ささらさや (幻冬舎文庫 か 11-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 2437
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344405042

感想・レビュー・書評

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  • 赤ん坊のユウスケと莢は佐々良という町に移り住むことから近くのお婆さんやママ友が出来たりしていく。事故で亡くなった夫が、「バッカさや」と莢が困った時に誰かに乗り移って助けに来るというお話。ほのぼのしていたり3人のお婆さんたちのやりとりがあります。映画ではどのように表現されているのでしょうか?

  • なんとも優しくて暖かいミステリー。あまり凝った仕掛けはありませんが読んでいて気持ちが良くなる作品です。この人の作品はもう少し色々読んでみたいですね。

  • 事故で夫を失い、幼い赤ん坊を抱えて佐佐良の街に移り住んだサヤ。
    そこに住む人たちとの出逢いと優しさがサヤを強く育てていく。
    素朴だけど切なく、哀しい物語に温かい涙がこぼれる。

    2015.6.21

  • 最初は、夫を亡くした主人公サヤの頼りなさぶりに、同じ女としてイライラ…。そのうちエリカが出てきて、スカッと言いたいことを言ってくれる。お年寄りもどんどん出てきて賑やかに。
    けっこう泣ける。

  • やっぱり好きだなぁ。最近映画になったのを観てまた読みたくなったのだけど、映画はかなり脚色されていたんだなぁ。一度読んだのがずいぶん昔で大まかなところしか覚えていなかったので、読み返してから観なくてよかったかも。

    さやとおんなじ状況になったとき自分があれほど強くあれるだろうかと考えずにいられない。温かい話だとは思う。思うけども、旦那さんがいなくなってしまったのはつらすぎるよ……。さやとユウ坊には幸せになってほしいけど、やっぱりそれは"家族三人で"であってほしかった。それじゃあお話にならないのは百も承知ですがね。

    久代さん、お夏さん、珠ちゃん、エリカさんがいてくれることの、心強いこと。さやの未来が明るいものでありますように。そう祈らずにはいられません。映画もまた観たくなっちゃった。

  • 映画「Twilight ささらさや」を観た後、書店でコブクロの「Twilight」と映画のプロモーション映像をエンドレスでかけている中、文庫を平積みしていたこともあり、手にとって購入した作品です。

    どうしても「バカっさや」というあのセリフを脳内で大泉洋さんの声で読んでしまったり、サヤのセリフを新垣ゆいさんの声で読んでしまったり。と映画と照らし合わせながら読みつつ、作者の加納朋子さんの優しさをそのまま表している優しい言葉達に心洗われる気持ちになりながら読ませていただきました。

    この作品の中で描かれているのは母親が子どもを思う時、この世界の何よりも強い存在になる事、母親の偉大さを加納さんらしい柔らかいタッチで書いている事もそうなのですが、子どもの事については、親が責任を持つのは当然の話としても、親に過剰な責任を負わせることがないように子育てに対して周囲の大人の理解と協力が必要という、昔は誰に教わることなく当たり前に出来ていたことが情報社会が進む現代では失われてしまっている現実を優しく突き付けられたようで、そういう意味でも自分自身の身に置き換えて考えても、自分が子どもの頃の大人のように子どもに対して優しい大人であるかどうかを問いかける、心が痛む作品でもありました。
    厳しくはないからこそ現代社会の抱えている問題について深く考えさせられる作品でもあります。
    (作者としてはそこまで考えてもいなかったのかもしれませんが)

    またコブクロファンとして、私個人としては、それまで「母親に大切に育ててもらった息子として母親に対する思慕」を多く歌っていたコブクロがこの作品と出会ったとこで、父親としての子どもに対する愛情と母親として子どもと接してくれている妻に対する敬愛の情を歌った「Twilight」が誕生したのは、本当に人と人とが出会うことで、人は成長し変化するんだな。という事を理解できました。

  • ありふれた設定ながら、人物描写の上手さと視線の優しさで、素晴らしい作品に仕上がっています。自分の子どもはもう大きくなったけど、赤ん坊の頃に感じた何とも言えない温かい記憶が蘇ってくるようです。三人の婆さんたちの歪んだ魅力も捨てがたいですか、個人的にはダイヤが一番好きかな。

  • 何年か前に買ったきりそのままになっていた本を見つけたので読んだ。
    主体性がなく、他力本願ですべて為されるがまま、どこまでも気弱なヒロイン。幼な子がいることも相まって周囲が放っておかない。オロオロしているうちに誰かが助けてくれる。

    ‥とついイジワルな目で見てしまった。

    個性豊かなおばあちゃんやシンママと過ごす彼女の日常は楽しそうだ。ここでの彼女は不幸ではないと思う。

    ところでこの小説は連作ミステリなのか?ファンタジーじゃなくて?

  • 加納さんお得意の、日常にある少しの謎とホッコリ&少しウルウルな感じの本です

    加納朋子さんの本ってミステリィなのに、誰かが殺されたり恨まれたりみたいな事が無く、ほっこりするようなお話しが多くて安心して読めます(*^^*)

  • 20170618

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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