宿命と真実の炎

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著者 : 貫井徳郎
  • 幻冬舎 (2017年5月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (483ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344031081

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宿命と真実の炎の感想・レビュー・書評

  • 面白いのは面白かったのだが
    だんだん、後半になるにしたがって
    もうひとつ殺人に至る動機が…。
    こういうパターンも嫌いではないが
    もっと納得したかったなぁ。

  • 連続警察官殺し。犯人側の視点と捜査側の視点が交互に書かれており、倒叙小説ともいえる。二重の兄弟ものでもある。西條の兄が格好良すぎる。

  • 読み応えのある本だった。
    途中、犯行動機がちょっとな・・・となったけど、それも最後の2ページで「なるほどな・・・」と腑に落ちたし。
    この本では警察官を連続で殺害する犯人目線と、それを追う警察側の人間目線と両方向から描かれている。
    それはただ、犯人、それを追う側の2つだけでなく、警察側の人間の話もいくつかのパートに分かれ、元刑事の男性の話もそれに加わっている。
    そのせいで、どうにも話がこまぎれの印象になり、面白くなってきた・・・と思ったら他のパートの話にうつってしまうので読んでいてどうも入りこめない・・・というのがあった。
    さらに、犯人が特定されているのに、追う立場からするとそれが何故だかしっくりと当てはまらない。
    それがもどかしくもあり、興味を惹かれ面白くもあった。

    最初に殺されたのは白バイ隊員の男性。
    最初、それはただの事故で処理されていたが、その後、警察官が殺されるという事件があいつぎ、それも事件扱いとなる。
    事件を追うのはまだ若い女性刑事。
    やがて、事件の容疑者は挙げられるも、彼女はそれは冤罪では・・・?と疑いをもつ。
    彼女は事件を追う内にいきづまり、それを打開するために元刑事の男性に協力を求める。
    そして、ある冤罪事件にいきあたる。

    事件の犯人は警察に恨みをもつ若い男女。
    十八年前の冤罪事件と彼らの行為の関連はー。

    個人的に、好ましく感じられる登場人物が多かった。
    ある事情により刑事の職を辞さないといけなかった男性は誠実な人だと思うし、彼の兄も完璧な人間でいながら嫌味がなく、素直に人格者だと思える。
    主人公の一人である若い女性も優秀で正義感にあふれている。
    それなのに、自分の容姿にコンプレックスを抱き、上下関係が厳しく、男尊女卑な警察という職場で悩み、人間的に成長していく。
    彼女とコンビを組んだセクハラ上司も実は優秀で憎めない人間だし、お笑い芸人のような容姿でいて実はキレ者というエリート刑事も外内の差が見ていて面白い。
    他にも人間味のある上司やどんだけ本読んでるの?という偏屈っぽい古本屋のオヤジもいい。
    登場人物が完璧に生きていて、この世界って実在しているんじゃないか?と勘違いするほど。
    ・・・というか、読んでいる時には完璧にそうだと思って読んでいた。
    まるで、本を開いたら絵が立ちあがる絵本を読んでいるような感じだった。

    前に書かれた本に比べて、あまりえぐい事は具体的に書かなくなってるな~とは思ったけど、それも物足りないではなくて、上品に感じられたし、そういうのはどうでもいいやって感じられた。

    ほとんどないに等しいような細い線から犯人を挙げる刑事の執念や熱意。
    己の出世のためだけならそこまでできないのでは?と思った。
    ここで登場する刑事たちからは刑事という仕事に対する矜持、自身に対する誠実さが伝わってきた。

    この話、まだ終わってないように思う。
    元刑事の男性のこれから、女性刑事の今後の様子を見てみたいと思った。

  • 人間の心を捨ててもずっと一緒にいたかった。
    何が“警察官連続殺人事件"を引き起こしたのか?
    山本周五郎賞受賞作『後悔と真実の色』続編。

    仕事にしがみつく女刑事と警察を離れた男の因縁。
    復讐だけを生きる糧にするふたり――。
    幼い日に、警察沙汰で離れ離れになった誠也とレイ。大人になって再会したふたりは、警察への復讐を誓い、その計画を着実に遂行する。
    一方、事故か他殺か判然としない警察官の連続死に、捜査本部は緊迫する。事件を追う所轄刑事の高城理那は、かつて“名探偵"を呼ばれた西條の存在を気にしていた。スキャンダルで警察を去り、人生を暗転させた男。彼だったらどう推理するのか――。

    宿命と真実の焔
    ブサイク アラサー 女刑事 高城理那
    父は元刑事 視力を失い 妻に先立たれ
    捜査一課 村越 軽い感じだが元刑事の西條に理那が相談していたのを隠してくれた
    ゲイの竹井英司 女装姿を義理の兄 吉岡俊道に片想いするOLに見られ殺害を指示して犯行が発覚
    俊道は自首し、刑事殺しを隠そうとするが失敗
    俊道は自殺を装い 名前を変えていた

    ゲイの刑事 小川殺害が英司の動機

    義理父の交通事故は義理兄をコントロールする為の動機づけ

    殺された3人の刑事は白バイ事故の捜査をした交通事故担当
    実刑を受けた教師の息子二人が復讐する動機が薄い
    一人は自殺 実は不幸な友人に自殺をさせて成り代わって生きていた
    弟は売り出し中のイケメン芸能人
    アリバイがある

    刺殺された刑事の部屋の本棚からゲイである事を西條が通う古本屋店主から教えられる
    TVで竹井英司を見てニヤリとした事から再捜査の決め手

    兄は万引をゲイの男に見られ脅されフェラを毎週させられいた
    美男子の弟がいるのがわかり、脅され5歳の弟にさせた
    父が交通事故で一家離散となりゲイから逃げられた
    弟への申し訳ない思いから、大人になりゲイね復讐 ナイフで刺殺

    弟と偶然会う 女装していた 自分のせいでこうなったとさらに落ち込む
    弟は当時付き合っていた男が義父の交通事故の捜査していた事を知る
    芸能人になるので別れを告げるが拒否
    兄が警察へ復讐するように洗脳

    逮捕されたが譲許証拠しかない
    服に殺した男のDNAがついていたので逮捕されたが付き合っていたと言えば助かる
    ゲイである事にばれるだけだ
    兄は絶対に話さない

  • 警察官が連続して殺された。その前後で白バイ警官が事故死や自殺していた。警官たちに恨みを持つものとして男が逮捕され事件は解決したように見えたが…
    一部の警官が違和感を覚えていた。
    以前警察を追われた男が事件解決に手を貸す。

  • 自分が正しいと思う事を貫けば必ず誰かは見ていて認めてくれる。

    誰も人を批判する資格なんてない。でも、人は誰かに批判されないといけない。だから、それは批判できる者が資格で批判するんじゃない。批判できる者の義務である。

    誰しもが自分の善良な心と組織という枠組みでの板挟みに悩むことがある。でも、自分がしている事で救われる人がいる。その事を誇りに思って生きる事は大事。

  • 「後悔と真実の色」続編。


    警察官たちの連続死。
    交通事故、刺殺、自殺…。
    当初は別件として考えられていたが、被害者が増えるにつれて緊迫してくる捜査本部。

    所轄刑事として、事件を追う高城理那は、会ったことはないが数々の伝説を持つ西條に助言を求めることになる。



    前作で警察を追われ、ドン底にまで堕ちた西條が再起していく姿にホッとした。
    前回は嫌なヤツという印象が強かったけど、そこまでのことにならなくても…という感じだったので。
    そして、その印象ばかりが強くて九係の面々についてはそんなに覚えてなかったのが残念。
    覚えてたらもっと楽しめたはず。
    理那&村越ペア好きでした。
    そして、今回の西條はすごくカッコいい。

    このシリーズは、事件の真相より警察内部の人間関係に惹かれてしまう。
    西條のこれからが楽しみ。


    そして、犯人である誠也とレイ。
    復讐に生きてきた彼らの本当の姿がわかった時、正直、やりきれない…と思った。
    誠也が鬱々と自分を追いつめていくのはわかるとしても、レイはどうして…?それだけのことで?と思ってしまう。
    2人が引き離されてから、レイはどんな風に過ごしてきたのか、そんなことが気になった。

  • 「後悔と真実の色」続編。
    前作は警察官が犯人だったが、今回は被害者が警察官の連続殺人。所轄の女刑事が新しく登場するものの、登場人物は前作とほぼ同じなので、きちんと前作から読まないと、背景が分からない。
    前作で警察を辞めた西條だったが、敵対してたように見えた九係の村越や、機捜の綿引に引き込まれ、連続殺人事件の真相に迫っていく…真相に迫っていく過程は、面白かったし、犯人の正体も分かりそうで分からない、分かった時の衝撃もなかなか。そして、ラストの何とも救われない感じは、貫井作品ならでは。
    ただ、1つ、どうしても許せないことが…
    前半40ページぐらいで、刺殺された遺体の身元が指紋で照合できない件…警察官は指紋はデータベースに登録されてるんじゃないの???警察小説では定説だけど、それは風説???どうにも腑に落ちない感じが、最後まで続いてしまった。それ以外は前作より全然面白い!

  • 動機が弱いなあと思っていたら最後で少しやられた。そういうことか。西條元刑事はまた登場しそう。

  • 続きだと知らずに読んだら西條さんのやつだった。
    途中で、分かったかもと思ったけど、全然分かってなかった。
    最後の数ページのレイ視点からのとこ、怖い。
    誠也かわいそうだな。

  •  本作は、『後悔と真実の色』の続編だという。第23回山本周五郎賞を受賞した前作の内容は、かなり忘れていたが、何人かの刑事の名前は、辛うじて思い出した。物語としては完全に独立しており、前作を未読でも、特に支障はないだろう。

     前作は、〝指蒐集家〟を名乗る殺人鬼を描いた、いわゆるシリアルキラーものだったが、今回もシリアルキラーものである。しかも、今回ターゲットになるのは警察官。「身内」が次々と殺害される事態に、警視庁のはらわたは煮えくり返る。

     今回の実質的主人公は、女性刑事の高城理那。男社会で肩肘張って生きているが、気苦労は絶えない。愛想のなさは自覚している。馴れ馴れしい捜査一課第9係の村越に、戸惑いを隠さないが、村越の技量は認めざるを得ない。

     前作の主人公で、捜査一課第9係の〝名探偵〟こと西條は、責任をとって警視庁を去っていた。糸口が掴めない中、理那は西條を頼ることになる。部外者に捜査情報を提供するのは、ミステリーという虚構の世界ではよくある話だが、硬派な警察ミステリーと認識しているこのシリーズでは、ちょっとおいおいと思ってしまった。

     並行して描かれる犯人側。そもそもの発端である、忌まわしい過去には同情するが、そこから警察官連続殺人に至るのは、ちょっと飛躍気味な印象を受ける。その背景には「彼」が感じていた負い目があるのだが、当の本人は…というのが、何とも皮肉というか、貫井作品らしく意地が悪い。正体は案の定で、苦笑してしまった。

     西條が助言を与えているとはいえ、表立って動くのは理那である。こんな事件だが、真相に迫るほど、理那が充実感、達成感を感じ、何だか生き生きしてくるのは興味深い。この事件で、彼女は殻を破れたのだろう。気がつけば、村越の軽口は気にならなくなっていた。理那の成長記という一面にも、注目したい。

     重厚さの中に爽快さもあり、今回もたっぷりと堪能できた。前作同様に大満足したが、あの事件だけはいただけない。とばっちりもいいところで、あまりに気の毒すぎる…。そして西條は、生きるべき道を見つけたようだが、再登場はあるのだろうか。

  • 今年読んだ中で一番良い。
    警官が連続で殺害され、当然動機は被害者の警官が絡んだ事件となるが、捜査は難航する。そもそも一人目は事故死とされていた。個性派ぞろいの一課九係の面々に、所轄の刑事理那が活躍し、ようやく有力な容疑者を検挙するが、事件はそこでは終わらなかったようで、理那を悩ませる。で、以前「指収集家事件」で警視庁を退官した西條が、理那を通じて捜査を開始する。
    この幾つもの事案が絡み合って、最後に収束するあたり、著者の真骨頂であろう。ミステリとしては偶然が及ぼす作為があるが、それでも西條パーツ、刑事パーツ、そして犯人パーツが上手く、読んでいて興奮する。
    犯人側に感情移入させられる本は面白い。
    古本屋一家が事件解決に絡むとは思ったが、娘でなく親父とは。本棚を見れば人となりが判ると言われるが、三島にあの面々が加われば、あちらの方面になる訳だ。
    ラスト、犯人の二人にはしっかりとした絆を読者として感じていたのに・・・怖かったです。
    そして西條犯罪コンサルタントが設立されるなら、このシリーズは続くことになるのだが・・・

  • 平成29年6月7日読了

  • 白バイ警官の不審死は犯人特定されないまま難航する。事件の捜査に当たった一課の刑事・村越と組んだ所轄刑事の高城理那は引っかかりを覚える点を調べ続ける。
    連続警官殺しの様相を見せる事件を解決する術を理那は今は警察を去った優秀な刑事に託す。

    西條輝司は過去の事件からようやく社会生活に復帰し、慎ましくも穏やかな日々を過ごしている。懇意にしている古書店の親父の相談事に乗ったことから生来の気質を思い出していく。


    とにかく途中まで無数の点はあるのにどうそれが結びつくのか、動機の解明ひとつにしても相当に掘り下げていて最後まで気が抜けない。頭グルグルしてました。
    いや、流石だわ、貫井さん。
    西條の過去の事件『後悔と真実の色』もあわせて読むとなお

  • 連続景観殺人事件を巡るミステリー。

    貫井さんお得意の多視点群像劇のミステリーで、犯人パート、警察パート、西條パートに分かれていて、クライム小説、警察小説、探偵小説としても楽しめます。
    犯人の正体と動機がミステリー部になりますが、西條のヒントもあり捜査の過程で読者にも想像がついてしまいますが、ワザとらしいミスリードの記述が邪魔な感じがしました。
    また、実行主犯の正体を隠すトリックはご都合主義っぽいので残念でした。
    さらに、誘導主犯のモノローグには怖いものの、本当に言い逃れできるのか疑問です。
    ということで、ミステリーとしてはイマイチ、警察小説としては及第点と思います。
    あと、この作品は西條が主人公の「後悔と真実の色」続編らしいのと今後は西條シリーズが始まりそうなので、読んでみようかと思います。

  • やーらーれーたー!怖い怖い怖い怖い!マジでぞわぞわした!貫井さん悪過ぎ!油断した私バカ!
    貫井さん大好きだし、この前作だって読んで、それは普通だなって印象だったけど、これはやられた!!
    警察官連続殺人事件を巡り、西條と若手女性警察官・理那を中心としたメンバーが活躍するミステリ。
    捜査側だけでなく、犯人側の心情にも重きを置いてるんだけど、まーそこが面白い!!
    犯人の葛藤、罪を犯すこと自体というより、共犯者に対する葛藤。巻き込みたくないのに、巻き込んでしまったという罪の意識。そして罪を重ねる犯人。
    自分の犯罪を隠蔽するために、関係のない人間まで殺害するって、もう十分人間の心失ってるがな…と思うんだけど。とはいえ慕ってきていた後輩を殺した後の葛藤を思えば、まだ人間なのか…。でも被害者を悪人に仕立てるのは許されんよ。
    そして「なるほど、全部つながったか。あー面白かった、これで終了…」と油断したその先!ラスト6ページの怖さ!
    理那が父親と気持ちを通じ合えたその温かいエピローグから一転しての、レイのエピローグ!
    貫井さん、やられましたわ…これは…。
    しかし西條のおかげで解決したものの、西條の存在感薄い…。

  • 山本周五郎賞受賞作『後悔と真実の色』続編
    連続して起こる警察官の死。警察への復讐に燃える幼馴染の2人。事件を追う女刑事。スキャンダルで警察を追われた男。事件自体についてはわかっていたはずなのに、最後の最後に呆然。
    あぁ、そういうことだったのか、と目まぐるしく頭の中を今までのストーリーがかけめぐる。
    読んでる途中の「すごく面白い」が最後に「めっちゃくちゃ面白い」に変わる。

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宿命と真実の炎の作品紹介

幼い日に、警察沙汰で離れ離れになった誠也とレイ。大人になって再会したふたりは、警察への復讐を誓い、その計画を着実に遂行する。一方、事故か他殺か判然としない警察官の連続死に、捜査本部は緊迫する。事件を追う所轄刑事の高城理那は、かつて"名探偵"と呼ばれた西條の存在を気にしていた。スキャンダルで警察を去り、人生が暗転した男。彼だったらどう推理するのか-。

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