星宿海への道 (幻冬舎文庫)

  • 344人登録
  • 3.39評価
    • (16)
    • (41)
    • (83)
    • (10)
    • (2)
  • 35レビュー
著者 : 宮本輝
  • 幻冬舎 (2005年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (470ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344406919

星宿海への道 (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 読み始めていきなり、「何て素敵な文章だろう!」と思いました。
    久々に読み返した本ですが、この物語にはこれ以上の書き出しはないのでは?と思います。
    スッと文章が中に入ってきて、目の前に見たこともない異国の風景が広がります。

    中国のウイグル地区で消息を絶った一人の50代の男性-雅人。
    その弟、紀代志はそれを機に、兄との思い出を追憶すると共に、自分が今まで知らなかった兄の姿をたずね歩く。
    それと同時に、雅人の子供を一人で出産した恋人の千春により、大人になってからの雅人の姿が描かれていく。

    行方知れずとなった雅人は、8歳の時に紀代志の両親の養子になります。
    それまでの雅人は盲目の母親と朝から晩まで物乞いをするという暮らしをしていました。
    何故、それが養子になったのかというと、紀代志の父親が車を運転していた際、雅人の母親にぶつかった事があり、それが原因で母親が亡くなったのでは?と心を痛めていたから。
    実際にそれが原因で亡くなったのかは分からない。
    だけど両親は何のつながりもない雅人を自分の子供のように育てた。
    誰にでも出来ることじゃないです。
    養い親も弟も全員いい人たち、そして当の本人の雅人も穏やかな性格で人柄がいい。
    それなのに、とうとう本当の親子、兄弟にはなりきれなかった-。

    以前一度だけ読んだ本ですが、ちゃんと内容を覚えていました。
    特にとても衝撃を受けた文章があり、それがずっと記憶に残っていました。
    ホント人間って、これが同じ人間か?と思うような人がいるんだと・・・。
    そして信じられないくらい優しい心の人もいるんだとも思いました。
    物語の全てを知って改めて最初から読むと、雅人の言った「異族」という言葉がグッと胸に迫りました。
    それを言った雅人の心やそれを聞いた弟の心を思うと心揺さぶられる思いになりました。

    雅人という人はどういう人だったのだろう・・・。
    どこにでもいるような風貌と穏やかな性格。
    その心の奥にあったものは-。
    そう思いながら読み返すと、最初の文章が心に迫ります。
    そして「異族」という言葉が。
    ただこの物語は暗くて深刻なだけのお話じゃありません。
    それは雅人と千恵の子供、せつの存在があるから。
    優しい心はこの小さな命につながれていくのだ・・・。
    そこに小さな灯を感じる。
    せつなくて、温かい涙がこぼれました。

  • 平成29年3月

    あまり面白くなかった。
    話のネタが好きじゃなかったんだな。

    兄弟、その兄の妻。その三人を中心とした話。
    兄と言っても、訳あって中学くらいに養子になった兄。
    その訳もイマイチぴんとこなかったです。
    兄が中国で行方不明になり、兄の過去を探る。
    そこで、兄の妻と弟が初めて出会い兄が分かっていくような、いかないような。
    兄は、母を求めてたってことなのかな。
    その後もなんとなくぴんと来ないまま終了(-_-;)

  • んー
    少し無理矢理読みきった感じがあったかな。

    星宿海、綺麗な名前、
    どんなところなんやろ。

    昭和の情景といい、
    雅人やその周りの人々のキャラといい、
    星宿海がある中国が絡んでくるところといい、
    それから大阪が舞台であるところといい、
    なんというかドロッとすごい濃い感じのイメージ。

    ちょい苦手かなー

  • 中国旅行の途中、カシュガル郊外の村でその足取りを絶った兄の雅人。失踪の謎を追ううち、兄の生い立ちを改めて辿る決心をした紀代志は、幼い頃の記憶を行きつ戻りつしながら、兄と関わった人々を訪ね歩く…。
    兄が憧れ続けた星宿海とは何なのか、あれほどまでの執着にはどんな理由があったのか。知りたい気持ちとすべてを暴くことへのためらいとの間で揺れながらも、次第に兄の核心に近づいていく。最後に見えてきたものは、限りなく切ないものだったが、残された人々の希望がどこか爽やかな印象も残した。

  • 中国で消息を絶った義理の兄探しをするために、弟がいろんなツテを辿って、その兄に知られざる半生に触れていく。この手の失踪者の足跡をたどるヒューマンミステリーみたいのが、平成の宮本輝作品に多いが、類作同様やや凡作の感じが否めない。

    出だしは印象的なのだが、途中、ペースが落ちる。
    物乞いをしていた実母を失い、その実母を喪わせた原因のある家庭で養われながらも、決してひねくれていない兄。第一章の家族愛は涙をそそるのだが、関西特有のいぎたないチンピラとか娼婦とか、この人の作品にテンプレ的に出てくるあたりや、特にヤマもなく伏線もなく淡々と進む筋書きに飽きて、一旦投げ出した。

    母への思慕が深いのはわかる。が、五十男が仕事も、産まれたばかりの母子を放り出して、自分探しってどうなんや! アホか! と言いたくなった。

    飛ばし読みしたところ、確かに失踪するやむを得ない事情はあったろう。母の復讐のために人生を棄ててしまった。ただ金貸しというテーマ、おそらく作家の青春時代の痛恨事なのだろうか。

    全体として、火曜サスペンスみたいな感じ。
    この人の初期作はおもしろいのに、年とともにつまらなくなってくるのが哀しい。

  • 中国を旅行中に姿を消した雅人。
    血の繋がらない弟や籍を入れずに彼の子供を産んだ女性、学生時代からの友人たちが彼の安否を想う。
    雅人には簡単には語れない過去があり、姿を消した地にはある思いがあった。
    真実はわからないが、それに近づいた時、彼に関係する地に引き寄せられる。
    そして、雅人の人知れず抱えていたであろう出来事に胸を揺さぶられる。

    2014.12.13

  • ハネムーンの飛行機とトランジット中に完読。
    家族の話。
    人間くさい話。
    昔は?今も?愚かな人に振り回されていたのだろうか。
    親戚も何も信じれない時代か。

  • 人は誰しも、心の中に決して消えることのない原風景というものを抱えている。それが現世にはない想像上の地であったとしても。ふと目を閉じれば浮かんでくる、そんな風で消え入りそうなものを心の糧にして、辛い現実も這いつくばって生き抜くことができる。雅人が夢にまで見た星宿海、そこに至る決して平坦とは言えない道はまさに彼が歩み生きてきた道そのものだった。決して過剰な表現はないし、物語のどんでん返しもあるわけではないのに、なぜここまで印象的な小説なのだろう。沁みる。

  • こういう小説がかける人ってどんどんいなくなるのかなぁ。荒々しい感じ、が今の脱力感、と比較されてとても新鮮です。新鮮といっては失礼かもしれないが。

  • 宮本輝らしい作品

    ラストは少し消化不良

    読み応えあり。

    雅人という人間性にひかれ
    ラストまでずんずん読める。

全35件中 1 - 10件を表示

宮本輝の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印

星宿海への道 (幻冬舎文庫)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

星宿海への道 (幻冬舎文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

星宿海への道 (幻冬舎文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

星宿海への道 (幻冬舎文庫)のKindle版

星宿海への道 (幻冬舎文庫)の単行本

ツイートする