愛なんか (幻冬舎文庫 ゆ 1-8)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 952
感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344402362

感想・レビュー・書評

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  • 作品はずいぶん前に発表されたものですが、まだ読んでいない唯川恵さんの 作品のひとつでした。12の短編小説ですから、同数の女性が主人公として登場します。どの作品もいつの間にか、読み進んでしまいます。また物語がその後どうなるのか、読者に想像させるところが作品に惹かれるところでもあります。

  • 「恋愛は少しもロマンティックなものでも、甘やかなものでもない」…本当にそう。恋愛小説読むときもこれが根底にある作品は読める気がします。
    でもこの短編集で好きな作品は「長い旅」「悪女のごとく」の、恋愛というより主人公の生き方が主なお話。
    「ただ狂おしく」も…「おかしくなるくらい人を好きになったことがないのは幸せか不幸か」みたいな話はしたことがあるので。。重いな。
    愛なんか、と言いつついつの間にか好きになったり嫌いになったり。生きている限りこうなんだろうなとは思います。心が動いてる事なんだろうからまいっか。

  • 女って怖い…これが率直な感想。

    12の短編集全てがどうしようもない恋愛ばかりなので読後感はあまり良いものではないけれど、それがこの作品の魅力なのでしょう
    「愛なんか」タイトルの意味に頷く。
    素敵なだけの恋愛ではなく恋愛の汚い部分もしっかりと描かれている。
    「夜が傷つける」と「朝な夕な」が共感しやすかったかな

  • 読みやすかった。
    いろんな女性の、全然綺麗じゃない
    恋とか愛とかを読んだ感じ。
    それぞれの主人公のそのあとが気になった。
    私の人生では経験できんような
    でも決して非現実的ではない話がおもしろくて
    刺激的やった。

  • ・夜が傷つける
    言葉も文章の表現も、好きだと思った。すごいと思った。共感が止まらなかった。
    "私が彼の全身を深く抱き締めるのは、その中に彼の魂が存在するからだ。"
    "その言葉が本物であるかどうかの判断をする前に、思わず「愛している」と呟いてしまう罪をおかしたい。"

    ・世にも優しいさよなら
    事実を知った途端、思考を変える。
    騙されていたと知って、果たしてそうできるだろうか。素晴らしい。そんな槙子に拍手を送りたくなった。
    ホワイトレディで乾杯できる凛とした女性になりたいな。

    ・私が愛した男
    夢を追っているときはあんなに輝いていたのに夢破れた途端、人が変わってしまう。
    友情より恋をとり全てをかけてのめり込んでいたあの頃はもはや思い出にすぎない。
    "私が死ぬほど愛した男はもう死んでしまった。"
    男と女という生き物はきっと一生分かり合えない。

    ・共犯者
    不倫って結婚という制度が存在する限りなくならないのだろうか。
    一生共に生きるという誓いは一体何の意味があるのだろう。
    人の気持ちは複雑で止められないのはわかる。
    それでも。やられて嫌なことはしないほうがいいと思う。
    そんな簡単な話ではないのもわかるけれど。

    ・偏愛
    好きな人のことを全て知りたくて、知りたくて、知りたくて。
    知れば知るほど好きになる自分をどうにかできないものか。
    相手の了承がない愛のかたちはときに行きすぎる。
    好きと伝えられたらどんなに楽か。
    そして女性はいつだってマウントを取る生き物なのかもしれない。

    ・霧の海
    読みながらモヤモヤしていたことがわかった瞬間、霧が晴れた感じがした。
    "誰にも知られてはいけないと、胸の奥底に沈めてきた。それでも、自分でも気づかぬうちに、溢れる思いはこぼれ落ちてしまうのだろう。"
    人の感情はいつだって複雑で難しい。

    ・朝な夕な
    不倫はしてはいけない。
    いけないと決まっているからしたくなるのだろうか。それとも愛した人がたまたま結婚していて気持ちを止められなくなるのだろうか。
    "自分の言葉に含まれる棘で、私はまず自分自身が傷つかなければならなかった。"
    苦しむのは誰でもない、自分だ。

    ・長い旅
    "自由に、身軽に、何事にもとらわれず、何事にも煩わされず、誰のためではなく自分のためだけに生きる。"
    自分の人生は自分のためにある。
    誰かの期待とか、世の中の正統派ルートとか、そんなものに何の価値があるのだろう。
    そう言い切れる強い女性に憧れたりする。

    ・幸福の向こう側
    幸せの基準は自分で決めるもの。
    誰に何を言われたって、誰からどう思われたって、そんなの関係ない。
    誰かと比べて自分はどうとか、優劣とか。
    そんなことすればするほど自分を苦しめるだけ。
    目の前の愛してくれる人のことをちゃんと見て、幸せになって。

    ・恋愛勘定
    男にどう扱われるかで大切にされているかを判断するなんて、何が測れるのだろう。
    結局のところ自分が相手にされることは、自分が相手にしてることなのでは?
    そんなことより見るべき部分、向き合うべき部分はある。
    最後の最後で恭子に全て持ってかれたの面白かった。

    ・悪女のごとく
    "女なんて、何を言っても、どんな顔をしていても、皮膚を一枚めくったら、身も蓋もない。"
    女の世界はマウントを取り合って、自分にないものを持ち合わせている人を目の敵にする。
    そのときだけの上部の関係なんてそこら中にあって、でも本当は仲良しが羨ましい。

    ・ただ狂おしく
    世界中の誰からも認められなくても自分が自分でなくなっていっても全てを敵に回しても。
    それでも、好き。
    彼の一部になりたいほどに愛している。
    自分が幸せだったらそれでいい。
    たとえ離れても独りで生きていけるならそれでいいと思う。

    読了!すごくすごく好き!
    読んでいてワクワクしてドキドキして共感して。
    女の色々、恋愛の色々。
    ドロドロや逆にきっぱりもすごくリアルで。
    恋愛なんて十人十色、みんな違ってみんな良い。
    ただ人としてしてはいけないこともある。
    複雑で、官能的で、リアルで、でも温かかった。

    「めまい」をはじめ、ほかの物語も読みたくなった。

  • 色んな境遇の女子の恋愛が書かれていた。こうはなりたくないとか、こんな恋愛もあるんだなんて感じながらもすぐに読めた。でも私は私の恋愛が一番素晴らしいとか思ったり、あんなやつに出会って時間の無駄なんてことはなかった気がするから、この中の女子も皆満足だろうと思った。最近恋愛の本が好きだ。頭が疲れたのかもしれない

  • たまには人殺しばっかり出てくる本じゃなく、恋愛ものでも読んでみよ~。と真っ赤な表紙とインパクトのあるタイトルに惹かれて購入した、のですが。忘れてました。私、小説にはファンタジーを求めてるんでした/(^o^)\あちゃー

    身勝手で、残酷で、家庭を持つ男にのめりこんで、日々の生活に疲れ果てている女達の恋愛。

    苦いです。読んでる途中でコーヒーを捨てて、口直しにココア飲み始めたくらい苦い!

    私は1人で生きていける、女友達なんて要らない、気持ちいい言葉とセックスをくれる男さえいればいい。
    そう強がりながらも、ふと垣間見せる弱さが生々しく描かれていて、女の業を痛感せずにはいられません…。

    あと、大学の講義で何コマか女性学系のものを取ったことがあるのですが、何となくその教官達を思い出しました。
    男女同権とかジェンダーに縛られ過ぎて、性から解放されるどころか逆に不自由になってるじゃないか、って言うのが印象に残っています。この作品に出てくる女性達は、そもそもそんなこと考えてませんが、結局女はどんな在り方にしたって不自由さを感じずにはいられないんだなあ、とか言ってみるU・x・U

  • 大人の恋愛。
    色んな恋愛の形があるんだなぁ。

  • 唯川さん!
    あなたは女の本質を見抜いていらしゃるわ。

    共感できる部分が多すぎて一気に読んでしまいました。

    私はやはり短編ものが好きです。

  • 2010/05/01読了

    これは酷い(笑)
    女子大生にはどきつい言葉がたっぷりだ
    恋は人を、女を狂わせるのは知ってる。
    けれどこれは歪みすぎだよ。怖いよ
    ヘビービターな物語でした。

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