- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344401594
感想・レビュー・書評
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「ハードボイルド」
奇妙な夜の出来事が描かれている。
人と別れることはすごくつらい。けどあらゆる罪悪感から抜け出して、ハードボイルドに生きなくちゃ、という前向きな気持ちにさせてくれる。
奇妙だけれど、不思議と癒される。
「ハードラック」
姉の死と向き合う家族の物語。
姉との思い出や、これからの日常について、時間について、主人公の立場になって考えてみると、自然と心が浄化されてゆくような気持ちになった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久しぶりの吉本ばなな。
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いずれの話も身近な人の死という衝撃から
どう立ち上がるか、もしくは立ち上がる兆しを見つけるまでの
短くも濃密な時間が淡々と描かれている。
しかしながら心が浄化されていく様子が感受性豊に表現されていて
置いてきぼりを食らってしまった。
これは理解する小説じゃない。
感じる小説だ。 -
吉本ばななの本、そんなに陽を求めて読むことはないけどそれでもこの本は陰の要素が強め。8月の真夏に読むような本じゃないなと(ある意味涼しくなるような不気味さ)。なかなか、前に進められなかった。
でも9月に入ったしと思って、残り一気読みして本を閉じたとき、読み始めたときには想像もしていなかった温かさが残った。ただ過ぎ去る毎日にスッと一筋の光が差すような。それは、真っ暗な部屋に、カーテンの隙間から太陽の光が差し込んで、その部分に手を当てたら、そこだけ温かい、微かだけどそこに確かにある温度を肌で感じるような本。 -
ハードラックが不運、不幸って意味だと初めて知った。
ホテルのおばちゃんみたいな大人になりたい。
吉本ばななさんの静かでスルスル入ってくる文章、世界観が好きです。 -
夜中に読んだら怖かった!朝が来るのを待ってるドラキュラ映画を思い出したー(泣)
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キッチンより好きかも。
行間が大きくて読みやすい。
生ってはかない。 -
ハードボイルド
不思議な愛しかただなと思った。千鶴さんの気持ちはわかった。千鶴さんは素敵な人だと思った。サッパリとした物語だった。
ハードラック こんな風に人を失くしたことはないので分からなかった。闇の中から抜け出す光の入り口に差し掛かった間合いの物語。「これから姉と同じで香水に変えよう」ってところが決別でも執着でもなくて良かった。境くんの放つ光が際立った。 -
死んだ元恋人のことを繰り返し夢にみる奇妙な夜を描いた話と、死を待つ姉を前に少しずつ気持ちを整えていく人々を描いた話の短編集です。
ひとつめのお話(『ハードボイルド』)で印象的だったのは、恋人との別れについて書かれた部分で、「季節が変わるように、時期が終わるのだ(p55)」とあります。そこに飽きたとか本人たちの意思は関係ないのだと。そんなふうに考えたことはなかったので、少し目からうろこです。
反対に「あ、私もこんなふうに考えて悩んだことがある」という場面に何度も遭遇します。
吉本ばななさんの本を読むたびに、この文章たちに全く共感するところがない女の子なんてほとんどいないのではないかと思います。
少なくとも私はそれがクセになって吉本さんの本を次々と手に取っているところです。
ふたつめのお話(『ハードラック』)で印象的だったのは次の文章です。「私はその古いマンションと、コンビニ弁当の暮らしの中で、じょじょに大人になるための心の筋肉をつけていった。(p55)」
大人になるためにはまず大人になるための準備がいるのだなと、すとんと腑に落ちる部分です。大人になりたいと日々焦っているのですが、準備をしっかりしないといけないのかもしれません。今悩んでいるいろいろなことが、それに通じるといいなと思います。