競馬どんぶり (幻冬舎アウトロー文庫 O 1-5)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344400504

感想・レビュー・書評

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  • 浅田次郎が90年代に書いた競馬エッセイ。登場する馬の名前が多少古かったり、JRAの馬券の種類が現状よりも少なくて、多少違和感を感じる部分もあるが、競馬の見方・考え方には納得できる部分が多い。
    作家に競馬好きが多いのは何故か。おそらく机に向かって文章を書くという地道な仕事のストレスを開放するには、競馬のようなアウトドアで、観客が一体になって興奮できるスポーツが合っているのかも。
    彼は作家になる前から競馬をやっていて、競馬歴30年以上の大ベテランですが、これくらいになると自分のスタイルを確立しており、一言一言がとても参考になる。真似はできなくても、その考え方に学ぶところは多い。

  • 競馬本で、ギャンブルの側面に焦点を当てた本というと、たまたまはまった成功例、役に立たない胡散臭い予想法、無機質なデータの羅列…といったもので、ギャンブル面での競馬の面白さを伝える上では欠陥品が多い。

    しかし、この本は筆者が長きに渡り競馬に真面目に取り組んできたというのがわかる。人間味溢れた、そして一本筋の通った競馬、ギャンブルに関するアドバイスが載っている。競馬との付き合いは長い私であるが、なるほど参考にしてみよう、とはいかないまでも、競馬に取り組む上で頭の片隅に置いておきたい助言がぽつぽつあった。

    競馬を知らない人には訳の分からない内容だと思うが、競馬を好きな人は、楽しく読めるし、学ぶところもあろう。

  • 氏の競馬必勝法ならびにJRAへの提言など満載。
    競馬で勝負するポイントや、如何に楽しむかを具体例も交えながら面白くまとめられてあります。
    だいぶ以前に出版されているので中身は少々古くなってますが、参考にはなるかもしれません。

  • 書かれたのが16年前なので今とは事情が変わってるかもしれないが、とりあえず四季報、四季報。同じ話が度々出てきたがその分頭に残ったので結果的にはよかった。

  • 必勝法の真偽はともかく、こいつは立派な競馬のバイブルですよ。馬券師、いや雀師にとっても、博打を趣味とする者の心得ってやつをしっかりと教えてくれる。

  • 内容が昔過ぎて(ワイドも三連複もない時代)IPATも当然の現代競馬にそぐわない、何言ってんだ?的記述も多々あり。ただ氏の競馬に対する心構えや考え方は大いに参考になる。

  • この本おもしろい。
    浅田次郎自体結構好きだし、競馬好きっての知ってたけど、まさかここまで好きだとは思わなかった(笑)
    この本を書いた時が1998年くらいだから、また今とは競馬の事情も変わってるのが残念。現代版の競馬どんぶりというか浅田次郎の考え方を聞きたい。
    とりあえず書いてあったことを簡単に何個かメモ。
    ・敗因よりも勝因を分析しろ
    ・パドックを生で見て予想したほうがよい(特に新馬戦と夏競馬)
    ・自分のお手馬(この馬ならどういった時に好走して、どういった時にこないかなどよくわかっている馬)を何頭か持つこと
    ・予習と復習をよくすれば、馬券を買う力がつく
    ・基本的には1着にどの馬が来るかを考える
    ・最終レースは荒れやすいので本命で勝負しないほうがよい

    それにしても一日27レースを全部ちゃんと場体重・パドック・オッズを見て買ったことがあるという話を想像したらウケた(笑)本人も大パニックだったとか言ってるけどほんとそうだろ(笑)
    あと、この時代は三連複もない時代だから、買い方とか言ってることの感覚が今とはだいぶ違うのだと思う。
    他にもメモしていたのに、ちょうど最近携帯をなくしたせいで、メモしたことがわからなくなってしまった。

  • 浅田次郎さんご自身の三十年の競馬人生を振り返って書かれたエッセイ。
    初めての競馬、ノミ屋をしていた過去、馬券師の心得、必勝法などを書かれています。

    この本を読んで、競馬を続けるということは、その人なりのスタイルをもつということと、普段の生活を律すること、そしてもちろん努力が大切なのだと思いました。
    浅田次郎さんはこの本の中でトータルすると負けているだろうと正直に書かれていますが、それでも三十年続けられているというのは自分なりのポリシーを貫いてこられたからだと思います。
    とても紳士的に競馬に取り組んでおられる様子がこの本から伝わってきました。
    ギャンブルというのは、やはりその人自身がハッキリ出るのだな~と思います。

    本の裏表紙に「私は本書に語られている通りに馬券を買い続け、競馬とともに生きてきた。書かれていることを体得すれば、おそらく誰にでも、私と同じ競馬人生を約束されるであろう」と書かれてあります。
    必勝法についてはこちらに書いてある事を一時マネして、競馬新聞をファイルしたりしていましたが、私は私なりのやり方に変えていきました。

    必勝本としてというよりは競馬に対する姿勢や考え方を学ぶ本。
    競馬をしている人なら楽しんで読める本です。
    他の競馬本と違って文章が巧みなので、内容に引き込まれ、ちょっとだけ読み返そうと思ったら結局全部読んでしまう。
    時折読み返してはその度楽しんでます。

  • ギャンブルやる人たちのダメな雰囲気がとっても良い

  • 敗因より勝因を分析すべきとか、勝負の心構えの参考になった。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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