蜜蜂のささやき (幻冬舎文庫)

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著者 : 橋口いくよ
  • 幻冬舎 (2002年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344401990

蜜蜂のささやき (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ラジオ・パーソナリティの仕事をしている20歳の柿元千歳(かきもと・ちとせ)は、身体の関係はあるけれども恋人未満の展也(のぶや)、近くに住む障がい者の中学生「チュウニ」、そして仕事の仲間たちとの人間関係に、どこか折り合いのつかないものを感じています。

    ある日、彼女はラジオのリスナーからの手紙を読んだことをきっかけに、ラジオに出演している彼女自身にも齟齬を感じるようになります。彼女の仕事と人間関係の歯車はしだいにかみ合わなくなっていきますが、スタッフはそんな彼女に新しいキャラクターづけをおこなおうとし、彼女の違和感はますます大きくなっていきます。

    テレビでよく著者の姿を見かけるのですが、こういう小説を書くとはちょっと意外でした。「チュウニ」は名前の通り中二病の中学生ですが、他の登場人物たちも多かれ少なかれ中二病のような自意識の空回りを演じています。

    「あとがき」で著者は、子どもの頃には辛いことに対して「忘れたつもり」になっていたのに対して、大人になった今では辛いことを我慢したり酒を飲んで憂さを晴らしたりわざと泣いてすっきりすることができるようになったと言い、「けれど、子供の頃より、欲しいものに対して純粋な気持ちでいられることが少なくなったのも事実だ」と述べています。子どもの頃の純粋さというのは、辛いことを忘れたような振りをする、どこか痛々しさを伴うものだったのかもしれない、と思います。

  • 全編に漂う空気感は前作の『愛の種』に似ています。
    何かにしがみついている様で、どこか投げやりで...物語は淡々と続く。
    これと言って何かを強く主張しているのではないのですが、見えない奥行きを感じます。
    ところで『蜜蜂のささやき』とは何だったんだろう。

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