オープン・ハート: あなたの地獄を天国に変えるために (幻冬舎アウトロー文庫 O 50-2)
- 幻冬舎 (2000年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344400573
作品紹介・あらすじ
まずありのままの自分を肯定する-。レイプで処女を失った美菜。父親から性的虐待を受けて育ったなつみ。華道、極道を経てAV業界に流れ着いた著者・代々木忠。三人の人生から浮き彫りにされる、心と性と生の関係とは?「かくあるべき」という概念に縛られた現代人のための特効薬。長年を性の現場で過ごしてきた著者による癒しのメッセージ。
感想・レビュー・書評
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「読んでいるだけで癒された。」
これが読後一番最初に思い浮かんだ感想である。
本の前書きには、「理性と概念思考の混同が随所に見られたため、改稿することも考えた」とあったが、だからこそ文章全体に著者自身の心の葛藤が伝わってきて、自然に心を動かされた。
前作、『プラトニック・アニマル』を読んだことが、私をこの作品に導いている。そして本作の『オープン・ハート』では、アニマル的な肉体の世界から、よりハート的な精神世界に焦点が当てられていて、単にAV撮影秘話を聞いているという感覚はまるで無い。
本書では、AV監督代々木忠氏と性的トラウマを抱える女性たちとの交流において、彼が人の心の闇に強い関心を抱き、実際に彼女たちの心を開こうと対話やSMプレイ、時には催眠術などの様々な方法を試みた様子が記されている。
しかし、彼は一体なぜ、そうまでして彼女たちの心を開こうとしたのか。
そこには著者である彼自身の激動の生い立ちや満たされなかった思いが深く関与していた。
人間社会で生き延びながら、本当の意味で幸せでいることはどういうことかについて、自問自答しながら、読者に語りかけてくる作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Amazonで何とか手に入れ、読了しました。
代々木監督自身が自分を癒すために書いたという感じがします。一番心を開きたかったのは監督自身なんだなというのがどこか伝わってくる本で、その赤裸々さにどこか読んでいて愛おしささえ感じました。そういうところで、何というかこちらまで癒されていくような、そんな気持ちにもなりました。
内容としては、監督の作品に出演した二人の女性、藤木美奈と小沢なつみの対照的なあり方、生き方を手掛かりに、まず代々木監督自身が自分の人生を振り返り、「地獄を天国に変える」つまり心を開いてより良い人生を歩むためのヒントを探るというものです。
意欲作だと思います。随所に等身大の自分と向き合い表現しようとする真摯さと、女性二人を通して見えてきたものを何とか社会を癒す方向に還元したいという意志が読み取れます。
文庫版まえがきには、
「この中の私と現在の私との間に大きな隔たりを感じた。
今なら決して使わない言葉を、何の疑問もなく使っていたし、理性と概念思考の混同が随所に見られた。登場する二人の女性に対して、優越感のようなものを抱いている自分も発見した。」(p.5)
とあります。SMを手放しで肯定している描写も見受けられますし「理性」という言葉の使い方に曖昧さも感じますから、そういうところは確かに後の方の著書には見られないかなとも思いました。
ただ、この本を読んで感じる代々木監督の当時の姿、私嫌いではないんですよね。
監督の著書の中では最も自分を赤裸々に語っていると思いました。小倉の貧しい生い立ちから不良少年時代を経て華道の世界に入ったかと思えば一転極道の世界に……という激動の人生を読むと、まさしくアウトローの人生そのもののように思えます。ただ一方でところどころ、何というか、「普通のおじさん」みたいなところもあるし、「娘と仲のいいお父さん」みたいなところも読んでいてほっこりさせられます。そんな人間・代々木忠の姿が感じられるのは、ヨヨチューファンからしてももちろん、私にとってもすごく読んでいてハートフルな気持ちになりました。 -
感情を解放するには、セドナメソッドよりこちらの方が自分に合っていました。
要点をエバーノートにまとめ、週に一度は読み返しています。 -
07/14
AV女優志望の女性の過去をたどり、自分の半生もからめ、トラウマやいやしの問題を語る。 -
感じない
いったこと無いって方
一度読んでみては
精神的に感じますよ