告白の余白

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 323
感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344030329

感想・レビュー・書評

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  • 京女は怖~い。土佐男は阿保~。下村さん、初めて楽しくなかった。高知県の農家の長男・英一が帰郷する。そこで父親に畑の半分の生前贈与を要求する。そして贈与が決定した日に自殺する。双子の英二がその真相を探るため、京都の老舗和菓子屋の清水京子に会いに行くが、京女のまわりくどい言葉の意味に背筋も凍る。ポジティブな挨拶は、逆に相手をバカにしていた!など。英二は英一に成りすまし、京子や舞妓・雅美に近づき、一体彼は何しに京都に来たのか?「もう、全員素直になりなはれ!」と言いたい。この本で得た事、もう京都はお腹いっぱい~

  • 北嶋英ニ、26歳。
    都会への憧憬を持ちつつも高知で実家の家業である農業を継いだ。
    双子の兄、栄一は大学卒業後、家を出た。
    その兄が4年ぶりに家に戻って来た。
    兄は「土地を生前譲与してほしい」と言いだす。
    戸惑う両親。
    兄の真意は…

    舞台は京都。
    京都の本音と建前。
    現在はこれほどでもないと思うのだが…
    そんなことはないのかな?
    言葉の裏を読んで…
    と、思っていたらよくわからなくなる。

  • ある日、双子の兄が突然実家に戻り、農地の生前贈与を求める。しかし、期限までにある京都の女性がきたら土地を譲渡して欲しいとの遺書を残して自殺してしまう。弟の英二は兄がなぜ死んだのかを調べに京都へ向かうが。。。
    伏線に次ぐ伏線、京都の怖さをひたすら綴っているようで、なんかしっくりこなかった。それに加え、いくら双子でも・・・と。
    京都出身の友達がいないのでよく分からないが、地元の人が読むと、この京都(人)描写はどのように感じるのだろうか?

  • 京都にまつわる主人公とヒロインの心の駆け引き。謎自体は予想が付く結末になるが二転三転する会話の真意表と裏が、とても面白い小説。主人公が裏見の絵馬を発見するシーンは背筋がゾッとした。

  • また双子か。そんなに騙せるものかなあ。

    京都の女は怖いね。
    京都の文化歴史の知識満載。

  • 主人公は、双子の兄を演じていくうちに京都の土地柄を知るようになる。そして終盤で「先入観で判断してはいけない」という思いに至る。これはつまり読者である自分の戒めでもある。京都での人間関係の複雑さを語り、京女の怖ろしさを描きつつ、極端な思いこみにくぎを刺すのだ。目的はこれか?

    終わり方の曖昧さは、読者としては納得がいかない一方で、人間としての生き方を示した結果でもあると思う。

    どんな結果になるのかという期待で読み進んだので意外だった。双子ネタも限りがあると感じた。

    京都の伝統文化は興味深く、サクサク読めたのでこの★数。

  • 登場人物にはあまり魅力はなかったけれど、
    京都の魅力は満載でした。
    舞妓さんや芸妓さんの話にもなるほど〜と思う話はいっぱい。
    観光PR小説かもw

  • 京都を舞台としたミステリ。おそらく、他都道府県の人たちが思い描く「京都人」のイメージが過剰なほどに演出されているのだと思うのですが。とことん嫌というか怖いというか……いや、いくらなんでも京都人、ここまで根性悪くはないと思いますよきっと(笑)。
    生前贈与を受けた直後に自殺した兄の謎を探るため、兄と交流のあった女性に近づく双子の弟。兄と彼女の間に何があったのかを探るうち、彼女にも惹かれていく主人公。しかし次々にわきあがる疑念の数々。最後まで息の抜けない緊迫感が漂う一作です。
    絵に描いたような「京女」の京子のキャラがまあ凄い。だけど「京都」という土地柄に縛られ囚われる彼女の姿は哀しくも思えました。「伝統」といえば聞こえはいいのだけれど。やはり重たいものなのですね。

  • 京都の女に関わった故に自殺をした兄の過去を知るために京都に行った弟。そこには計り知れない京都女の怖さあった。物語と共に京都の文化や歴史が知れる。併せて京都弁の奥深さを楽しめる。
    結末はやや意味深に終わってしまうが、後は読者自身が考えるかもしれない。
    後半の物語の展開は十分楽しめる。お勧めの本である。

  • ミステリとしてはちょっと変わっていて、ラストの展開まで(好き嫌いは別として)悪くないと思います。京都の伝統や拘り、奥ゆかしさ、言葉の妙などをうまく取り入れたかったのだと思いますが、京都になじみのない人間としては、京都の人と話すときはこんなにいろいろ勘ぐって話さなくてはいけないのかしら、と読んでいるだけでドキドキして疲れてしまいました。また、老両親に農作業は預けっぱなしなのでしょうか。その長い滞在費は勿体なくないのでしょうか。ごめんなさい。私にはミステリを楽しむより別のいろいろが気になってしまい残念でした。

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著者プロフィール

1981年、京都府生まれ。2014年に『闇に香る噓』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は「週刊文春ミステリーベスト10 2014年」国内部門2位、「このミステリーがすごい! 2015年版」国内編3位と高い評価を受ける。著書に『生還者』『難民調査官』『真実の檻』『失踪者』『告白の余白』『緑の窓口 樹木トラブル解決します』『サハラの薔薇』『法の雨』『黙過』『同姓同名』『ヴィクトリアン・ホテル』『悲願花』『白医』『刑事の慟哭』『アルテミスの涙』『絶声』『情熱の砂を踏む女』『コープス・ハント』『ロスト・スピーシーズ』などがある。

「2023年 『ガウディの遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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