死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)

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著者 : 乙一
  • 幻冬舎 (2001年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344401631

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死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

  • ホラーと銘打たれているものの、主人公マサオの青春・成長物語の色彩が強い。読後には爽やかさすら残る。

  • 最近暑いな、夏は乙一だ。

    さて乙一らしい、綺麗にまとまった作品。
    1つ違うのがこの作品には作者の主張が込められているということ。

    'きっとみんな、自分が他人にどう思われているのかを考えて、怖がったり不安になったりするんだ'

    この物語はそういった恐怖に囚われた大人が、反撃をしてこなそうな子供を攻撃することから始まる。

    背筋の凍るホラーであり、なのに読後感も清々しい。一度で二度美味しい一冊だ。

  • 先生が中心となって行う陰湿ないじめと不思議なアオの物語。マサオかわいそすぎてつらい。ハッピーエンドで良かったけど、なんだかしっくりこない終わり方のような。。

  • 一晩で一気に読んで、興奮のためかその後眠れなくなった。とても読みやすくて引き込まれるために、どんどん読めた。

    イジメられた経験がある人や、現役の生徒で心当たりある人にこの本はちょっとキツイかなと思う。マサオについての描写がとても生々しくリアルで、何度も自分の学生時代を思い出す。いつのクラスにもいじめられる(シカト)対象の子が必ずいて、こんな先生もいたような気がする。決して珍しくない、どこにでもある設定で、それが余計に恐ろしかった。
    最後どうなってしまうのかと案じたが、結局ハッピーエンド(?)で終わる。しかし、現実はどうだろう。今現在、この世界で何人のマサオくんがイジメに耐えているだろうか。決してフィクションではない怖さがあった。
    本当に悩んでいる人やトラウマがある人には、この本の後酸味であるフィナールの爽快感は救いにならないだろう。むしろ傷を広げてしまうかもしれない。

  • 担任教師から始まるいじめをきっかけに、不思議な少年アオが見えるようになった主人公。アオの正体は一体...。
    読み終わってタイトルに納得します。乙一作品あるあるだけど、えぐかったり、登場人物に不気味さを感じたり、どこか気持ち悪いのに、読み終わると話の綺麗さに快感を覚える。今回も徐々に明らかになるアオの正体だとか、最後の着地点とか、とても気持ち良かった。でも、そこにたどり着くまではやっぱりホラーで、アオの描写だとか言動にぞっとし、主人公の行動にドキドキハラハラでした。

  • 子供向けかな?
    大人が読む本ではなかったですか気がする。

  • 16.09.24 うーん、気持ち悪い。アオの描写はそうでもなくて、むしろ好きな方なのだけど、羽田先生が気持ち悪い。マサオを助けに行ってあげたくなっちゃう。乙一の本は苦手かもしれない。他に読んだ本は覚えてないけれど。

  • 完璧にコントロールされた話運び、たどたどしくも的確で刈り込まれた描写、ラストも完璧!やっぱ天才だな……。

  • 灰谷健次郎さんを思わせる、児童文学の様な様式だろうか。小学生の等身大の遊びや趣味が描写されていて、時代や風景を思い描きやすい。もっと具体的に挙げるなら、コロコロコミックやビックリマンやゾイドなど、40歳前後の方は自分の頃と重ね合わせるだろう。

    ある出来事をきっかけに、いじめや無視といった対象にされた男の子の物語。小学5年生の言葉で描かれているので、非常に読みやすいと共に切実さもまたリアルだ。男の子の立ち位置は、次第にスクールカーストの様相を呈してくる。

    また、もっと背筋を凍らせるものは「アオ」と呼ばれる薄気味の悪い存在だろう。その容姿を表す描写は、虐待以上の凄惨さを体現している。

    この作品は多かれ少なかれ、我々が抱いている恐怖症(フォビア)に繋がる。それが対人であったり、外観であったり、様々だろう。多感な少年時代に抱いた心理だが、大人だとてその呪縛には捕らわれる。

    果たして少年はスクールカーストの支配から抜け出せるのか、はたまたアオは敵なのか味方なのか? 恐怖症の過度な自己防衛はサイコパスたり得るが、あなたはこの作品でいうと誰だろうか?

  • ある人に乙一を勧め、それが気に入ったということで、進呈する前に読みました。ひたすら陰湿で、鬱々とした内容に気が滅入りそうになります。学級という小さな世界、でも子どもにとってはそれが全ての世界であるが、程度の大小こそあれいがみ合いやいじめのようなことは起こる。でも、それを制止するはずの教師が助長、率先して行ってしまっては。いつマサオがアオの側に行ってしまうのか、取り込まれてしまうのか気を揉んだ。

  • 著者は強烈なホラーの短編小説が印象的だったので、かなり心して読み始めた。じっくりと雲行きが怪しくなっていき、主人公以外に見えない存在が現れたりと、ホラーといえばホラーではあるが、覚悟していた程のおどろおどろしい結末ではなかった。その理由についても、あとがきを読んで納得出来た。非現実的過ぎないが故に、逆に「これに近いような事が実はどこででも起きているのではないか」と思い至ると、この物語の怖さを引き立てて、ぞくりとした。

  • 気持ちが悪いほど、共感した。
    自分を卑下する集団の中にいると、自分はそんな人間なんだ、と錯覚する。でも、それがそうでないと気づいた時、`死ぬことよりも恐ろしい`ことから逃れる為に必死にもがくのは当たり前のことに感じた。主人公はそれでも、優しい人間だった。

  • 先生と周りの言動に半ば洗脳されている主人公の男の子を見るのが恐ろしかったです。虐めの原因を他者ではなく自己に求める様子には、実際もこうなのかな…と思わせられました。先生の首を刺した釘もある訳ですし、突き落としたことが故意であるが知られなかったのかは疑問ですがそんなことを言うのは無粋かもしれませんね。図書館

  • どんどんページが進む。
    乙一さんの作品良いですね

  • こういう先生は居そう。程度の差はあっても…

  • 気弱な少年がクラスの担任と学友から不満の捌け口にされる形でいじめにあう。

    悪辣非道な担任の暴言により、自分を底辺の人間だと思い込むようになる洗脳のような展開は読んでいて暗い気持ちにさせられる。
    そんな彼の前に死にぞこないの青が姿を現す。
    それは彼の不満や憎悪の象徴であり、最初は否定するものの次第に受け入れていき、復讐が始まる。

    物語の救いは、彼に担任に対してとどめを刺さない強さが備わったこと、偽りの和解を経て新しい担任から明るい兆しが見えたこと。

    とどめを刺していたらひたすら暗いだけの作品になっていたと思う。

  • みんな大好き乙一作品です。
    私はまだ、そんなに数を読んでないので、ピンとこなかったりしていますが……。

    今回の話の内容は、ちょっとしたことから、いじめの対象になってしまったマサオの前に、死に損ないのような真っ青な顔の子供が現れる。
    その子供は、マサオ以外に見えないようで、マサオはその子供に「青」と名前をつける。
    その青は、マサオとつかず離れの距離をとってただそこにいるだけ。何かをしてくることはない。
    マサオは、最初は「青」が何者なのかを考えるけれど、だんだんといじめがひどくなっていく中で、マサオはただそばにいるだけの青の存在を受け入れていく。
    そして、マサオは夏休みを利用して、ある復讐計画を実行に移すけれど……

    という話でした。
    話のメインは、あくまでもいじめられっこの復讐。
    ただそこに、「青」という常識ではありえないちょっと気持ちの悪い存在がプラスされるだけで、一気に物語に恐ろしさとファンタジーな要素が付加されるんですよね。
    この作者さんの発想力が面白いと思います。

    ただ、勘違いして欲しくないのは、決して青は誰かに危害を加えたわけでも、マサオの復讐に直接手を貸したわけでもない。ただ、いただけ。
    そのいただけの存在である青に、何を見い出し、何を考えるのかは、その受け取り手次第なんですよね。
    そういうことをひどく印象付けられました。

    この話は決してホラーではありません。
    日常と非日常が交差すると、こういうことが起こるんだろうな、と思わされる小説でした。

  • 非道い話な気がするけれど、不思議と読後感は悪くない。あまり人にオススメはしない。

  • 作家が好きなものを好きなように描いたらこうなるのか。新しい担任教師により、クラスの捌け口のターゲットにされた少年が、諦めを経て担任教師に復讐する話。ホラーともサスペンスとも言えない、被害者が子供という点で何とも後味が悪く、なのにきっちり担任教師に復讐し大人のようにさっぱりする、どうにもターゲットが定まっていない不思議な作品だった。

  • 一応、ホラーに分類しましたが、ホラーではないです。

    新人教師が、自分の評価が下がって来たのを恐れ、主人公をスケープゴートにする心理。そして、ダメ人間だと思い、思わされていた主人公が強くなっていく過程を描いた小説です。

    初めはあまりにも単調なので、ひょっとしてシックス・センス(映画の)的な落ちがあるのか??と思い、少し警戒しながら読みましたが、特に捻りはありませんでした^^;

    正直、何かあるのか?と思えるから読み進められた本で何もないのには、ちょっとガッカリ。

    でも、ホラーとして読まないで、学校でありがちな日常を描いたものとして読めば、それなりだと思います。

    お子さんを持った人が読んで、この小学生の心理を学んで、自分の子供が本当は何を考えているのだろうと考えるように成り、子供の本当の気持ちを理解しようと努力していけるようになれば良いなと思いました。

  • ホラーはあまり読まないんだけど、夏だからいっかな・・と手に取ってしまった。1時間で読了。そんなに怖くなかった。
    怖がりでいつもびくびくしているマサオは5年生になった。担任は大学卒業してすぐの、好青年でみんなに好かれている羽田先生。あるとき、係決めのトラブルで、マサオが不正をして「飼育係」になった・・と決めつけられてしまった。その日から先生は、教室内で起こったすべての「悪いこと」をマサオのせいにする。宿題を出すのも、授業が延長するのも、誰かが宿題を忘れたのも、すべてマサオが悪い。
    マサオはだんだん本当に自分が悪いからなんだ・・と思えてきた。
    そんな時、全身の皮膚が真っ青で、口をトジヒモで縛られ、拘束服を着ているような少年が見えるようになり、その少年を「アオ」と名付けた。
    アオはマサオにしか見えてないようだ。
    一方、教室内でのマサオの立場はどんどん悪化する。

  • 中学生以来?の再読。どうしようもない閉塞感と絶望感を、まるで読者自身が体験しているかのように感じさせ、しかしあくまでも平易な表現で綴る。自分が理解できる思考と全く理解できない思考があるポイントで切り替わった気がしたが、このポイントは中学校で読んだときと同じだったろうか。

  • 理不尽な理由でイジメの標的にされたマサオに終始読んでて胸が痛くなりました。言い返せって何回も思ったけど、小学校の先生ってやっぱ絶対的な存在だったなーって自分の小学校時代を思い出しました!ラストわマサオの強い部分が見れて少しスッキリしましたし、新しく来た先生の一言が和みました!あの言葉がこの本の1番のテーマなのかなと感じました!
    読みやすく引き込まれる作品で面白かったです!

  • 何を言っても悪い方に捉える先生の、マサオをじわじわ追いつめる感じがとても怖かった。
    たぶんアオは分裂してはいけない部分だったのだと思う。アオのように人を憎んで傷つけたいという衝動も、人間が人間らしくあるためには必要なものなのかなと。
    グロテスクなだけかなと思っていたので想像以上に心に響く本でした。

    ●合わせて読みたい本●
    「人間失格」 太宰治∥著
    マサオの常に顔色を窺っているような態度が葉蔵と似ているように感じた。

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死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)の作品紹介

飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、大好きだった羽田先生から嫌われてしまう。先生は、他の誰かが宿題を忘れてきたり授業中騒いでいても、全部マサオのせいにするようになった。クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日、彼の前に「死にぞこない」の男の子が現れた。ホラー界の俊英が放つ、書き下ろし長編小説。

死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)のKindle版

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