CONTACT ART 原田マハの名画鑑賞術

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  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344039049

作品紹介・あらすじ

理解するのは、あとでいい。まずは心の窓を開けてみる。「日本は世界的に見ても美術館大国。私たちはいつでも素晴らしい作品に出会えます」。豪華オールカラー、55の名画掲載。アート小説の大家が日本全国の美術館を巡り至宝とコンタクト。モネ、ルソー、セザンヌ、ウオーホル、東山魁夷、草間彌生――。古今東西の今見るべき名画を厳選し徹底解説。大人気番組WOWOW「CONTACT ART」待望の書籍化。

感想・レビュー・書評

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  • マハさんのアートに対する愛がつまってる本です。
    読み終わると「今日は原田マハ美術館に行ってきたよ」と言いたくなるような一冊です。

    展覧会の音声ガイドより、アートに隣接しているようなマハさんの言葉。
    この本はとても面白く心に響くアートの見方が書かれています。

    マハさんが18名のアーティストとコンタクトしてどのようなメッセージを受取ったかが描かれています。

    例えばマハさんが一番の親友と呼ぶアンリ・ルソーとコンタクトしてマハさんは「夢を見る。夢を生きる。」というメッセージを受取ったそうです。

    この本の中で私が単独で展覧会を見たことがあるのは、まずグスタフ・クリムト。
    大学生の時に同級生らと(私は芸術学科で美術を学ぶ学生だったのです)観に行ったのを思い出し、クリムトの美しさには、惚れ惚れし直しました。
    大学生の時よりより美しくみえる気がしました。
    マハさんはクリムトとコンタクトして「<強い>は<美しい>の同義語であるという」メッセージを受取ったそうです。


    東山魁夷は小学生の時親に連れられて展覧会を観た覚えがあります。親は「有名な画家なんだよ」と言っていましたが、青い色と馬が好きな画家で淋しい感じがすると思ったのを覚えています。
    今、見ると、やはり美しい以外の何ものでもありません。
    私は子どもの頃絵の好きな子どもでしたが、鑑識眼というのは大人になってからのほうがより高くなるような気がしました。
    東山魁夷の複雑な青色は「東山ブルー」と呼ばれていると知り、川端康成との交流なども、興味深く読みました。

    マハさん楽しい鑑賞時間をありがとうございます。




    以下この本に載っている18人と作品名。

    ジャン=フランソワ・ミレー
    <種をまく人>
    ギュスターヴ・クールベ
    <波>
    シャルル=フランソワ・ドービニー
    <オワーズ河の夏の朝>
    クロード・モネ
    <アヴァルの門>
    ポール・セザンヌ
    <ガルダンヌから見たサント=ヴィクトワール山>
    アンリ・ルソー
    <第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神>
    グスタフ・クリムト
    <人生は戦いなり(黄金の騎士)>
    エゴン・シーレ
    <カール・グリュンヴァルトの肖像>
    サルバドール・ダリ
    <ポルト・リガトの聖母>
    アンディ・ウォーホル
    <エルヴィス>
    ルネ・マグリット
    <王様の美術館>
    萬鉄五郎
    <裸体美人>
    小磯良平
    <洋裁する女達>
    白髪一雄
    <天満星ぜん公>
    フロリアン・クラール
    <アリーナのためのクランクフェルト・ナンバー3>
    レアンドロ・エルリッヒ
    <スイミング・プール>
    草間彌生
    <大いなる巨大な南瓜>


    ※以上18名のこの作品はすべて日本の各地の美術館に所蔵されているものです。美術館名は省略しました。

    • yyさん
      まことさん♪

      こんにちは。
      まことさん、芸術学科だったんですね。
      素敵!

      私はこのブクログを始めて
      まことさんから原田マハ...
      まことさん♪

      こんにちは。
      まことさん、芸術学科だったんですね。
      素敵!

      私はこのブクログを始めて
      まことさんから原田マハさんの作品について
      いろいろアドバイスをいただき、
      すっかりハマりました。

      WOWOWで、マハさんの "Contact Art" シリーズをやっていて
      その中の一つ、クリムトの<人生は戦いなり(黄金の騎士)>
      には私も感銘を受けました。
      視聴したあと、わざわざ観に行ったくらい。

      友人に「あなたは本から絵の世界に入ったのね」
      と言われたりも…。
      何回も言っちゃうけど、ありがとうございます☆彡


      2022/10/30
    • まことさん
      yyさん。こんにちは♪

      yyさん、WOWOWで番組観られていたのですね。
      クリムト、愛知県立美術館まで観にいかれたのですか?
      クリ...
      yyさん。こんにちは♪

      yyさん、WOWOWで番組観られていたのですね。
      クリムト、愛知県立美術館まで観にいかれたのですか?
      クリムトいいですよね。
      長田弘さんの詩集に確か『詩ふたつ』というのがあって、絵がクリムトで美しかったと記憶しています。
      よかったら、長田弘さんの詩も素敵ですよ。
      (絵と関係なくてごめんなさい)

      私は、芸術学科といっても、入学した時に学長さんに「学校では勉強はしなくてもいいから、何かひとつ、やったということを持ちなさい」と言われて、真に受けて、勉強しないで、映画にはまっていました。(映画を撮っていました)
      もっとちゃんと勉強していたらよかったと今になって思います。

      私のマハさんの作品は他のブクログを今はやめてしまったフォロワーさんの受け売りです。
      私も全部その方に教えていただいたのですよ。

      でも、本から絵の世界に入ったなんて言われるほどののめりこみよう、凄いですね!
      大切な経験として大事にしてください♪
      2022/10/30
  • 『楽園のカンヴァス』を読むにあたりこちらも併読。

    日本の美術館にある名画などを中心とした原田マハさんの解説や、鑑賞術についての本。
    「モネ」の絵はなぜ動いて見えるのか?
    「ルソー」は、虎の敷物を見て絵を描いたのか?
    「ゴッホ」が憧れた「ミレー」の強さとは?
    など、興味深い内容も含まれていていました。

    『日本を旅してアートに出会うたび、
    その作品がこの場所にあることの奇跡を感じます』
    『こんなにたくさんの美術館に大切な宝物があるのにアプローチしないのは、もったいなさすぎます。…』
    そんな文章からはじまるマハさんの熱い想いが伝わる本でした。

    原田マハさんの本を読んで、美術館に行く旅をしたいなと思いました!!

  • しばらく前に、
    まことさんのレビューで気になっていた作品。
    図書館に置いてあるのを見つけて
    わくわくしながら借りてきました。

    掲載されているアートは全部で18作品。
    今回はちょっと贅沢な鑑賞の仕方をしました。
    それぞれのアートについて、
    WOWOWオンデマンドで
    同じタイトルの番組を見てから読んだのです。
    ひとつの作品につき50分くらいの番組。
    その後で本を開いて、ゆっくり味わいました。

    素晴らしいと思ったのは、
    原田マハさんが絵を前にして紡いでいく言葉たち。
    作家さんなので
    言葉を選ぶのはお仕事かとは思いますが、
    番組の中で、歩きながら、絵を前にして
    次から次へと飛び出す言葉たち。
    この本にあるのは
    映像で流れた言葉とほぼ同じで、
    その表現力と説得力に圧倒されます。
    絵を前にひとりで語るというのは、
    書くこととは別の難しさがあると思うのですが。

    ちょっと面白かったのは、
    白髪一雄氏の作品に対する記述。
    「とてつもない絵に出会うと、
    人は『すごい』という言葉しか出てこなくなる。
    最近それに気がつきました。
    つまり傑作は、人の言葉を奪うのです」
    と、その凄さをきちんと書いていらっしゃるけど。

    この作品には、アーティストたちへの尊敬と
    深い愛情が込められています。
    読み終えると、
    18人の「ともだち(アート)」ができたような
    そんな充足感に満たされる一作でした。
    次は直接「会いに」行かなくては。

    • まことさん
      yyさん。こんばんは♪

      素敵なレビューですね!
      そして、wowowも、全部ご覧になられたとのこと。
      yyさんは、根っからのアート好きなんで...
      yyさん。こんばんは♪

      素敵なレビューですね!
      そして、wowowも、全部ご覧になられたとのこと。
      yyさんは、根っからのアート好きなんですね!
      そして、次は直接「会いに」行かれるとのこと。
      私は、その昔、芸術学科の学生でした。それで、Facebookに、この本のレビューを載せたら、大学の同級生から、コメントで「エゴン・シーレいいよね」と言われて「実は名前だけで、どういう画を描いていたか、よく知らなかった」と言ったら「一体、何の勉強してたの」と笑われてしまいました(笑)。
      2023/03/02
    • yyさん
      まことさん

      コメントありがとうございます☆彡
      まことさんが芸術家の学生だったというの、私には憧れです。

      アートが今までに増して...
      まことさん

      コメントありがとうございます☆彡
      まことさんが芸術家の学生だったというの、私には憧れです。

      アートが今までに増して好きになったのは
      原田マハさんの本のお陰です。
      一枚のタブローから、素敵な物語が出てくる!出てくる!
      わくわくすることが増えるって、楽しい。

      まことさんの
      ちょっとお茶目なストーリーもいいですね♪
      なんか、なごみます。
      2023/03/02
  • 図書館で思わず読んでしまった。画家と美術館とコラムとシンプルで構成もよく、とても読みやすかったです。

  • 日本の美術館で見ることのできる名画・アート作品18点を著者が解説。なかなかいいなあと思ったのは、アンリ・ルソー(東京国立近代美術館所蔵の「第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神」はいまいちだけど)、東山魁夷、草間彌生かな。

    各章の最後に、各絵から著者が受け取ったメッセージが記されているが、これが教訓話というか、人生訓になっていて、説教臭い。絵画鑑賞を堅苦しく、かつお上品に纏めすてない?

    取り上げている絵、小さくて細部がよく分からなかった。もっと大きなサイズの本にして欲しかったな(電子ブックを読めばよかったかも)。興味あるなら実物を見に行けってことなのかな。あと、たくさんの絵に言及しているが、少なくともしっかり解説してる絵は漏れなく載せて欲しかったな。

  • ずっと著作が気になっていましたが、読んだことがなく(カフーの映画は観ました)、初読みとなったこの作品は小説ではなく名画の鑑賞術でした。

    鑑賞することを"コンタクト"とし、作品から受け取るメッセージを素直に感じとることをモットーとしている、とよくわかりました。

    日本国内の美術館所蔵の作品をベースに紹介してくれているので、身近に感じられます。
    巻末に美術館マップもあるので、行ったことない場所も行ったことある場所も訪れたいです。

    そして原田マハ著の小説を読もうと思います。

  • 日本各地の美術館にある18点のアート作品を紹介。アートを通して、作者の人生観や生きた時代に想いを馳せ、「対話」することを、原田さんは「コンタクト」と呼ぶ。日本各地の美しい風景の中に建てられた美術館を訪れ、ゆっくり時間をかけながら、作者、原田さん、そして自分自身との対話をしてみたい。個人的には、今の仕事の繁忙期が終わったら、長野県立美術館に足を運んでみようと思う。

  • まさにマハさんと一緒に美術館巡りをしてるような本!アートにあまり詳しくない私には教科書、永久保存版です。ミレー、モネ、セザンヌ、クールベ、ドービニー、クリムト、エゴンシーレ、ダリ、アンディウォーホール、表紙のマグリッド、萬鉄五郎、小磯良平、白髪一雄、東山魁夷、クラール、エルリッヒ、草間彌生、有名どころから、あまり知らない人も皆、それぞれドラマがある。ここに載ってる美術館には全部行きたいな。

  • 日本の美術館が所蔵している作品と作者に焦点をあてて紹介してくれている本

    現代アートは自由に見れるからいいとして、それ以前の作品は見方が分かっていないと楽しみ方がよく分からないから難しいと感じていた。
    本書は、作品を作った時分のアーティストの心情まで考えて鑑賞するという、まさに私が考えていた鑑賞方法を紹介している。
    そこまで調べないといけないのか、と思うくらい難しいが、同時に画家との繋がりや、その時代背景を知ることにより、作品の見方が変わるのは面白いとも思う。

    余力があれば、その域まで行きたいけれど、はたしていつになることやら…

  • 著者が国内の美術館を訪ね歩き、所蔵されている名画について熱く語る美術ガイド。
    「誰にも観られないアートは、アートでなくなってしまう」と、美術館を訪れてコンタクトしてくださいと語る。
    それぞれの画家にコンタクトした著者の言葉。
    ミレーには、「心のままに、種をまけ」というメッセージを受け取った、と。本書で「種をまく人」が、2点あることを知った。
    クールベには、「人生晴れの日ばかりじゃない。だから、面白い」と。
    モネには、「一瞬が、一生だ」と。
    セザンヌには、「自分を信じて、”その時”を待つ」と。
    その他、ダリやマグネット、日本人では小磯良平や東山魁夷を始め、15名の画家へのコンタクトが綴られている。名画を観る場合の参考になる書。
    それにしても、日本の美術館のコレクションにこれほどの名画があるとは。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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