家康 (一)自立篇

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344030510

感想・レビュー・書評

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  • 「家康(一)自立篇」安部龍太郎著、幻冬舎、2016.12.20
    454p ¥1,836 C0093 (2023.04.06読了)(2023.03.31借入)
    いくさの詳細や駆け引きというか外交戦略がよく書かれています。かなり面白く読めました。一向一揆については、ほとんど触れられていません。
    4月5日のBSプレミアム「英雄たちの選択」で元亀元年の家康が取り上げられていました。信長に呼ばれて上洛し、その後、朝倉攻めに参戦し、浅井軍の裏切りにより逃げ帰り、更に浅井長政を攻めるための戦に呼ばれ、その後信玄との闘いへと進む当たりのところです。
    面白く視聴しました。その際、見付城の話が出て、家康が見付城を本拠にするために普請を進めていたところ、信長から天竜川の向こう側に城を造るのはやめた方がいいと言われ、ほぼ出来上がりつつあったのをあきらめ浜松城の拡張に変更した、という話がありました。最近明らかになった話のようです。天竜川の向こうでは、信長が援軍を送るのに大きな川が間にあるのは不都合という理由のようです。

    【目次】
    第一章 桶狭間
    第二章 清洲同盟
    第三章 信康の婚礼
    第四章 宿敵武田
    第五章 天下の争乱
    第六章 三方ヶ原

    ☆関連図書(既読)
    「どうする家康(一)」古沢良太作・木俣冬著、NHK出版、2022.12.10
    「覇王の家 前編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25
    「覇王の家 後編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25
    「徳川家康」松本清張著、角川文庫、1964.01.20
    「下天は夢か 一」津本陽著、講談社文庫、1992.06.15
    「下天は夢か 二」津本陽著、講談社文庫、1992.06.15
    「下天は夢か 三」津本陽著、講談社文庫、1992.07.15
    「下天は夢か 四」津本陽著、講談社文庫、1992.07.15
    「下天は夢か 信長私記」津本陽著、新潮文庫、1994.09.01
    「秀吉 上」堺屋太一著、日本放送出版協会、1995.12.21
    「秀吉 中」堺屋太一著、日本放送出版協会、1996.04.30
    「秀吉 下」堺屋太一著、日本放送出版協会、1996.10.12
    「武田信玄 風の巻」新田次郎著、文春文庫、1975.07.25
    「武田信玄 林の巻」新田次郎著、文春文庫、1974.10.25
    「武田信玄 火の巻」新田次郎著、文春文庫、1974.11.25
    「武田信玄 山の巻」新田次郎著、文春文庫、1974.12.25
    (「BOOK」データベースより)amazon
    今川義元の元で人質として忍従の日々を過ごしていた松平元康。しかし、桶狭間の戦いにおいて義元が織田信長に討たれると、その混乱に乗じて岡崎城へ入城し今川氏と決別。信長と清洲同盟を結ぶ。その後、名を徳川家康に改め、信長の盟友として、三河国・遠江国に版図を広げていく。だが、その先には宿敵・武田信玄との壮絶な戦いが待ち伏せていた―。新たな戦国史観を背景に、徳川家康の真の姿を描く。直木賞作家の戦国集大成。全五巻構想、大河小説第一巻!!

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50132502

  • 徳川家康を新たな視点で描く。
    安部史観というもので徳川家康を描いている。根本には、織田信長がやり遂げようとしていた事の再評価である。農業を中心とした旧来型の武士から、商いや流通をおさえ、全ての民が豊かになるようにしてたことである。
    ところどころに、世界との関わりも意識しており、興味深い。
    徳川家康と母親の於大の方との関係も、従来とは異なり、かなり踏み込んだものとなっている。

  • 山岡荘八、宮城谷さんたちの家康から新しい史実に基づいた家康像が生まれた。時の経済、地理、勢力地図、鉄砲の納入先などなど。石山本願寺、比叡山がいかに勢力を持っていたか。この自立篇では、信長との関わりが中心だが、これからが楽しみ。

  • 家康について、詳しく知らなかったため非常に興味深く読んだ。お市の方との夜は史実かは気になる。
    筆者もかなり取材しているようで、今まで少なくとも私が知らなかった信長のグローバルな情勢を機敏に察知しし、日本をスペイン、ポルトガルから守るという大局観は印象に強く残った。

  • 歴史物も結構好きです!
    阿部龍太郎さんの書籍も好きです!

  • 安部龍太郎が描く、新しい家康であります。戦国時代の様々な出来事(桶狭間、三方ヶ原等)を、新たな視点で描いております。同じ出来事を描いた、司馬遼太郎さんの本(国盗り物語等)を拾い読みしつつ、楽しんでおります。

  • 徳川家康の半生を描いた歴史小説の第一巻目。

    桶狭間から三方ヶ原の戦いまでになります。
    斬新な解釈として、母親の於大の性格や言動、信長の妹のお市とのからみ、設永包囲網の首謀者などは面白かったです。
    残念なのは、有名なエピソードなどがカットされていた点です。
    例えば、三河一向一揆は三方ヶ原の戦いや本能寺の変後の伊賀越えに並ぶ家康の危機なのに端折られています。
    また、三方ヶ原の戦いでの漏らしやしかみ像エピソードが見られないです(次巻か?)。
    家臣の描写が細かいわりに瀬名や信康の描写が少ないのも・・・。
    とはいえ、久しぶりの家康長編ものなので、次巻以降も期待したいです。

  • 今川の人質から脱する桶狭間前の頃から、三方ヶ原の戦いまでの「自立編」。家康ファンではないけど、阿部龍太郎にかかると、家康がいいやつに思えてくる。正直、国営放送のおんな城主に出てくる家康の描き方が、さすがにひどすぎるので、あれを見て憤っている方は、この作品を読んだらいいと思う。しかし、これ、「自立編」ってことは、この後天下取って、治世まで描かれるのかしら?そうだとしたら、だいぶ長くなりそうだな。

  • 従来の歴史史観から離れて、新しい歴史史観でみた家康の活躍を描いた本格的な長編歴史小説です。本書、自立編では信長と組んで信玄と対する三方が原の闘いまでが著されています。武将の経済的な面からも見ているので、信長と家康の力の差などがよく分かり、興味深い内容となっています。400ページ以上に及ぶ長編ですが、全く飽きることなく読み進めることができました。最終章の三方が原の闘いは、家康が信玄に敗れた大戦として有名ですが、家康が追いつめられる様子が迫力満点に描かれていて読みごたえがあります。今後の2冊目以降も非常に期待の持てる作品だと感じました。

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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