死にぞこないの青 (幻冬舎文庫 お 10-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344401631

感想・レビュー・書評

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  • H31.2.7 読了。

     小学生のマサオ君のいじめがテーマのお話。首謀者は担任の先生。タイトルからして、もっとおどろおどろしいものを想像していたが、良い意味で裏切られた。読後感も晴れ晴れとしています。
     登場人物(?)のアオは、ダークヒーローのような存在でした。怖い印象を与える言葉を話しますが、マサオ君を助けてくれる良い奴でした。
     すごく引き込まれるように一気読みしてしまった。

    ・「そうアオが教えてくれた。たとえ足が裂けて一生、歩けなくなっても、おそらく屈服するよりはいいのだ。」

  • 最近暑いな、夏は乙一だ。

    さて乙一らしい、綺麗にまとまった作品。
    1つ違うのがこの作品には作者の主張が込められているということ。

    'きっとみんな、自分が他人にどう思われているのかを考えて、怖がったり不安になったりするんだ'

    この物語はそういった恐怖に囚われた大人が、反撃をしてこなそうな子供を攻撃することから始まる。

    背筋の凍るホラーであり、なのに読後感も清々しい。一度で二度美味しい一冊だ。

  • 学生時代にこんな先生がいたな…。自分はこんな感じの生徒だったな…。と思い出して少しブルーになった。
    後味はすっきり。

  • 夏だからなんとなく乙一
    中盤までの胸くそ展開を我慢すれば、後半は清々しい気持ちになれる。
    ホラーなのかな?でもああいう先生は程度は違えどやっぱりいそうなので、そう考えるとそれが一番ホラーなのかも。

  • 理不尽な理由でイジメの標的にされたマサオに終始読んでて胸が痛くなりました。言い返せって何回も思ったけど、小学校の先生ってやっぱ絶対的な存在だったなーって自分の小学校時代を思い出しました!ラストわマサオの強い部分が見れて少しスッキリしましたし、新しく来た先生の一言が和みました!あの言葉がこの本の1番のテーマなのかなと感じました!
    読みやすく引き込まれる作品で面白かったです!

  • アオは幻なんかじゃなく、考えてた以上にやばい存在だった!…なんて結末を待ち構えていたからちょっと肩透かしだった。

    ----内容紹介----
    飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、大好きだった羽田先生から嫌われてしまう。先生は、他の誰かが宿題を忘れてきたり授業中騒いでいても、全部マサオのせいにするようになった。クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日、彼の前に「死にぞこない」の男の子が現われた。書き下ろし長編小説。

  • とても怖い本でした。

    マサオの中の盲目とそれを信じれない感じとか、一度は誰もが経験しているのではないでしょうか。

    アオの「決断とはこういうことだ」という台詞が一番印象深かったです。
    何か、今の私の状況と似ていて色々と感がさせられる作品になりました。

  • いじめをテーマにしたダークファンタジー。一気に読んだ。面白かった。

  • マサオになりきって読んでしまった。
    平凡な学校生活、それが新任教師の登場で一変してしまう。
    学校での不当な扱い、知らん顔の生徒達、彼等が向けてくる遠慮ない視線や悪意でなくとも気持ち良くない笑い声。
    『先生』という権威に半ば脅迫され、半ば自らをおとしめて羞恥と憎しみに必死に耐えて日々を過ごす。
    小説からマサオの学校の様子がありありと伝わってくる。そして、マサオ自身の感情の動き、疑問、葛藤、怒り、諦めなどが丹念に書き出されていて感情移入が非常にしやすい。
    アオという存在は心の一部を分かりやすく具現化した存在なんだと思う。
    タガが外れるとか、プツンと切れるとか、限界や境界線を越えた時、アオが暴れだす。
    でも彼はマサオにとって単なる悪の存在ではない。
    きっと誰もが持っている狂気や憎しみの塊がマサオにとってアオであっただけだし、実際アオはマサオの窮地も救っている。
    小学生が難しい言葉を用いようが、感情の幅は大人とさほど変わらないはずだから全然気にならなかった。
    エンディングはやはり乙一さんらしく、期待通り綺麗にまとまっていた。 そこはきっと作者の性格で、優しい心根なんだろうと伺える。

  • そして、出来ぞこないの教師。

著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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