出してからは引き込まれて一気に読んだ。テーマは非常に難しくて重い。まあ俺も彼らの仲間なんだけど、それによって差別されたり敬遠されたり不利益を受けた事は、幸い無い。だから特に主人公?の貴生についてはそんなにシビアかなーと思いながら読みもした。

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プラージュの作品紹介

たった一度、魔が差した結果、仕事も住む場所も失ったサラリーマンの貴生。やっと見つけたシェアハウスで、人生をやり直す決意をした矢先に、一人の女性住人に「夜這いし放題よ」と耳打ちされて…。あるシェアハウスに住む、厄介者たちの物語。

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