- Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344402621
感想・レビュー・書評
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最初は理解出来ない内容が多かったが、図書館の一件で唐突に面白くなった。
そこからは最後の一文まで文句無し。
ユージニアのような柔らかな文面に、有川浩の自衛隊三部作のようなSF感を融合させた印象。
あまりにも面白かったので読み終えたその場で同僚に貸しました。
恩田陸作品はいくつか読んでいるけれど、読むたびに印象がまったく違う。
個人的にはこれが一番好きです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
独特な世界観。読み終わった後にも余韻に浸れるとてもいい作品だと思う。SF好きな人向けかも。
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私は何者か?
スピ系に興味がある。
人は言葉を発しなくても、感覚的にわかってしまうのでは?といったことは、ずっと感じていたけれど
(そのせいで生きづらい)
目に見えない意思により、潜在最終的には、みな同じことを考えるように、意識を操作されて?いるのであれば
「人間はそのままで完璧」という自己肯定感低めの人向けの言葉と相反する。
さて、私はナニモノか?
どう生きていったらいいんだろう?
読んでいて、ところどころ、ツジツマが合わないところがあって、ん?って思ってしまった。
そこは、読んでいる人が落ち込まないように、現実には戻すために、あえて、なのか? 笑 -
忽然と姿を消した人がある日突然失踪中の記憶を失って戻ってくる…こんな事件が3件連続で発生。
結局多聞はすでに盗まれていたのかそれとも長靴のおかげで盗まれていなかったのか…。
なんだかちょっと気持ち悪いホラーのようなお話でした。 -
面白くて一気読み
水と異世界の関係性思い出した。
町中に水脈がめぐってる話恩田陸であった気がする…
何も知らずにみんなと同じタイミングで盗まれたい。 -
ミステリ?ホラー?SF?
帯の 懐かしくて、やがて怖い は、正に!という感じ。chapter Ⅺ辺りまで、ゾワゾワとうすら怖さを感じつつも、手が止められず一気読み。
が、読後もやっとしてしまったのは何故だろう…
再読すれば消えるだろうか -
ミステリー、SF、ファンタジー全ての要素があり、またそれが本の雰囲気を変えることなく描かれていた。登場人物の感情の揺れや変化が細かく書いてありその場の臨場感や混沌とした状況が伝わりました。
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以前「月の裏側」を読んで塚崎多聞が再登場していると
読了後に知ったので、初登場しているこの作品を手に取りました。
この作品も「月の裏側」と少し同じようなテイストで
SFとホラーとミステリーが混ざったような
不気味な独特な雰囲気でページをめくるごとにドキドキとしました。
得体の知らない、分からないものにびくびくしながらも、
その正体を恐れずに暴こうとしたり、
マイペースな多聞の性格にちょっと驚いてしまいます。
怖さの心理について時々多聞が語っていた所が印象的でした。
得体の分からない物の正体が分からないからこそ
どんどんと人間の想像力が増していき、
更に怖さが増していくという本能。
それと
恐怖と愛情は似ている。
恐怖は愛情を産むのがセオリーだ。
恐怖を一緒に体験することで、愛のエネルギーは増強される。
恐怖について語っていると、その反動で愛について語りたくなる。
人々は恐怖を語ることで愛を語るのだ。
まさに人間の想像力くらい怖いものは無いと言える
ストーリーになっていて、この裏には何が潜んでいるのかと
そればかり探ってしまいました。
月の裏側というタイトルなので、
もしかしたら表側だと思っていた世界が
実は裏側だったということもあり得るので
それも考えながら読んでいましたが、
結局何が何だかよく分からないで終わってしまいました。
ただじめじめとした暗い場所や水の中、
そして雨や川といったものがかなりはっきりとした正体が
分からないにもかかわらずゾクゾクとした怖さを出しているなんて
恩田さんの表現力の描写には凄いと思いました。
読んでいる時期が冬だったのでそれ程の怖さが
まだ身に沁みませんでしたが、梅雨や夏場だったから
この不気味さは半端ないかと思います。
読解力が乏しいのでレビューを書くのも難しいですが、
じわじわと迫りくる恐怖を味わってみたい方、
この不気味な正体を暴いてみたい方は読んでみて下さい。