蜜蜂と遠雷

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著者 : 恩田陸
  • 幻冬舎 (2016年9月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (507ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344030039

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蜜蜂と遠雷の感想・レビュー・書評

  • 感動作の王道だ。何度も込み上げるものがあった。塵と明石、そして、ステージマネージャーが良かったな。

    無い物ねだりだが、音楽の政治性に、戦前からの音楽家はタフだった、という一節を除き、視点が向けられることがなかったのが、心残り。音楽は至高にして喜びであるだけに、その利用のされ方も描かなければ、ウソになる。

  • 一気に読んでしまった。
    音楽はやってないけど音がイメージできる物語。
    美しい文章で読んでいて気持ちよかった。
    登場人物も魅力的。

  • これは読んでからしばーらく経っています。

    4月に、中学生の次男に頼んで中学の図書室で借りてきてもらいました。市の図書館ではかなり待ちそうだったのですが、中学の図書室は穴場ですね。
    直木賞と本屋大賞受賞作品ということで言わずと知れた、ピアノの国際コンクールのお話です。

    コンクールに臨むコンテスタントたちを、予選の前からコンクールの終わりまで描いてあります。それぞれに物語があり、またそれは審査をする側にもあるのです。
    主には4人を追っていますが、なかでもわたしが推し!なのは明石さんでしょうか。

    主人公はとても不思議な少年で、経歴も環境も才能もどれをとっても現実離れしてるような、、、

    主人公以外のコンテスタントたちにしても、
    この域に達している人たちはこのような目を持ち、耳を持ち、頭と心を支配しているのはこんな景色や空気なのかと、未知の世界を覗くような気持ち。

    演奏する曲は何曲もあり、人によって選ぶものが変わり、たくさんの曲が登場します。
    知ってる曲もあれば、知らない曲もあり、読みながら流してみたり、壮大な物語のような曲の解釈を読みながら思い浮かべて聞き。

    面白いですが、何せ分厚い本です。返却期限が一週間だったので間に合うように一生懸命読みました。

    これから、コンクールを見る時には、これまでとは違った視点から見ることができるかも知れないなーと思います。

  • 夢中で一気に読んでしまいました。彼らの今後が知りたいと思うほど物語の世界にはまり込み、まだ余韻に浸ってます。


  • 『蜜蜂と遠雷』

    直木賞と本屋大賞のダブル受賞に輝いた話題の本なので、読む前からとても楽しみでした。
    タイトルからは全く想像できませんが、ある一つの国際ピアノコンクールの、開始から終了までを追った流れになったものです。

    長編なので、時間をかけて読み、さらに読み返しました。

    ピアノコンクール会場で展開されるドラマにほぼ絞られており、意外性がさほど期待できない中での物語展開が必要なため、なかなか難しいシチュエーションです。

    それを、著者は複数の参加者たちの内面に焦点を当てることで、ドラマチックなものに仕上げました。

    参加者は十代から二十代の若者たち。
    いくらプロ顔負けの演奏を行うからといっても、普段は年相応の子どもっぽさの残る普通の人々。
    ただ、天才肌であるあまりに、世間とずれている人も多いようです。
    どんなに技術があり、有望株だと期待されている人でも、懊悩はあり、ライバルのことは気になるもの。

    参加者一人一人が苦悩や葛藤と闘いながら、練習を重ねてきている様子を知っていくうちに、読者は登場人物に親しみを感じていき、いつのまにか彼らと一緒に一喜一憂するようになっています。
    かなり、ドキュメンタリーTV番組に近い構成になっていると思いました。

    よくある物語展開だと、ライバルを敵視して、火花を散らして真っ向からの勝負をするという流れになります。
    緊張感にあふれ、ドラマ性があるストーリーになりますが、この作品では、そういった描写はありません。
    参加者の誰もが、自分の受賞を願うと同時に、他の才能あるライバルたちの受賞も願っています。一人が失格になりそうなシーンでは、みんな青ざめ、その人の受賞を必死に祈っていたのが新鮮。

    「彼のいないコンクールはつまらない」というくだりがでてきますが、参加者たちは、相手の力量を認め、コンクールの間中も、お互いの演奏で刺激し合っています。
    参加者数人に焦点を当て、そのすべてが同じ状態。
    人を振るい落としていくようなコンクールでありながら、実質、悪役は登場しないのが意外。
    そのため、どろどろとした人の欲望の描写はありません。
    物語世界にしかない美しい理想的なストーリーなのか、もともと能力がある人は、ライバルを貶める考えを持たないのか、気になるところです。

    また驚いたのは、演奏される曲を文章で表現していること。
    本から音は鳴らないため、音楽を文章にするのは無理だと思っていました。
    ただこの著者は、自分が持つ表現力を駆使して、ひたすら懇切丁寧に、音楽について書き表しています。
    もともとの音楽の素養を展開する表現力。それに加えて、表現量の多さに圧倒されます。

    著者の根気強いひたむきさが、著者との一体感を生み出し、はじめは何も聴こえなかった紙面から、重奏が連なる交響曲までも立ち上らせているようです。

    読者は、自分の記憶の中の音を思い起こしながら、物語を読んでいきます。
    そのため、通常ならば、聴いたことがない曲目が登場すると、想像できずに途方に暮れてしまうところですが、豊かな言葉で表しきっているところに、著者の自信と覚悟が見えました。

    この物語のストーリーは、『コンペティション』というピアノコンクールに賭ける青年たちを描いた映画を思い出しました。

    音楽の表現は、著者の『ライオンハート』のような、時空をダイナミックに移動するような、キラキラした表現。

    また、参加者たちの心理を丁寧に追った描写は、著者の『真夜中のピクニック』でのこつこつと心理を重ねる描き方に似ていると思いました。

    音楽に惹かれるままに技術を磨いて、先の見えない不安と闘いながらも、取りつかれたように自分の感性を頼りに進んでいく、ピアニストたちの道。
    それは、... 続きを読む

  • さすが直木賞と本屋大賞のダブル受賞作品です。

    私はクラシック音楽にはかなり疎くて、この小説に登場する曲は聞けば分かるかもしれませんが、曲名だけではどんな曲か全く分かりませんでした。ですので、最初のページを読んで、「果たして面白いのかな…。」と思ってしまいましたが、とても面白かったです!!
    読後に、「ああ、これでもうこの人たちには会えなくなるのか。」と久しぶりに寂しさを感じた作品でした。


    ストーリーは、3年ごとにおこなわれる「芳ヶ江国際ピアノコンクール」を舞台にして、4人のコンテスタントがそれぞれの背景を抱えながら優勝を目指していくという青春群像劇でした。

    この小説の魅力は、まず登場人物です。コンテスタントの4人はそれぞれに独特な背景があり、さらに審査員として出てくる人たちにも背景がしっかりあり、登場人物をとても魅力的に描いています。コンテスタントのうちのひとり「風間塵」という異色の存在に触発されて、周りの人物の成長が加速されていくという、青年コミックにありがちなストーリーを、音楽コンクールという独特な設定に持ち込むことに見事に成功をしていることに感心しました。
    さらに、そのうえで演奏される音楽の描写がとても優れています。読んでいる自分が、コンクールのコンサートホールにいるかのような錯覚に見舞われるほど、圧倒的な演奏描写でした。まさに本から音符が飛び出してくる感じです!この部分の描写に、筆者は相当苦労したであろうことは容易に想像ができます。

    登場人物が魅力的で、一人の異端児の出現で回りの成長が加速されていくというストーリー展開、そして秀逸な音楽描写とくれば、面白いのは当然です!!
    もはや最後のコンテストの順位は、おまけです。

    あとからネットで調べると、著者の恩田陸先生も10代のときにピアノを弾いていたそうです。それに、モデルになっている浜松国際ピアノコンクール(3年に1度開催)も4回取材をしていたということで、この描写はとてもできないと思いました。

    小説として、とても面白い作品でした。まちがいなくお勧めです。
    この作品は映像化は難しいと思いました。これは文字だからこその面白さであって、映像になると面白さが無くなってしまうのではないでしょうか。

  • 直木賞と本屋大賞のW授賞したはずだ。すごい。この分量を一度も飽きずに読めたのは初めてかもしれない。読んでいる間中、身体の隅々に心地良さを感じるほどだった。一つのピアノコンクールを最後まで言葉で表現できることに、小説の無限の可能性を感じた。すごい。

  • 幼稚園の解放図書にリクエストして入れてもらった本。
    素晴らしかった。あっという間に読み終わってしまったし、途中で止めることなんて出来なかった。
    ピアノの森に似た世界観。

    コンクールの課題曲とか、奏者が選んだ曲とかまとめて聴きたくなってしまった。
    私は風間塵ももちろん好きだけれど(彼は完全に一ノ瀬海のイメージ)、私は栄伝亜夜のファンです。(明石目線に近い感じで)
    マサルは何故だろう、ラテン系って書いてあるのに城田優が浮かぶ(笑)
    塵と亜夜とマサルは天才。音楽の神様に愛された天才。特に塵と亜夜はもう凡人には理解できない世界を見ているんだろうな。
    その世界にはいけなかったけれど、それでも音楽を愛して向き合っている奏と明石も魅力的。きっと明石の演奏するピアノ、私も大好きだと思う。

    みんな素敵だったな。また読みたい。
    今度は買います。

  • 個人的にはドーンと何かが起こって、しっかり解決する分かりやすい物語が好み。
    なのに、何か大きな事件が起こったわけでも解決したわけでもないのに、最後のシーンにふと泣けてきた。
    あー終わったってほっとした。
    個人的には「タッチ」方式に、久々にジーンときた。笑

    淡々とコンクールが進んでいく。
    それぞれの物語があって、程よく交錯して、程よく距離がある。
    亜夜、マサル、塵の音楽の神様に選ばれた3人。
    明石、奏の才能ある、でもそっち側ではない人たち。
    自分の物語と、誰かの物語によって、それぞれが立体的になる。
    みんなが無垢な感じで悪意がないのも、読んでてやさしくなれる。

    ピアノの音が聴こえてくる。ってのともまた違う。
    でも映像は浮かんでくる。聴きたいって思う。
    私もピアノはやってたけど、知識と想像力はとてもじゃないけど及ばなくて。
    でも、単純にページ数も多いし、伝わってくる量が膨大で、あー処理しきれないかも・・・と思うんだけど、入ってくる。
    ほとんどの人が知識がないであろうクラッシックやピアノのことをここまで深く描いて、
    でもそれが多くの人に伝わるってすごいなって思う。
    最初から最後まで音楽だけど、音楽小説じゃないんだな。

  • 一頁のフォントも小さく、上下2段という情報量に臆した。

    恩田陸さんは、初だった。
    しかし、この本の装丁やタイトル、ピアノに惹かれ図書館で予約を入れたのだ。

    この情報量だけれども、飽きさせることなく、グイグイと引き込まれたのは、恩田陸さんの表現力の賜物か。

    読み進めていくうちに、終わりがくるのが寂しく、結果が知りたく、まさか終わり方を濁すように終わらないよね?という疑心もありで複雑だった。

    ありがちな「優勝者は… 」で、終わらなくてよかった。

    本屋大賞、久々のヒットじゃない?

  • This book is based on the piano competition. The story goes on through several people's view. What I liked about this book is that it describes in detail how the music is played and I learned the joy of listening to classical music.

  • 以前読んだ作者のいくつかの作品よりも文体が強く、安心して物語の世界に浸れた。

    こんなに音楽に造詣の深い作家だったのかと、驚いた。
    そして、その知識よりもさらに深くて熱い音楽への愛情が、すべてのページから伝わってきた。

    表紙が、作品のとある部分の空気感をよく表している。
    (単純に、好きな絵とデザインでもありますが)

    できることなら、「邪眼」「快楽の絶頂の表情」につながる「天才」の生態をもっと知りたかった。
    それまでステレオタイプ化しかけていた「天才」のキャラクターが、この表情のエピソードでぐっと魅力的になったので。

  • 瞬間瞬間の感動を味わえた
    今度は曲を聴きながら読みたい
    登場人物のピアノ。自然を感じさせる音楽聴いてみたい

  • クラシックの知識は全くないけど、
    音楽の素晴らしさが伝わってきました。
    できることならあの三人と高島明石の演奏が聞きたい!

  • 直木賞と本屋大賞をダブルで受賞した一冊。舞台は日本で開催される国際ピアノコンクールで、数名のピアニストが主人公。音楽が聞こえるかのような描写で、コンクールが進むに連れて主人公たちの心の変化を読み取れるのが面白かった。マイナス点は一部ポエム感が強かったところ。ただ、全体的には面白く、クラシックのピアノ曲を聴きたくなった。ダブル受賞も納得できる広く勧められる本だった。

  • 2017年本屋大賞作品
    国際ピアノコンクールを舞台として物語は進む。型破りなピアニスト風間塵は本当にすごいと思うけど、ちょっと現実味の無い設定だなぁという印象。ピアニストの世界、音楽家の世界はそんなに甘くない気がする。
    コンクールが舞台なので当然数々のクラシックの名曲が出てくるが、一つひとつを耳にしながら聞くとなお良い。作者の描く、その曲の世界観や講評を自分なりに咀嚼しながら読み進める方が数倍楽しめる。この手のものは映像化された方が解釈しやすいが、作者の意図するところを再現するのは難しいだろうなぁと思う。
    個人的には、高島明石の演奏を、最も聞いてみたいと思った。

  • すごくヒットしていたので、全く内容を知らずに読んでみた。
    コンペティションに挑む4人の男女を中心に、運営に関わる人々、そして大会の予選から本選までをじっくり描いてある。特に天才的な3人のキャラもいいが、多角的な視野で、”コンペティション=ピアノ芸術”そのものを見事に浮き彫りにしている。

    何よりすごいのは、様々なクラシックの名曲を、キャラを交互に変えながら、その視点で視覚的!に描いている事。本文の1/3位は音楽描写かもしれないが、”音楽”の持つ美しさ、力強さ、神々しさを、あまたの言葉で紡ぎだした筆者の力量にはただただ脱帽。
    以前、ピアノを扱った「鋼と羊の森」という傑作があったが、読み応えがある分こちらの方がずっと楽しめた。

    これだけヒットして、かつ日本が舞台である以上、映画化されそうだが、凡百の監督が演出すればただのクラシック映画になりそう。ビジュアルに優れた監督を使って欲しい。

    そして何より・・・続編を読みたい!
    数年たって、同じ時間経過(2~3年位がいいかな?)で彼らのその後、”邂逅と別れ”を描いてほしい。
    (内容的にも可能だろうし!)

    読むときの注意が一つ。
    後ろのあとがき・・・ハードカバーだから解説はないのだけど文庫の習慣などで最後のページをつい見る人、注意して!
    最後のページにコンペティションの結果が出てから!

  • なぜか既読感が…と思えば、
    漫画ですが、一色まこと「ピアノの森」に雰囲気がよく似ています。
    特に「ピアノの森」後半のショパンコンクールなんて…本当にそっくり!!
    音楽で生きる、ピアノの世界で生きることの難しさや喜び、そしてほんの一握りの『天才』の光と影、などの世界観が、コンクールの演奏を通して描かれます。
    書評で言われているように、どちらの作品も音のない紙媒体で音楽を感じさせるところは素晴らしい描写力です。風渡る大地や木々の自然で音楽を表現するところなども二つの作品の共通点だと思います。
    「蜂蜜と遠雷」が好きな人は、是非「ピアノの森」を読まれたら良いのでは?もう少しコアな人間関係、大河ドラマ的な時間の流れや登場人物の成長も加わるので、きっと夢中になると思いますよ。
    …ちょっと「ピアノの森」のレビューのようになりましたが、両作品とも楽しめました。

  • 大変面白く読み終えました。
    自分でピアノを弾いている時には見たことありませんが、
    友達の合唱団が歌うラヴェルを聴いた時に、
    彼らの背景に宇宙まで続く夜空の星々の広がりを見た記憶が甦りました。
    音楽を認識する際に、空間認知を使うのが自分だけでは無いこと、恩田陸もそれを知っていて、他の読者もおそらく共感しているで在ろうことを知ってうれしく思います。

    音楽の楽しみ方は、人それぞれ。
    例えば「カラオケを楽しく歌えるから、僕も音楽の楽しみ方を知っているよ。」と主張する方の楽しみ方もOKだと思います。
    この小説で語られるような、人間の本質に関わるような喜びにまで昇華した楽しみもあります。

    突き詰めたところにある感動を音楽から得られることのできるこの小説の登場人物をうらやましく思う一方、
    同じように音楽では無い分野。例えばスポーツや、職人技を競うような競技でも、人によっては、複雑な計算を解いている最中など、独自の突き詰めたところにある感動があるのだろうな、と想像が膨らみました。

    正確な意味での生物学の理解では無い(かつての社会学者が思い込みで理想の世界とした野生動物の平和のような)生物学の比喩は恩田陸独自のファンタジーで、お家芸のようなものですが、
    それもまた、この小説の世界観を構成していて面白かったです。
    本当に生物学を理解している人なら、例えば利己的な遺伝子の比喩が「僕たち人間(個体)は愛する者の為に死ねる。」と言う利他行動の説明として
    「個体には不利益でも、近親者にもあるであろう同じ遺伝子の総数にとっては利益なのだ。」と理解するためのものだ。と理解していると思います。
    「世界に一羽だけでも鳥は歌うか?」の問いは、生物学的には成立しないわけですが、それも、この小説の中では、音楽をどう自分の中に位置づけるか、と言う彼らの認識の比喩としては納得できました。
    「宇宙の中に人間が自分一人だとしても、ピアノを弾くか?」
    こんな問いに「弾くよ。」と答えられる塵は格好良いですね。

  • 恩田陸が直木賞を取った小説。いつものミステリ作品ではなく、コンクールに参加する若き天才ピアニストの成長物語だった。クラシックの薀蓄は凄いし、話も面白かったけど、ちょっと展開が素直すぎて後半からは退屈してしまった。まあ、全体としてはいい作品なんだけど。

  • すごくおもしろかった
    ピアノのコンクールの世界なんて全然わかんないけど
    引き込まれて 自分までピアノ奏者の気になってしまった(笑 時々涙腺緩んでうるうるきたり うれしくなったり ほっとしたり緊張したり・・・
    忙しい忙しい(笑 5年後、10年後みんながどんなになっているのか続編が読みたい!

  • 一気に読める話だけど、この話を終わらせたくなくて、少しずつ読みました

  • ピアノコンクールの予選から本選まで。小説でここまで演奏シーンばかりなのは珍しいのでは?実際に曲聴きながら読んでみたい。コンクールってこんなにたくさん弾くのか…。本選のオケも大変だろうな~。などコンクール事情やカデンツァ事情もわかって楽しかった。

  • 音楽の素晴らしさをこれでもか、とばかりに教えてくれる力作。あまり馴染みのないコンサートの裏側が知れるのも面白い。
    ただ、音楽礼賛の気持ちが暑すぎて、胸焼け気味で終わってしまった。

  • 結構前に読んだ「光の帝国」以来の恩田陸さんの作品。
    直木賞+本屋大賞のダブル受賞とのことで、気になって手に取った。

    それぞれ立場の違う4人のピアニストがピアノコンクールを通して成長していく物語。

    「音楽」関連作品はやはり自分にとって相性が良いらしく、すごく楽しみながら読み進められた。

    かなり俗な言い方になってしまうのだが、読んでまっ先に感じたのは、「ピアノの森」(一色まことさんの漫画)を彷彿とさせる作品だと思った。
    題材だけでなく、読んでいて本から音が聴こえてくるような感覚、演奏シーンで何故か泣きそうになる感覚、全体を通してとても似ていると感じた。

    個人的にすごく肩入れしたのは「高島明石」。
    有り余る才能を持っている他の3人に対し、平凡な才能でありながらも楽器店で働きながら自分なりの音楽を追求するという姿勢、とても感銘を受けた。
    特別賞を受賞し、亜夜からもピアノを認められるシーン、読んでいてとても心が温かくなった。

    もっと若い頃に読んでいれば、天才3人の方に純粋に憧れを持ったような気がする。
    自分の人生経験とともに、読み方・感じ方も変わるのだろうなぁと実感させられた。

    個人的には、「風間塵」が圧倒的に天才過ぎるので、その背景についてもう少し説明が欲しいなと感じた。
    また、一次予選から二次、三次、本線とかなり道のりが長いため、途中間延びしたような印象も多少あった。
    もう少し短くても良かったかも…

    とはいえ、それを差し引いても十分満足できる作品だった。

    <印象に残った言葉>
    ・ たいへんでしょう、音楽家の奥さんって。そう無邪気に声をかけてきた彼女、かつて明石に迫り、私のほうがあなたにふさわしいと訴えた彼女、年の離れた歯医者と結婚して長男が生まれたばかりだったらしい彼女の声にカチンと来たのは、そこにはっきりと哀れみが含まれていたからだった。(P116・満智子)

    ・ 人の苦労は比べられない。それは、亜夜のそばにいて知っていたはずだった。天才と呼ばれる人にはその人なりの悩みや苦労もある。天才少女からの転落、という立場を亜夜が理解していなかったわけではない。(P318・奏)

    ・ 風間塵は笑みを浮かべて、ピアノを弾き続ける。亜夜はふと我に返った。遠いステージの上の風間塵。その姿が歪み、ぼやけている。なぜだろうと手を顔にやった亜夜は、自分が泣いていることに気付いた。いつのまにか、ふたつの頬をとめどなく涙が伝わっていたのだ。ありがとう。亜夜は、ステージに向かって心の中で呟いた。ありがとう、風間塵。亜夜はこっそりと頬を手で拭った。(P393)

    ・ 高島明石さんでしょう。あたし、あなたのピアノ好きです(P430・亜夜)

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蜜蜂と遠雷の作品紹介

私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。著者渾身、文句なしの最高傑作!

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