年下のセンセイ

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 548
感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344028784

作品紹介・あらすじ

みのり28歳。恋は3年していない。美味しい料理があって、気が置けない友達がいて、わたしの生活はどうにか回っている。そんなとき、通い始めた生け花教室で、8歳年下の透と出会い…。でも、この気持ちは封印しなければいけない。

感想・レビュー・書評

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  • 我慢することが、大人の恋だと思っていたー。

    予備校に勤めている。みのり28歳
    気付けば、3年以上恋もしてない…恋人もいない。
    美味しい料理やお酒があって、気の置けない友達がいて、
    みのりたちの生活はどうにか回っている。
    生け花教室に通い始めて、もうすぐ半年。
    習い事がこんなに楽しいなんて思ってもいなかった。
    大切な時間になっていた。
    その生け花教室で助手をしている8歳年下の透センセイと出会った。
    ある日、偶然の出会いから二人の関係は大きく変化する。

    みのりはセンセイの事が大好き。
    でも、彼は8歳年下だし、色んな可能性があるし、東京の大学へ行ってしまう。
    必死で気持ちを抑えつけ、何事も無かったかの様に振る舞うみのり。
    傷付くのが怖くて、傷付く前に逃げ出していた。
    でも、何かを取り繕いながら恋をする事なんて出来ない。
    永遠に何かを取り繕うながら生き続ける事は出来ない。

    自分に自信がなく、相手の事を思ってばかりいた
    みのりが素直になれて、本当に良かった(*´˘`*)♡

    立ち居振る舞いが綺麗。所作か綺麗なセンセイ良いなぁ。

  • 甘っちょろい恋愛小説である。言っておくが誉め言葉である。恋愛をツラいだけで描くなど愚の骨頂。恋愛小説において、ツラさは甘さを引き立てる「スイカの塩」でなければならないとほぼ真剣に思っている。そういう意味において絵で描いたような最強の甘っちょろい恋愛小説である。

    ただ、こういう恋愛を例えノンフィクションであっても、真正面から受け止めて感嘆のため息を漏らすには若さが絶対必要だと痛感した。

    この小説を正対で受け止めて読破するエネルギーが、もはや俺にはないねんな。気がついたら「いいねぇ、若いころはこういう気持ちになったよなぁ、こういう無用な気遣いやって、必要な気遣いできずにすれ違ってケンカしたよなぁ…いいなぁ、恋しろよ青年」と斜に受けてしまっている。ノンフィクションであっても自分に当てはめることができない。30代とは言わんにせよ、せめて40代だったら…

    中村航、いい小説を書く作家なんだが、読者側の俺が旬を外してしまった。落ち着きのないジジイなはずの俺でも、老成してるとこは大いにあって、遠い日の花火のような恋は、美しくともわが身を焦がすことはないってことだ。

  • 甘っちょろい恋愛小説かと思ったら、甘っちょろい恋愛小説でした。
    でもこういうのって需要あると思うし、結構乙女おじさんな僕も楽しく読めてしまったんですよね。
    20歳の華道の先生(男)と、28歳の生徒(女)の恋です。
    8歳くらいの差は年下からからは全然気にならないんですが、年上の女性からは気になるのかもしれないですね。むしろ下からは魅力的だと思います。
    関係が急接近してからの、すれ違いは恋愛物の定番ですから、そういう雰囲気が好きであれば十二分に楽しめる内容です。

  • 航さんの本は、毎回使いたくなるフレーズがよく、出てくるのが好きです。

    んまあーこの人は、とか。
    愚か者の得意なフットワーク、とか。

    今回も、世界三大美德が随所に感じられる関係性が描かれていてよかった。

  • 優しい風が貴方の前髪を攫う度、その瞳が見え隠れする。横顔のラインから指の形、爪の先にまで柔らかな所作が窺える。その指に触れられた花は皆生き生きと、サングリアで赤らめた頬の様に美しく、寒い冬の終わりを告げていた。
    いつまでも赤い薔薇のように情熱的でありながらも、純な気持ちを忘れぬ白い薔薇のように相思相愛であり続けたい。
    未来に結末に怖気づき、飛び込めぬ背中をそっと自ら押した瞬間、虹色の噴水が舞い上がる。
    凛と背を伸ばし空に向かうあの日の花のように、私も上へ上へと咲いていたい。

  • 年の差恋愛のストーリーとして、最初の方はは楽しめました。

    年下のセンセイは初々しいし、生け花の描写などは綺麗なので良かったのですが…
    主人公の女性の、後半の行動が謎で、最後は納得できず仕舞い。

    年齢差に悩むのは分かるんですけど、悩んでいる期間が長い割には、決心したら振り切れたように積極的になるところとか、極端すぎて驚きました。

    同著者の作品は、『僕の好きな人が~』に続いて2作目なのですが、どちらも何となく残念感が拭えないです。

  • ちょっとだけ遠回りした歳の差カップル。臆病になっている年上の彼女と彼女の気持ちがわからず戸惑う年下の彼。なんていうか、2人にしてみりゃものすごく大変な日々だったのだろうけど、読んでる方はどきどきのちニヤニヤ。いいねいいね。恋っていいね。
    仕事でも一つの転機を迎えているみのりと、新しい人生を模索し始めた透の恋の始まりが初々しくて、照れちゃいますね(遠い眼
    女性にとって30歳って一つの大きな区切りだったりして。そこをなんていうことなしに通り過ぎるか手前で足踏みしたり立ち止まって動けなくなるか、そのカギが「仕事と恋」なのかもね、と。
    人生はまだまだこれからも続いて行くんだし、どうせ一度きりの人生なら思うように楽しく生きなきゃね、と、航さんはいつも元気玉を読み手に放り投げてくれます。

  • 1日で読了。
    年齢差は靴のサイズの差と同じという果歩の言葉、
    年の差がある恋をしている人は背中を押されたに違いない。
    みのりとセンセイの進みそうで進まない恋模様が興味深くスイスイ読むことができた。

  • 主人公に全然共感ができなくて、うーーーんとなってしまった。。。
    一人で結論を出して避けてたのに、急に吹っ切ってついていけなかった
    少女漫画を小説にした感じかなあと

  • 失う前に手放す。
    軽い気持ちで遊んだだけならまだしも、真剣に考えた結果だというのが余計に訳が分からないだろ。
    気になることは多いかもしれないが、相手が了承しているのであれば気にする必要はないのでは。

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著者プロフィール

建築家。博士(建築学)。株式会社MOSAIC DESIGN代表。
1978年東京都生まれ。2002年日本大学理工学部建築学科(高宮眞介研究室)卒業、2005年早稲田大学大学院修士課程(古谷誠章研究室)修了。2008年同大学博士後期課程単位取得退学、助手・嘱託研究員を経て、2010年〜16年東京大学大学院隈研吾研究室助教。2011年東南アジアのストリートの屋台に関する研究で博士(建築学)取得。同年建築設計事務所MOSAIC DESIGN設立。明治大学I-AUD、早稲田大学、日本大学などで非常勤講師を務める。店舗・住宅・ホテル・商業施設・マーケットなど、屋台からアーバンデザインまで、何か楽しいことやりましょう!をキーワードに大小さまざまなプロジェクトに取り組んでいる。

「2023年 『POP URBANISM』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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