- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344030251
感想・レビュー・書評
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正義を重んじる、とても正しくて頼もしい女友達。なのにそれも度を過ぎるととんでもなく鬱陶しくって、危険なものになってしまう……というドロドロの嫌な雰囲気が漂うサスペンス。
正しいというのは大切なことだと思います。だからこそ、範子の行動は誰も批判することができないのですね。それでも普通はある程度のゆとりというか、暗黙の了解というものがあるものだけれど。それすらも許さない「正義」には息が詰まるような苦しさしか覚えられませんでした。法律やルールだけでなく、「思いやり」という名の正義があってもいいと思うんだけどなあ。諭すだけならまだしも、いくらなんでもこれはやりすぎ。
そこで起こってしまうのは圧倒的に「正しくない」事件なわけだけど。むしろ範子に苦しめられた彼女たちに同情するしかありません。そりゃああんな目に遭わされたら耐えられないわ……。徹頭徹尾、怖気を感じさせられる作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
範子の正義とは法や規則でガチガチに固められたもの。私たちが想像する社会通念上の倫理や道義的なものではないので、その正義のもとまわりにいる人間をじわじわと追いつめていく。本人に悪気がないだけに怖すぎる。読んでて「怖っ」となった。
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母親の影響から『正しいことをすることが正しい』と疑わない範子。正義を愛するが故に、友達、自分の子も法を犯すことをすれば迷わず警察に通報するような人物。
本当にいたら、確かに感情を知らないサイボーグだなと思った。かなり厄介な人物。
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正義のためならばどんな手でも使う。相手が例え友人だとしても容赦しない。全く情の通用しない感じが恐ろしい。
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人に押し付ける自分のモラルや振り回す話は読んでいて心が押しつぶされる。でも湊かなえ氏や明野照葉氏の作品は好き。他人を蹴落とす話ではないのに初作家なので読み慣れていないからかも知れないが入り込むのに苦労した。
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−正義こそ、この世で1番大切なもの。
−100%正しい、ということは、それだけですでに大きな欠点。
正義、というかモラルとかマナーは必要なことだけれどそれを完璧にこなすのは難しい。正しいことは正しいことであるのだけれど、固執してしまったらそれは自己満足であり周囲は息苦しさや堅苦しさを感じてしまう。こう、なんというか、うまく折り合いを付けられたら、ね。 -
正しい事を主張するって、一見とても良い事だと思うけど、人には感情という物があるのだから、その辺は臨機応変に対応しないとね。範子みたいな子がまわりにいなくてよかった。ずっとイライラし通しでしんどかったけど、一気読みでした。
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正しいこと、正なることの暴力性を考えさせられる。
清濁併せ呑むみたいなことがみんな当たり前と思ってるけどどうなんだろ
正しいことをするってことで反省的でないのは本当に正しいことなのかを考えさせられる