ハードボイルド,ハードラック (幻冬舎文庫 よ 2-6)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344401594

感想・レビュー・書評

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  • f.2022/10/17
    p.2003/7/12

  • ハードボイルド/ハードラックどちらも、じんわり心にしみた。やっぱり吉本ばななさんの書く独特の文章表現、物語好きだな。
    ハードラック、境くんの、「今はだめだね。でも、とにかく、今はだめだというだけだよね?」が忘れられない。自分も過去を振り返ってみると、そんな場面でそんなことを言える人でありたかったなと思う。後悔にも近い。
    今、重くて暗くて歪んだ時間の中にいるとしてもその時間は永遠には続かないよ、いつか終わるときがくる。苦痛の日々の中にも心をあたためる契機やほんの少しでも前を向ける時間はあるはずだよ、それらは自分次第で、作ろうと思えば作れるかもしれないよ、と教えてくれた気がしている。
    ……言葉にしたとたん全部違うような気もしてきたが、読後のこの妙な感覚だけは忘れないように、一応記しておく。

  • 「バードボイルドに生きてね。
    何があっても、いばっていて」

    心が折れそうになる時、
    何度も思い出す。

    私はもしかしたら、
    へらへら笑ってごまかしてぺこぺこする生き方しかできないかもしれないが、
    好きな人には
    いつも自分を曲げないでハードボイルドに生きてほしいと思う。

    次の一歩を踏み出す好きな人にいつもかける言葉だ。

  • ホラーだけど美しい。
    あのホテルに泊まりたいなあ

  • これから何度も読むことになりそうな作品との出会い。

    いくつも気になるフレーズはあったけど『ハードラック』のこれは妙に頭に残っている。なんでだろう。

    "「お姉ちゃんな、もうすぐ呼吸器はずすってよ。」
    それは、ほとんど、昔飼っていて父にいちばんなついていた犬が死んだ時の、
    「ポチ死んだぞ。」と変わりがなかった。そのくらい悲しみも深いということだった。"

  • 『私は泣けなかった。
    今も、ちゃんと泣けていない。後悔を、何度もした。今もする。でも、何回も思い直す。
    きっと私たちには、あれ以上何もできなかった。
    最後まで、楽しかった。呪文のように、そうくり返す。』

    ハードボイルドは、同性愛の話。
    そしてその恋は終わっていて、相手はもう死んでしまった。
    その恋人の命日の不思議な一夜。
    涙が出てくるのになんだか爽やかでありがとうって、
    恋してよかったって思える話。

    ハードラックは若くして
    植物状態になってしまった姉の死と生の微妙な狭間で
    生死と愛を考える人々の物語。

    『世界はなんていいところなんだろうね!』
    悲しみで前が見えなくても、やっぱり世界は美しい。

  • 「ハードボイルド」と「ハードラック」の2作。どちらも生と死とその境界線とがマーブルになったところの物語。それを怖くもなく神秘的でもなく、普通に描いているのがばなな流。底がないくらい優しい。

  • よしもとばななさんも奈良美智さんのことも、この頃が一番好きだった。

  • どちらも悲しい話なのに、どこか温かさを感じる、読んだ後に優しい気持ちになれる。

  • 透明な水のような読後感。普通に泣けました。

著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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