依存 (幻冬舎文庫 に 8-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 632
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (638ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344404472

感想・レビュー・書評

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  • タカチ怖す。

  • 語られないエピソードがあったから別の話があるんだろうなとは思ったけど、シリーズものだったのか…
    登場人物が全員初見だったので「ふーん」という感じ。
    逆に思い入れのある人には感慨深いのかもしれない。

    私的には語り手のウサコの偏ったフェミニズムや大学生的なノリが苦手。
    でも断片的な情報だけで議論していくのは面白かった。

    とりあえず文庫の裏の説明にはシリーズと明記してほしいなあ。

  • 長かった~

    ん?と思いながらも、先が気になって、ボリュームのわりに読みやすかった。

    タックの過去があかされるとともに、タカチとの関係もまた一歩進んだ感じで、次の展開に期待を持たせてくれます。

  •  大好きなシリーズなのに、なぜかしばらくの間遠ざかっていた。長編としては2作目くらいが頂点で、あとは少しミステリとしての面白さに欠けるようになってしまったからかなあ。基本的には短編向きのシリーズだと思うので。

     短編向きというのは、要するに酒を飲みながら大学生があーでもない、こーでもないと想像をたくましくしながら議論をする、というのがこのシリーズのお約束だからである。短編なら「ああ、こういう解釈もあったか」と膝を打つような切れ味が感じられても、長編になるとどうも「無理やりっぽさ」が醸し出されてしまう。そのあたりを、登場人物の魅力や、その人間関係への興味で補っているように思う。

     この長編もご多分に漏れず。大きな枠があって、そこに全体を貫く謎があるんだけど、この謎はどちらかといえばミステリ的な謎と言うよりも、普通小説に寄りのものである。そしてその中に単発でいくつもの小さなミステリが提示され議論され一応まとまる。その一連の流れから感じられる人間の悲しさみたいなものが、タイトルと大きな枠の内容に響きあう。いい趣向だと思うけど、途中でちょっとあきてしまうような気持ちになった。

     シリーズキャラクターに焦点を当てて読むと、今までのどの作品よりもドラマチックと言ってもいいと思う。馴染みだったはずの人物の新たな側面が次々と見えてくるし、人間関係の重大な変化が生まれてくる。特に、結末部分の緊張感は、シリーズとして白眉だと思う。息を詰めながら読み、最後にほっとため息をつくようにして本を置いた。

     ただ、そのすごさは、残念ながらこの本一冊を読んでも感じられないと思う。長編をすべて時間順に読んで、短編では最低「黒の貴婦人」だけは読んでおかないと、内容的にも精神的にもついていけないように思う。単純にミステリとして読めば、もうひとつ物足りなさが残る作品だと思うので、遠回りなようでも第1作から読み続け、4人組のファンになってからこの「依存」を手にとってほしい。なかなかのものだから。

  • タック・タカチシリーズ初読みが、この『依存』でした。
    予習なしで読み、そこからシリーズを買い始めたから購買意欲を湧き出させる何かはあったと思うけど、シリーズの他のを読むと毛質は違うと思う。

    語り手であるウサコというキャラクターがまず魅力的だった。
    特質なといっていい仲間の中にいる彼女の平凡さ、それ故の苦悩、憧れ。
    タカチとのやり取りでは、痛々しくも感じてしまうほどだった。

    思い出補正があるのは否めないけど、一番好きな本です。

  • ここまで重くしなくてもいいだろうというくらい重かった。
    タカチの過去もあれなのにタックまでこれかい。重たいカップルだなぁ。
    というかタカチは本当にタックのことが好きなんだろうかと個人的には若干疑問です。好意を持っていることはまぁ分かるんだけども、それが恋愛かっつーと微妙なところ。
    「借り」を返す為ならそれくらいのことは言いそうなお方なので、どうなのかしらんと思わんでもない。

  • 匠千暁シリーズ。
    このシリーズが苦手…と思いながらも、読んでみました。
    まずはこれ、ミステリとは言い難く、重い青春小説というのが、自分が持った印象です。シリーズ主要登場人物の人物部分に焦点を当てているので、シリーズを読んでないと、なんだかわからないことになってしまうと思います。
    重くて暗い。ジェンダー扱っているのが、自分の好みでないのだと思います。

  • 初めて読む本だと思って買ったら、覚えのある内容でした。
    どうやらシリーズ物で、多分他のやつを読んだことがあるんだろう、と。


    タイトルから想像していた内容に比べて、かなり軽ーいノリ。
    ノリと内容が合わない。
    話の中で語られるエピソードが後々なるほどね、と繋がっていく感じですけども。

    どうも誰にも感情移入できない。あんな風に夜毎討論している大学生って…とか妙に冷めてしまうので。
    そして何より、タックだのタカチだのあだ名で書かれているので誰が誰やらサッパリ。

    合う人には合うんだろう。

  • シリーズの中で特に好きな一冊。
    タックの暗い過去が明らかになります。

  • タック&タカチシリーズ。白井教授の自宅に招かれた一同は、教授が再婚した美しい奥さんに出会う。しかしその奥さんを見てタックは「あの人は自分の実母で、兄を殺した人だ」と衝撃の告白をするところから物語は始まる。

    今回の語り手はウサコ。今までスポットが当てられなかったウサコの人格に強く焦点が当てられる。また、タックの過去も話されたり、ボアン先輩が大活躍したり、キャラクターの良し悪しが多く語られるところが面白い。

    ストーリーはタックの過去、友人のストーカー被害や昔の誘拐事件など、推理物語的には地味なものを皆で議論する場面がほとんど。面白くない人もいれば逆もいるだろう。個人的にはまぁまぁというところ。

    タック&タカチシリーズを読み進めるには絶対に読まなければいけない作品である。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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