闇の子供たち (幻冬舎文庫 や 3-11)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344405141

感想・レビュー・書評

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  • あくまでフィクションのタッチで綴られているが、限りなくノンフィクションに近い。映画も制作されているが、現地での上映は拒否されている。幼児の売買春や臓器売買(ここは本意気に否定されている)がテーマで、読み進めるのがとにかく気持ち悪い。でもこうした弱者が構造的に作られていることは否定できないし、事実であることは間違いない。なぜ人は慎ましやかに生きられないのだろうか。

  • 目を背けたいけど、背けてはいけない…
    いろんな事を考えさせられる作品でした。

  • 「読書好き」になって以降の10何年かのうちで、史上最低に胸くそ悪くなった作品。

    序盤、中盤の性描写もしかり、結末もしかり・・・・。

    ただ、、、、、この作品はフィクションではあるが、その最低最悪な作品世界で描かれた児童売買や児童買春、臓器売買等は現実にある事実。
    ならば、あの凄惨な性描写も恐らくは現実に日毎夜毎に繰り広げられているのだということも、必然。
    現状を訴えようとする一部の善意の者が、武力や暴力を用いて闇に葬られるということも、現実に起きていることは必然。


    筆者の訴えたいであろうことは、十分に伝わってきた。
    平和ボケした国に生まれ育った我々は、一度は読んでみる価値がある作品なのかもしれない。

    ただ、、、、、ただし・・・。
    フィクションの「物語」として見ると、いかがなものか・・・。
    登場人物の視点がころころと変わり過ぎて、落ち着かない。
    回収されずに放りっぱなしな伏線らしき描写が多数。
    胸に迫ってこない、取って付けたような薄い恋愛描写。





    この題材(人身売買にまつわるエトセトラ)を世に広く知らしめるという目的がメインであるならば、小説としてではなくノンフィクションとして出版すればよかったのに、と思えてならない。

    ★3つ、7ポイント。
    2017.11.14.古。


    先日、レンタル店にて同名タイトルの映画を発見。胸糞悪くなった思い出しかなかったため、
    あらすじ読む気にもならなかったから、本当のとことはどうか知らないけれど……「原作者」の欄にこの筆者の名があった。

    映画化されてたのか……。

    あの内容、映像化できるのかしら?

    と……

    ついこの前のW杯セネガル戦への煽り番組にて、臓器移植を受けた少年と原口元気との交流がクローズアップされていたが……

    「その臓器は、どこからきたの?」
    と思わずにはいられず、感動エピソードに素直に感動し切れなかった(苦笑)。

    2018.07.12.追記。

  • 人間は鬼畜を通り越してもはや動物以下の存在と再認識。

  • 正直。。。途中何度と本を閉じたことか。。
    不快感。。。嫌悪。。。気持ち悪い。。
    非現実にしか思えない内容が現実に起きてることかもしれないのに。。
    嫌悪を覚える自分に。。また嫌悪。。。

    この本の中で、メインに描かれているのは、臓器売買の事よりもペドフィリアと呼ばれる小児性愛。。
    これは。。性愛であるのだろうか。。もうほとんど拷問。。虐待。。。
    これがなんであるかわからないまま。。ただ暴力に怯え。。調教され。。大人の玩具にされる。。
    こんな子供達相手に。。心は痛まないのだろうか。。。それよりも。。快感が優先されるの?
    貧困につけこみ子供を買い奴隷にする方が悪いのか。。
    求める人がいなければ。。商売にならないはずなのに。。
    それを求めて各国からやってくる人達。。。
    同じ人間相手に。。子供相手に。。。

    こういう問題に解決は見当たらない。。。
    国も政治も、役人も。。皆が承知での虐待。。。

    求める人。。。
    だったら。。そういう性愛を好むように生まれたのが悪いの??
    そういう性愛をおさえる事はできるのだろうか。。。
    それを好むと好まずとも。。そういう性癖で生まれてしまったら。。。
    どうすればいいの??
    堂々巡りで。。解決策はなく。。。

    この本の中でも結末は描かれていない。。
    ただ。。。この問題を自分の問題として少しでも一緒に戦おうとする日本人と。。。
    向こう側。。。所詮。。。他の国の問題と。。とらえる日本人。。。
    それまで一緒に立ち向かっていたかと思っていた二人に、根本での考え方の違いで、道がはっきりと別れた事を描いて終わっている。。。

  • 日本人女性初のLA警察官で、人身売買に立ち向かうNPOであるlove spectrumを設立されている永田有理さんという方がいます。その方のインスタライブで、この本に書いてあることはフィクションだがほぼ実際に起こっていること、とお話しされていたので読んでみました。子供たちが売られ、性的に搾取され、臓器売買され…このようなことが世界のどこかで起こっているという事実に驚愕しました。あまりの生々しい描写に顔を背けたくなるほど…

  • タイの貧困村を舞台にした児童人身売買とそれを暴こうと奔走するNGOの女性の物語。
    わずかなお金の為に親に売られた少女。
    売春宿で先進国の幼児性愛者に性虐待をされる描写はあまりに衝撃的で何度も本を閉じた。
    生きたまま臓器を取られる少女もいる。
    救いがなくやりきれないが読んで損はない。
    この世界は知っておいたほうがいい。

  • 過去分

  • 人間は、人間のままどこまで他人に無慈悲になれるか書かれている。文体がドライなのと、日本が舞台じゃないので最後までは読めるけど、世界のどこかの現実なんだろうな、と思うとやるせ無さは残る。

  • これ映画化されて、ノンフィクションと紹介されてたけど実際にはフィクションということで随分と騒がれた覚えがある。

著者プロフィール

1936年生まれ。『血と骨』『夜を賭けて』など作品多数。

「2020年 『魂の痕(きずあと)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梁石日の作品

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