「小池劇場」が日本を滅ぼす

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著者 : 有本香
  • 幻冬舎 (2017年6月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344031289

「小池劇場」が日本を滅ぼすの感想・レビュー・書評

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  • やや感情的な記述が多いし重複もあるが、個人でも裏が取れる情報が充実。敢えて、築地のガバナンスを取り上げ、関係者に苦言を呈している部分は評価。久しぶりに政治の本を読んだ。市場移転よりもオリンピックが心配。

  • 二か月ほど前(2017.4)になりますが、長女の入学式に、小池知事が祝辞を述べに会場に来られておりまして、とても華やかでした。祝辞の内容、話し方共に上手で、私も含めて周りの人たちもスマホで、動画や写真を撮るのに忙しくしていたのを記憶しています。

    昨年、もと在籍していた自民党からの応援無しで知事選に臨み見事当選された小池氏ですが、ニュース報道を見る限り、色々と活躍されているようです。であると、東京の横に住んでいる私が持っていた印象でした。

    この本では、小池女史はテレビのワイドショーネタに受けるようなことばかりやっていて、何代にも渡って関係者の合意を取り付けて進めてきた、豊洲への市場移転や、国際公約とまでなっている、2020年東京五輪の当初予定したイメージでの開催が難しくなっていると警鐘を鳴らしています。

    依然、小池知事の支持率は高いようで、このような本を今の時点で書くのは勇気のいることだと思いましたが、自分で調べた内容に基づき、ジャーナリストとしてのお仕事を完遂されている姿勢に、この本を読んで感銘を受けました。

    現在の築地市場の不都合な事実をこの本を初めて知りました。複雑な思いとなりました、全ての人(特に今までの既得権者も含めて)を満足させるのは難しいと思いますので、都民ひいては築地市場で取り扱われた具材を食べる全ての人のことを考慮して、知事には決断してもらいたいと思いました。また、築地市場移転についても、議会との連携が上手くいっていないという問題があることも知りました。記憶に残る本となりました。

    以下は気になったポイントです。

    ・小泉氏と橋下氏の「劇場」には、賛否は別として、はっきりとした「演目=実現したい政策」があった、小泉の場合は「郵政民営化」に代表される構造改革、橋下には「大阪都構想」と銘打った大阪再編であった、しかし小池の場合には無い、強いて言えば「黒い頭のネズミ探し」(p5)

    ・小泉、橋下両氏は、既得権益をぶっ潰すと訴えていたが、日本の民主主義システムをぶっ壊すことはしなかった、小池氏は、築地から豊洲への市場移転という大事業を、鶴の一声で、議会に諮ることなく延期すると独断した(p6)

    ・2月に着工予定であった環状二号線の工事は今もストップのまま、小池が決めた市場移転の延期は、すでに東京五輪の破壊につながっている(p16)

    ・都知事選の公約として、1)都議会冒頭解散、2)利権追及チーム、3)舛添問題の第三者委員会設置、東京をどんな街にしたいのか、というビジョンがなかった(p17)

    ・我が国は、国政は「議院内閣制」、地方は「二元代表制」をとっている、国政では、首相は国民有権者から直接選ばれるのではなく、選挙の結果、議会の多数を占めた与党のトップが首班指名をうけて内閣総理大臣となり政権をつくる。これに対して、地方政治では、行政の長と議会がそれぞれ別の選挙により、直接、有権者から選ばれる。首長と議会は独立しており、これを二元代表制という(p20)

    ・平成28年12月28日に、東京都が豊洲新市場の建物の安全性確保と建築基準法に適合することを証明する「検査済証」を発行した、これを東京都は2月下旬まで公表しなかった(p39、58)

    ・石原都政の貢献として、財政再建団体への転落一歩手前の東京都政を黒字化した、ディーゼル規制で東京の空を綺麗にした、市場の件でも移転を前提として関係者をまとめたこと(p49)

    ・土地の売買契約成立から土壌汚染対策へと進む平成22-23年、都議会の最大会派は民主党であり、自民党ではなかった。石原都知事は民主党の提案を飲む形で、多額の金はかかるが、皆の「安心」のために厳しい環境基準での土壌汚染対策を行うことを決断した(p83)

    ・用地取得、建設までの6000億円は、独立採算事業として運営されるため「市場会計」というなかに独自のお金を持っていて、一般会計からの支出はゼロである(p84)

    ・小池が引き継ぐべきは、東京都が対策を実施し、専門家のチェックを受けた、前舛添知事がだした「安全宣言」である、この安全宣言は意外なほど知られていない。彼の金銭問題はタチの悪いものであったが、その存在をなかったかのようにするのは誤り(p87、89)

    ・小池と側近が目指しているのは、二元代表制という日本の地方自治システムの破壊といってよいだろう(p119)

    ・地方議員の場合は顔で投票する人は多いが、1年で人口の4分の1が入れ替わる東京は、地域共同体の結びつきが希薄で、政治的にも無党派層が多い。付き合いよりも、自分の意志で投票したいと考える、意識高い、人が最も多い選挙区である(p134)

    ・石原は都庁の職員に対して、「あなたたちの今までの仕事はダメ」と見下すことはなかった、ワンマンに見えるが、職員の提言を非常によく取り入れていた評価がある。財政健全化、ディーゼル車規制も、都庁幹部があげた懸案事項を、石原がうまく世間に投げて話題にして実現させている(p141)

    ・メディア対策の有効な方法は、1)頻度高く情報を頻繁に出す(Frequency)、2)わかりやすく親しみやすい調子で説明(Friendly)、3)他に先んじて情報を出す、自身が一番優位な点を発信する(First)(p146)

    ・地下六メートルの手の届かないところの土壌、地下水にヒステリックになる人たちが、なぜ、魚をそれを扱う人が雨風・排気ガスにさらされていることは平気なのか、築地市場には、多くのネズミ、猫、カラス、カモメ、ウミネコなど、多種多様な生き物が住んでいる(p158)

    ・築地か豊洲か、2つを同等であるかのように考えたり、限界に達している超老朽化している施設である築地をどうしようかと検討していること自体が馬鹿げている(p163)

    ・卸売市場には、築地市場のような中央卸売市場と、地方卸売市場がある。中央卸売市場とは、国(農林水産省)が認可監督する、地方卸売市場は、地方(知事)が認可・監督する施設である。小池が今更豊洲に移転しないといいだせば、国がすでに交付した補助金208億円は利息と共に返還すべき(p165)

    ・今もいる一部の強硬は移転反対派の言い分として、移転に際して、自分たちの財産である「営業権」を東京都に高く補償させようというものであった、そこへ共産党などが入り、土壌汚染の問題を炎上させて論点がすり替わって闘争化した(p167)

    ・不都合な真実として、1)築地市場の駐車場はなぜ転貸されているか、2)公共スペースがなぜ占拠されているか、3)廃業する人も多い仲卸に、新規参入者がなぜいないのか、4)東京都はなぜこれを放置しているか(p171)

    2017年7月2日作成

  • 小池都知事が実は何もやっていないだけではなく、数々の不作為によって日本を沈没させかねないことを実に的確に丁寧に解説していてお見事。一体狙いは何なのかな。

  • ジャーナリスト有本香の著作。小池都政の本質は、論理破綻している政策を意味不明な横文字で塗り固め、都民・国民をけむにまくものだということがよく分かる。刺激的な言葉を使うことしか考えていないから、衆院選のときは「排除」という自らの言葉に足元をすくわれて惨敗した。つくづく世の中はよくできていると思った。

    石原慎太郎への無慈悲な攻撃と、築地移転のドタバタの末の折衷案。これだけ見ても信用ならない政治家だとわかる。確かに風を読むのは天才的だが、それまでの人材。付いてきていたのが自民党でほぼ力のない若狭勝議員だけというのが悲しい。遠巻きにみている分には楽しい人物かもしれないが、血税を使って働かせる意義はまったくないだろう。ただただ個人的な野心のためだけに、問題のでっち上げとすり替えが続くのだ。

    と、小池都知事への攻撃に終始したが、有本香を全面的に肯定するわけでもない。作中に登場する、日本維新の会の国会議員はその能力を絶賛されていたが、この人物は非常に問題の多い政治家。これを持ち上げては本の思想的立ち位置がバレてしまう。

  • 小池さんが政争しかしておらず、東京都に混乱をもたらすばかりであることを指摘した本。最近の国政に進出撤退も合わせると、実務を任せてはいけない人なのかとも思う。

  • 小池批判は当然のことなので本書の立ち位置には賛同するが、感情的な小池批判もあり目糞鼻糞のような稚拙さを感じた。小池批判するために石原を持ち上げるなど言語道断と言いたい。もう少し理性を持って論理展開しないと嫌いな小池と全然変わりませんよ。

  • この本が出版されたのが2017年6月
    既に小池都政に疑問を持っていたものの、
    さすがに”日本を滅ぼす”は言い過ぎだろう、と思っていたら
    衆院選で国政に転じ、本当に日本全土に影響して
    有本氏の先見の明に驚く。
    まあ、氏は他にも「リベラルの中国認識が日本を滅ぼす」という本も出しており、”日本を滅ぼす”シリーズで一貫させているのかもしれないが。
    この本は徹頭徹尾小池氏への批判を方針として書かれており、記者の論説としてはいささか感情的という印象を受ける。
    だが、新聞・TVを通して見えることのなかった小池都政の裏側、当事者達のインタビューなどは参考になる。
    物事は一面からだけでは捉えられない。小池氏の発信(新聞・TV)だけでは一面であり、それらの発信を全く別の面から見ることが出来るこの本は都民はもちろん、都のゴタゴタ情報にあまり触れていなかった都民以外も衆院選の参考書になると思う。

    この本で有本氏が主張している小池氏の問題
    ・公約にみえる不勉強
    ・敵を作って自らをヒロインとする自作自演のプロパガンダ
    ・大病後の石原慎太郎氏を百条委員会に引っ張り出して17年も前のことをその場で聞こうとする反面、その後の知事の猪瀬氏や豊洲安全宣言を出した舛添氏には何も聞かない異常
    ・築地の土壌汚染はコンクリートでカバーされているから安全、と言いながら、豊洲は「安全だが安心がない」という客観性のない回答
    このあたりは本を読む前から感じていたことなので、
    それ以外で気になった点を以下に抜粋。

    [抜粋要約]
    ・市場問題プロジェクトチーム(PT)座長の小島敏郎は、小池が環境大臣を務めたときの部下であり、山本太郎らとともに「首都圏反原発連合」のデモで熱弁をふるう活動家の顔も持つ。(p.11)

    →(感想)衆院選の公約の”原発ゼロ”はこの影響かもしれないですね。

    ・H29 4/25 都議会財務委員会
     東京五輪の競技場や豊洲市場など5件の工事入札について、経理部長の答弁
    「不正や疑惑はPT(内部統制プロジェクトチーム)としてはありませんというお答えになります」

    →(感想)都知事選の頃、内田氏の身内企業が受注しているという話がネット上に流れてましたが、その後何も出てないということは、この答弁をもって利益供与はないという結論でいいのかな。とはいえ、当事者の内部調査ではあるが。

    ・猪瀬元知事の徳洲会問題について
    司法の場で5000万円は借入金と認められたが、猪瀬は公職選挙法違反の罰金刑と公民権停止の沙汰を受けている

    →(感想)これは変な話ですね。借入金なら、なぜ罰則刑が科せられたのか?何が問題とされたのか書いてない。

    ・盛り土問題
     市場問題プロジェクトチーム(PT)専門委員、佐藤尚己
    「地下空間は建物の構造上、存在して当たり前です。」「この空間によって配管も自由に配置でき、問題が発生すれば自転車に乗ってすぐにメンテナンスに向かうことができる」
    H20 10/29に開催された技術会議にて、一つの対策法としてあり得る、と発言あり。

    →(感想)最初映像を見た時、空間があることよりも、水がたまっていて池になっていたことにびっくりしました。都議の音喜多氏がSNSで排水ポンプが作動すればすぐに水はなくなる、と言っていて、その後水はなくなったそうなので、水が溜まることは想定内だったのでしょうけれど。
    まず、本来どうあるべきとして設計したのか?が未だにわかりません。
    有本氏の本も、建築家が空間があって当然と言っている、あってもいいという議事録がある、と書いてあるのみ。
    本当に問題なのは、書類を追っていっても、発注の経緯や設計図がどうなっていたのか?本来どうあるべきとして設計したのか?が明確になっていない点だと思います。
    都の行政で改革すべきことがあるとすれば、この書類の体系づけがしっかりなされているか、の検証だと思うのですけれど、豊洲移転中断の決定について小池氏自身がAIです、とか言って決定の経過を客観的な書類で示せていない。こんなことをしていたら、次に百条委員会に立つのは小池氏になるかも。

    ・土壌汚染について
    石原都知事は、民主党の提案を飲むかたちで、多額のカネはかかるが、皆の「安心」のために、厳しい環境基準での土壌汚染対策を行うことを決断した。

    →(感想)これも、その環境基準の具体的数値がわかりません。その時決めた数値以内なら、ベンゼン等出ても問題ないし、もしその数値以上の検出があったなら、”飲み水じゃないから問題ない”というのは理由にならない。反対派からも、この有本氏の本も、具体数値が出ていません。

    ・豊洲市場はH26 12/9、舛添前都知事が「安全宣言」をし、H28 11/7の移転へと動き出した。

    →(感想)問題となったのは正に安全性なのだから、石原氏より舛添氏に聞くべきですよね。小池氏がその安全宣言をひっくり返すなら、どの部分に認識の差異があったのかを明示しなければならない。この比較も出ていません。

    ・石原都知事は築地市場内の全業者に「築地市場の皆様へ」という手紙を出していた。「あの手紙が届いて、みんな落ち着いたんだよ。豊洲へ行こうかって」(仲卸業者)。いったんは一つになった「気持ち」が分断されてしまい、先がどうなるかわからない不安のなかにある。「今度は、石原さんと同じ手紙じゃおさまらねえよ」

    →(感想)辺野古移転を一旦ひっくり返した鳩山政権と同じですね。今、小池氏は衆院選で”リセット”と繰り返して言いますが、彼女の言うリセットは、今までの積み重ねとそれに携わった人達の心も踏みにじってしまう。後に残るのは混乱で、それを収拾する力を彼女は見せていません。

    ・二元代表制と復活予算
    小池が「復活予算」を廃止した。

    →(感想)”慣例化してきた”ことを廃止するのは一概に悪いことではない気もします。法に基づいていないということだと思うので。それでうまくまわっていたのを廃止するかどうか?は判断を要するところですが。
    それにしても、二元代表制、というけれど、都知事の権限って都議会より強い、ということでしょうか?予算だけ議会の承認が必要、ということなのかな?このあたりの力関係が、どういう法体系に基づいているのか未だわかりません。

    ・都議会
    「二元代表」を「カイカク」の妨げだとして選挙に突き進み、勢いで小池側が大勝したら、東京には事実上の「独裁者」が誕生する。

    →(感想)この本は都議選(7/2)前に出たものですが、予言になりましたね。都民ファーストが大勝しました。
    国政も衆院・参院共自民が過半数だから、野党が安倍首相を「独裁」と言うのと思考として似ている気がしますが、国政は間接選挙、都政は直接選挙という違いがあるので、都政の方が二元代表を一元化してしまったという意味で強権性が増したと言えるかと思います。
    都議会では都民ファーストが最大与党ですが、仮に公明が都ファから離れたら与党が過半数切るので、今後は公明党がキャスティングボードを握っているのでしょうか?今後どうなるのだろう。

    ・豊洲移転反対派の頭目とされる力のある仲卸業者が、廃業していく業者の営業権(鑑札)を買い集めている。その結果、この業者は、自身が反対しているはずの豊洲で最大級の区画を占めるに至るという、実に奇妙な状況にある。
     このことを書く、と言った私に、複数の築地の関係者が「身辺に気を付けたほうがいいよ」と忠告してくれた。

    →(感想)結局は自己の利益を出す為に反対しているだけ?とするなら、そういう”反対”に耳を傾けすぎたら、税金をそげ落とされるだけという結果になり兼ねない。

  • ふむふむ。

  • ■印象に残った個所や私的メモ。本文より(ほぼ)引用。

    1. ないない尽くし。いびつな(小池)行政による混乱と分断。

    2. 知事と都議会の二元代表制は善知識(高木 啓 前都議)。

    ときに激しく問答しながらもお互いを高め合う、仏の弟子同士の関係に例えた。

    3. 築地市場の不都合な真実。

    内部の大店が廃業となる小店の営業権を買い取っている〜「鑑札」制度がもつ閉鎖性。

  • 小池百合子が批判した石原慎太郎の本を何冊も出版している
    幻冬舎から出された本。
    小池百合子の問題点は指摘されているが、なぜ小池フィーバーが起こったのか、その考察がない。

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