有名企業からの脱出 あなたの仕事人生が〝手遅れ〟になる前に

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344030206

感想・レビュー・書評

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  • 冨山和彦さんの本。「自分は超優秀なビジネスマンである」という確信がないと、ここまでの堂々たる語り口での生き方指南は出来ないだろうなあ。
    時節柄(半沢直樹最終回前)、JAL再生タスクフォースのサブリーダー時代のお話は面白かった。企業再生支援機構へのバトンタッチを『筋書き通り』と言ってみせるのが、本当の話なのかどうかはよく分からないが、稲盛さんを引っ張り出した手腕を含めて、結果が出ているだけに、凡百の経営者を圧していると思う。

  • 自ら進んでタフな環境に身を置き、ストレス耐性を身につける
    自分が上下左右の関係者からどう見られているか、正しく認識できているか
    →自分に対するメタ認識
    ギフトを与えられた人間を見つけ積極的にタフな経験を積ませ、実力を発揮できる環境を作ることこそが大事。。
    →という感覚で本当のリーダは人を見て育てようとしている。
    現役を退いたOBが五月蠅すぎる会社は駄目

    会社に左右されない生き方
    人間はだんだんと選択肢が減っていく
    何を持って成功の尺度と考えるか。まだ心が柔らかな打ちから、自分は何なのか、自分にとって幸福感とは何なのか、考える力を養わないと行けない。
    どんなときに自分が嬉しいと思ったり、どんなときに自分が居心地が悪いのか、どんなときに達成感を得られるのか、そういうことをしっかり理解する。
    趣味の世界で追求するにとどめるのではなく、自分のメインの人生、職業人としての人生を真っ正面から見つめないと行けない。ちゃんと対価をもらっているプロフェッショナルな世界で、何を精巧と考えるか。あるいはどういう仕事をしている状態を幸福と考えるか。
    自分の人生を成功させる確率が一番高いのは、自分で成功の尺度を決めること。自己満足でよい。

    古い権力に適合する優等生は必要ない。優等生的人材、使いこなしやすいからの人材はもういらない。若い感性をうまく取り入れることが出来なければ衰退は避けられない。
    教養レベルが圧倒的に低い。人としての深みを得る教養を身につける
    空気を読み続けるのがうまい人、読んでいる方が楽だから。考えていない。
    勉強し、考えている人には絶対にかなわない。

    末期に来ている。江戸末期、10年足らずで廃藩置県10年で自分たちの藩が無くなった。今の時代も同じ。自分が忠誠を誓っていた藩が、わずか10年後になくなってしまう、同じ事が起きない保証はない。サラリーマン幕藩体制は末期に来ているのではないか。

    自分を客観的な市場評価で、冷徹に見極める。自分のやった仕事ともらうべき報酬の関係を正しく理解し、貸しと借りを認識する。人生の貸借対応表を正確に把握。
    ここで重要なのは、世の中の成功や幸福の定義とは別のメジャーで、次なる行動を考えること。
    将来自分や家族にいくらお金が必要なのか割り出す。自分が達成感を得られる仕事が何かを整理する。そのメジャー面とが出来てこそ、自分自身の幸せを作り出せる。こういう人こそが、激動の時代をサバイブできる

  • 多くの大企業の事業再生を手掛ける著者による、大企業病、および大企業病に罹患したくない社員のための書。

    経験と理論に基づき、大企業の病巣が的確に表現されている。最近入社した大企業で、もどかしい思いをしている身としては、胸のすく思い。そして、指針を得て救われる思い。

    ある段階から、年を取るにつれ、可能性が狭まってくる。会社で役職を上り詰めることができるのは一握り。あなたは”(趣味やプライベートではなく)仕事において”、なにを幸せとみなすのか、自分の尺度を持て、というのが著者のメッセージ。

    自分の”会社での幸せ”について、改めて考えるきっかけとなりました。

    =------------------
    〇リーダーに必要なこと
    ・普段から人よりモノを考える
    ・人と違う視点でモノを考える
    ・最低限、一定レベルの勉強をしている
    ・人よりもタフな経験をしている

    〇組織人の行動原理
    ・日本的ムラ意識・・・帰属意識、相互監視、疎外の恐怖
     →集団行動にもプラス面あり。
    ・自分の所属する組織を存続させ、そこで出世することがすべてに優先する
    ★恥ずかしさ(みんながやっていることをやっていないと恥ずかしい)
    ★同調圧力
    ・名誉、お金、好かれたい、空気に合わせたい
    ・名誉が好きそうなら名誉で釣る
    ★修羅場では、人は平時以上に理屈で動く

    〇メタ認知:
    ・権力闘争で消耗しないためにメタ認知が必要
    ・他者・上下・左右・斜めの人たちが、どんなインセンティブで動いているか
    ・彼らがあなたのことをどう見ているか?

    〇willとcanとshall
    ・自分は何がしたいのかwill
    ・自分に何ができるのかcan
    ・社会が自分に期待することは何かshall

    〇人生の成功させる確率が一番高いのは、自分で成功の尺度を決めること。自分の尺度で成功を測る。

    〇仕事の世界には、無数の種目があり、無数のグランドスラムがある。

  • 日本企業の根本的な課題について述べられており面白い。

    変革時は地下室でトレーニングを行うことが重要。
    時間軸は単身長身秒針すべてをもっておくことが重要。
    サービス産業は2パーセント物価上昇している!全体で2パーセントは達成するはずがない。

    効率のいい企業に人資源を集中させるm&aを促進させるべき

    大きな変革が起きる時、対立軸は外部ではなく内部にあるもの。それを判断できるか。

  • リバタリアンは正しそうなことを言う。

  • 経営共創基盤の冨山和彦氏の本。日本の大企業にありがちな問題を指摘して、著者が経験した企業再生事案とからめて提言する。

    言っていることはけっこうよくあるオールドカンパニー批判。ただ、破綻寸前のJALに乗り込んでいってデューデリするあたりの記述はリアリティがあって読み物としても面白い。

    本書ではオールドカンパニーに滅私奉公し出世ゲームに興じる人間を「クソ・サラリーマン」と批判する。その一方、著者の指し示す方向は、ライフワークとなる仕事を見つけてそれに全力投球してタフに生きるというグローバル・エリート型のビジョン。これもまた一昔前のスタイルだと思う。

  • 最近世の中、不祥事やらなんやら多いので読んでみた。

    同質化への危機感が強い。たしかに半沢直樹とか、別に左遷させられた所でクビになったわけでもないのにすごい悲劇的に捉えられるのとか、象徴的。
    早めに好き嫌いの尺度を考える機会があるのは良かった。

    世の中的に言われる危機感に対してリアリティがないってのはある
    仕事に関しての成功や幸福、好き嫌いの尺度を自分の中に持っているか
    歳を重ねるほど選択の幅は狭くなる

  • 経営共創基盤出身の富山和彦氏の一冊。雑誌ゲーテのコラムを編集した内容。厳しいコメントが続くけれども、社会人歴10年目以降、3,4部署経験してきた人には刺さる内容。めも。
    ・これからのビジネスパーソンはいかに生きていくべきか。自分の成功や幸福の尺度を自分の中に持っているかどうか。仕事の中でいかに自分の成功や幸福を定義していくか。
    ・勉強というのは人間や生への探求、中々答えの見つからないものへの探求。

  • 1 会社病のガン細胞は日々、社内で発生している
    2 世の中の変化についていけない企業が陥る病
    3 再生の修羅場はドラマよりエグい
    4 アタマもカラダも硬い政府や行政が病を深刻化させる
    5 会社病を一掃できるリーダーに必要な条件
    6 会社に左右されない生き方をどう見つけるか

    メモ
    「自分にとっての「will」と「can」と「shall」をどう自己定義できているか」
    「自分の人生を成功させる確率が一番高いのは、自分で成功の尺度を決めること」

  • 歴史ある硬直した組織に勤めるものとしてうなづくページが多数。優秀な人材が大手でなくベンチャーに勤めたり起業をしてしまって大手が人材確保できない、というくだりは歴史の流れを感じさせる。30を超え今後の人生どうしようか、というときには最適な本だった。

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著者プロフィール

冨山 和彦(トヤマ カズヒコ)
株式会社経営共創基盤(IGPI)グループ会長
1960年東京都生まれ。東京大学法学部卒業、スタンフォード大学経営学修士(MBA)、司法試験合格。ボストン コンサルティング グループ、コーポレイト ディレクション代表取締役を経て、2003年に産業再生機構設立時に参画し、COOに就任。2007 年の解散後、IGPIを設立。2020年10月より現職。日本共創プラットフォーム(JPiX)代表取締役社長、パナソニック社外取締役、経済同友会政策審議委員会委員長。財務省財政制度等審議会委員、内閣府税制調査会特別委員、内閣官房まち・ひと・しごと創生会議有識者、国土交通省インフラメンテナンス国民会議議長、金融庁スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議委員、経済産業省産業構造審議会新産業構造部会委員などを務める。主な著書に『なぜローカル経済から日本は甦るのか』(PHP新書)、『コロナショック・サバイバル』『コーポレート・トランスフォーメーション』(いずれも文藝春秋)などがある。

「2022年 『両利きの経営(増補改訂版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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