サヨナライツカ (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.57
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本棚登録 : 7536
感想 : 1020
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344402577

作品紹介・あらすじ

“好青年”と呼ばれる豊は結婚を控えるなか、謎の美女・沓子と出会う。そこから始まる激しく狂おしい性愛の日々。二人は別れを選択するが二十五年後の再会で…。愛に生きるすべての人に捧げる渾身の長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • ぶっちゃけ不倫のようなお話です。でも久々に心を揺さぶられました。主人公・豊の苦悩がわかります。二人が再会したホテルの廊下で、沓子の瞳に涙。出会った時期、順番が違っていたら、、、と思います。

  • 沓子と豊の人生をかけた感動的な大恋愛。に感動しかけたけど…
    冷静に考えたら、豊の余りに身勝手な感じがなんだか?
    沓子と豊の4ヶ月は生活感もなく恋愛まみれで、あの時はよかったと、地味な生活を送る日々からみたら忘れられないのは無理もない。
    もし光子を振って沓子を選んでいたら、波瀾万丈な生活の中で、きっと光子と安定した仕事や生活を考え、ふつふつしたであろう豊。

    されどこれはお話。深く考えるのはやめましょう。

  • 4.5 くらいかな。
    この人の小説は苦手だと思っていたけど、全然そんなことないな。
    久々泣けたなぁ~(ToT)

  • これを美談として読むのか、醜聞として読むのかで全く受け取り方が変わってくると思うのですが、基本的に男ドリームで構成されている気がしていて、自分がイケメンで清楚な婚約者がいるけれど、自動的に謎の美女に惚れ抜かれる。そして浮気もばれず人生真っ当に生きてしまう。そして女性はいつまでも自分を思い続けている。うーん物凄く都合がいいなあ。
    そしてあだ名が「好青年」な訳ですが、どこが好青年じゃと突っ込みたくなります。
    心の中は自由だし、ある女性の事を思い続けながら破綻なく結婚生活を送っているので、どちらかというと悪くは無いのかもしれないけれど、どうしても奥さんが気の毒に感じてしまうねえ・・・。
    相当本も売れたし、映画もヒットしたようですが皆さんどの辺に魅力を感じたのだろうか。本としては結構楽しんで読めたけれど、気持ちが置き去りになったまま物語読んでいたような感覚です。

  • とても密度の濃い恋愛小説。読み終わったあと暫く動けなくなったのは久しぶりだった。

    一生忘れられないくらいに愛せる人と出会えるって事、あるんだなあと思った。
    私はまだまだお子ちゃまなので全ては理解できていないし、理解できる日は来るのか…?とも思う。

    ただ、私もついつい前好きだった人のこと思い出しちゃいました。元気にしているのかなあ。

  • 切ない。一緒になりたいけど、そう簡単にはなれず。でも長く深く一緒にいることで、お互い傷つけ合ったり、沢山の我慢や嫌なこともあり、(その分幸せなこともあるだろうけど)そんな負の部分は見えず、ただただ情熱的に愛し合う。思い出は全部美化されて、素敵なまま。それはそれで良かったのかもしれない…。
    読む人の年代や恋愛経験値によってだいぶ捉えかたが変わるのでは。この方の作品、昔、冷静と情熱のあいだ以来でしたか、安定の面白さでした。

  • 素晴らしい…と思う
    最初は結婚前に…という俗な考えがありましたが
    その事を悔い改め過ごした主人公。
    …でもお互い忘れる事なく、むしろ毎日思いながらその後25年、30年と過ごす、こんな事が現実あるのだろうか?  しかもお互いがそう思うなんて…

  • 死ぬほど泣いた。

  • テーマは愛。
    「人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと愛したことを思い出すヒトにわかれる。私はきっと愛したことを思い出す。」

    人生(一生)をかけた本当の愛。
    とても切なく悲しい物語。
    受け取り方は人それぞれだとは思うのですが、別れの辛さは皆が感じる作品だと思います。
    映画も是非観たいと思います。

  • 個人的には読みやすい文体だったし、舞台であるバンコクにも馴染みがあるのでスッと内容が入ってきた。後半はただただ切なく、読了後はなんとも言えない気持ちになった。
    海外生活の経験がある身としては、現代とは時代が違うとはいえ、異国の日本人社会に関する描写がリアルに感じられた。

    主人公が本当に恋をしていたのは沓子の方なのだと思うが、自分が同じ状況になったとして、あそこで全てを捨てて沓子を選べる男がどれだけいるのだろうか。終わりが来ることがわかっているからこそ、あそこまで燃え上がることができた。別れたからこそ、その後も良い思い出として心に残り続けた、ということではないかと思う。もし沓子を選んでいたとしても、その後の人生で光子のことを思い後悔したのではないか。

    自分は人生の最期に、愛したことを思い出すのか、愛されたことを思い出すのか。
    マンダリンオリエンタルバンコクにいつか行ってみよう。

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著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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