雨にぬれても (幻冬舎アウトロー文庫 O 40-3)

著者 :
  • 幻冬舎
3.41
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本棚登録 : 153
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344406537

感想・レビュー・書評

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  • お気に入りは「リクルートスーツの孤独」

  • このシリーズ好きなんですよねぇ…特にこれといったことのない人間の日常を描いているんですけれども、この人の手にかかれば面白い読み物に変わるというか…当作品はシリーズ三作目ですけれども、また前二作を読み返したくなりましたもの…。

    今回はアレですね、一作目に登場してきた中年の女性がついに! 彼氏をゲットするという…続編として登場してきましたねぇ…まあ、彼女がお幸せになればいいのですけれども…この文庫本が出たのがすでに10年くらい前ですから、今ではもう還暦を迎えているはず…ハッピーになっていればいいですね!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    というわけで、この人の本はもっと読みたいですなぁ…と感じさせてくれるノンフィクションでした。おしまい…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • コラム・ノンフィクションのシリーズ第3弾。

    とくに印象に残ったのは、著者が現役中学生に聞いた話(「中学生」143-152頁)。
    中学2年生の男子というと、なんだか反抗期真っ只中のイメージ。←それは偏見w
    だけど実際の彼らは、父親の助言を素直に受け取ったり、家庭の財政をそれとなく分かって気にしていたり…
    学校の規則を頑なに守ったり(野球部に所属している彼らが問題を起こすと、部活停止になり皆に迷惑がかかるため)、ままならない恋愛に苦しんだり…。
    自分が中学生だった頃は、もっとガムシャラに生きていたよなぁ~と、しみじみ思った。
    でも、いつの時代の中学生も悩む事柄はそんなに変わらないものなんだなぁと思い、少し安心もした。

    今回は、前作までとは趣が少し違ったように感じた。(ウェブマガジンの月一連載を編集したものだから?‥は関係ないか。)
    とくにテーマも掲げられていなかったので、最初は戸惑ったが、逆にテーマの“答え”に近づこうと意識しなかったぶん自由な読み方ができたともいえるのかな、と思う。

    あとがきには取材した方々の後日談などが書いてあり、これがまた心温まる内容だった。
    何より著者の結びの言葉が、本書を読んで勇気づけられた人々の総意だなと思った。

    〝失恋しても、失業しても、病気になっても、自信を失っても、人は生き続けているということ。この単純な事実に私ははげまされている。〟(259頁)

  • 隣にいる様な普通の人々。
    彼らの喜怒哀楽が、胸を揺さぶるのは
    何故でしょうか。
    筆者の腕と心を、感じます。

  • 一人ひとりにいろんな物語があるのだなとつくづく思った。それをそのまま、書き取っている感じ。

  • 普通の人達の人生を切り取ったノンフィクション。
    消えた探偵は謎だなー、本当に探偵だったのだろうか?

  • その夢について少しだけ書く。私は本書に書いたような文章を新聞紙面に載せたいと思っている。アメリカのコラムニストのような仕事をしたいのだ。新聞の隅っこに載っていて、朝食を食べながら読んだ人がふとコーヒーカップを宙で止めるような文章。そしてその文章が心に残り、その日一日人に対して優しい気持ちになるようなもの。

    あとがきのこの一文は名文だ。

  • おそらく登場人物それぞれが自分とはそれほど遠くない「フツウ」の存在であるからこそ、その生活の中での些細な喜びや悲しみが一層強く共感できるんだなと思う。

  • 携帯電話が壊れた。そんな日に限って、予定があり、それなのに急な残業は入り、持ってた本は読みやすくて行きの電車で読み終わり、新しい本を買える本屋の営業時間に帰れず、苦痛のままにこの本を2度読み返す。
    いや、この本自体は読みやすくて苦痛ではない。市井の人々をすくい上げる。この人のエッセイを読むのは3冊目だが、ボブ・グリーンを目指すというのもわかる。技巧的なものを感じても、それを差し引いても、ここに現れたような人が生きているということを忘れない。

  • 2008.02.22

    この人の本は初めて読んだのだけど、面白かった。市井に生きる「普通」の人々にスポットを当て、インタビューをして書いたルポタージュ……というのかな?

    「普通」の人々も、本当はそれぞれが特別なその人だけの人生を生きていて、誰一人として同じでない。この本では、生きる上でのささやかな喜びや哀しみ、そういったものが丁寧にすくい取られていて、見知らぬ人たちの生きざまを応援したくなるし、また、無言のエールを受け取ったような気にもなる。”ま、お互いがんばろうや”、みたいな。

    上原氏は新聞のコラムを書くのが夢なんだそう。彼の書くコラム、ぜひ毎朝読んでみたい。
    ロバート・フルガムを日本的にして、人生の悲哀のような部分をより強く打ち出した、みたいな印象を受けたのだけど、どうだろう?

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著者プロフィール

1949年、神奈川県横浜市生まれ。立命館大学文学部哲学科卒。エッセイスト、コラムニスト。記録映画制作会社勤務のかたわら、雑誌「思想の科学」の編集委員として執筆活動をはじめる。その後、市井の人々を丹念に取材し、生き方をつづったノンフィクション・コラム『友がみな我よりえらく見える日は』がベストセラーとなる。他の著書に思想エッセイ『「普通の人」の哲学』『上野千鶴子なんかこわくない』『君たちはどう生きるかの哲学』、ノンフィクション・コラム『喜びは悲しみのあとに』『雨にぬれても』『胸の中にて鳴る音あり』『にじんだ星をかぞえて』『こころが折れそうになったとき』『こころ傷んでたえがたき日に』などがある。

「2021年 『晴れた日にかなしみの一つ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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