交渉人 (幻冬舎文庫 い 18-3)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (454ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344407633

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    三人組のコンビニ強盗が、総合病院に立て篭った。
    院内の人質は五十人。
    犯人と対峙するのは「交渉人」石田警視正。
    石田はテレビやプロ野球の話題を織り交ぜ、犯人を思い通りに誘導、懐柔していく。
    しかし、解決間近と思われた時、事件は思いもよらない方向へ転がる。
    真の目的は何なのか?

  • コンビニ強盗が立て籠ったのは、多くの入院患者を抱える病院だった。ネゴシエーターという役割をもつ警視正石田は、人質奪還のために犯人たちと交渉をするが…。手に汗握る攻防戦が繰り広げられる。絶望的な状況下では、人は何とどう戦うべきか、考えさせられた。


  • 440ページ超えの作品は初だったけど
    読み始めたらそんなのどこかへすっ飛んだ。

    犯人たちが
    総合病院にいるのを発見するまでの
    一連の流れ臨場感がありすぎて
    緊張感が伝わってくる。
    本にひきこまれるどころか
    読んでいるうちに、
    わたしはわたしではなくった。
    わたしは、尚也だったし
    わたしは、渡辺巡査だったし
    わたしは、通信班の捜査官だった。

    ラストに向かうにつれやってきた
    突然の真実への入り口…。
    うそでしょ…
    そこからは、一気に読み進めてしまい
    3日で読み終えていたなんて。
    いやー、すごかったな。

    プロローグの
    遠野さんと石田警視正の感じに
    胸がぎゅっとなる。
    そのまっすぐさと、誠実さに
    警察官だった大事な大事な友人を思い出す。

    聞けば、
    五十嵐さんは振り幅がとんでもないという。
    シリアスなミステリを書いたと思えば
    爽やかな青春もの、ラブコメディもの
    そうかと思えば。あの『リカ』シリーズ…。

    どういうことなのだ。

  • けっこう前の作品なのに本屋で面陳されていたので、思い出して再読。
    交渉人遠野麻衣子の最初の仕事、ということになるんだろうか。
    前半の、立てこもり犯との息詰まるやりとりは、まさに「教科書通り」であり、非常に順調に進む。なるほど、ネゴシエートとはこのようにするのか、という面白みがあって、ハラハラドキドキしながら読める。対立する金本というキャラクターも、うまくこちらの反感を買うような描写になっている。
    そして石田警視正の読み通り、事態が進んでいくかと思いきや、第3章の「追跡」で突然不穏な展開になる。
    なんと、石田警視正の大失敗か? と思わせておいて、第4章の「真実」へなだれ込む。
    麻衣子がからくりに気づいた一言は、実に巧妙にまぎれこませてあって、思わずもとに戻ってその言葉を探してしまった。
    見つけた時には思わずうなってしまった。なるほど。確かに言ってる。
    償いとは何か、ということを考えさせられる結末だった。
    きれいごとかもしれないが、きれいごとを掲げないと泥沼を這いずりまわるだけになってしまうのだ。
    麻衣子の強さが清々しかった。

  • 犯人と立てこもり犯の逃走方法が分かりやすかった
    面白かった

  • 面白かった。私的には驚愕の展開。
    そうきたか‼と、思わず唸ってしまった。


  • 読み友さんが再読してて、やっぱ面白いって言ってたので読んでみた。

    面白かったけど、ちょっと期待値高すぎちゃったかもw

    元部下の恋愛感情を利用して復讐を果たすってのはよろしくないと思うぞ?

    んーと、20年前くらいの作品か…どうなんだろう?
    こんなヤバい病院の噂はネットで拡散されちゃいそうだけどなぁ。

    まぁ、医者とか、警察とか、教師とか、従事している職業で人格は判断できないってことよな…ホントに。

    優秀な女性が大活躍してくれて良かったよーw

  • ツイッターで回ってきた読書情報で、お、交渉ものか~、久々にこの手のものを読んでみようと思って手に取った本書。

    おもしろくて久しぶりに2日で読んでしまった。
    まあ、今の時代、ここに出てくる交渉術はどこかで聞いたこと、見たことがあるといえばあるものだけど、それでもこの手のやり取りは面白い。
    文体も私には合っていたようで、とくに車でのチェイスシーンは読むペースが一気に加速。もう朝になっちゃうよ~、と思いながらも読み続けさせられてしまった。ぜんぜん眠くならなかった! おそるべし、五十嵐貴久。

    本当の犯人と動機がわかってからは、まあ、そうですね、ある意味ベタな展開とはいえるでしょうか。でも本書の読みどころはそこではないと思うので、私的にはオールオッケーです。

    ともあれ、久しぶりに一気読みの快感を味あわせていただき感謝です。
    シリーズもののようだからほかのも読んでみ~よう。

    ===データベース====
    総合病院で立て籠もり事件が発生。人質は五十人。犯人との交渉のため呼び出されたのは、左遷された遠野麻衣子だった――。
    ベストセラーとなった傑作サスペンスが大幅改稿の上で、待望の復刊!

  • 一気に読み終えた
    どうしようもない怒りというのはその人にならないとわからない

  • 物語はコンビニ強盗に入った三人組が深夜の総合病院で約50人の人質をとり籠城。
    現場の指揮を執るのは警視庁の凄腕交渉人。

    人質の無事解放を目的に犯人との交渉にあたるが話は意外な方向に・・・

    非常にスピーディーなストーリー展開であっという間に読ませます。
    軽いタッチのサスペンスがお好みの方にはお奨め。

    ストーリー展開は軽妙なのですが、ストーリーの細部の詰めが甘すぎます。

    最初のうちは交渉人入門の様な基礎知識を説明しながら交渉が進みます。
    多少人質交渉の知識がある人には少々めんどくさい部分もありますが、基礎知識としては十分です。

    筆者は伏線としてちりばめるつもりのプロットも何故か鼻にツキ、トリックはある程度見え見え状態。

    結末の犯人の動機もかなり強引な感じが・・・・

    ここまで書くと駄作のようですが、基本的には軽~く読め、楽しめました。

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著者プロフィール

1961年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。『リカ』で第2回ホラーサスペンス大賞を受賞し、翌02年デビュー。以来、警察小説・青春小説・サスペンス・時代小説等、ジャンルにとらわれずに活躍中。

「2023年 『交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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