わたしの容れもの

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著者 : 角田光代
  • 幻冬舎 (2016年5月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344029408

わたしの容れものの感想・レビュー・書評

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  • 老いの兆し。それに伴って変化していく体。ただただ恐れでしかなかった「下り坂」な状況をユーモラスに語れるのは角田さんだからこそ!このエッセイの連載が始まった頃の角田さんの年齢が今の自分の年齢に近いこともあり、興味津々で読みましたよ。老眼、白髪、更年期、痩せにくい体…中年女性の「あるある」に溢れていて、ああ~そうそうそう!とテーブルをバンバン叩きながら読みたい衝動に(笑)モヤモヤと感じていたこの状況、そうかこれって老化の始まりだったのかと腑に落ちることが多々ありました。
    角田さんも語っていたけれど、勿論状況には個人差があるので、角田さん元気だなと思う反面、自分にとって未知の領域である「ぎっくり腰」のエピソードはぞぞぞっとしました。「それは突然やってくる」…そう、この世代になると、何かが突然やってくるのだ!その「何か」はまた人によって様々だろう。私もそれまでは、文中の角田さんのように、来たる更年期や閉経に至るまでの状況がどんなものなのか、年上の知り合いの「大人の話」を聞きながら戦々恐々としていたのだが、突如発覚した病の治療で疑似閉経&薬の副作用による更年期症状を体験することとなってしまった。これで、更年期に対する意識が少し変わったね。
    そういう意味で、共感ポイントは人それぞれであり、若い読者にどこまで受け入れられるかはわからないけど…「ちょっと自虐ネタばっかじゃない?」なんて思わず、過度にビビらず、面白がってくれればなと思う。
    「私自身の意識としては、そんなに古びていないのに、容れ物は勝手に軽々と年数を受け入れていくのである。」
    あとがきのこの一文に、すごく納得!じわじわとくる変化にがっかりしたりため息をついたりすることも多くなるだろうけど、ある程度は笑って受け入れるしかない、その覚悟が少しできたかしら。
    ちょっと大きめの活字も読み易くってよかった。短めのエッセイだからということもあるかもしれないが、もしかしたら内容的に、読み易さも考慮してくれたのかなと思っている。

  • 「わたしの容れもの」?どういうこと?と思ったらカラダについての話。ナルホド「容れもの」であるなと思った次第。

    角田さんは50歳前後ということですが、その頃の年齢の女性に起きてくるもろもろのカラダの懸念事項(更年期障害、閉経、ドライスキン、睡眠時間の減少などなど…)についてちょいと今まで疎かったのでは、と正直思いましたが、自分も実は知識についてはそれ程変わらないかも、と読みつつ思い時々「更年期」や「閉経」などググりながら読みました(笑)

    ほぼ自分と同年代、ちょっと先輩の角田さんなのでわが身にひきつけて読みましたね。いずれ行く道と思い。
    きっと35歳、40歳、45歳、50歳…とほんの五年刻みくらいでもカラダのコンディションって全然変わるのだろうなと興味しんしんでした。そして年を経るにつれカラダのコンディションの変わる期間も短くなってゆくのではないか…と思いました。
    だって、10年前の角田さんならこんなこと書いたかな、と思いましたもの。

    確かに自分も5年前とは明らかにいろいろ違います。
    5年前履いていた靴が今日足を入れたら半分も入らなくてびっくりしましたもの。
    「足がでかくなったのじゃなくて足に肉がついたんだよ」と義母に言われるまでまさかこの年で成長したのか!と本気で思いましたもの。
    や、自分の認識って案外客観的に出来ないものです。
    角田さんの文章に首がかくかくするほどうなずきながら読みました。

    更年期中、もしくは前後の方に特にお勧めです(笑)

  • 角田光代さんとほぼ同年代だったんだ。へぇー。
    あと数年したら同じようなことを思うのかなと。へへへ。
    確かに、老眼の話はチラホラ聞くようになったかな。
    そういう自分はもともと近視&乱視のせいか、自覚症状はないけど、そのうちきそう。
    加齢は誰にも避けられないから、これは変化を楽しまないと損だよね〜。

  • アラフィフになった角田光代の更年期障害あるある。
    集中力がなくなったとか、ほてりなのか本当に暑いのかわからないとか、体重が簡単には減らなくなったとか、霜降りより赤身とか、著者と同年代の私はいちいち「あ〜、わかるわかるw」と共感したり、老化を認めたくない著者に「諦めろ!」と突っ込みを入れたり、友達と話しているような気分で読めた。特に「更年期について語る女性が皆一様に楽しそうなのは、体の変化を面白がっているからだ」という一文は大いに同感。更年期は体の変化が多過ぎて、新しい(しかも扱いづらい)自分を生き直してる感じ。
    取り敢えず角田光代氏には、更年期以降は転ぶとヤバいので泥酔しないよう自重して頂きたい。

  • 角田さんとは歳が近いので、読んでいて共感する話が沢山あって「一緒だ、そうそう!」と大興奮。
    例えば、私も10代の頃から読書好きだけど、今よりも文字の小さい文学小説をよく読んでいて今は無理と思っていた。角田さんもそうと知って嬉しくなりました。
    とにかくいっぱい共感どころがあって、読んで良かった~と思いました。

  • 著者の小説も好きだけど、エッセイも好き。
    あーこの人となら友達になれそう…と思わせる親近感。
    今回もうなづくとこがいっぱいあったよ。

    分厚いものをちびっこい字で読む。(ドフトエフスキー、トルストイ等)しかも短期間で読む。
    そっれってほんと体力と時間が有り余っている若いときならではなんだと思う。
    ほんとあの頃、パールバックの”大地”や”風と共に去りぬ”読んでいて良かったよ。
    でも”カラ兄”これはいつか読みたい。

  • 四十も後半になり体の変化についてのエッセイ。
    うーん、本当にまだ若い私には関係がないし参考になるほど心境が描かれずただ身近なおばさんの話を聞いている程度。
    閉経のことは私も知らなかった。

  • 女の甲冑〜(ジェーン・スー)の後に読んだのが
    たまたまコレだったのだが

    内容が似てる(笑)
    妙齢(要は中年)女性の身体や感覚、行動などなどの
    変化について作者の思うところが描かれている

    かく言う私も同年代
    納得するところが多過ぎて安心さえする

    ただ、たまたまなのに
    この2冊が続いた事に意味を探してしまう私。
    旅行から戻り体調を崩し養生中の週末に読んだから
    余計にこの2冊が私にのしかかっています(笑)

  • タイトルはシンプルに自分の身体のこと-とりわけ加齢により変化する-をテーマに書いている。周囲でたくさん語られている世間話のレベルのテーマだが角田さんが持ち出すと一つ深くなる。
    加齢によりできなくなることが増えるが、『変わる、というのは、その前にはなんだか不安に思うけれど、実際はちょっと面白いことなのだと思う。』『変化したことで、新しい自分になったように感じるのである』かくして、視力が落ちたなんて話を嬉々とするわけですね。

    人間ドックは中年向けのコミュニケーションツールである。

    中で「補強される中身」がおかしかった。

    加齢イコール人間が出来てくる と小さいときから思っていたが、最近違うような気がするという話。
    『人は年をとっても、よりよい人間になったりはしない。』
    『急いでいた人はますます急ぎ、怒りっぽかった人はますます怒りやすくなり、たいてい、不寛容になる。寛容に見えるときもあるが、それは認めているのではなくて、どうでもいい、つまり興味がないのである。どちらかというと、美点より、欠点のほうが、増長されていくような気がする。』
    『ちいさな欠点は私たちのなかに小分けで詰まっている。でも、それらが飛び出してこないように私たちはいつも注意を払っている。』
    『生きていくということは、たしかにいろいろ経験はすることではあるけれど、経験し、賢くなっていくといよりは、経験し、「自主規制しなくても、ま、平気らしい」と知っていくことなのかもしれない。』

    納得です。年とると生きることに慣れて、少し図々しくなり「自主規制しなくても、ま、平気らしい」と思うようになる。犬が用心して鼻をひくひくしていたのが、安心と知って、出て来るみたいなものだ。出てくるのが他所様に見せてはならじと思っていた欠点なんだから周囲はいい迷惑だ。

    『寛容に見えるときもあるが、それは認めているのではなくて、どうでもいい、つまり興味がないのである。』というのも鋭い。年とると興味の範囲が狭まってくるので、興味の範囲外が増えているだけだ。

    ダイエットはその人との相性がある。ただ、『だけ』ダイエットは、どんな体質のどんな性質の人にも効果はない。

    『自分が美しくないということは、もっとずっと前から知っていた。「かわいい」が砦であったのだ。』『この容姿問題には逃げ道がある。「私はかわいくないかもししれないが不細工とまではいかないであろう」という中庸にすがるのである。その中庸はある意味ではパラダイスである。そこに安住していれば、きれいなろう、痩せようという努力を放棄できる。

    連載期間中、ギックリ腰を二回、尾てい骨の骨折を一回している。その話がまたおかしい
    のだが、それは加齢に関係あるのかないのか。同世代のものがこうした事故にあっているところを見ると関係あるのかもしれない。

  • 私も将来こうなるのか…と思うと怖いけど、みんななるならいいかな(笑)。

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わたしの容れものの作品紹介

老いの兆しは、悲しいはずなのに、嬉々として話してしまうのはなぜだろう?減らない体重も、ひどくなる二日酔いも、乾燥する肌も…それは、劣った自分ではなく、新しい自分。変わる、というのは、実際はちょっとおもしろいことなのだ。「変わりゆくカラダ」を好奇心たっぷりに綴る。

わたしの容れもののKindle版

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