- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344401402
感想・レビュー・書評
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主人公のアヤ(咲菫彩)は、AV女優のミジュン(樹嶺美洵)が山奥の廃墟に築いた「シティ」と呼ばれるコロニーで育ちます。ミジュンが逮捕される「事件」が起こったあと、アヤのようなシティで暮らす子どもたちは「外の世界」へと連れ出され、「脱洗脳プログラム」と呼ばれる面談を受けながら高校に通うことになります。
かつて愛した男の夢を見ながら生きたミジュンの教えにしたがって、アヤは「アンゲレス」の宿る身体になること、つまり自由になることを追い求めます。彼女の脱洗脳を担当しているのは、鹿城尚樹という35歳の男でした。その後彼女は、「TOKYO GIRLS」という風俗店の求人広告に応募しますが、鹿城がそこの会員であることを知ります。その後、アヤと鹿城はたがいにひかれあいながらも、「外の世界」の住人である鹿城は、すべてを投げ打って「自由」に人を愛するアヤのように生きることはできず、二人のあいだに亀裂が生まれていきます。さらに後日、シティでいっしょに暮していたキオから、ミジュンが肝臓癌で死に瀕していることを告げられます。アヤとキオは病院からミジュンを連れ出し、「ガイアベビー」のところへ自分を届けてほしいというミジュンの希望にしたがって、彼女を深い穴の奥へと送り出します。
その後、アヤは体を張ってAVに出演し、業界で「樹嶺美洵の再来」というキャッチ・コピーを獲得します。彼女は撮影のために訪れた南の島で、急速に老化する病気にかかってしまった子どもたちとセックスし、自分の身体に「アンゲレス」が舞い降りるというミジュンの教えに触れることになります。日本に戻った彼女は、ミジュンから託された「FISH KILLER」という病原体をもって浄水場を訪れ、自由でありつづけたいと願ったミジュンが、「外の世界」からの排斥を受けながら「FISH KILLER」を使ってこの世界に破局をもたらそうとはしなかったことに、彼女の矜持と愛の大きさを知り、もと来た道を引き返します。
「自由」がテーマといっていいのでしょうか。活字が大きくてスカスカなので、あっという間に読めてしまいます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【内容】
山奥の廃墟「シティ」で、独自の規則と秩序のもと共同生活を送る子供達。
彼らのリーダー・アヤは、誰かを愛したいという欲求を持て余している女の子。
ある日、危険な思想に侵されていると疑われた「シティ」の住人は、警察に連行される。
そこでアヤは、脱洗脳士・鹿城と恋に落ちる…。
愛と性のアンバランスな関係を描く、書き下ろし小説。
アマゾンより -
ミジュンって名前が気にいった。
これ高1のとき読んでたら、あの子のセカンドは確実に美洵だっただろうなぁ。
字スカスカだったし、1時間くらいで読み終わった。
揺ら揺らした感じは悪くないし、内容は悪くないけど、もっと濃いとよかった。 -
謎の多い桜井さん。自分はそんな彼女に引き寄せられたひとりです。彼女の感性・世界観と理系・詩的な表現がとても気に入っています。『シティ』に暮らす子供のお話。人によっては嫌悪感を抱くかも…。
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すてき
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大切なことは自分の気持ちに忠実なこと。人の顔をうかがうところじゃない。尊敬する人がいて、ただ自分たちのルールにそって生きてきた。なんで人は人を型にはめたがるんだろう?愛を知ったから、それに手が届かないことが苦しくて。それでも手に入れたから、生きていける。
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泣きたいときに堪える強さと、<br>
泣きたいときに泣ける強さ。<br>
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愛するコトの幸せと哀しみ。<br> -
みんなこうゆうのはあると思う。きっと知らないから怖いんだ。風俗やってる主人公やミジュンがすごく綺麗に見えた。
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「シティ」に暮らす子供の話。ただ、この廃墟に暮らす子供達を「子供」と呼んでいいのだろうか。心は大人だけど、やっぱり本心は子供なアンバランスな精神と性。こんな世界が本当にあったら?
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求められれば、与える。底なしのマリア様みたいなAV女優。なんかミーハーな軽い小説かと思いきや、けっこうはまりました。面白かった。