- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344403154
感想・レビュー・書評
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「守ってあげる!」
あちこちの壁に当たってはね返ってくるスカッシュ・ボールのように、これらの言葉はいつまでも隆夫の中を飛び交った。そのうちその球は、壁の中へ吸い込まれた。
カチャンと軽い音がした。「十円玉入れたよ」と繭が明るい声で言う。(きっと、この時のためにこの十円玉はあったんだ。そして役立ってくれるんだ)そう思うと十円玉がいじらしかった。
「なら、あと三分話せるか」
言い方に優しさがあった。繭にそれが伝わった。微笑している彼の顔が見える。
「うん」
「といっても、何話そう?」
「あたしね…」
「…」
「ペンギンの話が聞きたい」
その声が、かすかに震えた。
「それに…」と繭が言いよどむ。「ひょっとしたら」と無理な笑顔を作る。「ひょっとしたら、先生ならそれでもって…ほんのちょっと期待したりしちゃって…だから、頑張って来たの、一生懸命来たの」
隆夫は反応しない。頬杖をついたまま、じっと動かない。
「けどやっぱり…先生はヤだよね。こんなあたし、ヤだよね。…あたし…先生大好き」
あたし、先生と普通の恋がしたかった。映画みたいな出会いじゃなくていい。普通に出会って、手をつないで、オシャベリをして、時々はヤキモチもやくの。春が来て夏が来て、秋が来る。ちょっとずつ、ちょっとずつ二人の間に同じ雪が積もる冬も来て。
バカだねあたし、自分はちっとも普通じゃなかったのにね。あたしはお父さんと…あの人と遠くに行きます。あの人は少なくともあたしが必要なの。きっとあたしも、一人っきりは寂しいから。
いつも思ってたことがあるの。人が周りにいないからじゃなくて、自分をわかってくれる人がいないから寂しくなるんだね。
先生も時々寂しそうだったね。できればあたしがずっとそばにいたかった。いつか先生に恋人できたら、きっとあたしのことは忘れちゃうね。けど、あたしは忘れないでもいい?鎌倉で、一緒に結んでくれたオミクジのこと、忘れないでもいいよね?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
学生時代にドラマにハマった。
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野島伸司の恋愛ドラマ。
生徒と先生の禁断の愛。
TV放送は見てなかったので、いつか読みたいと思ってた。
予想してた以上に描写がザックリで、展開が早い。
こういうスタイルなのかな、この人の作品て。
え、っていう急展開が何度かあって、読み返すことも多々。
でもなんだろ、そこが魅力なのかな。
他の作品も読みたいと思ったな。
基本、救われない話なので、好みが分かれそうな感じ。
僕は好きです。 -
時代を感じた
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今さら再読してみた。やっぱ影絵につきますな!(笑)
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ドラマは全く見てませんでしたが読みましたが、この作品はやはりドラマでやるべき作品ですね。ドロドロさがすごいです。自分女子高生ですが、こういうことになるのは有り得ないですね;でも、同性愛は入れなくても良かった気がする。途中までしか先輩も出てこないし。色々問題詰め過ぎちゃってて少し薄っぺらさを感じます。
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ドラマは全く見てませんでしたが読みましたが、この作品はやはりドラマでやるべき作品ですね。ドロドロさがすごいです。自分女子高生ですが、こういうことになるのは有り得ないですね;でも、同性愛は入れなくても良かった気がする。途中までしか先輩も出てこないし。色々問題詰め過ぎちゃってて少し薄っぺらさを感じます。
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これで(ドラマだけど)真田さんにはまりました・・・・・・。
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これはもう…切ない。
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ラルクのてっちゃんも大好きですね。
僕も大好きです。
教師×生徒・同性愛・近親相姦・強姦。
大変濃い内容ですが、素晴らしいものが伝わってきます。